よむよむカラーミー
ECサイト開設・運営のヒントが見つかるWebメディア

1時間で150件の受注も!「洋菓子の家mimi」が顧客の心をつかんだ3つのポイント

いつも画面越しに見ているネットショップのむこうには、想いのつまった“モノ”とそれを届ける“”たちがいます。このコーナーでは、知られざる商品開発ストーリーやお店の裏側に迫る現場レポートをお届けします。
今回ご紹介するショップ
静岡県富士市にある「洋菓子の家mimi」さん。「カラーミーショップ大賞2017」では、ブログやFacebookを活用した温かみある情報発信が評価され「ジャンル賞」を獲得しました。今回は地元静岡を中心とした EC の活用や SNS 上でのファンとの交流、ショップコンテンツ作りにおける譲れないこだわりについて、販売・企画を手がける宮坂 望美さんに詳しく伺います。

あのとき、カラーミーを選んだのは間違いじゃなかった

さっそくですが、mimiさんの成り立ちについて聞かせてください。

ここは私の両親が創業した洋菓子専門店で、まもなく丸32年を迎えます。
私と2人の妹はそれぞれ別の会社に勤めていたのですが、すぐ下の妹夫婦とともに店を継ぐことを決め、14年前に入店しました。

現在はネットショップ運営のほか、ワークショップや季節の行事などといったリアルイベントの企画・運営も行っています。

ご両親が創業したお店だったんですね! サイト運営に着手したのはいつ頃からですか。

ちょうど私が店に入った頃のことです。
これからの時代、ホームページのない店なんてありえない!」と両親を説得し、素人なりにいろいろと調べながら自分でホームページを立ち上げました。

14年前からご自身で! とても大変だったのでは…?

そうですね。制作の知識も当然なかったので、まずは初心者向けのホームページ作成ソフトを買ってくるところからのスタートでした。商品写真と紹介文だけを載せたごく簡単なページを作って、2年ぐらいは運営していたでしょうか。

でもWebの世界がどんどん進化を遂げるなか、どうしても個人の力に限界を感じはじめたんですよね。他のお店のようにネット注文も受けたいと思うようにもなって。

知識のない状態からネットショップを作るのは、当時かなり難しいことだったと思います。

その頃に出会ったのが、現在も制作でお世話になっている川崎 麻子さん(写真左側)です。

もともと妹のママ友だったということもあり、家族ぐるみで親しい間柄だったので相談してみたら快く制作を引き受けてくださって。

では川崎さんがサイトリニューアルとネットショップの開設をされたんですね。

はい! 彼女は私たちの思いを的確に汲み取ってくれるので今も非常に信頼しています。

ホームページは、カラーミーショップの姉妹サービス「ロリポップ!」を使っていらっしゃいますね。

私たちのリニューアル計画を知った別の友人から紹介してもらったんです。
サイトのURL(http://www.mimi.in/)を決めたのもちょうどその頃ですね。

当時は「.in」ドメインの受付がちょうどスタートしたばかりで、mimiにin (イン)という響きのよさが気に入ってすぐに取得したんですよ。

カラーミーショップを選んだきっかけは何でしたか?

「ロリポップ!」での運営がきっかけで知りました。月額や初期費用がリーズナブルで、独自のメールアドレスを取得できるのを魅力に感じたのは覚えています。

カラーミーさんにはサービス提供初期からお世話になっているのですが、10年以上たってもサービス内容が日々進化していくので私たちの見る目は間違ってなかったとしみじみ思います(笑)

「ロリポップ!」も「カラーミーショップ」も、長年使っていただきありがとうございます!

1時間で注文150件! 突然のWebメディア掲載とその後の話

mimi さんのネットショップは店頭受取の予約システムとしても機能していますね。

そうなんです。店頭受取の予約は地元のお客さまを中心にご利用いただいています。これが忙しい方には非常に便利なようで、深夜帯の注文がけっこう多いんですよね。

店頭や電話での予約には、時間的な制約がありますもんね。

そうですね。でもその一方で、日中はネットショップを見ながら電話でお問い合わせをしてこられる方が非常に多いのも特徴です。ネットショップの商品一覧が、ある種出前のパンフレット的な役割も果たしているのかなと感じますね。

そんな中、2017年の1月にはWebメディア「よむよむカラメル」でバレンタイン限定商品「半じゅくチョコ」を紹介していただく機会がありました。

よむよむカラメル
グルメ・雑貨を中心にカラーミーショップのお店を紹介するWebメディア。当メディア「よむよむカラーミー」の前身。

 

あのときは1時間で150件以上という驚異的な勢いで注文が殺到して…これまでそんな経験がなかったので私もスタッフも本当に驚きましたが、北海道から九州まで日本全国に商品をお届けすることができました。

そ、そんな事態にまで発展していたんですね…!

