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商品の販売価格の決め方はどうやるの?値段のつけ方のポイント・コツとは?

商品の販売価格の決め方はどうやるの?値段のつけ方のポイント・コツとは?

近年、誰でも商品をネット上で販売できるようになってきたことで、ネットショップや通販サイトを開き始める方も増えてきました。

しかし、そんなネットショップを始めた方のお悩みとして多く挙げられるのが、商品を販売しようとする際に「いくらで商品を売るのがベストなのか?」というお悩みです。

ツクルくん
ツクルくん

そもそも値決めの方法もわからないし、売れるかどうかもわからないから、販売する際の値決めをどうしていいか迷っちゃうな…。いくらで売るのが最適なんだろう…?

販売価格を決めるのが初めてだと、このように戸惑う方も多いと思います。

カラミちゃん
カラミちゃん

そこでこの記事では、ネットショップでの商品に値段付ける際のポイントや販売価格のつけ方について解説します。

販売価格を決める際に知っておきたい!基本用語と計算方法

販売価格を決める方法は、さまざまな方法があり、その中には聞きなれない用語も出てくることもあります。
そこでまずは、販売価格を決める際に知っておきたい、計算式で使う基本用語を紹介します。

原価とは

原価とは、商品やサービスを提供するために必要な原材料費や給与といった人件費などの総額を指します。

原価は、大きく「材料費」「労務費」「製造費」に分けて考えるとわかりやすいでしょう。

原価 材料費 原材料費
購入部品費
消耗品費
消耗工具備品費
労務費 賃金・給与
賞与・退職金
福利厚生費
製造経費 減価償却費
金型・治工具費
電力・水道費
修繕費
交通費・外注費

材料費は、商品制作に関わる費用で、労務費は商品制作をする人に関わる費用。 そして、製造経費は商品制作のために必要な設備や備品です。

このように、1つの商品を販売するまでに必要な電力や人件費なども足した金額が原価となります。

原価率とは

原価率とは、売上に対する原価の割合のことです。
計算式は、「原価 ÷ 売上 × 100 = 原価率」で算出することができます。

例えば、売上450万円で原価が150万円であれば原価率は約30%となります。

利益率とは

利益率とは、売上に対する利益の割合です。
計算式は、「利益÷売上=利益率」で算出できます。

利益率の数字が高いほど、商売として成功していることがわかります。
この利益率は、商売をする際の目標値としても使えるので、目指すべきゴールを決める際にも使用できます。

カラミちゃん
カラミちゃん

押さえておきたい基本用語を解説しましたので、ここからは具体的に一般的な販売価格の計算方法を説明していきます!

さまざまな販売価格の決め方がありますが、重要なのが「最低限、利益を出せる数字」にすることです。つまり、原価と仕入れを合わせた額以上にすることが重要になります…!

まずはそれを基本に「原価に利益をいくら乗せるか」・「ライバルの価格」・「市場の価格や需要」などを考えて決めていきましょう。

販売価格の決め方①コスト(原価)から考えて商品の値段を決める

こちらは、商品の原価をベースに商品の値段を決める方法です。

「商品金額のうち、何割を原価にするか」というように原価を基準に考える値段の決め方です。

販売価格の計算は、紹介した用語の中の「原価率」を使い計算します。
販売価格を決める計算式は、「販売価格=仕入れ価格÷原価率」となります。

例えば、仕入れ価格を含めた原価1,000円の商品があり、その商品を原価率40%で販売しようとした場合は

2,500円(販売価格)=1,000円÷0.4

となります。原価率の割合を上げるほど販売価格は安くなり、下げるほど販売価格が高くなります。

カラミちゃん
カラミちゃん

この計算方法で価格を決める場合、原価をベースに考えているので「販売価格の計算が簡単」といったメリットがあります。しかし反対に「金額によっては競合に勝てない可能性がある」「市場価格との乖離がある」など、設定した金額によっては商品が売れない可能性もあることを把握しておきましょう!

