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アロマオイルをネットショップで販売するには?開業に必要な許可やECプラットフォーム選びを徹底解説

アロマオイルをネット販売したい、ネットショップを開業したいと思っても、必要な許可や薬機法のルール、どのプラットフォームを選べばよいかなど、わからないことが多いものです。

そこでこの記事では、アロマオイルのネット販売・ネットショップ開業に必要な商品分類・許可・ECプラットフォーム選び・運営の注意点までをわかりやすく解説します。

アロマオイルはネット販売できる?商品の種類別に分類と必要な許可を解説


アロマオイルはネット販売が可能な商品ですが、商品の種類や使い方によって薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)上の扱いと必要な許可が変わります。薬機法は化粧品・医薬部外品・医薬品などを規制対象としており、これらに該当しない商品は薬機法の規制対象外(実務上「雑貨」と呼ばれます)として扱われる、という整理になります。ここでは、代表的なアロマオイルの種類ごとに、商品の扱いと必要な手続きを整理していきましょう。

アロマオイルはネット販売できるが、使い方や表示で扱いが変わる

アロマオイルそのものをネット販売することは法律で禁止されていません。
ただし、同じ精油でも「香りを楽しむための雑貨」として売るか、「肌や髪のケアのための化粧品」として売るかで、必要な許可や守るべきルールが大きく変わります。

薬機法第2条第3項では、人の身体を清潔にし・美化し・魅力を増し・容貌を変え、または皮膚や毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦・散布などの方法で使用される物を「化粧品」と定義しています。
同じ精油の小瓶でも、商品ページの説明の仕方や用途の表示によって分類が変わる点を、最初に押さえておきたいところです。

精油・ルームスプレー・サシェなど香りを楽しむ商品として販売する場合

精油やルームスプレー、サシェ(香り袋)など、空間で香りを楽しむことを目的とした商品は、薬機法が規制する化粧品・医薬部外品・医薬品のいずれにも該当しないため、薬機法の規制対象外(実務上は「雑貨」と呼ばれる扱い)となります。
雑貨として販売する場合は、薬機法に基づく許可や届出は不要で、仕入れた商品をそのままネットショップで小売することができます。

ただし、雑貨として販売する場合でも以下の点には注意が必要です。

  • ● 商品説明で「肌に塗ってマッサージに使えます」など、化粧品的な用途を示す表現は使わない
  • ● 「不眠が解消される」「自律神経が整う」など、人の身体への効能効果を示す表現は薬機法違反となる可能性がある
  • ● 海外から輸入した精油を販売する場合、化粧品的な用途で売るかどうかで追加の手続きが必要になることがある

雑貨として販売する場合は、商品の使い方を「香りを楽しむこと」に限定し、商品ページの表現にも気を配ることが大切です。

キャリアオイル・ボディオイルなど肌や髪に使う商品として販売する場合

ホホバオイル・スイートアーモンドオイルなどのキャリアオイル(精油を希釈するためのベースオイル)、ボディオイル、マッサージ用ブレンドオイルといった「肌や髪に塗布する目的の商品」は、薬機法上の「化粧品」に分類されます。

化粧品を販売する場合、必要な許可は「自分が化粧品の流通にどの役割で関わるか」で決まります。
薬機法は化粧品を市場に出す「製造販売」と、自社で行う「製造」を許可制にしている一方、化粧品を仕入れて消費者に販売するだけの「販売(小売)」は許可制の対象外です。

仕入れた完成品(日本語の法定表示ラベルがある化粧品)をラベル変更せずそのまま小売する場合

一般の小売店が他社ブランドの化粧品を取り扱うのと同じ整理となり、薬機法上の許可は不要です。

自社が「製造販売元」として化粧品を市場に流通させる場合

自社ブランドでOEM委託する/海外から輸入して国内で売る/自社で調合した化粧品を売るなどのケースでは、化粧品製造販売業許可が必要です。

化粧品の製造工程を自社で行う場合

化粧品製造販売業許可に加えて、化粧品製造業許可が必要です(薬機法第13条)。「製造」には包装・表示・保管も含まれる点に留意してください。

なお、OEM委託で自社オリジナルの化粧品アロマを販売する場合は、自社の役割によってさらに2つのスキームに分かれます。
OEMメーカーを「製造販売元」、自社を「発売元」としてラベル表記するスキームを選べば、市場流通の責任はOEMメーカー側が負うため、自社で化粧品製造販売業許可を取得する必要はありません。自社が「製造販売元」として市場流通の責任を引き受けるスキームを選ぶ場合は、自社で化粧品製造販売業許可を取得することになります。

許可申請の窓口は、事業所所在地の都道府県の薬務主管課(東京都の場合は東京都健康安全研究センター)です。化粧品扱いのアロマオイルを本格的に展開する場合の許可申請や運営の細かな進め方は、化粧品EC全般を扱った別記事でも詳しく解説しています。

ハーブウォーターは用途や表示によって扱いが変わる

ローズウォーターやラベンダーウォーターなどのハーブウォーター(芳香蒸留水。精油を抽出する蒸留工程で得られる水相)は、商品の用途や表示によって、薬機法の規制対象となる「化粧品」扱いになるか、薬機法の対象外(実務上の「雑貨」扱い)になるかが分かれる商品です。

