2022年11月に一般リリースされたAIチャットボット「ChatGPT」は多くの注目を集め、リリースからわずか2ヵ月の2023年1月にはユーザー数1億を突破しました。そこから、毎月のようにAIに関連するニュースが絶えません。
文章や画像、動画を生成できるAIは、ECの運営において活用できる場面が多くあります。
そこでカラーミーショップではEC運営事業者さまのAIの活用状況を把握すべく、ショップオーナーさまを対象に「AI活用に関するアンケート」を実施。現在の活用状況や効果、反対に、活用をためらってしまう要因についてまとめました。
目次
アンケートにご協力いただいたショップの構成
主な取り扱い商材(複数回答)
ECサイトの運営業務にAI技術の活用について
「ECサイトの運営業務にAI技術を活用していますか」の質問に対し、「活用している」と回答した方は全体の17.5%、「興味はあるが導入する予定はない」が全体の37.5%でした。
活用に当たっての障壁について伺ったところ、全体の55.6%が「技術的な知識やスキル」と回答しており、使い方がわからないので使用されていないということでした。
AIを活用している業務は「商品ページの文章作成」が61.5%と最も多く、次いで多かったのがSNS投稿・ブログ記事の文章作成でした。多くの方が文章生成AIを活用していることがわかりました。
運営業務にAIを導入したことで得られた効果
運営業務にAIを導入したことで得られた効果を伺ったところ、以下の回答が得られました。
- ・広告運用、ブログやSNSなどライティング業務を中心に、今までの3割以下程度の工数で業務をこなせるようになった。
- ・SEOを考慮した、的確な表現の文章の作成時間がかなり短縮された。
- ・新規ページ作成が速くなった。
- ・SEO対策として各商品ページの作成(編集)。
- ・文章作成が少し楽になった。
- ・HTMLの一括修正の時短、VBAなどではAIの提案するヒントを元にWEB検索で正しい知識を得て数式を記述するという、今まで知らなかった方法で実装できている。
- ・問合せ返信文章作成が楽になった。
- ・コンテンツSEOで対策すべきキーワードが自動で提案されるようになり便利になった。
回答から「作業時間の短縮」に効果を感じている方が多いことがわかります。
またSEOを考慮した記事作成やキーワード選定、HTMLやVBAなどで使用されていることもわかりました。AIを 効果的に活用することで、より幅広い業務に応用できるようになり、結果として作業効率の向上につながるといえます。
今後、どのような業務にAIを導入・活用していきたいか
今後も導入の予定が無いという回答が全体の29.6%と1番多いですが、次いで多いのがチャットボットでの接客・お問い合わせ対応にAIを活用したいという回答でした。
AI自体やECにおけるAI活用についての興味や期待感に、大きな差があることが伺えます。
また同アンケートで、ECサイト運営以外の業務でのAI活用についても伺いました。
EC業務以外でAIを利用している人は全体の77.5%となりました。
利用していると回答した人の利用用途を聞いたところ以下の解答となりました。
EC業務以外での利用でもやはり文章生成での利用が1番多く、次いで画像生成を利用していることがわかりました。社内事務処理用のエクセル自動化等と回答された方もおり、さまざまなシーンでAIが活用されています。
AIによる技術発展に期待している分野について
最後に今後、AIによる技術発展に期待している分野について伺ったところ以下のような回答が集まりました。
- ・サイト内検索機能と商品レコメンド機能
- ・新商品のアップ作業
- ・手軽に費用対効果測定 高度なものより簡単に時間をかけずにさっくりと使える機能
- ・複雑な内容の問い合わせなどお客さま対応について
- ・人ができることをAIにやってもらう必要はないと考えてる
簡単だけれども時間がかかる作業や壁打ちにAIの活躍が期待されていることがわかりました。
アンケート回答にご協力ありがとうございました。
総括
今回の「AI活用に関するアンケート」では、AI技術に対する関心の二極化が浮き彫りになりました。
全体の回答からは、AIを活用しているEC運営事業者が一定数存在するものの、技術的な知識やスキルの不足が主な障壁となっていること、また、AIを導入することで得られる効果として、作業時間の短縮やSEO対策などが挙げられ、特に文章生成AIが広く活用されていることがわかりました。
一方で、AI導入への抵抗感や、今後も導入の予定がないとする回答も見られ、EC事業者の間でAIに対する理解度や受け入れ度合いには大きな差があることが伺えます。
今後の展望として、ECサイト運営においてAIが果たす役割はさらに重要性を増していくと考えられます。
特に、チャットボットによる顧客対応や商品レコメンド機能など、ユーザー体験を向上させる領域でのAI活用が期待されています。
これらの技術が普及することで、EC事業者の業務効率化による生産性向上も期待されます。
カラーミーショップは、今後もユーザーの皆さまがAI技術をより効果的に活用できるよう、セミナーの開催やコンテンツ公開を通じてAIに関する知見の提供を進めてまいります。
調査概要
■ テーマ AI活用に関するアンケート
■ 対象 カラーミーショップユーザー
■ 回答者数 40名
■ 期間 2024年6月5日 (木)~2024年6月21日(金)23:59
■ 方法 カラーミーショップ契約者へのメール配信
■ 主体 カラーミーショップ byGMOペパボ