販売価格の決め方②利益率から考えて商品の値段を決める

次にご紹介するのが、利益率から考えて商品の値段を決める方法です。「この商品を売って、どれくらいの利益が欲しいのか」という利益を基準にした考え方で販売価格を決めます。

計算式は、「販売価格=原価÷(1-利益率)」です。

例えば、仕入れ価格を含めた原価1,000円の商品があり、その商品を利益率80%で販売しようとした場合は

5,000円(販売価格)=1,000円(原価)÷(1-0.8)

となります。こちらは原価率とは違い、利益率を高めれば高めるほど販売価格は上がります。

カラミちゃん
カラミちゃん

原価率から考える方法と同じく、こちらも簡単でわかりやすい設定方法です。ただし、利益率をもとに出した金額は、あくまで売り手であるショップ側の希望。ユーザーや市場とマッチせず、適正でない価格になる恐れもあります。

そこで下記に、一部例として、各業態の売上高対総利益率(14年度平均)の数値を紹介します。利益率を考える際の参考にしてみてくださいね!

例: 売上高対総利益率(14年度平均)
製造業 25.3%
卸売業 23.2%
小売業 39.1%
建設業 17.6%

引用:中小企業の経営指標

詳しいジャンル別の利益率は、上記引用の中小企業庁のデータ(中小企業の経営指標)を参考にしてみてください。

販売価格の決め方③競合・市場と比較して商品の値段を決める

自社のネットショップと同ジャンルの市場で、競合が販売している商品と比較して金額を決める方法です。

販売する商品は市場で、どれくらい消費者にとって需要があるか(どれくらいのお金を払ってくれるのか)を考慮・リサーチして販売価格を設定する方法もあります。

競合が似たような商品・ジャンルを販売していた場合、上記で紹介した計算方法で出した金額が競合よりも高いと、価格比較された結果、自社のショップが売れなくなることがあります。

利益を出すためにも、競合がどれくらいの金額で販売しているのか比較して販売価格を決めることも大切です。

ただし、競合よりも高い価格を設定していたから自社の商品を安くしてみる、という安易な判断は禁物です。

安くした結果、値下げ競争に巻き込まれ利益が出せない金額になってしまいショップの売り上げに影響を与えてしまったり、競合よりも大幅に安くしたことで、「このお店は安いから質もそこそこかも」と消費者は感じて購入されない、安い商品を扱うお店としてブランディングを傷つけてしまう可能性があるといったデメリットもあります。

反対に、競合よりも高く設定していた場合は、あなたのお店で買う理由が特にない場合は、「似たような商品なら少しでも安く購入したい」という感情を消費者が持ち、競合のお店で購入してしまう可能性もあります。

カラミちゃん
カラミちゃん

競合との比較はあくまで参考として考え、それよりも高い金額を設定する場合は、

  • ・それでも欲しいと思われるお店のメリットやファンをつける。
  • ・お店独自の特典(ノベルティやポイントなど)。
  • ・他では手に入らないアイテムを扱う。

といった工夫を行うなど、販売価格とセットでお客様に選んでもらえるようなショップの戦略も決めましょう。

どの方法で商品の価格を決めるのがいいの?

販売価格の計算方法を3つ紹介しましたが、はたしてどの方法で商品価格を決めることが適正なのでしょうか。

結論から言うと、どれか1つの方法で販売価格を決めればいいということはありません。

なぜなら、販売価格の計算方法ごとにメリットやデメリットがあるからです。

計算方法 メリット デメリット
①    コスト(原価)から考えて商品の値段を決める 販売価格の計算が簡単 「競合に勝てない」「市場価格との乖離がある」「お客様目線がない」などで商品が売れない可能性もある
②利益率から考えて商品の値段を決める 自分たちの得たい利益を考えて値段を決めることができる ①と同じように、お店側の都合なので、「市場価格との乖離がある」「お客様目線がない」などで適正な金額にならない場合がある
③    競合・市場と比較して商品の値段を決める ・競合との価格差がなくなる

 

・戦略で差別化を図れる

・利益率が低くなる場合がある

 

・値下げ競争に巻き込まれる

カラミちゃん
カラミちゃん

ショップを運営する上での基本方針は、利益が出るように金額を決めることが大事なので、①や②をべ―スに考えつつ③などを組み合わせて調整し、これから解説する大切なポイントも踏まえて値段を決めてみましょう!

