商品点数44,000点以上! キャラクターグッズ通販「PERFECT WORLD TOKYO」が作り出す独自のEC空間
今回は代表の渋谷 厚介さん、副社長の細谷 明人さんにお話を伺い、キャラクターグッズ事業を始めた経緯や、ECモール出店の理由、ライセンス商品を扱うことのメリットや注意点、そして今後の目標について語っていただきました。
目次
「キャラクターグッズのコレクション」から始まった事業
まずは事業内容について教えてください。

代表の渋谷 厚介さん(写真左)、副社長の細谷 明人さん(写真右)
渋谷さん:
当社はキャラクターグッズをメインとするECサイトを運営しています。カラーミーショップで立ち上げ、「本店」と位置づけている自社ECサイトのほか、約20のECモールにも展開しています。
キャラクターグッズの販売を始められたのはなぜでしょうか。
渋谷さん:
僕自身もともと雑貨が好きだったので、最初はメーカーとして起業したんです。特にスヌーピーが好きだったので、雑貨店やバラエティショップに並ぶようなライセンス商品を作っていました。
「PERFECT WORLD TOKYO」は、徐々にキャラクターグッズが集まってきた頃合いで、コレクションを広げる意味合いも込めて立ち上げたECサイトです。日本の「Kawaii」カルチャーを海外へも発信していけるような存在になれればという思いから名付けました。
現在の取扱商品は、仕入れ販売がメインですか。
渋谷さん:
そうですね。オリジナル商品も一部展開していますが、ショップとしてはほぼ99%仕入れ販売で、ひと月に約1,200~1,300アイテムの新商品を発売しています。取引させていただいているメーカーさんは現在100社近くにのぼります。
細谷さん:
うちは商品点数がかなり多く、在庫切れのものも含めるとカラーミーショップ上には約44,000SKUを登録しています。在庫の半分はスヌーピーとミッフィーで、この2つがうちの二大巨頭になっています。

かなり多くの商品を扱っているんですね! 在庫切れの商品も掲載し続けているのはなぜでしょうか。
渋谷さん:
キャラクターグッズの世界は一期一会で、発売されてもすぐになくなってしまうものが多いんです。PERFECT WORLD TOKYOは、過去にどんなものが販売されていたのか探して楽しむことができる、コレクション要素の強いECサイトにしたかったので、在庫切れの商品もできるだけサイトに残すようにしています。
キャラクターグッズを取り扱う企業は数多くある中、PERFECT WORLD TOKYOならではの強みを教えてください。
渋谷さん:
当社はECサイトだけでなく、オリジナルのぬいぐるみや巨大カプセルマシンを企画・デザイン・開発したり、食品のパッケージデザインや、雑貨の企画・生産などをOEMで手がけることもあります。
コラボグッズを展開したくても、版権キャラクターに対応できるデザイナーは限られており、社内のリソースでは進められない企業も多いんですよね。当社はそういった企業からのご要望を引き受け、企画から製造までワンストップで行える点が一つの強みだと思います。
細谷さん:
また、実はPERFECT WORLD TOKYOのほかにも、水森亜土さんと内藤ルネさんの公式ECサイトも当社がお預かりして、オリジナルグッズの企画・製造・販売を行っています。そのため現在は3つのECサイトをカラーミーショップで運営していることになります。
多数のECモールに出店しながら、自社ECサイトを運営する理由
PERFECT WORLD TOKYOさんは数多くのECモールに出店されていますが、これはどういった戦略によるものでしょうか。
細谷さん:
キャラクターグッズという分野の中では僕らは後発にあたります。常設の実店舗もないので、お客さまとの接点を作る機会はどうしても限られてきますよね。それなら、どこのECモールを利用してもPERFECT WORLD TOKYOがあれば、認知のチャンスが広がるだろうという狙いで、現在は約20のECモールに出店しています。
20件ものモールに……! それぞれ細かく管理するのは大変そうですね。
細谷さん:
正直かなり大変です(笑)。商品登録ともなると各モールにログインして作業を進める必要があるし、モールによって特色が異なるので、それぞれを深く理解しながらアップしていかないと。

受注情報は「ネクストエンジン」で一元管理しているため受注処理に問題はありませんが、配送伝票番号と受注データの紐づけ作業など手動で行う作業も多いので、やっぱり苦労は多いですね。
多くのECモールに出店しながら、自社ECサイトを運営しているのはなぜですか。
細谷さん:
位置付けとしてはむしろ自社ECサイトが「本店」なんです。
手数料や出店料なども考えると、自社ECサイトの利益率が一番高いので、僕らとしては本店でたくさん売れてくれるほうが嬉しい。なので、人気が予想される予約商品はあえてECモールには展開せず、自社ECサイトでしか予約を受け付けないようにしています。
自社サイトの構築にカラーミーショップを選んだきっかけを教えてください。
渋谷さん:
開設当初の僕らは何の知識もありませんでしたが、当時委託していた制作会社さんから「スムーズに構築できる」とカラーミーショップをおすすめしていただきました。
他にも有料のSaaSサービスをいくつか検討した中で、価格と使いやすさの面でもバランスに優れたカラーミーショップを最終的に選びました。
実際にご利用になってみて使い勝手はいかがでしょうか。
細谷さん:
常日頃から各モールで商品登録していますが、カラーミーショップの商品登録が一番やりやすいです。
渋谷さん:
今ではサイト構築も社内で行うことが多くなりましたが、カラーミーショップはスムーズに構築できるだけでなく、デザインの自由度が高いところが本当にありがたいですね。ECモールの多くはUIが固定されているので、カラーミーショップのカスタマイズのしやすさはとても気に入っています。
ありがとうございます。作り込まれた個性的なデザインが特徴的なECサイトですが、どういったことを意識して構築されていますか。
細谷さん:
もちろん買いやすさは追求しながらも、見た目から楽しそうで「なんか他とは違う」と思っていただけるようなECサイトを目指したくて。
実店舗でいうと、たとえばヴィレッジヴァンガードさんやドン・キホーテさんにはパッと見ただけでそのお店だとわかるような独特の雰囲気がありますよね。うちもそんなふうに、「あ、パーフェクトワールドじゃん」と認知されるような世界観を作りたいんです。
渋谷さん:
業界のいろいろな先輩方にお話を伺っても、「時代に即していないからやめとけ」と言われてしまうこともありますが、それでも自分たちの好きなデザインやUIを優先しています。
細谷さん:
お客さまからすれば、「シンプルで買いやすいUI」と「どこのお店も似たような印象」は表裏一体ですからね。
オリジナルの世界観を表現するためにも、カラーミーショップの自由度は重要なのですね。
アプリもいくつか導入されていますが、使ってみてよかったものはありますか。
渋谷さん:
永遠の定番は「再入荷通知」アプリ。もはや必要不可欠な機能です。
細谷さん:
うちは商品の入れ替わりが激しいぶん、再入荷通知を心待ちにしているお客さまが非常に多いですからね。

