こんにちは、カラーミーリピートスタッフです。
前回は「リピート通販(定期販売)のしくみとメリットについて」お届けしました。今回は「海外のリピート通販事例」をご紹介します。
1. 海外のリピート通販市場
アメリカのリピート通販市場は2011年の63億円から2016年の2,900億円へと毎年2倍以上の成長を遂げています。音楽や映像作品を定額課金で楽しめるAmazon PrimeやNetflixなどのストリーミングサービスと、Blue Apronをはじめとする食材配達サービスの成長が市場規模の拡大を後押ししました。
NetflixやHuluといった動画配信サービスの台頭を顕著に表したのがレンタルビデオ店の撤退です。アメリカの大手レンタルビデオ店ブロックバスターは、ピ-ク時で全世界に9,000店舗、8万4,000人もの従業員を抱えていました。しかし、動画配信サービスが頭角を現したことで経営が悪化、2010年に倒産してしまいます。その後、買収されたものの立て直しはできず、今ではアメリカに1店舗を残すのみとなりました。
日本でもAmazon PrimeやApple Music、Spotifyなどのストリーミングサービスを楽しむ方が増えています。このようなサービスの登場で、定額課金制が消費者に受け入れられるようになりました。
2. 海外のリピート通販利用状況
ストリーミングサービスと物品の割合
マッキンゼーの調査によると、リピート通販を経験したことがあると回答した消費者は全体の約半数、49%でした。そのうち35%はNetflixなどストリーミングサービスの利用のみですが、物品を購入したことがあると答えた消費者も全体の15%に上りました。
男女別のリピート通販契約数
以下の図はリピート通販の1人当たりの契約数を示したものです。
3つ以上のリピート通販を契約している人は全体の約35%、中でも男性は42%が3つ以上のリピート通販を契約しています。
この図から、リピート通販者の30%〜40%は、ストリーミングサービスだけでなく、さらに別のリピート通販を契約している可能性が高いと考えられます。
アメリカには化粧品のサンプルが定期的に届くものや1ドルで高品質のカミソリが購入できるものなど、様々なリピート通販があります。ストリーミングサービスのみならず、物品のリピート通販も広く親しまれていると言えます。
3. リピート通販の人気サービス
アメリカで人気のリピート通販サービスは以下のような商品を扱っています。
多岐にわたる商品を提供しているAmazon Subscribe & Saveの他は、化粧品や食品、カミソリなどが挙げられます。
食材配達サービスで成功しているBlue Apronは、ミールキットと呼ばれる販売形態でサービスを展開しています。ミールキットは購入者が選択した料理のレシピとカットした材料を届けるもので、健康的な食生活を送りたい、時間のコストを削減したい層の人気を獲得しています。
4. リピート通販をする理由
マッキンゼーは消費者がリピート通販を利用する理由を「Replenishment(補充)」「Curation(体験)」「Access(特典)」の3つに分けています。
Replenishment(補充)
Replenishmentの消費者のメリットは「お金と時間の節約」です。
こちらは主に、コモディティ化が進んだ日用必需品が当てはまります。消費者はスーパーやドラッグストアに足を運ぶ必要がなくなり時間の節約になります。
また、量販店より安く販売することで、消費者の購買意欲をさらに高めることができます。
Curation(体験)
Curationは「消費者に驚きを与える」と定義され、「個別化された商品を届けること」が求められます。事前アンケートをもとにその人にあった商品を届ける「ボックス」という形態のサービスが当てはまります。こちらは、肌に合った化粧品や体型に沿ったアパレルを届けるものがあります。
Access(特典)
Accessが消費者に届けるのは「会員限定特典」です。年会費や月額費を払っている消費者への送料を無料にしたり、特別割引を贈ります。Amazonプライムの送料無料が当てはまります。
会員が購入に至らなくとも安定した収益を得ることが可能です。
5. 海外の成功事例(Dollar Shave Club)
海外の企業は定期購入者を増やすためにどのような施策をしているのでしょうか。「リピート通販の人気サービス」の項にあったDollars Shave Clubを例に見てみましょう。
Dollar Shave Club(以下DSC)はその名の通り、Dollar=1ドルで、Shave=髭が剃れる、Club=会員制サービスを提供し、成功しました。業界のトップ2社が15ドルほどで販売しているカミソリを、品質はそのままにたった1ドルで販売したのですから、インパクトは計り知れません。大きな話題を呼んだカミソリ定期購入サービスは、2012年の創業から4年で売上220億円、会員数320万人に成長しました。
Replenishment(補充)の特徴である「量販店で購入するよりも安いことが求められる」点に徹底的に応えたDSCですが、その安さを実現した理由に「広告費を最低限に抑えたこと」が挙げられます。
アメリカのトップ2社はTV・ラジオの広告に年間1,000億円をかけていました。広告費が商品の単価を吊り上げ、消費者目線とは言いがたい価格になっていたのです。
一方のDSCはたった50万円で90秒の動画を製作し、YouTubeでプロモーションを行いました。
動画内では
- ・大手企業のカミソリの値段の大半が広告費であること
- ・大手企業が過剰な機能追加で値段を釣り上げていること
を訴え、多くの消費者の共感を獲得しました。
その結果、公開から2日で12,000人が動画を通じてDSCのカミソリを購入するに至りました。
DSCは広告費を限りなく抑えることで「カミソリには15ドル以上かかる」という常識を破り、そのインパクトで短期間の成長を遂げました。
DSCはカミソリに注目しましたが、中間業者を介することでマージンが大きくなった商品や、広告費が大きい商品は他にもあるでしょう。単品通販の「直接消費者に届けることができる」アドバンテージを活かせば、日本の寡占市場に切り込むことも不可能ではありません。
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次回は「リピート通販(定期販売)に向いている商品」についてお届けする予定です。どうぞお楽しみに!