ネットショップを運営していると、どうしても予期していないトラブルが発生します。
初期不良の商品を送ってしまったり、配送が遅延してしまったりなど、思わぬ事態に直面した際、適切なお詫びメールが信頼回復の鍵となります。
そこでこの記事では、ネットショップの基本的なお詫びメールの書き方やすぐに使える例文・テンプレートをご紹介します。
お詫びをするようなトラブルが起こってしまったとしても、顧客に寄り添った対応を行えば、顧客満足度の向上も期待できるでしょう。
間違った商品が届いたってお問い合わせが来たんだけど、どうやってお詫びメールを書けばいいんだろう…。
そんなツクルくんのために、お詫びメールの基本的な書き方や例文を紹介しますよ。お客さまの立場に立って対応することもポイントです。
目次
ネットショップの主なお詫びメールの種類
ネットショップを運営していると、顧客に謝罪をしなければならないケースがどうしても発生してしまいます。
謝罪するといっても理由はさまざまありますが、以下は主なお詫びメールの種類です。
- ・発送遅延
- ・誤配送など配送の不備
- ・破損などの商品の不具合
- ・商品の欠品や在庫切れ など
まず考えられるのは、何らかの理由で予定より商品の発送が遅れてしまった場合の発送遅延のお詫びメールです。
同様に、間違った商品を配送してしまったり、指定の配送方法と異なってしまったりなど、配送の不備が起こった際にも謝罪が必要です。
また、到着した商品の破損といった不具合、注文が殺到したことによる在庫切れなど、商品に関しても謝罪するケースは多いでしょう。
その他、例えばセールの日付などメールマガジンの内容が間違ってしまっていた場合にも訂正すると共にお詫びメールを送ります。
この他にも状況に応じて、お詫びメールを送る機会が訪れる可能性があります。
ネットショップでお詫びメールを書く際の基本姿勢
お詫びメールを作成する前に、作成時に心がけたい基本姿勢を解説します。
もし基本的なポイントを押さえていないお詫びメールを送ってしまうと、顧客を余計不快にさせてしまう可能性もあるので、しっかりと把握しておきましょう。
迅速に対応する
まず大切なのは、できるだけ迅速に対応することです。
「商品が届かない」「不良品が届いた」など、顧客は何かしらの不安や不満を抱えています。
そのような時に対応が遅れてしまうと、顧客は不満を募らせ、リピート購入が期待できないだけでなく、ネットショップの評判を落とすような口コミを広めてしまう可能性も出てきます。
顧客に「自分はきちんと対応してもらえている」という安心感を与えるためにも、できるだけ早く対応することを心がけましょう。
丁寧な言葉遣いを心がける
当たり前のことですが、必ず丁寧な言葉遣いを心がけます。
お詫びメールでは顧客に不快な思いをさせてしまったことを謝罪し、信頼を回復させることが目的です。
顧客はすでに商品やサービス、対応などに対して不満を持っている状態なのにもかかわらず、もし失礼な言葉遣いやそっけない印象のメールを送ってしまうと、さらに気分を害してしまうでしょう。
そのため言葉遣いには十分注意しましょう。
ただし、丁寧すぎるメールは本来伝えたいことが伝わらなくなる可能性もあります。
相手が読みやすく理解してもらえることを考慮しながら、できるだけ丁寧なメール文を作成します。
誠意ある謝罪をする
形式的な言葉ではなく、顧客の立場に立って気持ちを汲み取ることで、心からの謝罪は初めて伝わります。
お詫びメールでは自社の非を認め、できる限り誠意をもって謝罪しましょう。
例えば発送遅延の場合には、「お客様が商品の到着を心待ちにしてくださっていたにも関わらず、お届けが遅くなってしまい大変申し訳ございません」など顧客の立場に立って配慮を示し、誠意ある文章にすることが大切です。
言い訳はしない
お詫びメールにおいて、言い訳は絶対にNGです。
せっかく購入者してもらったのに困惑させてしまった事実を真摯に受け止め、まずは謝罪の気持ちを伝えることが重要です。
言い訳をしてしまうと顧客は「自分のことを理解しようとしていない」「責任転嫁している」と感じ、不信感を募らせてしまいます。
たとえ配送が遅れたのは配送会社のミスであったとしても、言い訳はますます状況を悪化させるだけです。
顧客対応においては、常に顧客目線を忘れずに、誠意ある対応を心がけましょう。
言い訳をするのではなく、今後どのように改善していくのかを具体的に伝えることが、信頼回復への第一歩となります。
状況や原因をきちんと説明する
曖昧な説明や情報不足は、不信感を募らせ、事態を悪化させてしまう可能性があります。
顧客は何が起こったのか、なぜ起こったのかを理解した上で、今後の対応について検討したいと考えています。
そのため状況説明では原則として「いつ」「誰が」「何を」「どのように」「なぜ」といった5Wを意識して、簡潔かつ具体的に状況を伝えることが大切です。
具体的な情報を盛り込むことで、顧客に状況を正しく理解してもらえる上、誠実な対応だと感じてもらえるでしょう。
