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創業70年の老舗ラーメン店がECで業務効率化と認知拡大を実現

桂花ラーメン

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桂花拉麺株式会社 常務取締役 小林 史子さん

2025年で創業から70年を迎える熊本豚骨ラーメンの老舗「桂花ラーメン」。
戦後復興期に始まったラーメン店は、今では熊本と東京で17店舗展開する人気店です。
今回は常務取締役の小林史子さんに桂花ラーメンの創業についてやECを始めたきっかけなどについてお話を伺いました。

 

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祖母から受け継ぐ桂花ラーメンの原点

まず桂花ラーメンついて教えてください。

約70年前、戦争から10年ほどしか経っていない復興期に祖母が始めました。
始める数年前には熊本で大洪水も起き、被災する中で祖母は家族を支えようと、「食で自立したい」という強い思いを持つようになりました。

そして無類の麺好きだったため色々試した結果、当時の熊本ではまだ珍しい豚骨ラーメンにたどり着いたそうです。

さらに、お客さまが「やみつきになって繰り返し食べたくなるような特別なものを作りたい」と開発したのが「マー油」で、ニンニク等を揚げた香ばしい油を熊本ラーメンとして組み合わせたのは、桂花が初めての試みでした。

生計を立てるため、ラーメン店を始められたのですね。

祖母にとって、ラーメンは単なる商品ではなく「食事」そのものでした。

家族の食事でもあり、自分を支える食事でもあったから、一杯のラーメンでお腹も栄養も満たし、ちゃんと食事として完結させる。
お客さまを「元気になって頑張っていってらっしゃい」という母親のような想いで送り出していました。

その後はどのように事業を拡大されたのですか?

創業して13年目の1968年、思い切って東京の新宿へ出店し、そこから熊本と東京の2拠点で展開してきました。

それから2011年に同じ熊本ラーメンの「味千ラーメン」を展開する重光産業株式会社のグループ会社として再出発。

企業理念と人を大切にする方針から多くを学び、私も引き続き経営に参画させていただく中で、創業時の想いを大切に、祖母が作り上げたラーメンを末永く、より多くの方に届けることを使命として取り組んでいます。

ECサイト導入で実現した業務改善

ECサイトを立ち上げたきっかけを教えてください。

実は以前から、店頭で希望された方向けに「地方発送」という形で通販をやっていました。
手書きで伝票を書いてもらい、店舗側から工場にFAXで注文する形です。

ですが、この仕組みだと店頭での伝票記入や確認作業などかなり手間がかかります。
さらに、コロナ禍でニーズが急激に高まったことも後押しし、ECサイトで販売しようということになりました。

カラーミーショップを選ばれた理由は?

ホームページをリニューアルする際に、制作会社からカラーミーショップを紹介していただきました。
私たちのようなECの素人でも、商品の追加や更新がわかりやすくできる仕組みになっているので、とても助かっています。

導入後、どのような変化がありましたか?

まず店頭オペレーションが劇的に改善されました。
ラーメンを送りたいと言われた時に、「こちらの通販サイトからご注文ください」と案内できるようになり、手書き伝票やFAX作業から解放されました。

実は現在、店舗から発送する「店舗直送便」と工場から発送する「工場直送便」の2つのサイトを運営しています。

それぞれお鍋一つで調理できる商品や、店舗と全く同じ冷凍商品など特色を活かしながら、祖母の味をご家庭でも楽しんでいただけるよう工夫しています。

将来的にはお客さまにもわかりやすいよう、統合したいですね。

業務の効率化の他に、何かメリットはありましたか?

ECのおかげで店舗にお越しいただけない方や、そもそも桂花ラーメンを知らない方にも知っていただく機会が作れるようになりました。
認知の拡大という意味で、非常に大きな変化です。

コラボ企画で若い世代への扉を開く

EC以外も、新しい取り組みを始められていると伺いました。

はい。アニメのソーシャルゲームや劇団さんとのコラボレーションなど、ありがたいことにさまざまな機会をいただいています。

ソーシャルゲームとコラボした際は、これまで接点のなかった若い女性層のファンの方が多く、一時的にECサイトでの女性顧客が大幅に増加しました。
コラボ商品は販売開始から数時間で即完売となり、「これだけの反響があるのか」と本当に驚きました。

また、コラボを通じて桂花ラーメンを食べてファンになってくださった方が来店時にSNSで発信するなど、新しい顧客層の獲得につながっています。

コラボ時のシステム対応はいかがでしたか?

カラーミーショップの順番待ち機能のおかげで、アクセスが殺到しても順番にご案内でき、多くの方に購入していただけました。
私たちも慌てることなく、予想以上の反響でも対応できたのは本当にありがたかったです。

その他の認知拡大の取り組みについて教えてください。

社長が週1回のブログ更新を継続しており、現在100回を超えています。InstagramやFacebook、Xと連携し、お土産ラーメンのアレンジレシピなども紹介しています。

また、各店舗スタッフにInstagramやXのアカウント運営を任せており、それぞれの店舗のカラーを活かした情報発信を行っています。

こうした取り組みが、リピート購入のきっかけにもなっています。

100年企業を目指す桂花ラーメンの展望

今後の事業展開について教えてください。

店舗は多店舗展開ではなく、長く続けることを重視し、年間1〜2店舗のペースで着実に増やしていき2030年までに30店舗という目標を掲げています。

ECについては、店舗展開が東京・熊本エリアと限定的だからこそ、より重要な役割を担います。
ゆくゆくはサイトの統合やUIの改善にも力を入れて、今後さらに強化させていく予定です。

現在70周年を迎えて、今後の想いを聞かせてください。

おかげさまで、スタッフ一人ひとりが自分たちの作るラーメンを愛し、この味がなぜ今ここにあるのかを考えながら、一杯一杯を届けてくれています。

このような思いを忘れず、今後も熊本ラーメンとして、桂花として、100周年を迎えられるよう、祖母から受け継いだ「一杯の食事」の想いを守り続けていきたいです。

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