  • ● 「お部屋のリフレッシュ用」「アロマスプレー用」として売る場合:雑貨
  • ● 「化粧水代わりに肌に使えます」「保湿スキンケアに」として売る場合:化粧品

薬機法第2条第3項の化粧品の定義に照らすと、皮膚に塗布する用途や、皮膚の水分を保つなどの効能を目的にハーブウォーターを販売すれば、その商品は薬機法上の化粧品に該当します。
ハーブウォーターは「肌にも使える」と訴求しやすい商品ですが、肌への使用を前提とした販売は化粧品としての許可が前提となるため、商品ページの表現と取り扱う許可の組み合わせをあらかじめ決めておきましょう。判断に迷う場合は、管轄の薬務主管課に相談しておくと安心です。

効能効果をうたうと医薬品・医薬部外品と判断されるおそれがある

雑貨として販売する場合でも、化粧品として販売する場合でも、「不眠が治る」「花粉症に効く」「自律神経を整える」など、人の身体への治療効果や予防効果を直接うたうと、その商品は薬機法上の「医薬品」または「医薬部外品」として扱われると判断される可能性があります。

医薬品・医薬部外品として承認を受けていない商品をこうした表現で販売すると、薬機法第68条(承認前医薬品等の広告禁止)違反となり、罰則の対象となります。商品ページの説明文だけでなく、SNS投稿・広告に至るまで、効能効果を示す表現は使わない運用にしておきましょう。

具体的な広告表現のNG例・OK例は、記事後半の「商品ページや広告表現で注意すること」のセクションで詳しく整理します。

販売形態別に見る必要な許可・届出の早見表

商品の扱いと販売形態によって、必要な許可・届出を整理すると次のようになります。表中の「雑貨」は、薬機法が規制する化粧品・医薬部外品・医薬品のいずれにも該当しない、薬機法の対象外となる商品の意味で使っています。

販売する商品・形態 商品の扱い 必要な許可・届出
仕入れた精油・ルームスプレー(雑貨用途で販売) 雑貨 不要(個人事業の開業届のみ)
仕入れたキャリアオイル・ボディオイル等の完成品をラベル変更なしで小売 化粧品 不要(個人事業の開業届のみ)
OEM委託で自社を「発売元」、OEMメーカーを「製造販売元」として販売 化粧品 不要(個人事業の開業届のみ)
OEM委託で自社が「製造販売元」として販売 化粧品 化粧品製造販売業許可
自社で精油を調合してボディオイル等を製造 化粧品 化粧品製造販売業許可+化粧品製造業許可
海外から精油を輸入してそのまま小売(雑貨用途) 雑貨 個人事業の開業届のみ(通関手続きは別途必要)
海外から化粧品アロマを輸入販売 化粧品 化粧品製造販売業許可+化粧品製造業許可(包装・表示・保管区分)等

許可の要否は商品の販売表示や用途で変わるため、迷ったら所轄の薬務主管課に相談してから商品設計を進めると安心です。アロマオイルではなく香水としての販売を検討している場合は、香水のネット販売をテーマにした別記事も参考になります。

※ 本記事の許可・届出の整理は2026年6月時点の情報です。実際の手続きを進める際は厚生労働省・都道府県の薬務主管課の公式情報をご確認ください。

アロマオイルのネット販売市場とネットショップで始めるメリット


アロマオイルをネット販売する前に、市場の動きと、実店舗ではなくネットショップを選ぶメリットを確認しておきましょう。
アロマ市場は近年も拡大傾向にあり、ネットショップとの相性が良い商材といえます。

アロマ市場は拡大傾向。精油配合製品やアロマ化粧品にも需要がある

公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ)が2025年12月に公表した「2024年アロマ市場に関する調査」によると、2024年の国内アロマ市場規模は約4,193億円で、前回調査比106%の伸び率となりました。

内訳を見ると、精油そのものやアロマグッズ・アロマサロンなどを含む「アロマテラピー製品・サービス」の市場が417億円なのに対し、精油を成分として配合した化粧品・ヘアケア・衛生用品などを含む「精油配合製品等」の市場が3,777億円と、市場全体の大部分を占めています。
アロマオイルそのものを愛好する層に加えて、化粧品・スキンケアの一部として精油を取り入れる層、衛生用品やフレグランスとして香りを生活に組み込む層など、需要の広がりが続いている領域です。

ネットショップで販売する場合も、こうした周辺カテゴリ(化粧品・スキンケア・衛生用品など)への展開を視野に入れておくと、商品ラインナップの幅を広げやすくなります。

ネットショップなら固定費を抑えながら全国に販売しやすい

実店舗(路面店やアロマサロン)を構える場合、物件取得費・内装工事費・店舗の家賃や人件費など、まとまった初期投資と毎月の固定費が必要となります。一方ネットショップであれば、店舗物件や対面接客の人件費を抱えずに、商品ラインナップと商品ページの準備から販売を始められます。

商圏の面でも違いが出てきます。実店舗は店舗周辺の来店客が中心となるのに対し、ネットショップでは日本全国の購入者にアプローチできるため、ニッチな香りや希少な精油でも、全国の愛好家を集めて販売しやすくなる点が大きな魅力です。

香りの好みや用途に合わせた提案でリピート購入につなげやすい

アロマオイルは「香りの好み」と「使う目的」が購入の動機になりやすい商材です。
たとえば「夜のリラックスタイム用」「在宅ワーク用」「来客時のおもてなし用」など、使用シーンごとに商品を提案すると、購入者にとって選びやすい商品ページに仕上げやすくなります。

