テレビCMなどで「無料でお店を開くならBASE(ベイス)」というフレーズを聞いたことがある方も多いと思いますが、無料でネットショップ(ECサイト)を開設できるサービスの中でも抜群の知名度を誇るのがBASEです。この記事ではBASEでネットショップを運営する際にかかる費用と、どんな方におすすめできるのかを解説していきます。
ネットでお店を作るなら〜♪ベイッスゥッ♪だよね!TVのCMで見てから、ついつい口ずさんじゃうよ!CMを見た感じ、若者向けのサービスなのかな?
ツクルくん、ちょっと音が外れてますね!実はBASEのコンセプト的にはネット操作が苦手な「お母さん」を意識しているそうです。そのあたりも含めて詳しく見ていきましょう!
BASEの特徴
BASEは、「初期費用と月額費用なし」でネットショップを開設できるASP型ECサイト開設サービスです。ちなみにASP型ECサイト開設サービスというのは、簡単に言うとサービス提供側のサーバー上でネットショップを作るサービスこと。ユーザーが自分でサーバーを借りる必要はなく、ネットショップ運営に必要は機能はすべてサービス側で用意してくれています。
「初期費用と月額費用なし」でお店を始められるサービスは、カラーミーショップをはじめBASEの他にもいくつかあります。その中でもBASEの特徴と言えるのが、直感的に使えるシンプルさでしょう。
事実、BASEのコンセプトの主軸には「お母さんも使える」というものが掲げられており、曰く“良くも悪くも「機能をつけない」”のだそうです。これは、BASEの代表のお母さまがネットで服を売りたいと思ったときに、「大手ECモールがむずかしくて使えなかった」というエピソードが生かされていると言います。
モバイルフォンでも、操作が苦手な方向けに機能を絞った商品が展開されていますが、それに近しいコンセプトと言えるかもしれません。
無料なのに手数料?BASEを使うとかかる費用を計算しよう
「BASEは無料でお店を開けると聞いたのに、手数料がかかるの?」と思われる方もいると思いますが、「無料でお店を開ける」ことと、「運営上のすべてが無料でできる」ことは分けて考える必要があります。
実際に、BASEは初期費用、月額料金が無料なので「0円でお店を開ける」ことは事実です。商品が売れた際には手数料がかかりますが、これは無料でお店を開いた後のこと。ただ、売れた商品に対して手数料がかかる仕組みなので、お金がマイナスになることはありません。そのため、気軽にネットショップが開店できるという認識で問題ないと思います。
ちなみに、BASEと比較されることが多いカラーミーショップのフリープランも仕組みは同じです。初期費用、月額費用が無料で、手数料はかかります。決済手数料まで無料のサービスは現状(2021年7月9日時点)はないので、そういうものだと思っておいて、使うサービスに迷った際は手数料などの違いで比較するのがおすすめです。
BASEとカラーミーショップ(フリープラン)の手数料は以下の表でご確認ください。
BASE | カラーミーショップ (フリープラン) |
|
初期費用 | 0円 | 0円 |
月額費用 | 0円 | 0円 |
販売手数料 | 0円 | 0円 |
決済手数料 | 3.6%+40円 |
6.6%+30円 |
サービス利用料 | 3.0% | ー |
振込手数料 | 250円 | 50〜700円 (振込額・金融機関による) |
事務手数料 | 0〜500円 (振込額による) |
0円 |
ディスク容量 | 無制限 | 200M |
商品登録数 | 無制限 | 無制限 |
登録画像数 | 〜20枚/1商品 | 〜4枚/1商品 |
デザインテンプレート数 | 50種類以上 | 80種類以上 |
機能数 | 70種類以上 | 200種類以上 |
独自ドメイン | ○ | ○ |
電話サポート | ー | ー |
メールサポート | ○ | ○ |
運営会社 | BASE株式会社 | GMOペパボ株式会社 |
上場証券取引所 | 東証グロース | 東証スタンダード |
※表のデータは2021年7月1日時点のものです
BASEの決済手数料とは
決済手数料とは、商品が売れた際にサービス側に支払う手数料のことです。商品が1つ売れるたびに決められた料率の手数料をBASEに支払うということになります。
手数料を支払うのは決済のタイミングなので、商品が売れた個数というよりは決済回数に対してというのが厳密には正しいのですが、商品が1つずつ2回売れても、1回で2つ売れても支払う手数料に変化はないので、「商品が売れるごとに商品代金から引かれるもの」と考えておくとわかりやすいでしょう。
BASEの決済手数料の特徴は後述のサービス利用料と分けて表示されている点です。サービス手数料も決済ごとに発生するため、名称以外の区別はなく、実質的には「決済手数料+サービス手数料」で他のサービスと比較すると混乱がありません。
- BASEの決済手数料=3.6%+40円
- BASEのサービス手数料=3.0%
- BASEの実質的な決済時にかかる手数料=6.6%+40円(決済手数料+サービス手数料)
BASEのサービス利用料とは
サービスを利用する際に支払う手数料となっていますが、決済ごとに発生するので前述のとおり、考え方としては決済手数料のようなものと捉えてしまっても差し支えはなさそうです。
