マネタイズは、Web業界などを中心にビジネス用語として使われることが多いです。
YouTubeなど、私たちのよく利用するサービスでも実はマネタイズの手法が用いられています。
今回は、マネタイズの方法やマネタイズを成功させるためのポイントなどを解説していきます。
マネタイズってよく聞くけど、どういう意味だろう?
一言でいうと収益化という意味です。
Web業界において、無料サービスを収益化することをマネタイズといいます。詳しく見ていきましょう。
マネタイズの意味とは?
マネタイズとは「収益化する」という意味で使われます。
もともとは貨幣の製造や通貨の発行を表す言葉でしたが、そこから発生して知識やスキルなどを収益化することを意味するようになりました。
Web業界でのマネタイズの使い方
マネタイズは、Web業界でよく使われる言葉です。
Web業界でのマネタイズは単に収益化という意味ではなく、「無料のサービスから収益を得ること」を表します。
私たちの生活に欠かせないインターネットサービスは、無料で提供されているものが多いです。
サービスを維持しつつ、いかに収益化を実現していくかという意味でWeb業界においてマネタイズという言葉がよく使われるようになりました。
マネタイズとビジネスモデルの違い
ビジネスモデルとは、企業が「顧客にどのような価値を提供して、どう利益を得るか」というビジネス全体の構造のことです。
一方でマネタイズは、収益化のみに焦点を当てています
つまりマネタイズとは、ビジネスモデルの中に含まれるといえるでしょう。
ビジネスモデルはただ収益化を考えるのではなく、どのような事業を行い、継続させて収益を得るのか全体の仕組みのことです。
マネタイズの方法と具体例は?主な手法を紹介
マネタイズといってもイメージが湧きにくいかもしれません。
Web業界においては、どのようなマネタイズ方法があるのでしょうか。具体例も合わせて紹介します。
1.広告収入モデル
広告収入モデルとは、自身の運営するサイトに他社広告を掲載したり、アプリやサービス上で他社の動画広告を流したりすることで広告主から報酬を得て収益化する方法です。
Webサイトのマネタイズの方法として、よく使われています。
広告収入モデルの具体例
広告収益モデルの代表例として、次のようなものがあります。
- 1.バナー広告(ディスプレイ広告)・アフィリエイト
- 2.YouTube
- 3.Instagram
1つ目のバナー広告・アフィリエイトは自身が運営するブログやサイトに、他社の広告を掲載して収益化します。
ただし、掲載するだけで収益が得られる訳ではなく、訪問者が広告をクリックしたり、クリックした先で商品を購入したりすることによって報酬が生じる仕組みです。
バナー広告はサイトに訪れるユーザーの関心度が高そうな広告をサイトに表示することで、アフィリエイトはブログやサイトで商品やサービスを紹介して広告主のサイトや購入へ誘導するものです。
2つ目のYouTubeは仕組みをご存じの方も多いと思いますが、自身が投稿した動画に広告を付け、視聴されることで収益が発生します。
YouTubeで広告収入を得るには、チャンネル登録者数や総再生時間などの一定の基準を満たさなければならず、誰でも収益化できるという訳ではありません。
3つ目のInstagramは、企業からの広告依頼を受けて、Instagram上の自分のアカウントで商品やサービスを紹介することで収益を得る仕組みです。
インフルエンサーと呼ばれるような、一定のフォロー数がある人にしか行えない方法になります。
また、広告ということを隠して商品を紹介するようなステルスマーケティングに対しては2023年に規制が強化され、広告の場合はきちんとわかるように「# PR」などと付けて投稿しなければならなくなりました。
2.課金モデル
サービスに付加価値(機能)を付け、利用者からの課金によって収入を得る方法です。
Webサービスなどにおいて、まずは無料でサービスを提供して価値を感じてもらい、無料利用には無い優れた機能や特典を受けたい場合は有料プランを案内するといったケースがよく見られます。
課金モデルの具体例
課金モデルには、次のようなものがあります。
- 1.アプリの課金
- 2.オンラインサロン
1つ目のアプリへの課金は無料で利用できるスマートフォン用アプリ内の課金システムのことです。
アプリを利用するユーザーが課金することで、無料利用で制限されていた機能が解放されたり、ゲーム内のアイテムが購入できるようになったりします。
2つ目のオンラインサロンとは、共通の目的などを持った人たちが集まるコミュニティです。
YouTubeやInstagramなどでフォロワーを集め、人気が出てきたら入会金や月額会費が必要なオンラインサロンに案内するのが主な流れです。
オンラインサロンを行う専用のプラットフォームもあるので、手軽に始められます。
3.仲介モデル
マッチングサービスを提供し、仲介した手数料として報酬を得るモデルです。
情報の検索など基本的なサービスの利用は無料で、マッチングや契約がサイト内で行われる際に手数料としてサービス側に収益が発生します。
仲介モデルの具体例
仲介モデルの代表例は次のとおりです。
