ネットショップ運営でショップオーナーさまを悩ませる問題のひとつが、配送会社や配送方法の選定です。配送会社によって料金やサービスの特徴が異なるため、もっとも安く安全に配送できる業者を知りたい方も多いのではないでしょうか。
そこでカラーミーショップでは、発送作業の経験があるショップオーナーさまを対象に「配送会社の利用状況に関するアンケート」を実施し、利用している配送会社、発送で困っていること、工夫していることについてまとめました。
アンケートにご協力いただいたショップの構成は以下となります。
利用している配送会社はどこですか?
一番多く利用されているのはヤマト運輸(64%)、次いで、日本郵政(51%)、佐川急便(29%)と続きます。
2015年のデータと比べると、1位と2位が入れ替わる結果となりました。
また、複数の配送会社を利用しているショップオーナーさまに理由を聞いたところ、商品や配送料金によって使い分けているため(78%)、次に購入者に配送業者を選択してもらうため(12%)でした。特にネットショップをオンラインモールとして運営していてアイテム数が多い・発送元がバラバラなショップは、商品ごとに最適なサービスがある・発送元から配送先の距離によって値段が変わるなどの理由から配送会社の使い分けをした方がよいと言えるでしょう。
ヤマト運輸を利用する際の配送方法は?
60サイズ~160サイズ(縦・横・高さの合計が160cm以内、かつ重さが25kgまで)の荷物を送るのに一番利用されているのがヤマト運輸の宅急便でした。2位の宅急便コレクトは荷物の受け取り時に決済を行うことで、購入者側は商品が届かないリスク、事業者側は未払いのリスクがないため、双方にメリットのあるサービスです。利用は法人または個人事業主に限られており、事前にヤマトフィナンシャルとのご契約が必要です。3位の宅急便コンパクトは60サイズより小さな商品を手軽でお得に送ることができます。
日本郵政を利用する際の配送方法は?
日本郵政は営業所の数がもっとも多く、荷物の持ち込みや営業所止めが行いやすいのが選ばれている理由のひとつでしょう。日本郵政の中でも、170サイズ以内、重さ25kgまで対応のゆうパックが1番多く利用されており65%、次いで2位3位には日本全国一律料金で商品を送れるレターパックやクリックポストが人気です
佐川急便を利用する際の配送方法は?
160サイズ以内、重さ30kg以内の荷物を送ることができる飛脚宅配便の利用が圧倒的に多く、91%のショップオーナーさまが選んでいます。2位は代金引換サービスのE-コレクト(50%)で、こちらはヤマト運輸の宅急便コレクトと違って個人での利用も可能なのが特徴です。
配送会社を選ぶときのポイントはなんですか?
配送料金がもっとも重視されています。配送料金をできるだけ安く抑えたいショップオーナーさまは、各配送会社に相見積もりをとって、どこが一番安いか比較(交渉)してみるのがよいでしょう。
2位はショップの信用にも大きく関わる、信頼度(60%)、正確に商品が配送されたかを確認する追跡サービス(36%)が3位に続きました。
最後の配送会社の営業所の近さは、営業所に自分で荷物を持ち込むと持込割引が受けられる場合、送料の節約になるからと言えます。
配送について困っていること
過半数が配送について困りごとがあると回答しました。なかでも梱包作業が大変だという声が一番多く、次に配送中の商品破損や紛失という配送会社によるトラブル、伝票記入が大変という順でした。
困ったエピソード
ショップオーナーさまからいただいた具体的なエピソードをご紹介します。
- ・繁忙期は伝票作成に時間がかかる、梱包した商品の置き場に困る、発送作業が追いつかないことがある。
- ・繁忙期や悪天候で荷物の回収ができないと言われて持ち込みをしたり、指定時間に配送されなかったこと。
- ・一部離島への配送便がない運送会社だった。(コストは高かったが他の配送会社へ依頼)
- ・追跡できないタイプの格安配送を使って、お客さまからの荷物の問い合わせに答えられなかった。
