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ノールック餌やりがSNSで大人気!住職と猫がアクリルスタンドになった「てらねこ 那須の長楽寺」

いつも画面越しに見ているネットショップのむこうには、想いのつまった“モノ”とそれを届ける“”たちがいます。このコーナーでは、知られざる商品開発ストーリーやお店の裏側に迫る現場レポートをお届けします。
今回ご紹介するショップ
栃木県那須郡那須町にある真言宗智山派の寺院「長楽寺」。フォロワー数22万人のTwitter(@nasu_chourakuji)では、毎日の朝食風景やご住職と猫のふれあいが人気です。今回は8月に開設したばかりのネットショップについて、おかみさんの鈴木 繭子さんに伺いました。途中からはご住職も登場、和気藹々としたインタビューの様子をお届けします。

墓地分譲の宣伝が目的だったTwitter

長楽寺が猫で有名なお寺として、広く知られるようになったきっかけを教えてください。

繭子さん:もともとは、お墓が売れたらいいなっていうところからだったんです。大きなお寺じゃないので、これから檀家さんは減っていく、増えるような何かをしないとっていうことで、ホームページを作ることになりました。

だけど、お寺のホームページなんか見てもらえないかもしれない。それなら、Twitterも一緒に始めて毎日投稿すれば、アクセスしてもらえるんじゃないかというのがスタートでした。

鈴木 繭子さん

でも、いざ始めると小さなお寺は行事ごとが何もなくて。どうしましょうと思ったら、目の前に猫がいたんです。あ、猫がいるじゃん! むしろ猫しかいないわっていう軽いノリでしたね。

お寺のことを知っていただくために、お寺の猫の日常をTwitterで発信し始めたということでしょうか?

繭子さん:最初は今より頭が固かったので、そんな気持ちもあったと思います。

とは言っても、そもそも私が見る側だったら、いかにもな雰囲気のお寺のTwitterを見てもつまらないと思うんです。みなさんに目を向けていただける内容かつ自分が続けられるものということで、自然と今のかたちになりました。

こちらが伝えたい内容と目を向けてもらえる内容は、必ずしも一致しませんもんね。

繭子さん:そうですね。あとは、私みたいに何も知らない側からすると、カラーミーショップの会社のみなさんは、パソコンで何か難しいことをやっているすごい人たちだって思うんです。だけど、みなさんにも生活がありますよね。そういう、普段は見ることのできない生活って覗いてみたいんですよ。
お寺も一緒で「除霊ってできますか?」とか「おねしょは治してもらえますか?」などのびっくりするような質問がきたりするんですけど、住職が起きて、朝のお勤めをして、ご飯を食べてっていう生活をお見せすることで、お寺の誤解されがちな部分が砕けていくといいなっていうのはありました。

確かに、私たちはお坊さんの普段の姿を知らないです。

繭子さん:お坊さんは法衣を着て扇子みたいなものを持っているというイメージがありますけど、あれはきちんとした場だから必要な格好であって、いつもそうではないんです。作務衣を着ているわけでもないし、パンも食べるし、コーヒーも飲むし。

ご住職:お母さん、お客さんが…。

ご住職、こんにちは!

インタビュー中に登場したご住職

繭子さん:ごめんね(笑)。

大丈夫ですよ、ご住職もご参加ください(笑)。

繭子さん:そう、半ズボン履いて半袖着てお客さん対応をしてる、これが生活なの(笑)。

親近感が湧きました!
そんな生活を届けているTwitterはフォロワー数が22万人を超えましたが、どのようにして増えたのでしょうか?

繭子さん:最初は娘のクラスメートにフォローしてもらったほどで、フォロワー数は10人以下でした。3,000人くらいまでは毎日投稿していただけだったんですよ。そのころから、住職が朝ごはんを食べている動画は出していたと思います。
朝ごはんは2回バズったときがあって、1回目はテレビでラーメン二郎を見たとき。ここは田舎なのでラーメン二郎がなくて、でも食べてみたいという憧れがあるなかで、猫たちが全匹住職に乗ってくれたんですよね。

その様子がラーメン二郎の「全のせ」みたいだって思って、「猫全のせ。猫ましまし。」ってTwitterに載せたらバズったんですね。スマホがびっくりするくらいブーブー言い出して、通知を切る方法も知らないし、火が出るんじゃないかってくらい熱くなって。それでフォロワーさんが1万人になりました。しばらく経ったらまたバズって。

このあたりからですね。
猫ましましでみなさまのお目に止まったっていうのが、一番最初の出来事だったと思います。

ご住職と猫たちのふれあいに癒やされた方が多かったんでしょうね。

紆余曲折の末のネットショップ

ネットショップを始めたのはなぜですか?