- 1.フリマサイト(フリマアプリ)
- 2.予約サイト
- 3.クラウドソーシング・人材サービス
1つ目のフリマサイトは、自分の持ち物を売りたい人と買いたい人をつなげるプラットフォームです。
サイトやアプリ内で売買が成立すると、運営者は販売側から手数料として、売上の一部を受け取ります。
私たちが身近に利用しているグルメやサロン、宿泊の予約サイトも仲介モデルの1つです。
ユーザーから予約が行われた時に、運営者は掲載店から紹介手数料などを受け取ります。
働きたい人と労働力が欲しい企業をつなげる人材サービスも、実は仲介モデルです。
クラウドソーシングは仕事の依頼側もしくはワーカー(仕事を得た側)の報酬から、人材サービスでは紹介や派遣などで人材を採用した企業から報酬を得る仕組みになっています。
4.ECモデル
インターネット上で販売できる場所やサービスを提供し、出店者から出店料や売上の一部を報酬として受け取るモデルです。
実店舗における、テナント料のようなものといえます。
ECモデルの具体例
ECモデルとして代表的なのが、ECモールやASP型ネットショップです。
Amazonや楽天市場などに代表されるECモールは高い集客力を強みとし、商店街やショッピングセンターのように、多くのネットショップで形成されるECモデルです。
収益源は出店料や販売手数料、システム利用料などECモールによって独自の手数料があります。
ASP型ネットショップはカラーミーショップのように、専門的な知識がなくても簡単に自社オリジナルのネットショップを作れるようにしたサービスです。
無料のプランの場合、ネットショップの作成や運営自体は無料ですが、商品が売れた際に販売手数料として店舗から報酬をもらいます。
マネタイズを成功させるコツ
ここまで、マネタイズの手法や代表例を紹介してきましたが、マネタイズがうまくいかないこともあります。
成功させるにはどういった点に注目すると良いのか、3つのポイントを紹介します。
市場調査を行いターゲットを設定する
サービスの提供を考える前に、マネタイズが成功する可能性があるのかを知るために市場調査を行うことは大切です。
市場調査をすると、競合が多すぎてマネタイズが難しかったり、市場が縮小していてマネタイズが期待できなかったりといったことが把握できるでしょう。
また、同時にどのような人が主に利用ユーザーになるのかのターゲット設定も重要です。
市場調査からサービスの需要を知り、ターゲット設定でユーザーを絞りこむことで、マネタイズが成功する確率が高くなります。
無料サービスにしてできるだけユーザーを増やす
広告収入モデル、課金モデル、仲介モデル、ECモデルのいずれも、関心を持ったユーザーが利用しやすいよう入り口を広くしているサービスが多いです。
これはいずれのマネタイズでも、収益化させるためにはまずは多くのユーザーを獲得することが肝心だからといえます。
例えばマッチングサービスでは利用者が増えて知名度が上がれば、さらに利用者が増えてマッチングの精度が上がります。
すると、手数料を支払っても利用したい有益なサービスと認識されるようになります。
まずは多くのユーザーを獲得するために、無料で誰でも利用できるようにすることが重要なポイントです。
そこから有料コンテンツを増やすなど収益化を考えるのが、マネタイズを成功させるコツになります。
ユーザーの反応を見ながら改善していく
収益化までの導線をうまく考えても、ユーザーが魅力的だと感じなければ、無料サービスの利用にとどまってしまいます。
ユーザー側の視点に立って、どの程度の価格なら購入してもらえそうか、どういった内容なら利用してもらえそうか、ユーザーの反応を見ながらPDCAサイクルを回し改善していきましょう。
初めから収益化がうまくいかなくても、ユーザー目線で改善を繰り返すことによって、マネタイズが成功しやすくなります。
マネタイズを行う際の注意点
マネタイズで重要なのは、ユーザーがお金を払ってもいいと感じられるような魅力あるサービスを提供してブランド力をつけ、ファンを増やしていくことです。
そのため注意したいのが、収益化を急ぐあまり無料のサービスを突然有料に変えてしまうなど、マネタイズだけを優先することです。
サービス維持のために有料化が必要な場合もありますが、ユーザーのことを考えず収益化ばかりを優先してしまうと、ファンの心は離れてしまいます。
同様に、有料サービスへしつこく誘導するようなマネタイズも逆効果となり、ユーザーは一気に不信感を抱いてしまうでしょう。
強引に収益化するのではなく、ファンが自分からお金を出したいと思うような仕組みにすることが重要です。
まとめ
マネタイズにはさまざまな手法がありますが、いずれにも共通しているのは、利用するユーザーが増えないと収益化が難しいということです。
まずは利用者を増やし、そこからお金を払ってもいいと思えるファンを増やしていくことがマネタイズの成功には求められます。
収益化ばかりを考えて、マネタイズできる仕組みにしたものの納得感が無いとユーザーは離れていってしまいますので、まずはファン作りに注力しましょう。
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