精油やアロマグッズは一定の周期で使い切る消耗品でもあるため、お気に入りの香りが見つかった購入者には継続的な購入機会があります。ネットショップに会員登録機能や定期購入機能を組み合わせることで、リピート購入の導線も整えやすくなるでしょう。
商品の使い切りペースに合わせたメールマガジンの配信や、季節ごとの香りの提案など、ネットショップならではのコミュニケーションも工夫してみてください。

アロマオイルのネットショップ開業に必要な手続き


アロマオイルのネットショップを開業するには、税務上の手続き(開業届・青色申告)と、商品分類によっては薬事上の手続き(化粧品の許可)の両方を確認しておく必要があります。
仕入れや製造の形態によって責任範囲も変わるため、自分の販売スタイルに合わせて必要な手続きを整理していきましょう。

個人事業主の開業届と青色申告

個人でアロマオイルのネットショップを始める場合、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」(開業届)を提出します。所得税法第229条に基づき、原則として事業を開始した日から1ヶ月以内に、納税地を管轄する税務署に提出することとされています。
提出に手数料はかからず、e-Tax(国税電子申告・納税システム)による電子申請も可能です。

あわせて「所得税の青色申告承認申請書」を提出しておくと、確定申告で青色申告特別控除を受けられるようになります。
国税庁の案内によれば、青色申告特別控除は10万円・55万円・65万円の3区分です。複式簿記による記帳と貸借対照表・損益計算書の添付、期限内申告を行うと55万円控除が、これに加えてe-Taxで電子申告するか、電子帳簿保存法上の優良な電子帳簿として保存すると65万円控除が適用される仕組みになっています。

初年度の確定申告から青色申告を適用するためには、青色申告承認申請書を期限内に提出する必要があります。
国税庁の案内によると、開業日が1月1日〜1月15日の場合はその年の3月15日までに、1月16日以降に開業した場合は開業日から2ヶ月以内に提出することとされています。
期限を過ぎると初年度は白色申告となり、青色申告は翌年からの適用となるため、開業届と同じタイミングで申請書も準備しておくとスムーズです。

開業届の提出は事業用銀行口座やクレジットカード決済の導入審査でも求められることがあるため、早めに済ませておくとその後の手続きをスムーズに進めやすくなります。

化粧品製造販売業許可・化粧品製造業許可が必要になるケース

冒頭の整理で触れたとおり、化粧品扱いとなるアロマオイル(キャリアオイル・ボディオイル・マッサージオイル・スキンケア用ハーブウォーターなど)について、自社で完成品を仕入れて小売するだけであれば薬機法上の許可は不要です。
一方、自社が化粧品を市場に流通させる責任主体(製造販売元)となる場合や、自社で製造工程を担う場合は、許可の取得が必要となります。

化粧品製造販売業許可(薬機法第12条)

自社が「製造販売元」として化粧品を市場に流通させる責任を負う場合に必要な許可です。自社調合の商品を売る場合や、海外から輸入して国内で売る場合、OEM委託で自社を「製造販売元」とするスキームを選ぶ場合などが該当します。

化粧品製造業許可(薬機法第13条)

化粧品の製造を行う事業者向けの許可です。包装・表示・保管も「製造」に含まれるため、輸入品にラベルを貼り替える・自社倉庫で保管するといった作業を行う場合も対象となります。

OEM委託の場合、自社を「発売元」、OEMメーカーを「製造販売元」とするスキームを選べば、市場流通の責任はOEMメーカーが負うため、自社の許可は不要となります。許可取得の負担を抑えながら自社ブランドの化粧品アロマを展開したい場合に、よく選ばれる方法です。

申請窓口は事業所所在地の都道府県の薬務主管課で、許可審査では責任技術者・総括製造販売責任者の配置や、構造設備の適合性などが確認されます。
書類準備にも一定の時間がかかるため、化粧品扱いのアロマを取り扱う計画がある場合は、早めに管轄の薬務主管課に相談しながら準備を進めるとよいでしょう。

仕入れ・OEM・自社調合で変わる責任範囲

アロマオイルをどう調達するかによって、事業者が負う責任の範囲が変わります。代表的な3つの形態と責任の違いを整理しておきましょう。
「自分で作って売る」スタイルは自由度が高い反面、責任の範囲も広くなります。販売数量・原価率・必要な品質管理体制を踏まえて、自社に合った調達形態を選んでください。

仕入れ販売

既存メーカーの完成品を仕入れ、そのままネットショップで小売する形です。雑貨用途・化粧品用途のどちらでも、完成品をラベル変更せず小売するだけであれば薬機法上の許可は不要です。
商品自体の製造責任(製造物責任)は基本的に仕入先メーカーが負いますが、販売者として商品ページの表示の正しさや、顧客対応・配送に関する責任は自社にも及ぶ点には注意が必要です。

OEM委託

OEMメーカーに製造を依頼し、自社ブランドで販売する形です。自社を「発売元」、OEMメーカーを「製造販売元」とするスキームを選べば、自社の化粧品製造販売業許可は不要となり、市場流通の責任はOEMメーカー側が負う整理になります。
一方、自社が「製造販売元」として市場流通の責任を引き受けるスキームを選ぶ場合は、化粧品製造販売業許可が必要です。

自社調合・自社製造

自社で精油を調合してオリジナル商品を製造する形です。化粧品扱いの商品なら化粧品製造販売業許可と化粧品製造業許可の両方が必要となります。雑貨用途であれば許可は不要ですが、商品の安全性・品質に関する責任はすべて自社が負うことになります。

小分け・量り売りで販売するときに確認すべきこと

精油やキャリアオイルを「お試しサイズで売りたい」「量り売りしたい」と考える場合、商品が雑貨扱いか化粧品扱いかで必要な手続きが大きく変わるため、事前の確認が欠かせません。

