2024年4月から働き方改革関連法によって、「自動車運転の業務」の年間の時間外労働時間の上限が960時間となる改正改善基準告示が適用されました。
労働時間が短くなることで輸送の担い手が不足し、「モノが運べなくなる」可能性が懸念されており、「物流の2024年問題」といわれています。
そこでカラーミーショップでは現状を把握すべく、ECを運営するショップオーナーさまを対象に「配送会社の利用状況に関するアンケート」を実施し、利用している配送会社、発送で困っていること、工夫していることについてまとめました。
アンケートにご協力いただいたショップの構成
アンケートにご協力いただいたショップの構成は以下となります。
目次
利用している配送会社はどこですか?
一番多く利用されているのはヤマト運輸(43%)、次いで日本郵政(29%)、佐川急便(16%)と続きます。
配送会社を複数利用しているショップは全体の約半数。
複数の配送会社を利用している理由を聞いたところ、「商品や配送料金によって使い分けているため」(79%)という回答が最も多く、次は「購入者に配送会社を選択してもらうため」(18%)でした。
ネットショップでは購入者の利便性が重要です。
複数の方法を用意することで、購入者は自分の好みや都合に合わせて配送会社を選べます。
また、配送会社はそれぞれ、得意とするサービス範囲や料金体系が異なります。
例えば、小さな荷物に適した低コストの配送を得意とする会社もあれば、大型商品や国際配送を得意とする会社もあります。
各社の特徴を理解し、商品に応じて最適な配送方法を選定することで、配送コストの削減にもつながります。
このような理由から、配送会社は使い分けたほうが良いといえるでしょう。
「物流の2024年問題」をご存知でしたか?
アンケート結果によると、EC事業者の75%が「物流の2024年問題」を知っていると答えています。
この結果から、EC事業者の間では「物流の2024年問題」に対する認識が高まっていることが明らかです。
そこで物流問題で実際に起きた課題と、対応策について聞きました。
「物流の2024年問題」に関連して、実際に発生した課題は?
最も多くのEC事業者が挙げた課題は「輸送コストの増加」であり、これが全体の約7割を占めています。
労働基準法の改正による運転手の労働時間制限に伴い、物流企業に新たな人材確保や効率化のための費用が発生したことが、輸送コストの増加につながっているのです。
EC事業者はこのコスト増加を価格に転嫁するか、自社で吸収するかの選択を迫られています。
物流の2024年問題が顕在化するにつれて、EC事業者はさらに対策を講じる必要が出てくる可能性があります。
「物流の2024年問題」に関連し、実際に発生した課題に対する対策とは?
「物流の2024年問題」に対するEC事業者の対策は多岐にわたりますが、送料や商品価格の値上げが主要な対応策として挙げられています。
また、物流倉庫の利用といった対策も見られました。
物流倉庫の利用は特に在庫を大量に抱える事業者にとって有効であり、配送リードタイムの短縮や在庫の即応性を向上させる効果があります。
なるべく早めに発送するといった対応策は、配送遅延を予防し、顧客満足度の向上にもつながるといえます。
その他、出荷業務にまつわるお悩みごとがあれば教えてください
出荷業務に関しては、伝票記入や梱包作業に手間がかかること、商品在庫の置き場の確保、顧客の受け取り拒否、配送中の商品破損や紛失といった課題が挙げられています。
特に多かった伝票記入や梱包作業は、自動化できるツールや外部委託などを活用することで、社内負担を減らせる可能性があるでしょう。
費用はかかりますが、社内コストと比較しながら導入を検討してみることをおすすめします。
出荷・配送に関する具体的な困ったエピソード
ここからは、ショップオーナーさまからいただいた具体的なエピソードをご紹介します。
- ・冷凍商品が溶けて届いているにもかかわらず、運送会社は「適正な温度で配達したから溶けることはない」と補償に応じてくれないことが度々ある
- ・物流センターが豪雨に遭い商品が破損。百貨店の催事に間に合わなくなった上に商品の補償も返却もなし
- ・お客さまが備考欄に希望日を勝手に書いてしまう。書かれてしまうと対応せざるを得ない
- ・繁忙時期、住所を配送会社のシステムに改めて手入力するのが大変
- ・発送件数が多いと、コアな業務に手が回らなくなる
- ・発送したものの受け取られず、結果的にこちらに戻ってきた。クレカ払い等の先払い決済なら、商品を用意したということで代金をもらうこともできるが、代引きのため費用をもらうこともできなかった
- ・段ボールが欠損して届いた事故があった
- ・実店舗が忙しく、梱包作業が遅れがち
- ・住所の記入漏れ(番地の未記入やマンション名と部屋番号の未記入)があり伝票の作成ができないことがある。住所の未記入箇所の内容を聞こうにも連絡がつきにくいことが多い