- ・お客さまによる住所の記載不足や記載間違いによって、運送会社から行先不明の連絡を受けた。
- ・クリックポストはメール便なので集荷がない。大量の場合、ポストまで持っていくのも投函するのも大変。
- ・保管期限が短いため、レターパックは受け取らない方が多い。
- ・安くて大きい商品は送料が高くつくし、遠方だと更に値上がりして大変。
- ・送料無料のショップが増えているので、いくら以上で無料にするか悩んでいる。
- ・一度、紛失がありました。30万円の賠償金では足りず、持ち出しで保証することになりました。
- ・代引きの受取拒否が一番辛い。配送料が損失になる。
- ・伝票印刷がMacに対応していない。
配送で工夫していること
困りごとのなかには、商品の破損・紛失、伝票印刷がMacに対応していないなど、ショップオーナーさまの方で解決しづらい問題も多く見られました。少しでもトラブルを避けるために工夫されていることについて伺ってみました。
- ・送料を安くするために、製造は寸法と重さから決める。
- ・梱包スペース(大きめの作業台)を用意して、必要な道具を1箇所にまとめている。
- ・最小の配送料金で送るために箱を複数パターン用意し、商品によって使い分けしている。
- ・配送時の落下、破損を防ぎたいので、なるべく表面が滑り難いような梱包素材を使っている。
- ・単価の高いアクセサリーのため、両面白の段ボールを使用している。緩衝材の代わりにB級品のチュールレースを使い、ダンボールを開けたときから特別感のある仕様にしている。
- ・梱包時、荷姿や梱包中の写真をとっている。
- ・梱包袋にドライバーの方へのお礼シールを付けることで、丁寧な対応になったと感じる。
- ・伝票印刷はできるだけコピー&ペーストをして記入ミスがないようにしている。
- ・メール便で発送した際は、追跡を見てポスト投函されたら【ポスト投函完了メール】をお送りしている。すぐに確認してもらうことで、紛失・盗難の問い合わせが0件になった。
- ・定形外でも発送した日付と内容物、宛先の記録をつけておく。万が一紛失などがおきても対応しやすい。
- ・梱包マニュアルを作っている。
- ・商品の在庫、梱包、発送を外部委託している。
過去の自分にアドバイスをするなら?
最後に、ショップ運営でさまざまな経験を積まれたショップオーナーさまに、過去の自分への配送に関するアドバイスを一言いただきました。
- ・定期的に配送料金の確認・見直し・交渉をしよう。
- ・配送する数量が増えたら値段交渉をしてみよう。
- ・配送会社の担当者と仲良くしてお互いの信頼を築こう。
- ・荷物の重さや厚みによりお得な配送方法があるので調べておこう。
- ・事故・トラブル時の対応について確認しておこう。
- ・トラブル防止のため必ず追跡可能な配送方法を利用しよう。
- ・想像よりも破損が起こることを想像して梱包をしよう。
- ・安い梱包材を使うと破損につながるのでしっかりした梱包材を使おう。
- ・全国一律ではなく他の設定も検討しよう。
- ・●●以上送料無料にすると利益率は低くなるのでやめておこう。
- ・配送料金を加味した利益率の計算をしておこう。
- ・送料の設定は注文金額や配送地域ごとに細かく区別しよう。
カラーミーショップでもこちらの統計・ご意見をもとに今後の改善を進めてまいります。
たくさんのご協力ありがとうございました。
調査概要
■ テーマ 配送会社に関する調査
■ 対象 一定額以上の売上があるカラーミーショップユーザー
■ 回答者数 641名
■ 期間 2021年2月11日~2021年2月21日
■ 方法 カラーミーショップ契約者へのメール配信
■ 主体 カラーミーショップ カスタマーサクセスチーム
※本調査レポートの結果は四捨五入で端数処理を行っており、合計しても100%にならない場合があります。
グラフ画像一括ダウンロード
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