化粧品扱いの商品をあらかじめ小分けして在庫化する行為は薬機法上の「製造」にあたり、化粧品製造業許可が必要となるケースがあります。注文を受けてから容器に分ける販売形態など、運用方法によって取り扱いが異なる場面もありますが、判断は管轄の薬務主管課の運用に依る部分が大きく、解釈に幅があるのが実情です。自社の販売方法を具体的に整理したうえで、実施前に管轄の薬務主管課に相談しておきましょう。

化粧品扱いで小分けを行う場合は、容器への表示義務(製造販売業者の名称・住所、商品の名称、製造番号、成分など)と衛生管理が共通して求められます。これらをクリアできる体制を準備できるかも、あわせて確認しておきたいポイントです。

海外から輸入して販売する場合の注意点

海外から精油・アロマオイルを輸入して国内で販売する場合は、商品の用途や販売形態によって追加の手続きが発生することがあります。

JETRO(日本貿易振興機構)の「アロマ商品の輸入手続き:日本」でも、用途による分類と必要な手続きが解説されています。海外仕入れを本格的に検討する場合は、JETROや厚生労働省・PMDAの公式情報を確認したうえで、早い段階で薬事申請の専門家(行政書士など)に相談することをおすすめします。

雑貨用途として販売する場合

薬事的な許可は原則不要ですが、通関手続きや関税の支払いが発生します。引火性液体に該当する精油の輸入では、危険物輸送のルールに沿った梱包・申告が求められる場面もあります。

化粧品として販売する場合

化粧品製造販売業許可と、輸入品に日本語ラベルを貼る・国内倉庫で保管するといった作業をともなう場合は化粧品製造業許可(包装・表示・保管区分)も必要となります。さらに、PMDA(医薬品医療機器総合機構)への外国製造販売業者届の提出や、化粧品の輸入届の手続きも求められます。

アロマオイル販売に向いているネットショップ作成サービス・モールの選び方


アロマオイルをネット販売するチャネルは、大きく分けて「自社EC(ネットショップ作成サービスを使って自分のショップを構える)」「モール(楽天市場やAmazonなどのモール内に出店する)」「ハンドメイドマーケット(minneやCreemaなどのプラットフォームに出品する)」の3つです。
それぞれのメリットと注意点を整理し、自分の販売計画に合った選び方を考えていきましょう。

自社ECで販売するメリット・注意点

自社ECは、カラーミーショップ・BASE・STORES・Shopifyなどのネットショップ作成サービスを使って、自分のショップを立ち上げる販売チャネルです。

自社ECのメリット

  • ● ショップのデザインや商品ページのレイアウトを自由に設計でき、ブランドの世界観を表現しやすい
  • ● 商品ページに産地のストーリーや精油の成分表示など、アロマ商材ならではの情報をしっかり載せられる
  • ● モールに比べて販売手数料を抑えやすく、利益率を確保しやすい
  • ● 顧客リストを自社で持てるため、メールマガジンや定期便などのリピート施策を設計しやすい

注意点

  • ● 出店しただけでは集客できないため、SEO・SNS・広告などの集客施策を自分で組み立てる必要がある
  • ● 商品ページの作り込みや、特定商取引法に基づく表記などの法定表記の準備も自社で行う

カラーミーショップは、GMOペパボ株式会社が運営する国内のネットショップ作成サービスです。
電話・メール・AIチャットボット・ECアドバイザーなど「人×AI」のサポート体制が整っており、初めてのネットショップ開業で不安が多い方でも、相談しながら運営を進めやすい点が特徴です。
デザインや決済方法のカスタマイズ性も高く、アロマブランドの世界観を表現しながら段階的に売場を育てていくスタイルにも向いています。

モールで販売するメリット・注意点

楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングといった大手モールは、すでに買い物目的で集まっている膨大な利用者にリーチできるのが大きな魅力です。

モール販売のメリット

  • ● モール自体の集客力を借りられるため、立ち上げ初期から購入につながる流入を見込みやすい
  • ● 配送代行サービス(FBA・フルフィルメント by Amazonなど)が用意されており、物流負担を抑えやすい
  • ● レビューが蓄積されると検索内の上位に表示されやすくなり、認知拡大の効果が積み上がる

注意点

  • ● 出店料・月額利用料・販売手数料・決済手数料などのコストが、自社ECと比べて高くなりやすい
  • ● ショップのデザインや商品ページの自由度が低く、ブランドの世界観を細かく表現しづらい
  • ● モールのルールやUI変更に合わせて運営を調整し続ける必要がある
  • ● 価格競争に巻き込まれやすく、特に定番の精油は他出店者と並べて比較されやすい

ニッチな香りやオリジナルブレンドなど、価格よりも「ストーリー」や「世界観」で選ばれたい商品にはやや不向きな面もあるため、自社ECと使い分けるのが現実的です。

ハンドメイドマーケットで販売する場合の注意点

minneやCreemaなどのハンドメイドマーケットは、手作り作品を売り買いする利用者が集まるプラットフォームです。手作りのサシェやアロマワックスバー、ルームスプレーなどとの相性は良い一方、アロマオイルの出品には注意点もあります。

