静岡県で次々とヒット商品を生み出している販売促進研究所さん。前半では、静岡の新名物として破竹の勢いでお土産物売り場を占領している「バリ勝男クン」について、静岡県出身のスタッフがお話を聞いてきました。インタビュー後編の本記事では、温暖でのんびりとした静岡県の中でも特にのどかな2つの町、由比町の「由比缶詰所」さんと島田市の「まるとう農園」さん、2つのネットショップに関するお話を伺います。
目次
自分たちがおいしいと思うものを売りたい! 下請け工場から産まれた大ヒット商品
由比缶詰所さんの「特撰まぐろオリーブ油漬」は、私の静岡県静岡市に住む母親と、同じく静岡県富士市出身の夫の母親の両方から勧められ、これは静岡でヒットしてるんだ!と思ったんです。こちらも御社のクライアントさんですよね。
もともとは、大手メーカーの缶詰をOEMという形で作られていたんですが「社員自身が作ったことに胸を張れる自社商品を販売したい」「自分たちのために一番食べたいと思うものを作ってみよう」という声があがり、オリーブオイルで漬けたツナ缶「特撰まぐろオリーブ油漬」をはじめとした自社ブランドを作られました。
その評判が社員の家族や親戚、関係者の方からだんだんと広がり、メディアに取り上げられるようになって、どんどん売上が上がって今に至ります。
地域ブランドとしては、理想的な広がり方ですね。由比って時間がゆっくり流れていて、とてもいい土地ですよね。
ネットショップ以外でも販売されているんですか。
そのほうが消費者としてはレア感があって、私の母親たちのように周りに勧めたくなる気がします。
地方企業がネットショップを始める最初の一歩は「お客様の声を聞く」こと
由比缶詰所のネットショップは、販売促進研究所さんが立ち上げられたんですか。
ネットでの戦略を聞かせてください。
こちら側が勝手に使いやすい形を決めるのではなく、実際に聞いたお客様の声を大切にして、バナーひとつとっても、お客様の気持ちになって追加するようにしています!
もともと大企業の下請けをされていた会社さんが、お客様の意見をもとに動くのは大変じゃないかと思ってしまうんですが。
意識を変えるのは大変そうですね。
それが由比缶詰さんは最初からできていたと。
「商品」ではなく「町」をプロモーションするWeb戦略
では由比缶詰所さんの場合は、心置きなくサイト制作に力を入れることができるんですね。
商品開発までのストーリーも、会社さんも魅力的ですもんね。取り上げられるのがよくわかります。
公式ホームページには、由比の風景や地元の方たちの写真がたくさん使われていますよね。
せっかく購入ページに来てくれた人を公式ホームページに流すのには勇気がいりましたが、由比缶詰所さんの場合はそのほうがいいだろうと判断したんです。
その判断を許してもらえるのはすごいですね。
7年で大きなリニューアルを3回というのはなかなかのペースですね。それだけネットショップに力を入れているということですね。
Instagramと顧客データ分析で、緑茶販売のターゲットを広げる
「まるとう農園」さんも地元色が強いですね。
Instagramがとても良いですよね。茶畑の雰囲気が懐かしくていつも見ています。これも、まるとう農園さんが社内で運営されてるんですか。
まるとう農園さんは若い社員の方が多いので、運用面も積極的に行ってくださっています。
お茶のネットショップはとてもたくさんありますが、大河内さんからみて、まるとう農園さんの魅力はどんなところですか。
例えば、ネットショップで購入した方に対してお手紙を出したり、四半期に一度のペースで新聞を送られていたり。
先ほどおっしゃっていた、BtoCの顧客対応がきちんとできる店舗さんですね。お手紙や新聞の効果はいかがですか。
すごい! 効果が出ていますね。
ただ、やっぱりお茶は難しい時代になってきました。
ちょっとわかります。私も静岡を出てから、お茶を飲む機会が減ってしまいました。
それでも、ネットショップはなかなか難しい。
年代ですかね。
Instagramは突破口になりそうですが、静岡茶の業界全体が頑張らないといけないのかもしれないですね。静岡出身者としてはとても応援したい気持ちです。
自分の故郷にこんなに心強い会社さんがいらっしゃることを大変うれしく思いました。これからも、静岡の企業をどんどん盛り上げていってくださいね。今日はありがとうございました!
【インタビュー前編】静岡で異例の大ヒット!「バリ勝男クン」の商品誕生秘話とWeb戦略
前編では、静岡みやげでいま大人気の商品「バリ勝男クン」について語っていただきました。こちらもぜひお読みください。