今後の具体的な対応を必ず提示する
ネットショッピングでトラブルが合った際、顧客は「このお店はきちんと対応してくれるのだろうか」と不安を抱えています。
そのため、今後どのような対応を取るのかを具体的に示すことは、顧客の懸念を解消することにつながります。
例えば、商品発送の遅延であれば、いつ頃発送できるのか具体的な見通しを伝え、発送後には追跡番号などを共有して、状況を逐一報告しましょう。
こまめに連絡すれば「最初は不備があったけれど、丁寧に対応してくれる信頼できるお店」とショップに対する印象をアップできるかもしれません。
また状況に応じて、「発送が遅延していますが、このままお待ちいただけますでしょうか。もしお急ぎでしたら、キャンセルも承ります」と選択肢を提示するなど、より顧客に寄り添った対応も心がけましょう。
ネットショップのお詫びメールの具体的な構成
どのような謝罪なのかによって内容は異なりますが、お詫びメールの基本的な構成は大体同じです。
具体的には、下記のような構成になっています。
- 1.件名…ひと目で謝罪メールだとわかるように要点を記載する
- 2.宛名…顧客の名前は、間違えないように必ず確認する
- 3.冒頭の挨拶…時候の挨拶は不要。まずはお詫びの言葉を述べ、要件を伝える
- 4.本文…いつどのような問題がなぜ発生したのかなど、経緯を説明する。その後、具体的な対応策について簡潔に事実のみを記載する
- 5.締めの言葉…重ねてのお詫びをし、再発防止策なども述べる
- 6.署名…会社名・部署名・氏名・問い合わせ先を記載する
上記は基本的な構成なので、状況に応じて内容を追加するなどしてお詫びメールを完成させましょう。
ネットショップのお詫びメールを送る際の注意点
まず、送る前には誤字脱字が無いか必ず確認します。
お詫びメールに誤字脱字があると、顧客にさらなる不信感を与えてしまいます。
送信ボタンを押す前に、他の人にも協力してもらいダブルチェックを行うのが望ましいでしょう。
また、責任の所在があいまいな表現を使わないことも大切です。
「もしかしたら~かもしれません」「~と思われます」といった断定を避けた表現は、責任逃れと捉えられてしまう可能性があります。
ミスやトラブルの原因が明確でない場合でも、まずはショップとして謝罪の意思を明確に示すのがポイントです。
さらに、お詫びの気持ちは大切ですが、過剰な表現や感情的過ぎる文章は顧客が嫌悪感を抱いてしまうかもしれません。
あまり感情を交えすぎない文章を心がけ、簡潔でわかりやすい文章にしましょう。
ネットショップのお詫びメールのテンプレート例を紹介
ここからは実際に使えるお詫びメールのテンプレートを、お詫びの内容ごとにご紹介します。
下記の例文をベースに、自社の状況に合わせてアレンジしてご利用ください。
商品不良のお詫びメール例文
件名:【△△ネットショップ】商品の初期不良のお詫びと対応につきまして
○○様
いつも××ネットショップをご利用いただき、誠にありがとうございます。
担当の●●と申します。
この度はご購入いただいた商品に不備が見つかり、
多大なるご迷惑をおかけしてしまったこと、心よりお詫び申し上げます。
社内で調査を行ったところ、製造工程における品質チェック体制の一部に不備があり、
不良品の流出を防げなかったことが原因として考えられます。
つきましては良品を至急発送させていただきます。
発送する際には、改めてメールにてご連絡差し上げます。
また、大変お手数ではございますが、不良品を下記連絡先まで着払いで返送いただけますようお願いいたします。
今回の件に関するお詫びとして、○○○(具体的な品名やポイント等)を一緒に送らせていただきますので、
差し支えなければお受け取りいただけますと幸いです。
今後このような事態が二度と起こらぬよう、品質管理体制の見直しと改善に全力で取り組んでまいります。
お客様には大変なご不便とご心配をおかけいたしましたこと、重ねてお詫び申し上げます。
もしご不明な点やご要望などございましたら、お問い合わせくださいませ。
※最後に連絡先を明記
発送遅延のお詫びメール例文
件名:【△△ネットショップ】発送遅延のご報告とお詫び
○○様
いつも△△ネットショップをご利用いただき、誠にありがとうございます。
担当の●●と申します。
ご注文いただきました「商品名」につきまして発送遅延が発生しており、
ご報告とお詫びのためご連絡を差し上げました。
この度は、お客様が楽しみにお待ちくださっていたにもかかわらず、
商品の配送に遅延が生じてしまい心よりお詫び申し上げます。
原因といたしましては、弊社物流センターにおけるシステムトラブルです。
現在は復旧が完了し出荷作業を再開しておりますが、通常よりも配送に遅れが生じております。
当初の予定より2~3営業日ほど遅延し、○月△日に発送する見込みです。
商品の発送準備が整いましたら、改めてご連絡を差し上げます。
