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Pont! さん

日本各地に眠る究極の素材と技術を発掘!元・営業マンによるものづくりブランド「Pint!」

いつも画面越しに見ているネットショップのむこうには、想いのつまった“モノ”とそれを届ける“”たちがいます。このコーナーでは、知られざる商品開発ストーリーやお店の裏側に迫る現場レポートをお届けします。
今回ご紹介するショップ
日本ならではの優れた素材や技術を現代の暮らしにフィットするかたちへと展開するものづくりブランド「Pint!」単なる商品開発・販売にとどまらない活動の背景には、オーナーさんの熱い想いがぎゅーっとつまっていました。

「これヤバイ!」をみんなに広めたい

中地さんはどんなお仕事をされているんですか。

日本に眠っている「これヤバイ!」って素材や技術を発掘して伝えるのが、仕事です。

お話を伺ったのは「Pint!」代表・中地大介さん。

お話を伺ったのは「Pint!」代表・中地大介さん。

「これヤバイ」…?

たとえば、この茶筒。見てください。

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全部木で作られている茶筒は、珍しいですね。

木って、茶筒の素材として理にかなっていて、茶葉にとってのベストな状態を保てるんですよ。調湿機能が高くて余分な湿度を解放してくれるんです。

そうなんですか!

しかもこれ、1本の木から作られているんです。

1本の木から作られているので、木目がぴったり合わさります。

1本の木から作られているので、木目がぴったり合わさります。

すごい技術…!

日本って、こういう高いポテンシャルを持った素材他国が真似できない技術がゴロゴロ転がっているんですよ。

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知らなかった。

そうなんです。ふつうに暮らしていたら、そんなこと知らないじゃないですか。でも聞くとヤバイじゃないですか。

ヤバイですね。

っていうのを「みんな〜、ちょっとこれ見て!ヤバイよ!」って広める活動が、この「Pint!」なんです。

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商社の営業時代に抱いたジレンマ

もともと雑貨のデザイナーやバイヤーをされていたんですか?

いえ。北欧雑貨を輸入する商社の営業を担当していました。

ではプロダクトブランドは、経験ゼロからのスタートだったんですね!

そうなんです。

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なぜ「Pint!」を起ち上げようと?

商社にいる頃は、実際に使うお客さんは見えにくく、店舗への導入や店頭への陳列が優先になっていたんです。順番として当然ですが。

なるほど。

取り扱っている製品は大好きだったのですが、生産地や工場へ行ったこともないまま資料をベースに説明することに、あるときジレンマを感じて。

それは、もどかしいですよね。

素材もものづくりも自分の目で確かめて、理解した上で「日常で使いたいもの」を作りたい!と思ったのが始まりです。

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「日本」にこだわる理由

なぜ海外ではなく日本のものづくりに着目したんですか?

長く、心地よく使い続けられるものが好きだったんです。

デザイン的な要素の強い雑貨よりも、日常によりそう道具が好き。

そうです。それで、日本の暮らしで使う道具を作るなら、日本の気候や環境に適したものがいいはずで、それなら日本で使われ続けてきた天然素材や技術がいいなと思ったんです。

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なるほど。

商社を辞める1年くらい前から、週末を使って職人さんへに会いに行きはじめました。

日本全国どれくらいまわったんですか?

現在で15人くらいの職人さんとに製作をお願いしています。

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どんなエリアとつながっているんですか?

刃物の産地・山形、木の工芸品が多い山梨・長野、リネンは滋賀…。いろいろですね。
これからやり始める陶器は、瀬戸のあたりですし。あとは和紙の産地・高知でしょうか。

いろんな地域をまわってるんですね。

 

職人さんへ届けた、便箋5枚分の想い

ところで、どうやって職人さんを探すんですか?

「木の工芸品なら長野が多い」みたいな情報をもとにその土地で2、3泊して、飛び込み訪問していました。
あとは最初に会った職人さんから紹介してもらうようなかたちで、人づてに出会っていきました。

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一番はじめに完成したプロダクトは?

滋賀の機元さんと一緒に作ったリネンのクロスです。

一番はじめにこれを作ろうとおもった理由は?

最初は、分かりやすく日本らしい素材からスタートしたいと思っていたんです。
なので、麻や木、和紙を探していたんですね。

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なるほど。

たまたまなんですがこの職人さんは、コレクションブランドなど、高級アパレル用の生地を織られている方でした。

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最初サンプルを手にしたとき、ぼく自身は生地について全く素人なんですけど「これはヤバイ!」ってすぐに感じて、便箋5枚くらいにお手紙を書いて、会いに行きました。

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便箋5枚!すごい熱量です。

そのころはまだ商社に勤めていて、名刺もWEBサイトもなかったので「何者だ?」ってかんじですよね。

実際に会ってみて、どんな反応をされましたか?

すごく盛り上がって! ぼくのやりたいことを話したら、そのあとまるまる1日時間をとってくださいました。

それはうれしいですね!

リネンの可能性をもっと広げたい!」みたいな熱い想いをもっていらっしゃって。「そんなにやる気があるなら、一緒にやってみようか。」と最終的に言ってくださいました。

それでついに製品化が実現したんですね。最初どれくらいの数を販売したんですか?

まず最初は友だちが出店しているイベントに10〜20点くらいを置かせてもらいました。

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何回か販売するうちに手応えを感じたので、ネットショップをはじめました。4年くらい前です。このタイミングで商社をやめて「Pint!」の活動に集中できる体制・環境にしていきました。

 

無国籍な拡張性の高いプロダクト

「Pint!」の名前の由来は?

今思うと、大した理由でもないんですけど…。

どうぞどうぞ。

素材やものづくりの技術をとおして、現代の暮らしにピントをあてる」っていう。

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ちなみに「Pint!」ってカメラのピントと同じ綴りなんですけど、実はオランダ語が語源らしいんです。

そうなんですね、知らなかった。

ですよね。ぼくら、知らずに使ってるじゃないですか。それもいいなーと思って。
「なんかよくわかんないんだけど使い勝手よくて使ってる」みたいな。

ほうほう。

Pint!が目指しているものづくりは、和でも洋でもなく、クラフト感が強いからといってカントリーっぽくもなく。無国籍な感じを狙っていたので、それにぴったりだなと。

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プロダクトにもブランド名にも、あえて色をつけたくなかったんですか?

そうですね。ライフスタイルやものの使いかたが多様化しているからこそ、ブランドとして主張するのではなく素材の良さだけお届けして、各々のスタイルで使い方を拡張してもらえたらうれしいです。

 

目指すのは、現代の「民具」

なぜあえてそのようなスタイルを狙っているのですか?

現代って「マーケット」にフォーカスしてものづくりしていくうちに、似たようなものや、やたらと個性を主張するものがあふれていて。

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そうじゃなくて、もっと使う人目線の道具というか…「Pint!」では現代の民具を目指してものづくりしていきたいんです。

民具?

生活者、例えば農家の方が農閑期に自宅の周りでとれた素材を使って、自分たちで使うために作った道具のことです。売るためでも見せるためでもなく、日々使うためのもの。だから、シンプルですごく力強いんです。
そんな民具の現代バージョンを作るにはどうしたらいいか?というところから「みんなのどうぐ」という参加型企画をスタートしました。

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どんな活動なんですか?

使い手と職人さんが一緒にゼロから製品企画をする参加型企画です。

 

  

作り手と職人さんが一緒に製品企画する「みんなのどうぐ」って?

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