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人気ショップCLASKA 300点以上の商品を手がけた2人のデザイナーさんが、デザインで大切にしていること

いつも画面越しに見ているネットショップのむこうには、想いのつまった“モノ”とそれを届ける“”たちがいます。このコーナーでは、知られざる商品開発ストーリーやお店の裏側に迫る現場レポートをお届けします。
今回ご紹介するショップ
工芸品から新しいプロダクトまで取り扱うライフスタイルショップ「CLASKA Gallery & Shop “DO”(クラスカ ギャラリー&ショップ ドー)」さん。目黒にある本店のほか、丸の内KITTEや渋谷ヒカリエにも支店を展開する人気のお店です。今回は、そんなクラスカのオリジナル商品を手がける2人のデザイナーさんに、商品開発の裏側ついて詳しくお伺いしました。

実は、そのバッグ…

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“荒井さん”
あっ、そのバッグ…!

クラスカさんで買ったポシェット、毎日使ってます。

実は、そのバッグをデザインしたの、わたしなんです!

アパレル雑貨のデザインを担当している荒井 菜穂さん。

アパレル雑貨のデザインを担当している荒井 菜穂さん。

ええっ!まさかつくっている方にお会いできるなんて感激です。

こちらこそ! ありがとうございます。

「どこで買ったの?」ってよくほめられます。

使っていくうちに革がなじんできて、大切に使ってくださってうれしいです!

 

オリジナル商品をつくるお仕事について

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こういったインタビューを今までされたことは?

“荒井さん”
初めてです!

そうなんですね! ではさっそくですが、お仕事内容について教えてください。

わたしは主にアパレル商品のデザインを担当しています。
春夏と秋冬のシーズンごとに、洋服や靴下をつくったり、バッグのような定番商品もつくっています。

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そのほかにコラボ商品を、メーカーさんとの間に立って完成させることも仕事のひとつです。

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幅広い領域を手がけていらっしゃるんですね。 福島さんは、どんな商品を担当しているんですか?

“福島さん”
僕は、もともとインテリアデザイナーでして。

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家具はもちろん、テーブルウェアやタオルなど生活雑貨全般のデザインを担当してます。

テーブルウェアや生活雑貨のデザインを担当している福島 仁さん。

生活雑貨全般のデザインを担当している福島 仁さん。

 

2人が担当した商品は300点以上!

お2人は、お仕事をされて何年目になりますか?

“荒井さん”
5年目になります。
“福島さん”
8年目になります。

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クラスカさんは、9年前にスタートしたんですよね。

“福島さん”
そうです。僕は、その1年後、渋谷パルコ出店のタイミングで入社しました。

当初からオリジナル商品は数多く展開してたんですか?

“福島さん”
最初は既存商品に別注をかけるような、細々としたものでした。

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もともとオリジナル商品を展開していきたい想いが会社として強くあったので、どんどん開発しているところです。

現在オリジナル商品はどれくらいあるんですか。

“荒井さん”
全体の2、3割がオリジナル商品です。

これまでにオリジナル商品を何点つくられてきましたか?

“荒井さん”
1シーズン20点前後なので、年間約40点くらいです。

すごい! 福島さんの手がけてきた商品はどれくらいになりますか。

“福島さん”
たぶん、100点以上…?
数えたことないんです…。

とすると。これまでに作った商品は300点以上! 小人数で手がけているとは思えない点数ですね…!

 

実は、このベンチも…

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“荒井さん”
いま座っているベンチも、福島さんがつくったんですよね。

えっ!

“福島さん”
そうです、つくりました。(笑)

す、すごい…!

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“荒井さん”
じつは、ヒカリエやKITTEなどにある支店も含めて、全体の空間設計や什器のデザインも、福島さんが担当しているんです。

什器もですか!

このベンチみたいに、什器をつくっちゃうこともありますね。こっちの靴下をいれる什器もそうです。

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お店の什器もつくられるとは、さすがインテリアデザイナーさん。

お店で使うつもりでつくったものが、新商品のアイデアになることもあるんですよ。

なるほど…!


 

空間のアクセントになる異素材づかいのランプ

これまでに手がけた商品の中で、思い入れのあるものを1点だけあげるとしたら、どれでしょう。

“福島さん”
僕は、このアトリエランプです。

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ポイントはこの木の部分

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中にあるパーツでしっかり吊っているんですけど、ぶらさがっているかんじをだすために、あえてこういった木のパーツデザインをしてみました。

木のパーツのおかげで、ぐっと優しい雰囲気になっていますね。

やっぱり異なる素材が組み合わさると、独特の存在感がでてくるのでそこは意識してつくっています。

これは、いつ頃つくられたんですか?

5、6年前です。
最初はグレーとホワイトの2色だったんですが、
いまはブルーとイエローを追加して4色で展開してます。

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青も黄色も、ちょっぴり派手かなと思いきや、木の空間にもしっくりなじむんですね!