- ・梱包資材の置き場に困る
梱包・出荷作業で工夫していること
困りごとの中には、商品の破損・紛失、住所の記入漏れなど、ショップで解決しづらい問題も多く見られました。少しでもトラブルを避けるために工夫されていることについて伺ってみました。
- ・冷凍商品が溶けないように段ボールに厚みを出した
- ・注文数の多い商品は梱包(10個ずつパッキングなど)したものを準備しておき、ピッキングの手間を軽減している
- ・出荷用資材なども含め、ある程度梱包セットを作っている
- ・梱包セットを暇な時に作っておく
- ・注文、支払いが終わったお客さまへは最短で出荷をしている
- ・宅配用と市場出荷用で曜日をずらして作業を分けている
- ・商品管理と出荷を外部のロジセンターに委託している
- ・商品が瓶物で配送中の破損を避けるため緩衝材をしっかり使うこと
- ・出荷商品を梱包者が撮影し出荷管理者が確認の上、梱包するようにしている
- ・受け取ったお客さまの印象に残るような梱包を心がけている
- ・指定可能日に余裕を持つ(実際はあさって指定等でも受けられるが、システム上は4,5日先から指定できるようにする)
- ・梱包の下準備をパートさんにやってもらう
- ・ラッピングはブランドカラーで統一するなど丁寧な梱包を心がけております。実際にラッピングを気に入ってくださったお客さまからのお声も伺うことができています
- ・ヤマト運輸の宅配伝票は印刷する時に初めて「お問合せ番号」が発行されます。後で到着を確認するために、面倒ですが必ずコピーを取っています
- ・ヒナ型の梱包方法をつくり対応している
- ・パターン化している
- ・なるべく60サイズや100サイズなどにきっちり収まるように、段ボールの大きさを自在に変更する方法を会得しました。そうすると中身の商品が遊ぶことも少なくなり、大きいサイズ運賃になることもないので少し時間はかかりますが行っています
- ・お客さまが荷物の箱を開けた時に嫌な思いをされないように、できるだけ丁寧に梱包しています。一言感謝のメッセージを手書きで同封するようにしています
- ・HPで簡易包装である事を写真付きで伝えています
配送で工夫していること過去の自分にアドバイスをするなら?
最後に、ショップ運営でさまざまな経験を積まれたショップオーナーさまに、過去の自分への配送に関するアドバイスを一言いただきました。
- ・梱包資材、方法の簡素化はAmazonに習え
- ・配送会社さんとは仲良くしておき、なるべく一本化しておくこと(出荷個数によって毎年の運賃値上げなどに融通してくれている)
- ・よく調べて、比較検討してから決めたほうが良い
- ・個人事業でも対応してくれるかどうか。また、伝票を自動で出してもらえるかどうか(プリンターの設定など細かいディレクションがあるかどうか)
- ・梱包はがっちりしたほうがいい。高額商品発送の時は、梱包前の状態を写真に撮って荷物に同封。客先には商品到着時、破損があればこちらに連絡 とする
- ・商品に合わせた梱包資材は高くても購入すべき
- ・商品に破損や溶けがあってクレームがあった場合、運送会社が反論できないような状況証拠を撮影しておくこと
- ・信頼できる物流会社に管理から出荷まで委託したほうが良い
- ・即日発送にするとお客さんの満足度は上がるけど、こっちが消耗するし求められる配達速度が上がるからやめたほうがいいよ~~
- ・配送会社ごとの送料や対応を調べておくことが望ましい
- ・配送会社との運賃のすり合わせをしっかりしておく
- ・配送会社の特性について広く窓口を広げてリサーチし選択すること
- ・配送個数が少ない場合は配送会社は1社に絞ったほうが良い
- ・配送先別に送料が異なるので、どのように対応するのか検討した方が良い
- ・保証の有無の確認
- ・冷凍マグロなら、ヤマト運輸さん一択
アンケート回答にご協力ありがとうございました。
総括
「物流の2024年問題」はEC事業にとって継続的に向き合っていく必要がある課題です。
この問題は長期的に続くと予想されるため、今後も対策と改善が求められます。
アンケート結果から見えてきたショップオーナーさまのさまざまな工夫や対策は、ためになるものばかりでした。ぜひ参考にしてみてくださいね。
今後もカラーミーショップでは、定期的なアンケートを実施し、YouTubeやWebメディアでのレポートを通じて、ショップオーナーのみなさまに「ECサイト運営のヒント」をお届けします。
調査概要
■ テーマ 配送会社の利用状況アンケート
■ 対象 カラーミーショップユーザー
■ 回答者数 56名
■ 期間 2024年4月22日~2024年4月30日
■ 方法 カラーミーショップ契約者へのメール配信
■ 主体 カラーミーショップ byGMOペパボ
※本調査レポートの結果は四捨五入で端数処理を行っており、合計しても100%にならない場合があります。