繭子さん:うちは那須三十三所観音霊場の札所もやっているんですけど、ある時、お参りに来てくださった方が「これ猫ちゃんにあげてください。いつも見てます」って、お土産をくださったんですよ。お参りに来てくださった方にはお線香をお返しするんですけど、猫へのお土産にはお返しがないことに気がついて、メモ帳を作ったんです。

これをTwitterに投稿したら、売ってくださいって言われて。家族会議をして「お商売のために作ったものではないから売れないよね」「送料だけ貰おうか」ということで、当時は送料分の切手だけいただければお送りするというかたちで、TwitterのDMから受け付けていたんです。

ところが、身に余るほどのお土産と一緒に届くようになったんですよ。それでもう一回、家族会議をしました。お気持ちはとってもありがたいけれども、そんなにたくさんうちにお金を使っていただかなくてもいいと。それだったら、お守りを作って買っていただく方が、余分なお金を使わせないで済むんじゃないかって。そのような紆余曲折があったんです。

お寺ならではのエピソードですね。

繭子さん:そんなわけで、お寺のホームページではお守り販売の受付をしていたので、ネットを利用して売ること自体は3、4年やっていたんですよね。お守りや絵馬は宗教活動ということで非課税なんですけど、お寺はなんでも非課税だという誤解をされることもあるので、Twitterではネットショップの売上の納税報告もするようにしています。

今回、アクリルスタンドやネットショップの制作は広告企画制作会社「REACH」の大久保さんにお願いしたということですが、大久保さんとお知り合いになったきっかけを伺ってもいいですか?

きっかけは、お恥ずかしながらアイドルです。後ろに飾ってあるんですけど。

長楽寺の加賀楓さんコーナー

はい、加賀楓さんが見えます。

繭子さん:うちの楓ちゃん。住職を撮っているときに、どこの角度からも楓ちゃんが映るようにしてたんです。それで加賀温泉郷のプロモーションをしている大久保さんと知り合いになって…

ご住職:一日駅長の話をした方がいいんじゃない?

繭子さん:加賀楓ちゃんを加賀温泉駅の一日駅長と加賀温泉郷の観光大使にしたいっていう署名活動に、名前を貸して欲しいってファンの方に頼まれたんですよ。楓ちゃんのチャンスに繋がるんだったらということで協力して、そこからのお知り合いですね。

加賀楓さんがきっかけだったんですね!

繭子さん:そうですね。署名活動が終わったときに大久保さんが「矢面に立たせるようなことをしてしまって申し訳ありません、何かあったら協力します」と言ってくださって、ありがたい人だなぁって。

今回、アクリルスタンドを作りたいと思ったときに、その言葉を思い出したんですね。一流のクリエイティブの世界でお仕事をされている方に声をかけるなんて、本当にとっても緊張したんですよ。
だけど、他につてがないから。断られてもいいと思ってお願いしたら「いいですよ。大丈夫です」って、那須まで来て写真も撮ってくれて、クオリティの高いものができました。とても親切にしていただきました。

ご住職はご自身がアクリルスタンドになると聞いて、どう思われましたか?

ご住職:蚊帳の外よ(笑)。

でも大人気ですよね!

ご住職:人気じゃないよ〜。ミー子(猫)の方が人気。ミー子は追加注文してるから。

繭子さん:それはそうでしょ。ミー子より売れたかったの?

ご住職:どうせならね。

購入者層はどういった方が多いですか?

繭子さん:ミー子だけを買う方、ミー子と住職を買う方はわかるんですけど、この間はお寺で住職だけをお買い上げされた方がいてびっくりしました。思わず「何でですか?」って聞いたの。そうしたら「そりゃ、住職を買うでしょ!」って言ってたよ。

ご住職:仏壇に飾るのかな?

繭子さん:住職推しの方もいるんですよね。それで、住職だけアクリルスタンドが2パターンあるんです。

ファンの方が買ってくださるんですね。

繭子さん:そうなんでしょうね。最初は猫を見るためにうちのYouTubeを観てたのに、だんだん住職を見るためになったという方が増えました。

ご住職:増えましたかね?

繭子さん:自覚ないでしょ! 増えましたよ。

私も猫が肩に乗ってもペースを崩さない、ご住職の温厚な姿に癒されております。

繭子さん:みなさんに「ノールック餌やり」って言われています(笑)。

グッズ作成のこだわりと今後の展望

グッズを作る上でのこだわりはありますか?

ご住職:ないです、自分の趣味です。

繭子さん:そうだね、作った時点で自分の趣味だよね。それと、買う人の気持ちになることですかね。アクリルスタンドは正直、原価が高かったんです。家族会議でいくらで売ろうってなったときに、送料はどうしてもいただかなくちゃならない。「じゃ、2,000円?」「いやいや、買う?」って、2,000円はないだろうと。1,700円か1,800円かでかなり話し合いました。それで、正直に「原価が高くてどう頑張ってもここまでしか下げられませんでした」って言えばいいんじゃないかということになったんです。

楓さんのグッズを買われている経験は役に立っていますか?

