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個人サイト黎明期から手探りでECサイトを運営
ネットショップの立ち上げを決めたのはいつ頃でしたか?
90年代後半からです。当時は自宅でもインターネットができるようになり、上水園の情報がわかるホームページがあればいいな…と思ったのがきっかけです。
個人でホームページを作る人が徐々に増えてきた時代ですね。
そう、まだPCに電話回線をつないでいた時代です(笑)
当時の私は普通にネットサーフィンを楽しむ程度で、特別な知識もまったくなかったので当時はすべて手探り状態でした。自力で知識を得ながらホームページとネットショップを同時に立ち上げたのが、2000年のことです。
周りにどなたか詳しい方はいらっしゃらなかったんですか。
はい。インターネットや本で情報を集めたり、他のネットショップを見てページ構成の参考にしたり…それをホームページ作成ソフトでひとつひとつ作り上げていった感じです。
カラーミーショップは当時まだありませんでしたし、そもそもカートシステムの存在自体よくわかっていなくて。何も知らないまま、注文ボタンをクリックするとメールが送信されるという簡素なかたちのネットショップを運営していました。
そうだったんですね…! 開店当時のことで印象に残っている思い出はありますか。
やっぱり、初めてお客さまから注文をいただいた日の感動は印象深く覚えています! それまで小売は電話かFAX、ハガキ注文のみでしたので、新しい受注システムができたことに非常にワクワクしていましたね。
その後、カラーミーショップに移転したのはどんなきっかけが?
主にセキュリティ面で、開店当初からのシステムに不安を感じたのがきっかけでした。ホームページの構築やデザインも専門の業者さんにお願いして、彼らの勧めでカラーミーショップを導入することにしまして。
カラーミーショップを初めて触ってみて、いかがでしたか。
セキュリティ面の安心感はもちろんのこと、これまでとは比べ物にならないほどの便利さに驚きましたね!
移転後はカラーミーの機能を活用してメルマガ配信やクレジット決済の導入、スマートフォン対応など、時代に合わせた施策を少しずつ進めていきました。それでもまだしばらくの間は細々と運営していましたけど。
小さなお茶農家に転機が。大人気「everyday」シリーズの誕生秘話
そんな上水園さんのイメージを大きく変化させたのが、新ライン「everyday」シリーズの誕生です。まずは立ち上げのきっかけから教えてください!
私たちの看板商品「バイオ茶」は、宮崎陸上競技協会の公式飲料に認定されるなど、長年アスリートの皆さんから支持をいただいてきた商品です。地元宮崎では “バイオ茶=スポーツドリンク” というイメージが根づいていたように思います。
ですが私たちの中では、ぜひ日常でも飲んでいただきたいという想いも強くありました。お茶離れしている若い世代や、子育て中のご家族にも手軽にバイオ茶を楽しんでもらおうということで、新たに立ち上げたのが「everyday」シリーズです。
コンセプト作りやデザインはどのように進められましたか。
縁あってプロのエディターさんやデザイナーの方と知り合いまして…皆さん関西在住だったんですがわざわざ現場を見に宮崎までいらして、三代目である父の思いを取り入れながら、パッケージやホームページなどを作ってくださいました。
「everyday everyone everywhere」というキャッチコピーも彼らと一緒に?
はい。「いつでも、だれでも、どこでも楽しめるお茶」という意味のこのコピーがまず最初に生まれ、そこからデザインなどの発想を膨らませていきました。
パッケージデザインは、キッチンに出しっぱなしでもかわいくて、大事な人に贈りたくなるようなものを。そして連なった山のマークは、私たちのいる宮崎・三股から見える霧島山、その山間の茶畑をイメージして作っていただきました。
新ライン誕生をきっかけに、新たな出会いやご縁は増えましたか?
はい! 首都圏の「CLASKA」さんをはじめ、全国各地のセレクトショップやライフスタイルショップに置いていただくことができました。
その後、2017年には現行のサイトへとリニューアルを果たしました。リニューアル後のお客さまの反応はいかがですか。
ホームページもネットショップも格段に見やすく、使いやすくなったので、成果は着実に現れているように感じます!