  • ● 各プラットフォームの利用規約で、化粧品扱いの商品(肌に塗るオイル・ハーブウォーターなど)の出品ルールが定められていることが多く、化粧品製造販売業許可の有無の確認が求められる場合がある
  • ● 精油そのものを瓶詰めして販売する場合、「ハンドメイド」のレギュレーション(手作り品としての範囲)に合致しているかをプラットフォームごとに確認する必要がある
  • ● 引火性液体に該当する精油の発送ルールも、プラットフォームごとに案内が異なる

ハンドメイドマーケットで販売したい場合は、出品予定のプラットフォームの最新の利用規約・出品ガイドラインをよく読み、必要な許可・表示要件を満たせるかを事前に確認しておきましょう。

自社ECとモールを併用する考え方

販売規模を拡大していくフェーズでは、自社ECとモールを併用する戦略も選択肢になります。

  • ● 自社EC: ブランドの世界観を伝える「本拠地」として、定番商品や定期便、限定セットを扱う
  • ● モール: 集客の入り口として、定番商品や認知拡大用の商品を扱う
  • ● ハンドメイドマーケット: 手作り品やニッチな商品の流通先として活用する

併用するときは、価格・キャンペーン・在庫の管理が複雑になりやすい点に注意が必要です。在庫を一元管理する仕組みや、注文情報を統合する受注管理ツールの導入もあわせて検討しておくと、運営が安定しやすくなります。

※ 各サービスの利用料金や利用規約は変更される可能性があります。出店前に各サービスの公式情報をあわせてご確認ください。

アロマオイルのネット販売を始める5つのステップ


ここまで整理してきた商品分類・必要な手続き・販売チャネルを踏まえて、アロマオイルのネット販売を始めるまでの流れを5つのステップにまとめておきましょう。順を追って準備を進めることで、抜け漏れを防ぎながらオープンに近づけていけます。

ステップ1:コンセプトとターゲットを決める

ネットショップの軸となるコンセプトと、誰に届けたいかというターゲット像を最初に固めます。

  • ● どんなテーマでアロマを提案するか(例:眠りを整える香り/在宅ワークの集中をサポート/日本の里山の和精油 など)
  • ● ターゲット層の年齢・性別・ライフスタイル
  • ● 他のショップと比べた自社の独自性(こだわりの仕入れ先、自社調合のオリジナリティ、産地情報の透明性 など)
  • ● 想定する平均客単価とリピート設計

こうした部分が曖昧なまま開業準備を進めると、商品ラインナップやデザイン・価格設定にブレが出やすくなるため、最初に時間をかけて整理しておきましょう。

ステップ2:販売する商品と仕入れ方法を決める

コンセプトに沿って、取り扱う商品の種類と仕入れ方法を決めます。

  • ● 商品の種類: 精油単体・ルームスプレー・サシェ・ハーブウォーター・ボディオイルなど。化粧品扱いになる商品を含めるかどうかも、この段階で判断する
  • ● 仕入れ方法: 既存メーカーからの仕入れ・OEM委託・自社調合のいずれにするか
  • ● 価格設定: 仕入れ原価・梱包費・送料・販売手数料を含めた利益率のシミュレーション

化粧品扱いの商品を含める場合は、薬機法上の許可(化粧品製造販売業許可・化粧品製造業許可)が必要となるため、商品設計と並行して許可申請の計画も立てておきましょう。

ステップ3:必要な許可・届出を確認する

商品が決まったら、必要な許可・届出を整理して動き出します。

  • ● 個人事業の開業届(事業開始から1ヶ月以内、納税地の税務署へ提出)
  • ● 所得税の青色申告承認申請書(あわせて提出することで青色申告特別控除が受けられる)
  • ● 化粧品扱いの商品を販売する場合:化粧品製造販売業許可・化粧品製造業許可(管轄の薬務主管課に申請)
  • ● 海外から輸入する場合:通関手続き・関税の確認、化粧品扱いの輸入ではPMDA関連の手続き

化粧品扱いの許可は審査に一定の時間がかかるため、商品の販売スケジュールから逆算して、早めに管轄の薬務主管課に相談しておきましょう。

ステップ4:自社に適した販売チャネルでネットショップを開設する

販売チャネル(自社EC・モール・ハンドメイドマーケットの組み合わせ)を決め、実際にネットショップを開設していきます。

  • ● アカウント開設・本人確認・利用規約への同意
  • ● 独自ドメインの取得(自社ECの場合)
  • ● 決済方法の設定(クレジットカード決済・コンビニ決済・後払い決済 など)
  • ● 配送方法・送料設定(精油は航空便を使えないなど、後の配送セクションで触れる制約を踏まえて設定)
  • ● 特定商取引法に基づく表記・プライバシーポリシー・利用規約の整備

決済方法と配送設定はCVR(購入率)に直結する要素なので、購入者が選びやすい組み合わせを意識して整えていきましょう。

ステップ5:商品ページ・配送・集客・リピート購入の準備を進める

ショップの枠が整ったら、オープンに向けた仕上げと、オープン後の集客・リピート設計を進めます。

  • 商品ページ: 商品写真・香りの説明・用途・容量・使用上の注意・成分などの情報を整理して掲載
  • 梱包資材: ガラス瓶の破損を防ぐ緩衝材、サンクスカード、ブランドロゴ入りの梱包資材などの準備
  • 集客施策: SEO対策(検索結果からの流入)、SNSアカウントの開設・運用、メールマガジンの設計
  • リピート設計: 会員登録特典、定期便、購入後フォローのメール配信

オープンしてすぐに購入が大量に入るケースは多くありません。最初の数ヶ月は商品ページの改善とSNSでの認知づくりに腰を据えて取り組み、徐々にリピーターを増やしていく流れをイメージしておきましょう。