そうなんです。空間のアクセントにちょうどいいんです。
お子さんのお部屋にもおすすめですよ。

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大人の女性の心をつかむ麻のTシャツ

荒井さんのこだわりの1点は、どの商品ですか?

“荒井さん”
わたしはこのTシャツです。

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昨年グレーとブラックをだしたところ、評判がよくて。
今年はベージュを追加して、3色で展開しています。

とってもやわらかいですね!

麻100%のとろりとした落ち感のある素材なので、大人の女性らしい着こなしができます。

なるほど。よく見ると、袖が少し長めです。

そうですね、肘くらいまであります。
わたし自身の体験なのですが、夏場の冷房が苦手で。

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そういう人には、これくらいの袖がおすすめです。袖丈は少しの差なのですが、体感温度の違いは意外と大きいんですよ。

女性にうれしい気づかいですね!

あとは、麻のTシャツって何回も洗濯して着ていくうちに生地が曲がりやすいんですね。

かたちが崩れてしまうんですか。

そうです。
まっすぐだった脇線が前にずれてきてしまうことがあります。

気になっちゃいますね…。

それで脇線をまっすぐにおろすのではなく少しだけ後ろに回すことでカバーしたんです。

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こうすると、洗濯してちょっと前に回ってしまったとしても、そこまでかたちのくずれが気にならないようになるんですね。

なるほど!

“荒井さん”
「すごくいいな」と思った素材に少しのアイデアを加えることで、より着心地の「いいもの」に仕立てることができた、納得度の高い洋服です。

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そういった細かな気づかいが、愛される商品の裏側にあるんですね。

 

店頭に立っていることもあります

お2人はデザイナーさんですが、お客さんとふれあう機会は多いんですか?

“福島さん”
僕たち、店頭にも立つんです

えっ、そうなんですか!

“荒井さん”
仕事場がここ(目黒クラスカ本店)のレジの裏にあって、交代で店頭に立ってるんです。

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じゃあ「これ、わたしがつくったんです」ってお客さんにお話することも?

“福島さん”
海外の方から「これはなんていうデザイナーがつくったの?」と尋ねられて「じつは、僕なんだけど…」って言って、すごく驚かれたことはあります。(笑)

それは、うれしいですね…!

“福島さん”
まさかデザイナーが店頭にいるとは思わないですよね。

接客する中で、うれしかったエピソードはありますか?

“荒井さん”
やっぱり、実際に着てもらって生の声をいただけることでしょうか。「シルエットがいい!」とか自然とでてくるお客さんの言葉を、直接聞けるのは、とてもありがたいことです。

 

デザインするうえで大切にしていること

お2人がオリジナル商品をデザインするうえで、大切にされていることはなんでしょう。

“荒井さん”
お客さんの声を聞ける機会が身近にあるからこそ常に「お客さん目線」を大切にしています。

「お客さん目線」というと…?

一見するとシンプルだったりふつうに見えるけれども「使いやすいものであること」を心がけています。

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考えながら作っていると、どうしても自分だけの感覚に偏ってしまうことが多いです。
なので、使いやすくて着心地のいい洋服に仕上げるために、お客さんの反応や、実際に店頭で販売してくれている他のスタッフの人たちの客観的な意見をもらうことを大切にしています。

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改善できる部分はどんどん取り入れて、どんどん進化させていきたいんです。

なるほど。福島さんは、どうでしょう。

“福島さん”
僕は「お店の中でどう見えるか」をものすごく気にしています。

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クラスカにはセレクト商品もたくさんあるので、いろんな個性の強い雑貨のなかで、そういったものをひきたてつつ、オリジナル商品ならではの存在感をちゃんと出していきたいなと。

セレクト雑貨とのバランス、みたいなものですね。

はい。実際にご自宅で使っていただくときも、いろいろな雑貨と組み合わせて使っていただくので、そこはかなり意識しています。

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あとは「飽きずに長く使ってもらえるものをつくっていきたいな」と考えています。
飽きずに長く使ってもらうというのも、なんでもないデザインをするというのではなくて、ちょっとした個性がないと存在感をだせませんし、贈り物としても喜んでいただけないと思うんです。

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だから「クラスカならではのエッセンス」みたいなものを、必ずどこかに入れるようにしています。

 

これからチャレンジしてみたいこと

では最後に、これからチャレンジしてみたいことはありますか?

今の発注数量からするとなかなかむずかしいんですが…

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定番でコンスタントに展開していける商品が増えてきたら、今度は、オリジナルの生地づくりに挑戦してみたいですね。

福島さんはいかがでしょう?

新しい食器のシリーズをつくってみたいな、と考えてます。

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ガラスの商品が好評だったので、少し増やしていきたいなあと。
あとは、小さな家具まわり。ランプのような家具に近いものを、これから増やせたらと思ってます。

これからのクラスカさんの展開が楽しみです。すてきなお話をありがとうございました!

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クラスカさんのオリジナル商品をまとめてご紹介しています。

気になるあの雑貨はどうやって生まれたの? CLASKAの人気グッズ開発秘話
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