繭子さん:それはあります。娘も同じようにモーニング娘。のファンなんですけど、よく叱られるんですよ。「お母さん、自分がグッズを買うときの気持ちになって。3個セットより一つひとつ選んで買いたいでしょ。バラ売りにしなくちゃだめだよ」って、うちの開発部長に言われています。

さすがの助言ですね!カラーミーショップではフリープランをご利用されていますが、お選びいただいた理由を教えてください。

繭子さん:選んだのは大久保さんです。私は本当に何も分からなかったんです。

ご住職:大久保さんにお願いして、気がついたらカラーミーさんを使ってたと。

そうだったんですね。

ご住職:うちらが答えられることって、今ので終わりだもんね。

繭子さん:何一つ分かってないんです。

ご住職:何が分からないかも分からないから。

繭子さん:それで、大久保さんたちを困らせたんですよ。

ご住職:いざ、ネットショップを稼働しようっていうときに、何を質問していいのか分からないって言ってたから。

繭子さん:「私がしようとしてることは何ですか?」って質問して、大久保さんがポカーンとしてたのを今でも思い出します。

ご住職:思い出すね(笑)。

実際に運営してみてどうですか?

繭子さん:えっと…娘が運営しています(笑)。
東京にいる娘から「お母さん受注が3件入って11個ね、ご入金いただいたのこれだから、これしといてね」って指示が入ります。

遠隔ですか! オープン初日の受注数はかなりの数でしたよね。発送はどうされたんですか?

繭子さん:本当にありがたいお話で、私、めっちゃ頑張りました。プチプチで包んで、梱包も発送もすべて私がやりました。住職は仕事だし、娘は東京だし!

外注ではなかったんですね。

ご住職:お金ないもんね(笑)。

繭子さん:それでなくったって売値ギリギリまで下げてるんだから〜。

なるほど、大変!

繭子さん:来月はアクリルスタンドに新しいバージョンが出ます。その受注対応については娘が来てくれるので、一緒にやろうと思います。

心強いですね。アイテムはさらに増える予定ですか?

繭子さん:そうですね。アクリルスタンドは毎月2種類ずつ、全部で8種類の予定です。
私も住職も限定という言葉でお客さんの気持ちを煽ることはあまり好きではないので、お客さんの希望に沿って増やせるといいなと思います。全種類見てからどれを買おうか考える方もいらっしゃると思うので。

今後、ネットショップをどのように展開していきたいですか?

繭子さん:定期的に更新しないとアクセスしていただけなくなっちゃうので、毎日何か更新されてるかなとクリックしていただけるようにはしていきたいです。
フリープランと言っても大分カスタマイズできる仕様だと思うので、それをもっと活かせたらと。まだ勉強が足りないんですが…。

ご住職:歳なんだよ。

繭子さん:うるさいな!(笑)来年の4月に娘が戻ってきてくれるので、そっちをお願いしてもっと膨らませられたらと思います。

ご住職:ところで、フリープランはいつまでフリーでいられるのかな?

一生フリーでもいられますが、月商が10万円をコンスタントに超えるのであれば、月額のプランに変更いただいた方がコストはかからないんです。

ご住職:あれっ? もう超えてる?

繭子さん:どうしていいんだかさっぱり…。

運営しやすい方をお選びいただくのが一番かなと思います。

ご住職:プランを変えた途端に売上が落ちるかもしれないしね。

繭子さん:住職の抱き枕でも作ろうか!

今後のグッズ展開も楽しみにしております!

REACHの大久保さんにお話を伺いました

ネットショップ「てらねこ那須の長楽寺」を作られた広告企画制作会社「REACH」の大久保さんにお話を伺いました。

ネットショップを作るにあたって、カラーミーショップをおすすめいただいた理由を教えてください。

那須の長楽寺さんは大企業ではなく地域の小さなお寺さんなので、まずは無料で始められるネットショップを考えていました。
今回は、商品販売以外の情報も織り交ぜた公式サイト兼ネットショップのようなサイトを構築したかったので、デザインの自由度が高いカラーミーショップを採用しました。
また、商品の重さで送料を変える設定があったのも選んだ理由の一つです。

フリープランの使い勝手はいかがでしたか?

フリープランでカラーミーショップを使えるのは、制作側からすると非常にありがたいです。
他社の無料サービスは、ぱっと見、小綺麗なサイトにはなるけど、どれも同じようなテンプレートで独自性が出しづらいんです。
カラーミーショップは独自のCSSがかけたり、サイトと共通のヘッダーやフッターが使えたりと、Webサイトの中にネットショップがあるような見せ方ができます。それがフリープランで実現できるのはありがたいです。

嬉しいお言葉をありがとうございます!

あとがき

インタビュー中のお二人の掛け合いと仲良しなご様子に、こちらまで和んでしまいました。
カラーミーショップは初心者の方でも使いやすいのが特徴です。何か困ったときは、いつでもお声がけください!

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