ライセンス商品ならではのメリットとデメリット
キャラクターグッズなどのライセンス商品は「ライセンス料が高そう」「怒られそう」などとイメージされる事業者さんが多いかと思いますが、実情を教えていただけますか。
渋谷さん:
そのイメージはだいたい合っていて、実際高いし、怒られるんです(苦笑)。なので皆さんが高いハードルを感じていらっしゃるのは当然だと思います。
人気キャラクターとのコラボを企画・実現するのも、一筋縄ではいかなさそうですね。
渋谷さん:
そうですね。ハードルが高くて面倒ではありますが、キャラクターそのものに多くのファンがついているので、自社商品をまだ知らないキャラクターファンの方々に買っていただける点は、やはり事業として最大のメリットと言えます。逆に「コラボ企画が終わったら買われなくなる」という面もあるので、注意が必要です。
なるほど……。シビアな側面もあるんですね。
渋谷さん:
僕らもいろいろな企業さんからよくご相談いただくのですが、「人気キャラクターとのコラボさえ叶えば売れる」という考え方は、本質的な課題解決につながらないことも多々あります。
特に、今売れているキャラクターには関わりに行くのも大変ですし、売れたあとに何も残らないリスクも大きいですからね。「ファンの方とつながれる」、一方で「ファンの方と“しか”つながれない」というメリット・デメリットの両面を、僕らも常日頃感じています。
キャラクターコラボなど、ライセンス商品の販売を検討している方へのアドバイスをお願いします。
渋谷さん:
ライセンス商品を扱う以上、「提示されたルールは守る」ということは最低限必要なことですよね。提示されたルールと自社のやりたいことがどの程度フィットしているのか、事前によく確認したほうがいいと思います。

アイデアと体温を乗せたECで、多くの人を楽しませたい
先日は、海外の展示会にも出展されたそうですね。
細谷さん:
アメリカで日本食や日本文化の体験ができる「SPIRIT OF JAPAN」というイベントがあり、うちの巨大カプセルマシンを出してみませんか?とのお話をいただいたので、初めて行ってきました。
現地の方の反応はいかがでしたか?
細谷さん:
事前の予想では、主に子どもが喜んでくれるだろうと思っていたんです。実際、もちろん子どもたちにも喜ばれましたが、大人たちが大興奮でガチャを回してくれたのは嬉しい誤算でしたね。
渋谷さん:
あれはすごく嬉しかったです。日本国内にはかわいいキャラクターがすでに溢れていて、大人も子どもも見慣れていますが、向こうの方々にはまだあまり馴染みがないのか、新鮮な反応をいただけました。

初の海外出展を経て、今後のPERFECT WORLD TOKYOの取り組みや展開についてお聞かせください。
渋谷さん:
僕らは起業当初から「なんかいいな」とワクワクする感覚を起点に、さまざまなことに取り組んできました。先日の展示会で、日本の「Kawaii」文化はまだまだ広げられそうな余地を感じたので、今後アメリカで何か始めてみるのも楽しそうだなと考えています。

僕らのモットーは「もっとおもしろく」。ECを通じて、少しでも皆さんに楽しんでいただけるような存在でありたいですね。たとえば商品を梱包する際、段ボールの中には必ずスペースが生まれるじゃないですか。そういうところに何か楽しめるものを入れたりとかね。
パッと思いつくものだけでもアイデアはいくらでもあるので、これからも一つ一つ理想を実現していきたいです。
競合についてはどのように捉えていらっしゃいますか。
渋谷さん:
コレクションを今後も広げ続ける以上、キャラクターグッズの分野における僕らの競合は大手ECモールそのものになってくると思います。ならば僕らは「体温」を乗せて伝えられるようにしたい。それはきっと経営や営業の戦略よりも大切にすべきことですし、技術とアイデア次第できっと伝えられると信じています。
細谷さん:
僕らには実店舗がなく、顔を見てコミュニケーションがとれる範囲でコンパクトに運営しているので、自分たちのやりたいことを現場で即判断し、ECに即反映できるのが強みです。
この業界では後発ですが、コレクションと認知を広げ続けて、いずれは「キャラクターグッズといえばPERFECT WORLD TOKYO」と言ってもらえるようなショップになりたいです。
今日はありがとうございました!

オリジナルキャラクター「セカイちゃん」&「クマノコ」と一緒に