- BASEのサービス手数料=3.0%
BASEの振込手数料・事務手数料とは
BASEの振込手数料とは、ネットショップの売上を引き出す際に行う「振込申請」ごとにかかる手数料のこと。
BASEで商品が売れた際、売上は都度ユーザーの口座に振り込まれるわけではなく、BASE側に蓄積されていきます。これを引き出す際に振込手数料が必要になるというわけです。
振込手数料は引き出す金額に関わらず、一律250円です。
これとは別に、「振込申請」を行うと金額に応じてBASEに事務手数料を支払う必要があります。
振込申請額が2万円未満の場合は500円、2万円以上の場合は0円です。
余裕があるのであれば、申請額が2万円以上になったタイミングで引き出した方がお得になるので、覚えておきましょう。
なお、一度も振込申請をしたことがない場合、180日を過ぎると売上金が失効してしまうので、あまり放置をしすぎないよう注意してください。事前にメールなどでお知らせが来るので、過度に気にする必要はありません。
BASEを使うと得するひと・損するひと
ここまでBASEの手数料について解説してきましたが、他サービスとの比較表を見ても分かるとおり、無料でネットショップが作れるサービスの中では手数料が高めなので、BASEを選ぶ理由として費用面は決め手になりにくいと思います。
また、BASEのコンセプトとして機能面の充実をうたっていないので、その点も選ぶ理由にはならなそうです。
では、BASEを使ってメリットを享受できるのは、どういった方になるのでしょうか。
それはズバリ、「とにかく簡単操作で、趣味の延長線上でネットショップをやりたい方」です。
「とにかく簡単操作で」というのはそれがBASEの最大の魅力であり、特徴でもあるからですが、「趣味の延長線上で」というのはなぜかご説明します。
ネットショップ作成サービスには、BASEをはじめとした月額費用が無料のもの以外に、月額費用が有料のものがあります。
例えばカラーミーショップにも月額制のプランがありますが、月額費用がかかる代わりに決済手数料がフリープランより安く設定されています。
そのため、売れれば売れるほど決済手数料の差額分、両プランの差は埋まっていき、ある程度の月商になると無料のプランのほうが手数料が高くなります。
本業はもちろん副業でも真剣に取り組むのであれば月商数万円などではなく、それなりの売上を達成したいですよね。
そして売上が増えれば増えるほど業務は煩雑になっていくので、機能面でのサポートが無視できないものになっていきます。
つまり、ネットショップを収入の軸に組み込もうとする方は、費用と機能の両面を考慮する必要が出てくるのです。
これらを総合的に判断すると、売上の目処がまだ立っておらず、機能の拡張よりも簡単操作を重視する人はBASEでメリットを感じるでしょう。
それなりの月商を目指し本格的にECサイトを運営したい方は、有料プランがある(カラーミーショップはフリープランから有料プランへの変更が可能)サービスのフリープランから始めると、引っ越しなどの手間が省けるでしょう。
BASEを選ぶひとが多い理由
費用面、機能面では優位と言えないBASEですが、なぜBASEを選ぶひとが一番多いのでしょうか。
これは一言で言えば知名度です。BASEはTVCMをはじめ広告に力を入れているので、非常に多くの方がその名前を知っています。知名度の高さからサービスを触ってみる方が多く、シンプルな使い勝手が好まれて人気につながっているのでしょう。
こんなひとにはBASEが一番おすすめ
- ・コストは多少かかっても簡単であることを重要視したい
- ・売れるかどうかまだわからない
- ・ショップを大きくしていく予定はないので便利機能などはそれほど必要としない
上記がすべて当てはまる方にはBASEが一番おすすめのサービスと言えます。
それ以外の場合は、カラーミーショップなど別のサービスを選ぶ方がメリットが多くなる可能性があるので、検討してみてください。
なお、BASEは相対的に簡便性に優れているということですので、他サービスの操作が特別むずかしいというわけではありません。BASEの強みに当てはまらずに、その点が不安になった方は安心してください。
まとめ
BASEでネットショップを開く際の手数料と、BASEをおすすめできるのはどんな方かについて解説しました。
知名度が抜群のサービスですが、重視するポイントによってはメリットもデメリットに変わってしまいます。費用や機能だけでなく、そのサービスが目指している方向も合わせて理解すると失敗しにくいでしょう。
BASEの「お母さんも使える」というコンセプトは、サービスの特徴を端的に表しています。ご自身にとって、そのコンセプトに価値を見出せるかどうかも確認してみてくださいね。
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よくある質問
BASEでネットショップを開業し、売上1件ごとにかかる手数料は以下です。
BASEの決済手数料=3.6%+40円
BASEのサービス手数料=3.0%
決済時にかかる実質の手数料=6.6%+40円(決済手数料+サービス手数料)
BASEでは1件売れるごとに、6.6%+40円がかかります。詳しくはこちらをご覧ください。