もしお急ぎであったり、遅延により商品が不要になってしまったりした場合は、
大変心苦しい次第ではございますが、ご注文のキャンセルも承ります。
キャンセルをご希望の際は誠に恐縮ですが、本メール末尾の連絡先までご一報くださいますようお願い申し上げます。
今後このような事態が発生しないよう、システムの強化と緊急時の対応体制の見直しを徹底して行ってまいります。
改めまして、お客様には大変なご不便とご心配をおかけし、大変申し訳ございません。
もしご不明な点やご要望などございましたら、お問い合わせくださいませ。
※最後に連絡先を明記
配送不備のお詫びメール例文
件名:【△△ネットショップ】商品ご配送のお詫びと対応につきまして
○○様
いつも△△ネットショップをご利用いただき、誠にありがとうございます。
担当の●●と申します。
この度はご注文内容と異なる商品をお届けしてしまい、
多大なるご迷惑をおかけしてしまったこと、心よりお詫び申し上げます。
社内で調査を行ったところ、
商品の梱包作業中の確認不足によるミスが原因であることが判明いたしました。
つきましてはご注文の商品をを至急発送させていただきます。
発送する際には、改めてメールにてご連絡差し上げます。
また、大変お手数ではございますが、誤って届いた商品は下記連絡先まで、
着払いで返送いただけますようお願いいたします。
今回の件に関するお詫びとして、○○○(具体的な品名やポイント等)を一緒に送らせていただきますので、
差し支えなければお受け取りいただけますと幸いです。
今後このようなことがないよう、出荷時の確認作業の徹底を行ってまいります。
お客様には大変なご不便とご心配をおかけいたしましたこと、重ねてお詫び申し上げます。
もしご不明な点やご要望などございましたら、お問い合わせくださいませ。
※最後に連絡先を明記
メルマガ誤送信のお詫びメール例文
件名:【△△ネットショップ】メルマガ不具合に関するお詫び
いつも△△ネットショップをご利用いただき、誠にありがとうございます。
●月△日××:××頃に配信しましたご案内メール(タイトル「秋の大感謝祭!あの人気アイテムが30%OFF!」)
につきまして、
一部商品のリンク先に不備がありましたので、改めて訂正したメールマガジンを再配信させていただきます。
お客様に混乱を招いてしまい深くお詫び申し上げるとともに、
今後このような事態が起こらないよう、再発防止に努めてまいります。
誠に勝手ではございますが、引き続き△△ネットショップのご利用をよろしくお願いいたします。
※最後に連絡先を明記
お詫びメールで顧客満足度につなげるポイント
思いがけないトラブルにより、顧客は自社に良いイメージを持っていない状態ですが、お詫びメールを含むその後の対応によって、顧客満足度の向上につなげることも可能でしょう。
主なポイントを2つご紹介します。
お詫びの特典付与や割引を行う
お詫びの気持ちとして、クーポンやポイントの付与、次回購入時の割引などを行うことで、「自分の気持ちに寄り添ってくれている」と顧客のネガティブな感情を和らげ、購買意欲の促進につなげることができるでしょう。
また、たとえお詫びだとしても特典の付与や割引は、一般顧客とは異なる「特別な扱い」を受けたという感覚を顧客に与えます。
この特別感を味わった顧客は、ショップへの愛着を持ちロイヤルティを高める効果が期待できるかもしれません。
ただし状況によっては、特典よりも丁寧な謝罪や迅速な対応を求める顧客もいることを理解しておきましょう。
顧客の状況を的確に把握し、最適な対応を心がけることが大切です。
アフターフォローを行う
顧客からの信頼を回復するためには、お詫びメール送るだけでなく、アフターフォローも欠かせません。
例えば商品に不具合があった場合は、お詫びメール後に代替品を発送して終わりではなく、商品がきちんと届いたか、今回は問題なかったかなどを確認し、改めてお詫びの言葉を伝えましょう。
最後まで責任を持った対応をすることで、顧客は「不具合があってもすぐに対応してくれる誠実なお店」「最後まで責任を持って対応してくれる信頼できるショップ」といった印象を抱き、好感度が高まります。
顧客満足度向上につなげるためにも、アフターフォローは重要なポイントといえるでしょう。
まとめ
ネットショップ運営において、顧客への心のこもったお詫びメールは信頼回復の要です。
お詫びメールを送る際はできるだけ迅速に、丁寧な言葉遣いや誠意ある謝罪を心がけましょう。
状況や原因を丁寧に説明し、具体的な対応策と再発防止策を提示し、顧客の信頼を取り戻せるよう適切に対応を進めます。
また、名前などに間違いがないか必ずダブルチェックをしてからお詫びメールを送ります。
そして、お詫びだけで終わらせず、対応が完了した後の確認などアフターフォローまで行うことが、真の信頼回復と顧客満足度の向上につながるでしょう。
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