よむよむカラーミー
ECサイト開設・運営のヒントが見つかるWebメディア

Googleビジネスプロフィールって重要?実店舗・ECサイトのメリットや機能を伊藤さんに聞いてみた。

Googleビジネスプロフィールの情報を充実させることは、ローカルSEOの基本です。実店舗とECサイトを同時運営している事業者さんにとっても、Googleビジネスプロフィールの活用にはメリットがたくさんあります。

今回は、iSchool合同会社 代表社員の伊藤亜津佐さんに、Googleビジネスプロフィールの特徴や、適切に管理する方法などについて詳しく伺いました。

iSchool合同会社 代表社員 伊藤 亜津佐さん
大学卒業後、株式会社キーエンスに入社。海外を30カ国放浪後、逗子市役所に入庁。ネットオークションでの個人売買を経験したのち、2015年よりWebの世界へ。2015年5月、iSchool合同会社を創業。SEO・ローカル検索のコンサルタントとして、企業のWeb集客をサポート。
Twitter:@ischool_ito

Googleビジネスプロフィールとは?

改めて、Googleビジネスプロフィール(旧称:Googleマイビジネス)について教えてください

Googleビジネスプロフィールは、Googleの検索結果やGoogleマップに表示される店舗情報を管理するための無料ツールです。

2021年11月にGoogleマイビジネスから名称変更され、新機能が継続的に追加されています。前回のインタビューでも紹介しましたが、ローカルSEO施策の第一歩は、このGoogleビジネスプロフィールの活用から始まります。

Googleでお店や施設を検索すると、検索結果の上部に表示される「ローカルパック」や「ナレッジパネル」と呼ばれる場所に、地図とともに店舗情報が掲載されます。店舗のオーナーは、自身のビジネスをオーナー確認することで、これらの情報を直接管理し、編集することができます。ユーザーは店舗への電話、予約、アクセス方法の確認などを行うことができ、さまざまなアクションを検索結果から簡単に行えるようになります。

スマートフォンの普及により、地図と店舗情報へのアクセスの重要性は高まっています。ユーザーは移動中でも周辺の店舗情報を簡単に得られることを望んでおり、Googleを含む多くの検索エンジンはこのニーズに応えてローカル検索を強化しています。

これにより、ユーザーは必要な情報を素早く入手でき、店舗は潜在顧客にアプローチできるようになりました。

しかし課題も存在します。Googleマップの店舗情報はオーナー以外の第三者による登録や修正が可能であり、常に正確な情報が表示されるわけではありません。

Googleは、インターネットを通じて収集した情報やユーザーからのフィードバックに基づいて情報の精度を向上させようとしていますが、情報源の誤りや第三者の誤った申請による情報の書き換えも発生します。

検索結果に間違った情報が表示されると、ユーザーにとっても店舗にとっても不利益となります。そこで、実店舗を運営する方は、Googleビジネスプロフィールの登録情報を整え、定期的に正確な情報が表示されているかどうかを確認することが、ローカルSEOの成功に不可欠です。

Googleビジネスプロフィールになってどんなところが変わった?

ありがとうございます。GoogleマイビジネスからGoogleビジネスプロフィールになり、どんなところが変わったのでしょうか?

Googleビジネスプロフィールの前身のGoogleマイビジネスは、主に個人店や小規模店舗を対象に提供されていました。この無料のサービスは、ウェブサイトを持たない店舗でもGoogleのローカル検索に表示されることで、より多くの人々にその存在を知ってもらい、アクセスを容易にすることを目的としていました。

しかし、ローカル検索を通じた集客の可能性が高まると、大規模なチェーンストアもこのプラットフォームを利用し始め、Googleマップに掲載される店舗数と情報量が増加しました。

この変化にもかかわらず、サービスはいくつかの課題を抱えていました。
例えば、管理画面は当初、個人店向けに設計されており、100店舗以上あるチェーンストアには適していませんでした。

また、多くの小規模店舗がPCを店舗に設置していない中、管理画面がモバイルに最適化されていなかったため、使いにくかったことも挙げられます。マイビジネスアプリが提供されていましたが、PC版との機能差により、サービスの一貫性に欠ける点もありました。

これらの課題を解決するため、GoogleマイビジネスからGoogleビジネスプロフィールへとサービスを進化させました。

この新たなプラットフォームでは、オーナーアカウントでログインすると、Google検索やGoogleマップ上で直接ビジネスプロフィールの情報を編集できる「管理メニュー」が表示されます。また、モバイルフレンドリーな設計により、どのデバイスからでもアクセスしやすくなっています。

チェーンストアの場合、「ビジネスプロフィールマネージャ」を通じて複数店舗を一元管理できます。ただし、全店舗の情報を一括で修正する機能は直接提供されていません。

数百店舗あるようなチェーンストアの場合、Business Profile APIを利用するか、Faber Company(ファベルカンパニー)などのツールベンダーが提供するツール(ローカルミエルカなど)を使用すると効率よく店舗を管理できます。

