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手のひらサイズの生地が想像もできない大きさに! 静岡のおやつ「さくら棒」の製造工場を見学しました

市販品とはまるで違う食感! おふやさんのお麩の秘密って?

ところで、お麩って何でできているんですか。

千尋さん
小麦粉のほか、グルテンとよばれる植物性タンパク質でできています。小麦粉とグルテンの比率によって、食感や舌触りが大きく変わってくるんですよ。

市販のお麩のほとんどは小麦粉の割合が高いものです。少し粉っぽくてキメ細かいのが特徴なんですが、うちのお麩はグルテンの割合が圧倒的に高く他社の2倍ぐらい入っています。

グルテンが多いと、どんな食感になるんですか?

千尋さん
ふわふわとして少しキメが粗く、食べると最後にモチッとした食感が残ります。

へえ~! こちらの丸い機械は…?

千尋さん
これは小麦粉とグルテンを撹拌する機械です。ここで2つの粉を撹拌したあと、1kgずつ小分けにして生地を練っていきます。

練りの工程でさくら色をつけ、板状に押し固めた生地を包丁でさらに切り分けたら……

この機械でクルクルっと成形して、さくら棒の生地ができあがります。

工程のひとつひとつが手作業なんですね。

千尋さん
春小麦と冬小麦、そして小麦の産地によっても生地の質は大きく左右されてきます。そのへんの見極めが、職人の腕の見せどころですね。

いよいよ焼きあがり!

大地さん
よし、そろそろ蓋を開けてみますか!

おおお~~~~!!! 少しの時間でこんなに膨らむんだ…!

大地さん
せっかくなんで、試しに2~3本焼いてみませんか?

えっ! いいんですか。


わああっ、思うように生地を伸ばせない…!

手前の4本が編集部作、奥の4本が伊丹さん作。

変な形になっちゃった。見た目以上に難しい作業なんですね…!

大地さん
均一に伸ばせるようになるには修行が必要です。よかったら焼きたてのお麩、味見してみてください!

やったー! いただきます!

焼きたてのお麩は表面が少しやわらかい。

パリッふわっとしていて香ばしい…! 内側は少しモチモチしてますね。

千尋さん
焼きたてのお麩にはまだ水分が残っているんです。これを丸一日じっくりと乾燥させて砂糖蜜を塗ったら、さくら棒の完成です。

お麩を自分で焼いて食べる機会なんてめったにないので、すごく貴重な体験でした。

大地さん
僕たちはこれをいつか一般の方にも体験してもらいたいんですよ。だって、普通に生きてたらお麩の作り方とか知る機会ないでしょう?

僕もね、もともと海上保安官として船に乗ってたんです。彼女の家業を継ぐかたちで婿入りしたんですけど、初めてここに来たとき「これはヤベェ」って思って!

ご結婚されるまで、お麩ってどんな存在でしたか?

大地さん
今の若い人たちと同じで、存在を完全に忘れてましたよ。
でもそこからのめり込むようにあらゆる文献を読み漁ったり、独学でお麩のことを調べつくしたりして。

千尋さん
今ではうちの家族で誰よりも、彼がいちばんお麩を好きだと思います。
大地さん
やっぱり中を見て実際に知ってもらえれば、僕みたいに興味も愛着もわくと思うんです。お麩のことをもっと身近に感じてもらえるだろうし。

地域の小学生には、社会科見学の定番として長年親しまれている

私たちも自然とテンションが高まりました! ここに来る前とは印象が変わったなあ。

大地さん
やっぱ高まるでしょ!?(笑)
この感動を、ネットやリアルを通じて若い人たちにもっと伝えていくことが僕たち「おふや」のこれからの目標です!

今日はお麩のことをたくさん知れて楽しかったです。ありがとうございました!

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