アロマオイルの商品ページや広告表現で注意すること


アロマオイルのネット販売では、香りという感覚に訴える商材を扱うため、商品ページの工夫が購入率を大きく左右します。同時に、書ける表現と書けない表現は法令で線引きされているため、薬機法・景品表示法・特定商取引法の3つの法令の観点もあわせて押さえておきましょう。

ここで取り上げる「広告表現」は、テレビCMやWeb広告(バナー広告・リスティング広告)といったいわゆる広告にとどまりません。商品ページの説明文、SNSや動画の投稿、メールマガジン、パッケージや同梱物の表示など、購入者の判断に関わる「表示」全般が薬機法・景品表示法の規制対象です。普段、商品ページに何気なく書いている一文がそのまま規制の射程に入る、という前提で読み進めてみてください。

※本セクションの法令・施行日に関する情報は2026年6月時点のものです。実際の運用にあたっては、消費者庁・厚生労働省の公式情報をご確認ください。

「香りを試せない不安」を減らす商品ページの作り方

ネット販売の最大のハードルは「香りを試せない」点です。実物を確認できない不安を、商品ページの工夫で減らしていきましょう。

  • ● 産地・蒸留方法・抽出部位など、精油の背景情報を写真や図で見せる
  • ● 「ラベンダーのような甘さの後にウッディさが残る香り」など、香りを言葉で多角的に表現する
  • ● 「ベルガモットとセダーウッドをブレンドしたい方に」など、相性の良い香りや使い方を提案する
  • ● 購入者のレビューを集めて表示し、第三者の感想を読めるようにする
  • ● お試しサイズや香りカードのサンプル同梱、サンプルキャンペーンも検討する

文字だけで伝えるのではなく、写真・図・動画・レビューなど複数の手段を組み合わせると、購入者が安心して購入を判断しやすくなります。

成分・容量・使用方法・注意事項の書き方

商品ページには、購入者が必要な情報をひと目で把握できるよう、基本情報を整理して掲載します。

  • 植物の学名・原産国・抽出部位・抽出方法(水蒸気蒸留法・冷圧搾法など)
  • 容量(mL)と使用期限の目安
  • おすすめの使い方(アロマディフューザー・アロマストーン・ルームスプレーなど)
  • 注意事項(妊娠中・授乳中の方・乳幼児・ペットがいる家庭での使用、火気厳禁、肌に直接塗布しない注意など)
  • 化粧品として販売する場合の表示義務項目(製造販売業者の名称・住所、商品の名称、製造番号、成分など)

これらの情報は購入後のトラブル防止にも役立ちます。注意事項は、PL法(製造物責任法)の観点からも丁寧に書いておきたいところです。

薬機法で注意したい効能効果・広告表現

雑貨用途であっても化粧品扱いであっても、薬機法上の医薬品的な効能効果をうたう表現は使えません。アロマショップでつい使いがちなNG表現を整理しておきましょう。

  • ● 「不眠が解消される」「安眠効果」(睡眠障害の治療効果を示唆)
  • ● 「自律神経を整える」(人体の機能調節を示唆)
  • ● 「花粉症に効く」「アレルギーを抑える」(疾病の治療・予防効果を示唆)
  • ● 「ストレスを軽減する」「うつ症状を改善する」(精神疾患への治療効果を示唆)
  • ● 「除菌・抗菌」「ウイルス除去」など、客観的な実証データのない数値・効果の標榜

これらの表現を使うと、薬機法第68条(承認前医薬品等の広告禁止)違反となる可能性があります。代わりに「香りを楽しむ」「リフレッシュした空間に」「気分転換に」など、香りそのものや空間の感覚に絞った表現に置き換えていきましょう。

また、「100%天然だから妊婦にも安心」「赤ちゃん・ペットにも安全」など、合理的根拠を伴わない絶対的な安全保証の表現にも注意が必要です。精油にはケトン類など妊婦や乳幼児に注意が必要な成分を含む種類があり、絶対的な安全を謳う行為は景品表示法上の誇大広告やPL法上のリスクにつながります。

「アロマテラピー」「アロマセラピー」「メディカルアロマ」など、香りで体を治療する・症状を改善するといったニュアンスを連想させる用語を、雑貨や化粧品アロマの商品ページ・広告で使う場合も注意が必要です。「テラピー(therapy)」が「療法・治療」を意味する単語であるため、商品の効能効果として「療法的なはたらき」を訴求していると受け取られるおそれがあり、薬機法第68条との関係で問題視されるケースがあります。
一般的なジャンル名・教育コンテンツの分類として使う場合と、自社の商品の特長として打ち出す場合とで読み手の受け取り方が変わる点を踏まえて、商品ページやSNSの文言設計時にあらためて確認しておきましょう。

化粧品として販売する場合に表現できる範囲

化粧品扱いのアロマオイル(ボディオイル・スキンケア用ハーブウォーターなど)を販売する場合、厚生労働省が定めた「化粧品の効能の範囲」(56項目)の範囲内で効能効果を表現できます。

56項目の中の第56項「乾燥による小ジワを目立たなくする」は、日本香粧品学会のガイドラインに沿った試験で効果を確認したうえで使用することが求められます。化粧品扱いであっても、56項目の範囲を超える表現(治療効果・予防効果・人体の機能を変える表現)は使えません。