ちなみに…ちょうどリニューアルの話を進めていたころ、カラーミーさんから「Amazon Pay」をご提案いただいたのですが、これは即決で導入しましたね。リニューアルに合わせて何か新しいことを…と考えていたタイミングでしたので。
Amazon Pay、導入の手応えはありましたか?
思っていた以上に利用してくださる方が多くて、正直驚きました!(笑)
リニューアルに加え、決済がスムーズになったことで新規のお客さまがかなり増えました。ストレスなく安心してお買い物できるようになったことが大きな要因だと思います。
そして2017年5月には、ついに「カラーミーショップ大賞」で受賞を果たされました。
受賞の一報を聞いたときは本当にびっくりで…!
周りのスタッフはもちろんですが、長年ご愛飲くださっているお客さまが一緒になって喜んでくださったことが一番うれしかったです。
そうそう、授賞式に出席されていた店長さんは皆さん個性があってとても刺激的でした! 宮崎に帰ってからホームページも拝見させていただいたんですが、情報発信もオリジナリティのある素敵なショップが多くて。うちも頑張らないとなって思います。
受賞を励みにしていただけて、私たちもうれしいです。
ハンドメイドマーケット出店で、子育て世代にアピール
ところで、上水園さんは大型イベントにも多数出店されていますね。
はい! これまでに「minneのハンドメイドマーケット」や「FANTASTIC MARKET」、「森、道、市場」など、こだわりある作り手さんの集うマーケットに出店させていただきました。
何か出店の決め手となる基準がありましたら、教えてください。
バイオ茶をぜひ知ってほしい層… 主に子育て世代や、暮らしを大切にする方が集まるイベントを中心に出店しています。おかげさまでたくさんのお客さまがリピーターになってくれました。
最近は「SNSで見て来ました」と言ってくださる方も増えてきて、うれしい限りです。
SNSでは、主にイベントの告知をされているんですか?
そうですね。それ以外にも新規取扱店のご紹介ですとか、あとは茶畑の様子や日々のできごとなんかもお知らせしています。
うちは栽培・加工・販売まですべて自社で行っていますので、その様子を伝えることで少しでもお客さまに安心していただければなと。本当は毎日更新できればいいんですが…少人数で回しているのでなかなか。今後の課題ですね。
情報発信・販売のツールは時代とともに変化していきます。その中で、上水園さんが昔から変わらず大切にしてきたものは何でしょうか。
父は長年にわたり、お茶づくりに「ある信念」をもって取り組んできました。それは、人が口にするものは安全でなくてはならないという強い思いです。
うちは小さな農家ですから、大量生産はできません。
ましてや自然を相手にしているので、天候に影響を受けることもあれば、農薬を使わないぶん虫がついてしまったりと、思い通りにいかないことは多々あります。そんなとき私たちは思い切って枝を刈り取り、新しい芽が出るのを待つんです。
そうすると、生産量が落ちてしまうこともあるのでは…?
はい。それでもうちは品質重視です。いいものを届けたい一心で取り組んでいますから。
大量生産はできない。そのかわり製品にはとことんこだわり、うちでしか作れないものをお届けする。そうして丁寧に作ったお茶を家族で毎日楽しんでいただけることが、何よりの強みであり喜びですね。
茶葉を使ったスイーツや、地元のこだわり品の展開を目標に
今後、ネットショップで挑戦してみたい施策はありますか。
今後は茶葉以外にも、バイオ茶を使ったお菓子や食品をご紹介できればと考えています! たとえば地元のお菓子屋さんとのコラボで商品開発をして、宮崎・三股町を少しでも知っていただくきっかけが作れればと。
それから…父は地元で20年近く農業勉強会を続けているのですが、そこに参加されている生産者の方々も野菜や果物、お花などを農薬不使用で作っています。皆さん真剣に農業と向き合ってすばらしいものを作っているので、私たちのネットショップを通じて何かお手伝いができたらうれしいですね。
ありがとうございます! 最後に、まだあまり知られていないバイオ茶の飲み方、活用法などあればこっそり教えてください。
私たちはいつもバイオ茶を入れた風呂に浸かっています!
お茶の香りに包まれてとても心が癒やされますし、お湯がやわらかくなって、湯冷めしにくくなるので寒い季節はおすすめですよ。
それはぜひ試してみたいです…! 今日は素敵なお話をありがとうございました。