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Instagramを中心に大人気! 益子焼・よしざわ窯の直販店「on the table」の運営の裏側

いつも画面越しに見ているネットショップのむこうには、想いのつまった“モノ”とそれを届ける“”たちがいます。このコーナーでは、知られざる商品開発ストーリーやお店の裏側に迫る現場レポートをお届けします。
今回ご紹介するショップ
栃木県益子町にある「よしざわ窯」さん。”It’s best to leave the dishes on the table.(器は毎日の食卓で使ってこそ)”をコンセプトに作られるうつわは、女性を中心に高い人気を誇ります。今回は代表の吉澤泰久さんに、ネットショップ「生活陶器 on the table」の運営について詳しくお伺いしました。

生活陶器 on the table 吉澤泰久さん インタビュー

毎日使えるよう、見た目だけでなく価格や使い勝手にもこだわりを。

よしざわ窯のうつわの特徴について教えてください。

うちは石膏型を使って板状の粘土からうつわを作る「たたら」という手法で、繊細な模様などを施したお皿をメインに作っています。

カラフルで色もかたちもさまざまですね。

女性スタッフたちが、デザインのアイデアをいろいろくれるのでバリエーションが豊富なんです。だから「よしざわ窯=○○○」みたいな一言で表せるものがないんですが、これからも色んなうつわをつくっていきたいと思ってます。

なるほど。見た目以外のポイントや工夫などもあるんですか。

手作りのうつわを毎日使ってもらいたいという想いから、基本的には電子レンジ・食洗機に対応していて、気軽に買ってもらえるよう価格もできるだけ控えめに設定しています。

ネットショップでの直販がメインだから価格もおさえられる。

年間の生産量は?

1カ月で7,500枚ほど、年間だと10万枚になります。種類でいうと月に3、4アイテムの新商品を追加していて、現在300種類ほどかな。

10万枚も!

機械を導入している窯元なら1日で数百枚は作れるので、うちの生産量は少ないほうなんです。

販売経路は?

創業当初から通販がメインです。2003年ころに職人である父と母が作ったうつわを妻がネットショップで販売することからスタートしたんです。

昔からネット販売をされていたのですね。

はい。というのも、当時はネットでしか売る手段がなかったんです。

益子には民芸店や販売所もたくさんありますが…?

もちろん置いてもらいたいと思ったんですが、何のツテもなくて…。「じゃあ通販に挑戦してみよう!」となったんです。

結果としてネットショップで直販することで価格をおさえてお客さんへ提供できるので、現在もネットショップをメインに販売しています。

カラーミーショップを選んだのは「北欧、暮らしの道具店」がきっかけ。

本格的にネットショップをはじめたのはいつからですか?

2013年ごろからやっていましたが、昨年まではソフトをつかってページを作り、ショッピングカートのシステムをレンタルして運営していました。数年前から受注件数も増えて、管理が大変になってきて。そんなとき、嫁が何度か買い物をしていた「北欧、暮らしの道具店」さんが、当時カラーミーショップでネットショップを作られていたということを知って申し込みしたんです。

なるほど、そういう経緯だったんですね。

申し込み自体はもう何年か前にしていたんですが、完全にリニューアルできたのが昨年の6月。商品点数だけでも500点を超えていたのですべての移行作業を自分たちでやるのはむずかしくて、思い切って制作会社にもお願いしました。

カラーミーショップを使ってみて、感想は?

まずコストパフォーマンスがすばらしいですよね。他のシステムを使おうと思うと、カラーミーショップにはデフォルトで入ってる機能を1つ使うだけでも別で数万円かかったりしますもん。

ありがとうございます!

それから自力でネットショップの運営をずっとやってきたので、はじめから使いやすい管理画面と機能が揃っているのがうれしかったです。たとえばうちみたいに決済手段が銀行振込のみの場合、入金確認をするとき、名前を検索しやすかったりキャンセル処理がしやすいとか。こういう細かい部分での操作性がとても助かっています。

入金までの間に「本当に欲しいものか」冷静に考えてほしい。

そういえば、よしざわ窯さんはクレジットカード決済を導入していませんね。

はい。うちは銀行振り込みと郵便振替です。クレジットカードだとその場ですぐ入金できちゃいますが、そうじゃなくて注文したあともう一回「本当に欲しいものかどうか」を考えてもらいたいなって思っています。

ずいぶん前にたまたま「ノリで買ったんだけど買わなければよかったな」ってウチのうつわの写真をブログに掲載されているのを見たことがあって。とてもショックだったんですが、でもこういうことってあるなと思って。

あんまり欲しいと思ってなかったけど、そのときの勢いにつられて「あるやつでいいから何でもほしい!」って買っちゃった…みたいな人。けっこういるんじゃないかなと思うんです。だから落ち着いて考えてもらう時間を持ってもらうためにも、振り込むまでをもう一回冷静に考えるための時間にしています。

心からうつわを好きな人が情報発信を続けるからファンがついてきた。

売り切れが続出するほどの人気ですが、どうやってファンを増やしていったんですか。

作ったものを全部買ってもらえることが人気だとしたら、陶器市とInstagramがきっかけだと思います。

ネットショップでは売れないB級品がどうしても出てしまうので、それを年2回開催している益子の陶器市で10年前から販売しています。毎回少しずつ、買ってくださる方が増えていきました。それと数年前にはInstagramをうちの妻が更新しはじめて、そこでよしざわ窯を知ったお客さんが陶器市やネットショップに訪れてくれるようにもなりました。

奥様はインターネットが得意な方なのですか?

いえいえ、まったく。ただもともと編集の仕事をしてきていたのと、何より妻が一番うちのうつわが好きで「こういうモノがほしい」っていう制作のアイデアから「Instagramが楽しそう!」みたいな情報発信のしかたまで、いろいろ挑戦してくれるんです。

好きだからこそどんどん新しいことに挑戦できる。すてきです。ネットショップはどうやって運営なさっているのですか?

運営は自分たちで全部やっています。ここで4人くらいが撮影やページづくり、受注管理を、別の部屋で3人くらいで梱包をしています。

うつわの制作からネットショップ運営までやるとなると、かなり大変ですよね。

もちろん外にお願いすることもできるのですが、どういう不具合や反応が起こるのか自分たちで確認して、対応しないといけないと思っています。

では最後に、これからについてお聞かせください。

もっともっといろんな人に携わってもらえるようになりたいです。たくさん人が関わるようになると、いろんなアイデアが集まってバリエーションもぐっと増える。なので、よしざわ窯に興味がある人たちが入ってきてもらえるような環境づくりに挑戦していきたいです。

今日は貴重なお話をありがとうございました!