景品表示法で注意したい優良誤認・有利誤認の表現

景品表示法は商品の種類を問わず、ネット販売を含むすべての広告・表示に適用される法律です。とくに気をつけたいのが「優良誤認表示」と「有利誤認表示」です。

優良誤認表示 商品の品質や性能を、実際より著しく優れていると誤認させる表示
(例:「業界No.1の濃度」「100%オーガニック」など、客観的データの裏付けがない比較・最上級表現)
有利誤認表示 価格や取引条件を、実際より著しく有利と誤認させる表示
(例:「通常価格5,000円→1,000円」とうたいながら、実際は常時1,000円で販売しているケース)

令和6年10月に施行された改正景品表示法では、優良誤認表示・有利誤認表示に対し、消費者庁の措置命令を経ずに直接100万円以下の罰金を科せる規定が新設されました。レビュー依頼や広告コピーの作成時には、客観的な根拠を確認したうえで表現するように心がけましょう。

特定商取引法に基づく表記と返品条件を整える

ネット販売(通信販売)を行う事業者は、特定商取引法第11条に基づき、商品ページとは別に「特定商取引法に基づく表記」のページを用意することが求められます。
記載が必要な主な項目は次の通りです。

  • 販売事業者の氏名(または法人名)・住所・電話番号
  • 販売価格・送料・支払方法・支払時期
  • 商品の引渡時期
  • 返品・交換に関する特約(返品の可否、返品期限、返品にかかる費用負担)

返品に関する特約を商品ページや表記ページに明示していない場合、購入者は商品の引渡しを受けた日から8日以内であれば契約を解除して返品できる(送料は購入者負担)というルールが適用されます(特定商取引法第15条の3)。返品条件をあらかじめ明示しておくことで、購入者とのトラブルを防ぎやすくなります。

アロマオイルの配送・在庫管理・品質管理のポイント


アロマオイルは引火性液体に該当するため、一般的なネットショップ商材とは異なる配送・保管の制約があります。在庫の品質管理やトレーサビリティの考え方も含めて、アロマ商材ならではの運営ポイントを整理しておきましょう。

引火点と配送ルールを確認する

精油の多くは引火性液体に該当するため、配送業者の取り扱いに制約があります。
たとえばヤマト運輸や佐川急便では、アロマオイル・アロマキャンドル・芳香剤などの引火性液体について、宅配便での発送自体は可能でも航空便への搭載はできず、陸送・海上輸送のみと案内されています。
取扱条件は配送業者によって異なり、引火点別に運用を分けている業者もあるため、利用予定の配送業者の最新の案内をあらかじめ確認しておきましょう。

商品ページの「配送について」のセクションには、以下のような制約や配送日数の目安を分かりやすく明示しておくと、購入後のクレームを防ぎやすくなります。

  • ● 通常なら航空輸送が行われる区間でも、引火性液体は陸海上輸送に切り替わるため、配達日数が長くなる
  • ● 海外販売(越境EC)の場合、原則として国際宅急便・国際郵便では送れない
  • ● 配送会社や個別商品によっては取り扱い不可となるケースもある

遮光・温度・火気に注意して在庫を管理する

精油の品質を保つには、保管環境にも気を配る必要があります。アロマオイルの主成分である揮発性の芳香成分は、光・熱・空気の影響で変質しやすいためです。

遮光 遮光性のあるガラス瓶(茶色や青色など)を使用し、直射日光を避ける
温度 高温多湿を避け、できれば15〜25℃程度の涼しい場所で保管する
火気 精油は引火性液体のため、コンロやストーブなどの火気から離れた場所で保管する
換気 揮発した蒸気が滞留しないよう、換気のしやすい場所を選ぶ

倉庫やバックヤードを使う場合は、棚の素材・温度管理機器・換気設備など、保管環境の設計もあわせて検討しておきましょう。

大量に保管する場合は消防法・少量危険物のルールも確認する

精油は消防法上の第4類危険物(引火性液体)に分類されることが多く、保管量によっては消防法の規制対象となります。引火点によって第二石油類(非水溶性で指定数量1,000L)や第三石油類(非水溶性で2,000L)などの区分があり、指定数量の5分の1以上を同一の場所で保管する場合、市町村条例で定める「少量危険物貯蔵取扱所」として管轄消防署への届出が求められます。

精油の種類(引火点)によって該当区分が異なるため、保管量が多くなりそうな場合は、

  • 1. 取り扱う精油の引火点を仕入先に確認する
  • 2. 自社の保管総量(リットル換算)を把握する
  • 3. 該当する区分・指定数量を踏まえて、管轄消防署に届出の要否を相談する

上記の3ステップで早めに確認しておきましょう。10mlの小瓶でも本数が増えれば指定数量に近づくため、在庫管理表でリットル換算の合計を把握しておくことをおすすめします。

仕入れ先・ロット・使用期限を管理する

アロマオイルはロットごとに香りや成分のばらつきが出やすい商材です。万が一の品質トラブルや問い合わせに対応できるよう、トレーサビリティを担保する仕組みを準備しておきましょう。

  • ● 仕入先メーカー・輸入元・OEM工場の連絡先を整理しておく
  • ● 商品のロット番号・製造番号を販売記録と紐付けて管理する
  • ● 仕入時に成分分析表(ガスクロマトグラフィーの結果など)を受領し、保管する
  • ● 使用期限や開封後の目安期間を在庫管理表に反映する

化粧品扱いの商品では、容器への製造番号(ロット番号)の表示義務もあります。
「いつ仕入れたどのロットを、誰に販売したか」を後から追跡できる体制を整えておくと、万が一回収(リコール)が発生した際にも迅速に対応しやすくなります。