販売価格を決める際に知っておきたい大切なポイント

販売価格を数字上だけで決めずに、これから紹介する3つのポイントも考慮して決めることが大切です。

お客様が本当にその金額で買うのか?ショップ目線だけの金額になっていないかを考える

販売価格を決める方法は、基本的にショップに利益が出るようにつけるのが基本です。
しかし、あくまでショップの都合なので本当にお客様が払いたい金額なのか考える「顧客目線が大事」です。

利益率を多く求めても、販売価格を上げてもお客様に購入してもらわなければ意味がありません。

お店のコンセプトやターゲット、ブランディングも合わせて考えよう

お店のターゲットやコンセプトによっては、商品を売りたいがために安くすることで、お店のブランド価値やイメージを下げることにもなりかねません。
お店の価値を維持できる価格を見極めて、販売価格を決めましょう。

競合や類似商品の価格に合わせての値下げ競争になると、せっかくのブランドイメージも低価格帯のお店という印象を持たれてしまいます。

あなたの商品が「そのジャンルでトップのシェアを持っている」「他社ではまねできない独自の技術で作られている」「圧倒的に高い品質」「高いブランド力」「たくさんのファンがいる」といった魅力がある場合は、価格を高く設定しても購入してくれる可能性もあります。

もし競合の価格より下げなければ売れないなら、ショップのコンセプトなら再検討することも考えてみましょう。

お客様が買いやすくなる工夫をしてみよう

ある程度販売価格が決まったら、「価格を端数にして割安感を出す」という方法も効果的です。

例えば5,000円ではなく4,980円にするなど、お客様が買いたくなるような値付けの仕方を考えるのもテクニックの一つ。
こうした価格設定をすると、5,000円より安いと感じてもらえて、購買のハードルを若干ながら下げることができます。

実際には、20円の差でしかありませんが、売上には大きな差が出る可能性があります。

商品に値段をつけてみよう!ステップごとに解説!

ここからは実際に例として、カラーミーショップを使ってネットショップを運営している方が商品の価格を決める場合の流れを紹介します。

【アパレルショップでTシャツを販売してみる】
・仕入れ価格:1,000円
・1アイテムにかかった諸経費(管理費や人件費など):500円
・想定する利益率:35%
(中小企業庁が発表した婦人・子供服小売の売上高対総利益率の37.4%を参考に)
・手数料:4%(※カラーミーショップの決済サービス「カラーミーペイメント」のクレジットカード決済手数料)

この場合、「仕入れ価格」と「1アイテムにかかった諸経費」を足した金額1,500円を原価としています。

また、実店舗と違いネットショップを運営している場合はサービスによって販売手数料や決済手数料が発生するのでこちらも含めて販売価格を計算する必要があります。

ステップ①販売価格の計算をしてみよう

上記の条件をもとに早速計算をしていきましょう。

原価「1,500円」 ÷ (1 − 想定利益率「0.35」 − 手数料「0.04」)
= 販売価格「2,459円」

原価をもとに、利益率から考えて商品の値段を決める計算式「販売価格=原価÷(1-利益率)」に手数料も含めて販売価格を算出しました。

この結果、原価が1,500円の商品を想定した利益と手数料を含めて計算すると販売価格を2,459円になることがわかりました。

ステップ②市場や競合他社と金額を比較してみよう

ステップ①販売価格「2,459円」と算出されましたが、あくまで現時点ではショップ側の想定した利益を元に出しているので、果たしてこの金額が適正なのかを考える必要があります。

そこでこの金額をそのまま商品価格として出す前に、市場や競合他社の似たような商品と金額に乖離がないか比較してみましょう。

カラミちゃん
カラミちゃん

市場や競合の価格を調べる際は、ただ金額を調べるのではなく各商品が「誰をターゲットにした商品なのか」「何を売りにしているのか」を一緒に調べておくことで、そもそも自社の商品の金額を一緒にする必要があるのかや、どこで差をつけると売れるのか、など戦略を立てる参考になります!