予定数8000個だったのを1万個まで増やしたのですがそれでも注文が止まらず、もしやイタズラ注文?と不安になるぐらいでした(笑)あれをきっかけに日本全国にリピーターさんが増えたので、うれしい限りです。

受賞を単なる思い出にはしない

それから約4カ月後には、カラーミーショップ大賞2017「ジャンル賞」を受賞されました。エントリーから振り返ってみて、当時の心境はいかがでしたか。

カラーミーさんとは普段 顔の見えないお付き合いですから、受付開始のメールを見たときは正直「へえ、こういうのあるんだ~」ぐらいの軽い気持ちでエントリーしました。

ですが、授賞式が想像以上のスケールだったのには鳥肌が立ちました!
他の受賞者さんとの交流やアドバイスもひとつひとつ刺激を受けましたし、Facebook で授賞式の写真を見た友人には「芸能人のパーティ?」と聞かれたりもして(笑)

もちろん思い出だけで終わりにはせず、今回優秀賞を獲られた10ショップさんのページを後日すべて拝見し、じっくりと研究させていただきました。

おおっ! 研究結果は何かに生かせそうですか。

専門知識のない私の代わりに川崎さんが全店舗の強みや運営努力を分析してくれたので、彼らと比較しながら自分たちの進む方向性、見せるべき内容を今一度しっかりと見定めることができました。
ホームページやネットショップを今後どのように展開させていくかは、今まさに話し合っている最中です!

結果に満足せず、さっそく次のステップへ動こうとされているんですね。

Instagramを活用! お店とファンを結ぶ温かな交流

mimiさんの受賞を後押ししたのが、日々の温かみあるSNS更新です。普段の運用はスタッフ間でどのように分担していますか。

私がFacebookInstagramを、妹がTwitterブログの更新を担当しています。

Facebookは特に更新が活発ですが、どういった投稿を意識していますか。

主にお知らせや長文です。ホームページはひんぱんな更新が難しいので、代わりにFacebook投稿をトップページに埋め込み、訪れたお客さまが常に最新情報をキャッチできるように工夫しています。

ふむふむ。それに対し、Instagramはいかがでしょう。

こちらはやはり写真がメインなので文章量は全体的に控えめにしています。旬のケーキや人気商品などを中心に「インスタ映え」を目指して頑張っているところです。

またInstagramはお店のファンとの交流の場としても活用しています。
店頭でのワークショップでオレンジの飾り切り(写真右上)を伝授した際、「おうちで写真を載せてみてくださいね」と伝えたところ、実際に何人か投稿してくださって!

それはうれしいですね!

お店に来てくださった方の投稿を “いいね!” したりフォローしたりで、今は少しずつフォロワーを増やすべく試行錯誤しています。まだ始めてから日が浅いので、探り探りですけどね。

カラーミーショップでもInstagram活用術を記事にまとめているので、よかったら参考にしてみてください。

ありがとうございます! さっそくチェックしてみますね。

「うちの良さ」を伝えるために他店を批判したくない

最後になりましたが、ネットショップの今後の目標を教えてください。

そうですね、今後はさらに日本全国へ私たちのお菓子をお届けできたらと思っています!

今の mimi は地域需要がメインではありますが、やはりネット通販といえば遠方の方にもお届けできるのが最大のメリットですからね。
思わず購買欲をそそるような、魅力あるコンテンツ作りが急務だと感じています。

コンテンツ制作において、特にどんな点にこだわっていきたいですか?

商品へのこだわりをお伝えするとき、なるべく他店を批判することは避けたいんです。
たとえば食品添加物の入ったケーキは世の中たくさんありますけど、「うちのケーキは無添加です」と言いたいがために何かを貶すような言い方はしたくないっていうか。

それでも他店との違いは表現しないと伝わらない…。もどかしいところですね。

そうなんですよね。“うちだけの良さ”はどうすれば伝わるのか、私たちも未だに悩んでいるところです。

でも考えてみたら、あの日「半じゅくチョコ」が飛ぶように売れたのは、きっと視覚的なおいしさがお客さまの心を打ったからだと思っていて。

そうですね。あのとろけるようなビジュアルには目を奪われました。

やはり食べ物ですから「おいしそう!」と思ってもらえるのが一番です。まずはビジュアルで目に留めていただいて、その次に素材や製法へのこだわりを、最後に作る人の思いを伝える。この三拍子がきちんと揃って、初めてお客さまの心を掴むことができるのかなと。

なのでこれからは、商品ページのボリュームをさらに拡充し、写真や文章のひとつひとつに私たちらしさを反映させていきたいです!

mimiさんの今後の展開に期待しています。今日は貴重なお話をありがとうございました!