東京・高円寺に実店舗を構えるバッグブランドの「COET(コエット)」。立ち上げ当初から一貫して「自分の手で販売すること」にこだわり、カラーミーショップで自社ECを運営してきました。
今回は代表取締役でありデザイナーの中島多恵子さんに、ものづくりと越境ECへのリニューアルについて伺いました。
欲しいものは自分で作る。一人で始めたブランドとEC
ブランドを立ち上げた経緯を教えてください。
大学中退後、いわゆるフリーターをしていた頃、お金がなくて欲しい洋服やバッグが買えませんでした。
それならと自分で作り始めたところ、友人に販売してほしいといわれたことが、COETを立ち上げたきっかけですね。
洋服やバッグ作りはどこかで学ばれたのですか?
いえ、完全に独学です。自分の持っている服やバッグを分解して、どんなつくりなのかを学びました。
手探りのスタートでしたが、自分の作ったものを欲しいと思ってくださる方がいたことで、「ものづくりで生きていこう」と決めました。
ECサイトを始めたきっかけは何だったのでしょうか?
店舗を介さなくても、「ここにアクセスすれば買える」というホームベースが欲しいと思ったからです。
ブランドを始めた当初、いろんな店舗に飛び込み営業をしていましたが100件行って1件取り扱ってもらえるかどうかの厳しい状況でした。
一人でものづくりをしている人間にとって、店舗さんに頼らずに販売できるECサイトという心強い存在が必要だと感じ、2006年にサイトを開設したのです。
カラーミーショップを約20年使い続ける理由
大型モールではなく自社ECにこだわった理由と、カラーミーショップを選んだ理由を教えてください。
私は商品づくりを完全に一人でやってきましたし、お客さまとも顔を合わせてお付き合いするような販売方法を大切にしています。
ECモールだと、私とお客さまの間に別の会社が入る形になってしまいますよね。
それよりも、自分の手から直接商品を届けられる自社サイトで販売したいと思いました。
そしてシステムやセキュリティなどを任せられるプラットフォームを探していたところ、ちょうどカラーミーショップを見つけたのです。
今もカラーミーショップを使い続けてくださってますよね。ありがとうございます。
実は無料プラットフォームも、何個か試してみたことがあります。
でも、私のように自分で多少コードが読めてデザインの修正ができると、完全にノーコードのサービスは逆に扱いづらいと感じました。
ノーコードだと、細かい部分をこだわりたい時に対応できないんです。
自分の思い通りの世界観を表現するには、やっぱりカラーミーショップが一番扱いやすいと思います。
コロナ禍で海外販路がゼロに。越境EC化という決断
ECサイトの制作代行サービスを利用されたのは、何かきっかけがありましたか?
国内向けの自社サイトを、越境EC対応にするため制作代行を利用しました。
実は開設して数年後には、海外のプラットフォームを利用してヨーロッパやアメリカなどに販売をしていました。
ところがコロナ禍でプラットフォームの消滅などがあり、海外への販売チャネルが本当にゼロになってしまって……。
ですがパリの百貨店でも扱われるなど、COETと海外との相性のよさを感じていたため、どうしても海外への販売チャネルを確保したかったんです。
そこで制作代行を利用して、自社サイトを越境EC用にリニューアルすることを決めたんですね。
はい。ただ、リニューアルにはそれなりの予算が必要で、自社だけで全額を負担するのは難しいと思っていました。
そこで国の補助金事業を活用して、費用の一部をまかなってもらう形で制作代行をお願いすることにしたんです。
「満足度100点」。こだわりを実現した制作代行サービス
初めて制作代行を利用されていかがでしたか?
すごく満足していて、点数をつけるなら100点満点です。
まず、初回の打ち合わせからスムーズで感動しました。
参考にしたいサイトの例をいくつか挙げたら、こちらの意図を汲み取ってくれて、デザインの方向性がすぐに決まりました。
制作に入ってからも、チャットルームでリアルタイムにやり取りできたので「メニューをもう少し下げて」といった細かな指示もその場ですぐ解消できて、便利でした。
ご自身でもデザインができる中島さんが、あえてプロに依頼してよかった点はどこですか?
やっぱり、難しいコードを書くような高度な技術面を完全にお任せできたことです。
私ではわからない技術面については、プロにお願いできたので本当に助かりました。
それと、制作会社さんだけでなく、カラーミーショップの補助金申請の担当者の方もすごく丁寧だったので技術面でも手続き面でも、安心感がありました。
越境EC化で、特にこだわった点を教えてください。
商品ページに、日本語と英語の2つのタブを作ることです。これは絶対に譲れなかったポイントでした。
ページの自動翻訳機能を利用するという手もあるのですが、私自身の言葉でお客さまに伝えたかったんです。
実装は大変だったと思いますが、希望通りに実現してもらえて、本当に気に入っています。
真心を込めて届ける。COETが目指す未来
リニューアル後、越境ECの状況はいかがですか?
売上の数字としてはまだこれから、といった段階ですが、実は店舗ですごく役立っています。
私、英語が苦手なので、海外の方への細かい説明に悩んでいたんですが、iPadでECサイトをお見せすればニュアンスまで伝わるようになりました。
接客ツールとして使えるのは嬉しい発見でしたね。
これからのCOETの展開について教えてください。
これまで通り、自分の手で真心を込めて作り、送り出すスタイルは変えずに続けていきます。
これだけ多くの商品がある中で、私のブランドを見つけてもらえるのは本当にすごいことです。
だからこそ、SNSでは制作の背景やストーリーもしっかり発信して、単なる「モノ」以上の価値を感じていただきたいですね。
また完全予約制の高円寺の店舗では、実際に商品を見ていただき、お客さまと会話を交わしながらの接客ができます。
このような対面での人と人とのつながりを大切に、オンラインでも発信することで長くファンでいてもらえる、そんなブランドであり続けたいです。
ECサイトとしての目標はありますか?
ECサイトは変化がないと、なかなか見に来てもらえません。
今は新作が出たタイミングで売り上げが伸びる形ですが、もっとコンスタントに楽しんでもらえる場所にしたい。
「何か新しいことやってるかな?」と、ふらっと訪れてもらえるような動きのあるサイトを目指して、新作づくりにも力を入れていきたいですね。
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