
このコーナーでは、「カラーミーショップ公式パートナー(制作会社)」に、実体験にもとづいた”リアルなネットショップ運営ノウハウ”を教えていただきます。
本シリーズは『ゼロから売上をつくるまでの道のり』をテーマに、ネットショップ「mogcook(モグック)」を運営する株式会社ディーグリーンさんに担当していただきます。
みなさん、こんにちは!株式会社ディーグリーンの立花です。
わたしたちは離乳食用に加工した旬の魚を、三重県から全国の子育て家庭へお送りするECサービス「mogcook(モグック)」を運営しています。
前回は、ネットショップのコンセプト設計・ターゲティングなどについて解説しました。
第2回となる本記事からは、わたしたちがショップ運営を通じて得られた「販売戦略」についての学びをご紹介したいと思います。
マーケティングミックスの「4P」
わたしたちが販売戦略を立案・実行する際、主に使っているのは「4P」というフレームワークです。
4Pとは、
- Product(製品)
- Price(価格)
- Place(流通)
- Promotion(販売促進)
に共通する頭文字の「P」をまとめたもの。
ネットショップのみならず、マーケティング活動でよく使われる要素です。
聞いたことがある方も多いかと思いますが、実際にネットショップの運営現場に落とし込むのは意外と難しいのです。…というのも、4Pで考える戦略は何が正しいのか? その正解がわからないからです。
そこで今回から数回にわたり、4Pの各項目ごとにmogcookが実践したことをご紹介しながら、ポイントをご説明したいと思います。
1. Product(製品)
まずProduct(製品)とは、一般的に「顧客が何を欲しているのか」を考える工程です。
具体的に何を欲しているのか、じつは顧客自身にもよくわかっていないことが多々あります。アンケートをとったり、顧客の行動をこまかく観察することで、潜在的に何を欲しているのかを先回りして把握・提供することが、新たな価値の提供につながります。
mogcookの場合
下の写真は、わたしたちが提供している魚の離乳食の試作段階です。
発売を開始した当初、mogcookでは加工の際に魚の皮をすべて取り除いていました。これは一般に出回っている離乳食レシピの多くに「魚の皮は取り除く」と書かれており、それに従っていたからです。
皮を取り除いた製品は、顧客アンケートの結果もおおむね好評。そのため当時は変更する考えを持っていませんでした。
プロフェッショナルの視点
なぜ今のように皮をつけることになったのか。
それは、現在mogcookの監修をつとめている料理家・栗原 友さん(栗原はるみさんの娘さん)からのアドバイスがきっかけでした。
栗原さんは築地の魚屋で修行をされていたこともある、魚のプロフェッショナル。
そんなプロの視点から「旨味が違うから、絶対に皮を残したほうがいい」とアドバイスを受け、皮がついた状態で発送するスタイルに変更したのです。
ビジュアル的にも魚の種類の違いがよくわかるようになり、おいしさも栄養価もアップ。これが商品力の向上につながり、結果として売上も上がりました。
このように「顧客が何を欲しているのか」を考えるとき、目に見えるものはもちろんですが、目に見えていない=「潜在的に欲しいもの」を考えることは製品設計の上で非常に重要です。
さらに、そうした潜在的な需要については、時としてプロの視点からフィードバックをもらうのが大切だということをわたしたちは学びました。
※ 気をつけるポイント
プロフェッショナルに意見を聞く前提として、自分たちの商品・サービスのコンセプトを確実に伝えておくことが必要です。
それをしないと、コンセプトに沿わないズレたアドバイスになってしまうことがあります。
まとめ
● わたしたちの顧客は、自分たちが欲しいものにまだ気づいていない。
● ヒントをくれるのは、プロフェッショナル。
次回は4Pの2つ目、Price(価格)について解説したいと思います。
今回ご紹介した制作会社
株式会社ディーグリーン
三重県南部、紀北町にある制作会社。ご依頼いただくデザインはWeb・広告制作物から事業全般のコンサルティングまで。ディーグリーンがめざすのは「地方だからできる会社づくり、挑戦心のある会社づくり」です。