重大製品事故が発生した場合の報告ルートを把握しておく

販売したアロマ商品(雑貨扱いの精油・ルームスプレー・アロマキャンドルなど)に起因して、火災や重篤な皮膚障害といった「重大製品事故」が発生した場合、販売事業者には消費生活用製品安全法に基づく報告義務があります。
消費者庁の案内によると、重大製品事故の発生を知った日から10日以内に、消費者庁・経済産業省への報告が求められています。

化粧品扱いの商品で健康被害が生じたケースでは、薬機法第68条の10に基づく副作用等報告(厚生労働大臣への報告)が対象となるため、化粧品扱いの商品を販売する場合はこちらの報告ルートも事前に確認しておきましょう。
事故発生時に迅速に対応できるよう、連絡先の整理や販売記録の保存といった体制を、開業時にあわせて準備しておくと安心です。

※ 配送業者の取扱規定・消防法の運用は変更される可能性があります。出店前と運営中の見直しのタイミングで、配送業者の公式情報・管轄消防署の最新の案内をあわせてご確認ください。

アロマオイルのネット販売に関するよくある質問


ここまでの内容を踏まえて、特に質問の多いポイントをまとめておきます。

Q1:アロマオイルの販売に資格は必要?

法律上、アロマオイルを販売するために取得が必須となる資格はありません。
一方で、AEAJ(公益社団法人 日本アロマ環境協会)が運営するアロマテラピー検定やアロマテラピーアドバイザーなどの民間資格を取得し、商品ページや店主プロフィールに掲載しておくことで、香りを試せないネット販売における信頼性を補いやすくなります。

ただし、化粧品扱いのアロマオイルを販売する場合は、資格ではなく薬機法上の許可(化粧品製造販売業許可・化粧品製造業許可)が必要となる点に留意してください。

Q2:雑貨として販売すれば許可は不要?

香りを楽しむことを目的とした精油やルームスプレー・サシェなどを「雑貨」として販売する場合は、薬機法の規制対象外となり、薬事的な許可は不要です。

ただし、商品ページで「肌に塗ってマッサージに使える」「不眠が解消される」など、人体への塗布や効能効果を示唆する表現を使うと、その商品は薬機法上の「化粧品」や「医薬品的なもの」として扱われると判断されるおそれがあります。商品の用途と表現を「香りを楽しむ」範囲に揃えることが大切です。

Q3:海外から仕入れた精油を日本で販売してもいい?

雑貨用途として販売する場合は、薬事的な許可は原則不要ですが、通関手続き・関税の支払い、引火性液体の輸送ルールへの対応が発生します。

化粧品として販売する場合は、化粧品製造販売業許可が必要となり、輸入品にラベルを貼る・国内倉庫で保管するといった作業をともなう場合は化粧品製造業許可(包装・表示・保管区分)の取得も求められます。
さらに、PMDA(医薬品医療機器総合機構)への外国製造販売業者届や輸入届の手続きも必要となるため、JETRO(日本貿易振興機構)の「アロマ商品の輸入手続き:日本」や厚生労働省・PMDAの公式情報を確認したうえで、薬事申請の専門家(行政書士など)への相談も検討してみましょう。

Q4:アロマオイルを小分け・量り売りしてもいい?

雑貨扱いの精油を小分けして販売する場合と、化粧品扱いのアロマオイルを小分けして販売する場合とでは、必要な手続きが大きく変わります。

化粧品扱いの商品をあらかじめ小分けして在庫化する行為は薬機法上の「製造」にあたり、化粧品製造業許可が必要となるケースがあります。注文を受けてから容器に分ける販売形態など、運用方法によって取り扱いが変わる場面もありますが、判断は管轄の薬務主管課の運用に依る部分が大きく、解釈に幅があるのが実情です。実施前に管轄の薬務主管課に相談しておきましょう。

Q5:リラックス・眠れるなどの表現は使える?

「リラックスできる香り」「気分転換に」「リフレッシュした空間に」など、香りそのものや空間の感覚に絞った表現は使えます。

一方、「眠れる」「不眠を解消」「自律神経を整える」など、人体の機能や治療効果を示唆する表現は、雑貨アロマでも化粧品アロマでも薬機法違反のリスクが伴います。
化粧品扱いの商品では、厚生労働省の定める「化粧品の効能の範囲」(56項目)の範囲内であれば効能効果を表現できますが、56項目の枠を超える表現はそちらでも使えません。

Q6:海外発送・越境ECで販売するときの注意点は?

精油は引火性液体に該当するため、ヤマト運輸の国際宅急便や日本郵便の国際郵便など、一般的な国際配送サービスでは原則として送ることができません。

海外発送・越境ECを本格的に検討する場合は、IATA(国際航空運送協会)の危険物規則に対応した梱包・申告と、危険物の取り扱いに対応した専門の物流事業者(フォワーダー)の利用が前提となります。コストや配送日数も大きく変わってくるため、越境EC専門の物流コンサルティング会社や、JETROの貿易投資相談窓口への相談もあわせて検討してみてください。

まとめ

アロマオイルのネット販売は、商品の用途や表示によって雑貨扱いか化粧品扱いかが分かれ、必要な許可や守るべき表現ルールが大きく変わります。
自分の売りたい商品がどちらに該当するかを整理し、開業届や青色申告などの税務手続き、化粧品扱いなら薬機法上の許可も確認したうえで、販売チャネルや商品ページ・配送・在庫管理の準備を進めていきましょう。

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