ポリシーに関しても変更がありました。例えば、商品の登録にはショッピング広告のポリシーが適用されるようになり、登録できる商品の掲載基準が厳しくなっています。Googleマイビジネス時代は、例えば美容室のスタッフ、飲食店のメニューなど、商品として登録することに制限はありませんでしたが、今ではポリシー違反となります。

また、Google Merchant Centerと連携して、店舗の在庫情報がローカル検索に表示される機能も強化されています。商品の掲載には、Google Merchant Centerのヘルプにある「商品データ仕様」または「ショッピング ポリシーの要件」を満たしていることが求められるようになりました。そのため、商品として形に残るものを登録します。

よくあるポリシー違反として、商品として形に残らない「サービス」を掲載しているビジネスを見ることがあります。こちらはNGです。一方、生活必需品から大型家電や家具など店頭で購入できる商品は、問題なく掲載できますのでご安心ください。

掲載対象外のショッピングコンテンツは次のヘルプ記事にまとまっているので、ご覧ください。

※ヘルプ記事はこちら

掲載対象外のショッピングコンテンツ

ちなみに、商品として形に残らないサービスは、「サービス」より追加します。飲食店の場合は、メニューエディタを使うことでお店のメニューや写真などを載せることができます。こちらも以下のヘルプ記事を見ていただけるとわかりやすいと思います。

※ヘルプ記事はこちら

ビジネス情報を編集するサービスを追加>編集する
Googelビジネスプロフィール メニュー エディタについて

知っておきたいGoogleビジネスプロフィールの2つの機能

具体的なGoogleビジネスプロフィールの機能について教えてください

大きく分けて2つの機能があります。
ひとつは、Googleマップやローカル検索に表示される店舗情報を整備できる機能です。住所や電話番号など、基本的な情報を整備するだけでなく、商品や飲食店のメニューを整備することや、寄せられたクチコミに返信することも含みます。

もうひとつは、インサイト情報を把握できる機能です。検索結果の管理メニューに表示されるパフォーマンスには、直近5ヶ月間のデータが表示されます。

この中に「ビジネスプロフィールで実施されたインタラクション」があり、ここを見ると電話ボタンのクリック数やメッセージ送信回数、予約回数、ルート案内利用数、ウェブサイトのクリック数など、ユーザーがどんなアクションをしたのかを把握できます。また、ビジネス プロフィールを閲覧したユーザー数や、検索語句もわかります。

ただし、ウェブサイト管理者にお馴染みのGoogle Search Consoleと比較すると、非常にざっくりとした数字しか見ることができませんのでご注意ください。

詳細な分析をするには、ビジネスプロフィールマネージャよりCSVをダウンロードすることを推奨します。最大18ヶ月分のデータを取得することができます。

ただし、日別のデータを取得するには、1日分ずつダウンロードが必要となり、1ヶ月間のデータとなると31回ダウンロード作業が発生します。この作業には手間がかかるため、私は1カ月単位でダウンロードした数字と、Google Search Console、Google アナリティクス 4、実際の店舗からご提供いただいた来店数などのデータを掛け合わせて分析しています。

ちなみに2024年3月現在、Looker Studioとデータ接続することはできないので、BIツールでダッシュボードを作成するには、Google スプレッドシートと連携して分析する必要があります。こちらも早く改善してほしいポイントです。

実店舗とECサイトの両方を運営している場合、Googleビジネスプロフィールはどんなメリットがあるの?

主に実店舗運営者におおきなメリットがあると思いますが、実店舗とECサイトの両方を運営している方にとってGoogleビジネスプロフィールはどのようなメリットがあるのでしょうか

実店舗とECのハイブリッド運営をしている場合も、Googleビジネスプロフィールを管理するメリットは大いにあります。

前述のとおり、Googleビジネスプロフィールに登録された情報は、店舗名を直接検索した際にナレッジパネルで表示されるほか、業種名などの間接検索でローカルパックにも表示されます。店舗の正確な情報を掲載し、クチコミへの返信や、最新情報の投稿など丁寧に対応することで、効果的な集客につながります。

実店舗の集客に絞ると、Googleビジネスプロフィールを通じて来店する価値をしっかり伝えることができれば、「お店に行ってみよう」と来店意欲を高められるはずです。情報量が豊富で魅力的な動画の投稿は、来店を促す上で特に有効です。

YouTubeやInstagramなど、テキスト以外の情報を発信できるチャネルがたくさんあります。ビジネスプロフィール用のコンテンツをつくるのがリソース的に難しい場合は、SNS用につくった動画の一部を切り取って投稿するのも手です。

実店舗とECでは顧客体験が異なるため、実店舗では商品に直接触れたり、店員さんとの会話を通じて、ほしい商品が変わったり、購入を迷っていても背中を押されることがあります。商品の魅力を実際に目で確かめてもらうためには、実店舗への集客を意識して情報をリッチにすることが重要です。

他にもECサイトにとって何かメリットはありますか?

