名古屋の副都心・金山に位置するIHG・ANAグループの高層ホテル。名古屋駅や栄駅、中部国際空港などへも好アクセスな立地で、観光・ビジネス目的での利用はもちろん、街並みを一望できるレストランは地元客からも長年愛されています。
今回は、コロナ禍でのホテル不況をEC事業で乗り越えた同ホテル料飲部次長の永田 敦宏さんに、ECサイトでの商品展開の効果についてお話を伺いました。
専門知識がなくても操作しやすいカラーミーショップを選択
ECサイトを始めた理由を教えてください。
コロナ禍でホテルを利用されるお客さまが減ったことがきっかけです。ECサイトでホテルの商品を販売できないかと模索していた頃、ちょうど当ホテルのグループの中にEC事業を軌道に乗せているホテルがあったため、そこをロールモデルにして私たちも始めてみることになりました。
ECサイト開設にカラーミーショップを選んだ決め手は何でしたか?
2~3社のサービスを比較し、専門知識がなくても気軽に始めやすかったカラーミーショップを選びました。先述のグループホテルが導入していたというのも大きな理由ですが、最初の印象どおり使いやすくて助かっています。
ECサイトにはどういった効果を期待しましたか?
これまで私たちはアットホームなサービスで多くのお客さまに親しんでいただいてきました。グルメ券などをきっかけに再びホテルにお越しいただき、コロナ禍でも安心して過ごせる場所だと感じてもらえれば、その方の口コミを通じて、利用を控えている他のお客さまにも安心感が伝わるのではないかと考えました。
また、最近特に増えているのが、少し離れて暮らすご両親などへのプレゼントとしての利用です。
普段自分ではなかなか一歩踏み出せない方にも、「いただいたチケットなら」と気軽にホテルへ足を運んでいただくきっかけとしてお役に立てているようですね。
たしかに、ホテルで食事を楽しめる機会はプレゼントにぴったりですね。
物品やグルメ券販売のほか、ケーキ・おせちの店頭受取にも活躍
ECサイトでは食品や雑貨のほか、チケットも販売されていますね。
当ホテルでは数ヶ月おきにグルメフェアを開催しており、食を通じてホテルの魅力を体験していただけたらという思いでグルメご招待券の販売も開始しました。
地域で親しまれるホテルですと、やはり購入者層も地元の方が多いのでしょうか?
そうですね。近隣企業のオーナーさまをはじめとしたホテル会員の方のご利用が多いです。宿泊利用は東京・大阪など県外の方が中心ですが、宿泊客の大半は外で食事を済まされますので、レストランは地元の方でよく賑わっていますね。
おかげさまでグルメ券は、おいしい料理を堪能し、気に入ってくれた方が再びホテルに足を運んでくださるという好循環を生んでいます。「次はどんなフェアをやるの?」とお問い合わせいただくこともあり、お客さまも楽しみにされているのがわかり、私たちとしても非常に嬉しく思っています。
グルメ券以外の商品は、どのように展開されていますか?
常時販売している商品もありますが、季節に合わせてタイムリーな商品を打ち出すことを優先しています。中でも福袋やおせち、クリスマスケーキなどの季節商材を扱うことが多く、その他の時期は商品点数が少なめですね。
季節商品は配送もしているのでしょうか?
おせちは一部配送も承っていますが、配送時の事故を防ぐため、基本的にケーキなどはホテルで直接お客さまに手渡ししています。店頭での受け渡しがスムーズなのは、オンライン販売での事前決済ならではのメリットですよね。お客さまにも利便性を感じていただけているようです。
商品レビューの活用でさらなる売上アップを目指す
ECサイトを運営していてよかったことはありますか?
従来は店頭だけで販売していた福袋を、2023年からはオンラインでも販売するようになったんです。店頭販売は元日限定ですが、オンラインでは販売期間を伸ばして1月いっぱいに設定したところ、より多くのお客さまにご購入いただくことができました。福袋にはグルメ券も入っているので、レストランの売上にも貢献できています。
福袋はもともと人気商品だったのでしょうか?
元日の早い時間から並んでくださる常連のお客さまもいらっしゃって、比較的購入しやすい価格帯の福袋は毎年あっという間に売り切れてしまいます。オンライン販売によって新しいお客さまにもリーチできたので、2年連続でさらに売上を伸ばせたのは非常に嬉しい変化でしたね。
今後、ECサイトを通じて実現したいことはありますか?
ホテルのオリジナル商品を増やしたいと考えていますが、在庫をたくさん持つ必要があるのでなかなか踏み切れずにいます。在庫リスクをクリアにできるアイデアを探って、実現に向けて前向きに動いていきたいと思っています。
また、商品ページにレビュー機能をつけることも検討しています。まだ商品数は少ないのですが、お客さまのリアルな喜びの声が集まれば、さらに多くの方にご利用いただくきっかけになるのではと期待しています。