創立80年以上の歴史をもつ音楽之友社が運営するECサイト「ONTOMO Shop」。オーディオと音楽の限定品・セレクト品のほか、mp3やMIDIデータなどのデジタルコンテンツも幅広く取り扱っています。ECサイトの開設動機や、売上アップにつながった施策、人気の決済方法「Amazon Pay」の効果などについて詳しく伺いました。
老舗出版社である音楽之友社が、ECサイトを始めたきっかけを教えてください。
弊社は音楽の専門出版社として数多くの書籍・雑誌を販売していますが、流通システムの都合でどうしても毎回かなりの数が戻ってきてしまいます。なかでも付録つきの雑誌は、戻ってくるごとに倉庫スペースが圧迫され、それが社内でも大問題になっていました。
廃棄するにもかなりの費用がかかりますし、付録とはいえ一流企業とコラボレーションした高品質なスピーカーですから、ただ捨ててしまうのももったいない。だったらECサイトで売ってみたらどうだろう?という話になったんです。
なるほど、そんな経緯が。もともと自社でのEC運営は一切されていなかったのですか?
いちおう販売はしていましたが、ちゃんとしたECサイトではなかったんです。
代引や銀行振込でお金を払ってもらって、月に一度だけ社内のメンバーの力を借りて発送するっていう原始的なやり方だったので、当然お客さまからのクレームやお問い合わせも多くて。さすがにこれじゃダメだということで、カラーミーショップを利用して本格的なECサイト運営に乗り出しました。
カラーミーショップを選んだ決め手は何でしたか?
GMOインターネットのグループ会社が運営している安心感はもちろん、決済システムが充実している点や、サイト構築の自由度の高さも魅力でした。
なかでも決め手となったのは、ONTOMO Shopの大きな特徴でもある「デジタルコンテンツ」を扱える点です。デジタルコンテンツに対応したカートサービスって実は意外と多くないのですが、弊社ではmp3やMIDIデータの音源も数多く扱っていたので、この点は譲れませんでした。今では物販と並んで当店の二大柱になっています。
EC運営のターニングポイントとなった2大施策
開店後、すぐに売上は立ちましたか?
幸い、弊社は出版社なので、自社の雑誌に広告を出せるぶん認知向上は図りやすかったですが、それでもオープン当初の売上は微々たるものでした。
じわりじわりと売上を伸ばしていくなかで、振り返ると2つのターニングポイントがありまして、ひとつはECサイト限定商品がヒットしたこと、もうひとつは「Amazon Pay」を導入したことでした。
これはもともと雑誌の付録として大好評だった真空管アンプ・キットを改良したものなのですが、それなりの数を作っていたにもかかわらず深夜0時に販売開始して朝8時には売り切れてしまいました。昼間ならもっとすごい勢いで売れていたかもしれませんね。
すごい勢いで完売したんですね!
想定以上に売れすぎてしまったので、お問い合わせの電話・メール対応に追われましたが、増産することでなんとか対応しました。とはいえ、これがECサイトに勢いがつくひとつのきっかけになりましたし、自分たちの「勝ちパターンはこれだ!」というのが分かってきて、スタッフの自信にもつながりましたね。
一番利用されている決済は「Amazon Pay」
売上を伸ばしたもう一つの要因、Amazon Payを導入したのはなぜでしょうか?
「Amazon」という名前の安心感もさることながら、面倒な情報入力をとことん省けるのはお客さまにとって大きなメリットだと判断し、導入を決定しました。利用者は若年層が多いのかと思いきや、いざ導入してみると幅広い年齢層のお客さまにご利用いただいたのが驚きでしたね。
従来は圧倒的にクレジットカード決済が多かったのですが、Amazon Payは導入以来、今でも右肩上がりで利用者が増え続けており、クレジットカード決済と同じくらい、月によっては上回るときもあります。
導入後の効果は期待どおりでしたか?
むしろ期待を上回ったことばかりですね。
売上が格段にアップしたので私としても上司に報告しやすいですし(笑)、お客さまにとっても利用しやすくなったので、Amazon Payのおかげで顧客満足度がさらに上がったと思います。それだけでなく、注文キャンセル処理の手続きが簡略化されたのは思いがけず嬉しいポイントでした。
Amazon Payは管理画面上で簡単に注文キャンセルでき、お客さまにも速やかに返金処理が行われるので、事業者・お客さまの双方に安心でメリットの大きい決済方法だと思いましたね。
売上だけでなく業務効率化の面でもメリットが大きそうですね。最後に、今後の展開や目標について教えてください。
私たち音楽之友社の創業は1941年、まさに戦時中でした。そんな大変な時代でも音楽や芸術の灯は消してはならないという創業者の強い信念のもと音楽出版社を立ち上げて、今に至ります。
音楽はこれからも消えることはないし、消えてもいけないと思っています。だから、みなさんが豊かな生活を楽しむことができるよう、よりよい音楽を、音楽再生機器を、音楽教育のリソースを届けてゆくのが使命だと思っています。
もちろん、ECサイトとしてもまだまだ伸びしろはあるのを感じます。いずれは「音楽商材販売といえばONTOMO Shop!」と言ってもらえるくらいの存在になりたいですね。