Googleビジネスプロフィールを管理していると、お店の実態証明になるというメリットもあります。ビジネスプロフィールをきちんと運用することで、情報鮮度が保たれている事実がGoogleに伝わるはずです。直接ランキングに影響するわけではありませんが、ポジティブなシグナルは伝わると思います。

Googleは実体のない店舗情報の排除に取り組んでいるため、店舗の実在性はとても大切です。今も「Googleマップに表示されたお店に行ったら存在しなかった」ということがありますが、昔と比べると店舗の実在性は担保されるようになっています。

実在性に関連するお話として、オーナー確認の方法についても紹介します。

オーナー確認はGoogleビジネスプロフィールの登録プロセスにおいて重要なステップです。過去には、はがきによる確認が一般的でしたが、これには申請後約2週間を要し、はがきが届かないといったトラブルもありました。

現在では、電話、テキストメッセージ、メール、動画など、複数の方法で確認をリクエストできますが、インターネット上に店舗の情報量が少ない場合、動画によるオーナー確認が表示されるケースが多いです。

動画を用いたオーナー確認の一例としては、店舗の看板や外観、内部を撮影し、最後にレジ周辺で公共料金の請求書を撮影する方法があります。ただし、ビジネスが実際に存在することを証明するために、公共料金の請求書の他に、登記簿謄本や開業届などが必要となる場合もあります。

動画によるオーナー確認では、店舗の外観から内観までを撮影するため、新規でお店をオープンする場合、店舗工事が終わらないと、Googleビジネスプロフィールのオーナー確認はできないケースが多いです。

外国人観光客向けに対策しよう!Googleビジネスプロフィールですべきこと

インバウンドの需要が再び高まってきていると思いますが、外国人観光客向けに対策すべきことはありますか?

海外からの観光客がウェブ上でお店に接触するタイミングは、大まかに分けて3回あります。旅行前に情報収集するとき、来日してからお店の場所や経路を調べるとき、そして帰国後に再度商品を購入したいと思ったときです。

最近、海外からの旅行客が再び増加しているため、これらの機会を最大限に活用するためにも、Googleビジネスプロフィールやウェブサイトを多言語対応することが推奨されます。

まずウェブサイトの多言語化については、2種類の対応が必要です。ひとつは英語や韓国語など対象とする言語ごとにウェブページを用意することです。もうひとつは、それぞれのページがその国のGoogle検索結果で適切な言語で表示されるようにすることです。

例えば、アメリカのユーザーが検索した際には英語のページが表示されるように設定します。これには、hreflangタグを使用して、ページが対象とする言語や地域をGoogleに伝えます。hreflangタグは、ページのヘッダーに追加し、「このページは英語です」「こちらはフランス語です」といった情報を検索エンジンに伝える役割を果たします。

ちなみにGoogleは、Cookieやブラウザの設定を使用してページ上のコンテンツの言語を調整する方法を推奨していないので、ご注意ください。

※ヘルプ記事はこちら
多地域または多言語のサイトのトピックの概要

海外のGoogle検索にきちんと対応できているかどうかをチェックする際は、Google検索のURLに言語と地域を指定するパラメータを設定します。何も設定しなければ、日本でGoogle検索すると自動的に日本のGoogle検索の結果が表示されるので確認できません。

パラメータの設定方法は、以下で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

※解説記事はこちら
日本にいながら、海外のGoogle検索の結果を表示する方法

次にローカル検索の多言語化についてですが、海外からの観光客が来日した際、彼らが使用するデバイスの言語設定に基づいてローカル検索結果が自動翻訳されるため、多言語対応に関して特別な手間をかける必要はありません。

デバイスの言語を英語に設定している場合、Googleマップ上の情報や、日本語で書かれた店舗のクチコミも英語に自動翻訳されて表示されます。

ただし、一部の項目は自動翻訳の対象外です。例を挙げると、店舗名は通常、自動翻訳されませんが、システムによる誤解釈が原因で、意図しない形で翻訳される場合があります。

実例を紹介すると、「空」という名称の民宿が、「Sora」ではなく誤って「Sky」と翻訳されたため、訪日客が民宿を見つけるのに苦労したという話を聞いたことがあります。

このような事態を防ぐためには、店舗名が適切に翻訳されているかどうかを確認することが不可欠です。具体的には、Googleマップの言語設定を変更して、異なる言語での店舗名表示をチェックすることを推奨します。

また、自動翻訳された店舗名が誤っていたとしても、Googleビジネスプロフィールに翻訳された店舗名を修正する機能はありません。Googleマップの機能を使って、正しい情報をユーザーとしてGoogleに修正提案します。この作業はオーナー権限を持つアカウントではうまくできないことがあり、その場合、別のGoogleアカウントを使ってください。

店舗名のインバウンド対応については以下の記事もぜひ参考にしてみてください。

※記事はこちら
Googleビジネスプロフィールのビジネス名をインバウンド向けに多言語で整備する

なお、Googleビジネスプロフィールに投稿された内容も自動翻訳されないため、訪れる客層に応じて英語や中国語など複数言語での投稿を推奨します。

1つの投稿に複数言語を含める方法もありますが、全文が表示されるまでクリックが必要なため、初見で言語の壁に阻まれる可能性があります。そのため、店舗に最適な多言語対応を検討することが大切です。お店にとっていちばんいい方法を、検討してみてくださいね。

伊藤さん、本日はありがとうございました!

伊藤さんの著書の詳細はこちら