ステップ③算出した金額を調整してみよう

ステップ②で市場や競合と比較した結果、販売価格「2,459円」で問題なさそうだった場合、「知っておきたいポイント」で紹介したように、最後に金額の微調整も検討してみましょう。

カラミちゃん
カラミちゃん

今回は販売価格「2,459円」で端数を出しているのですが、もし販売しようとしていた金額が2500円などだった場合は、1円下げてみて「2,499円」にしてみるなど、工夫をするだけでもお客様にとっても印象がグッと変わります!

商品の販売価格を決める際の注意点

さまざまな点を考慮して価格を決めたとしても、その金額で本当に大丈夫なのか最終的な確認が必要です。最後に、販売価格を決める際に注意したい点をご紹介します。

市場価格と大きく違っていないか確認する

値段のつけかたの章でも触れましたが、一度値段を決めた後に、市場や競合他社の商品と金額が大きくかけ離れていないかの比較検討は必須です。

とくに差別化できるポイントも無いのに他社よりも値段が高過ぎる場合、消費者に購入してもらえる可能性はほとんど無いといえます。

一方、安ければいいという訳でもありません。
安すぎてしまうと「この商品は何か問題があるのでは?」と疑われてしまい、購入にはなかなか結び付きづらいです。

商品の品質や価値などを元に市場価格と見比べて、自分が消費者になったつもりで納得感のある価格にしましょう。

初めから安くしすぎない

購入してほしいからと思って「利益が少なくても、できるだけ安い価格で販売しよう」と考える人もいるかもしれません。

ですが、初めから安い値段で設定するのはあまりおすすめできません。
もし原材料費や輸送費の高騰などの理由で値上げせざるを得なくなった場合、顧客から不満が出てしまうからです。

そのため高すぎない程度に、何らかの要因による原価の値上げにも対応できる余力を持たせた値段設定にします。
原価が上がっても利益が残る価格に設定しておけば、(利益は多少減ってしまいますが)価格を変更せずに販売を続けられます。

反対に、原価が抑えられた場合は販売価格を値下げすれば、購入率アップやショップのイメージアップにもつながるでしょう。

すべての費用を考慮して決める

販売価格を決める際、かかったすべての費用を踏まえて決定しましょう。
原価には人件費や製造にかかった経費が含まれていますが、売るためには原価以外にもショップのランニングコストや広告費などがかかるはずです。
気づいたら広告費が高くなっていて、利益がほとんど出なかった…とならないように、かかる費用は合計でどれくらいなのかきちんと計算してから、販売価格を決めていくのがベストです。

まとめ

今回は商品の販売価格の決め方や覚えておきたいポイント、基本用語についてざっくり解説いたしました。

販売価格を決める際のポイントとして、利益を出せるように考えるのも大切ですが、さらに「顧客の目線で、この値段で買う価値があるか」も合わせて考えてつけることが重要です。

カラミちゃん
カラミちゃん

今回紹介した決め方はあくまで一例です。ショップのブランドや戦略によっては、また違った価格のつけ方が出てくると思います!なので、ご自身のショップにあった商品価格のつけ方を見つけてくださいね!

よくある質問

販売価格はどう決めたらいいですか?

販売価格の決め方には、主に以下の3つがあります。

・コスト(原価)から考えて商品の値段を決める
・利益率から考えて商品の値段を決める
・競合・市場と比較して商品の値段を決める

価格を決める前に、原価や利益率について知りたい方はこちらの章からお読みください。

どの方法で価格を決めると良いですか?

販売価格の3つの決め方をご紹介しましたが、結論としては「どれか1つの方法で販売価格を決めればいい」ということはありません。なぜなら、販売価格の計算方法ごとにメリットやデメリットがあるからです。
そのメリットやデメリットについては、こちらの章で解説しています。