和歌山県中部西岸に位置する湯浅町で200年続く「善兵衛農園」。
国内でも屈指のみかん栽培に適した土地で、温州みかんや越冬紅をはじめとした柑橘類を生産しています。
今回は7代目園主の井上 信太郎さんに、ECサイトでの販売状況や、みかんを取り巻くライフスタイルの変化、今後の目標などについてお話を伺いました。
顧客とのやりとりが大変になり、EC開設を決意
まずは善兵衛農園について教えてください。
当園は、江戸時代後期から200年以上続くみかん農家で、僕で7代目になります。
和歌山で有名な「有田みかん」の一大産地・湯浅町の中にあり、みかんのほかにレモンやオレンジ、柑橘以外ではびわも栽培しています。
ECサイトを開設したきっかけを教えてください。
僕が家業に入る前、父もネット販売には挑戦しましたが、共同運営していた方の都合で続けられなくなり撤退したことがありました。
それからしばらくして、今度は僕がECサイトを立ち上げることになりました。
きっかけは、学生時代の友人やそのご家族のクチコミで、彼らの同僚やその友人にまでうちのみかんの評判が広まったことです。
LINEやDM、メールでご注文いただくようになったのですが、次第に件数が増えたことでやりとりが煩雑になってきてしまい、きちんとした購入窓口を設ける必要性を感じたことが始まりでした。
カラーミーショップを選んだ決め手は何でしたか。
最初はホームページビルダーでカートを構築してみましたが、自作ではどうしても使いづらいなと思いました。
そこで、うちのホームページを作ってくれている制作会社の方に相談し、利用者が多くて使いやすいサービスとして紹介してもらったカラーミーショップに落ち着きました。
実際に利用してみて、便利だと感じた点はありますか。
一度買ってくださった方が次回また購入しやすくなるような仕組みが充実している点です。
当初、僕らはメルマガ機能を知らずに使い始めたのですが、開設2年目に「これを使わない手はない」と気付いて配信を始めました。
今ではメルマガが購入の後押しとなり、僕らも売れ行きを予想しやすくなったので、便利に使わせてもらってます。
善兵衛農園さんではメルマガの効果が大きいんですね。
かなり効果を感じますね。
僕らが扱うような季節商品は、シーズンが来たときに顧客に思い出してもらうことが重要です。特にみかんは寒くなってきた頃に買いに来られる方が多いので、毎年ベストなタイミングでメールをお送りしています。
限定商品は1分で完売! 事前告知でトラブル回避も
販売方法で工夫されている点はありますか。
「越冬紅」というみかんを、毎年100箱限定で販売しています。
100箱のうち半分はセット商品で、もう半分は単品で販売していますが、単品のほうは販売開始から1分以内にいつも完売してしまいます。
買えなかった方からメールが殺到するので、あらかじめ入念に事前告知を行うようにしています。
わずか1分で……! 販売開始直後の様子が気になります。
皆さん、更新ボタンを押しながら待機しているんでしょうね。 こんなふうに、カラーミーショップのアプリ通知がスマホいっぱいにバババっと表示されますよ。
お客さまもかなり楽しみにされているんですね。
予約商品は、稀に注文したことを忘れたお客さまから受取拒否に遭うこともあると聞きますが、善兵衛農園さんではいかがですか。
ありがたいことに、今のところ受取拒否に遭ったことはありません。
今は注文すれば何でもすぐに届く時代。「欲しい」と思ってから実際に届くまでのタイムラグが長くなりすぎると、あまり喜んでもらえなくなると思っています。
僕らはこのタイムラグをできるだけ短くしたいので、受注時期をあえて遅く設定しました。
12月に発送するみかんの予約受付を夏から始める農家さんもいらっしゃるので、ちょっと気持ちは焦るんですけどね。そこはグッとこらえて、うちでは11月に受注しています。
生産・消費量が減り続けるみかんの魅力を発信
現代のみかん業界について、どういった課題を感じていますか?
業界全体で見ると、消費量・生産量ともにどんどん減ってきています。
みかんだけでなく、今流通している青果物全体の消費量が下がっていて、増えているのはバナナとキウイくらいなんですけど、どちらもほとんど海外産ですからね。
しかも、それ以上に、ジュースやゼリーなど加工品が増え続けています。僕らにとっての「ライバル」はいろいろありますが、コンビニスイーツもその一つなんですよ。
確かに……。昔はみかんを箱買いする家庭も多かったですが、核家族化で少なくなった気がします。
そうなんです。
販売単位もどんどん小さくなっていて、昔は15kgの箱が主流だったのに今では5kg、うちでよく売れるのは2.8kgですからね。
僕らも商品展開を考える上で「買いやすい値段・食べきれる量」のバランスを見て販売しています。
昔はこたつでみかんを食べる文化がありましたが、住環境の変化でそういう光景も少なくなりました。
現代のライフスタイルでも、食卓の真ん中にみかんがあることで自然と手が伸びると考えて、みかんを盛るための専用カゴをみかんとセットで販売したりもしています。
最後に、今後の農園としての目標を教えてください。
みかん農家の力だけでは、食べてもらう・知ってもらうきっかけを増やすことはできません。
なので僕らはSNSで積極的に情報を発信したり、異業種の方とのコラボを増やして、あえてみかん農家がいないコミュニティに飛び込んでいくようにしています。
ECも含め、もっと多くの方に食べていただく機会を増やして、みかんに興味を持ってもらいたい。そういう活動の先で、僕らの子どもたちの世代も安心してみかんを作れるようになったら嬉しいです。
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