日本一のニット産地、新潟県五泉市のニットメーカーが運営するECサイト「サイフク公式オンラインショップ」。
自社ブランド「mino(みの)」と「226(つつむ)」のヒットにより、好調に売上を伸ばしています。
今回は、自社ブランドやECサイトの立ち上げに携わった常務取締役・斉藤 佳奈子さんに、ブランド立ち上げの背景やEC運営のこだわりなどについて伺いました。
小売経験ゼロから始めた自社ブランドで、カラーミーショップが選ばれた理由
はじめに、サイフクさんについて教えてください。
私たちサイフクは、新潟県五泉市に拠点を置くニットメーカーです。
アパレルOEMを主軸の事業としながら、2つの自社ブランド「mino (みの)」と「226 (つつむ)」を展開し、自社ECサイトでの販売や卸を行っています。
「mino」は雪国の防寒着から着想を得たニットポンチョのブランドで、「226」は身体やインテリアなど、いろいろなものをニットで「つつむ」アイテムを提案しています。
OEMを事業の柱としてきた中で、なぜ自社ブランドを立ち上げたのでしょうか。
約15年前のリーマンショックの影響で、OEMの受注が減ってしまったことがきっかけです。
また、閑散期と繁忙期で売上が安定しないことも経営上の課題だったので、自分たちで安定した収益を上げるための手段を確保する必要があると感じました。
自社ブランドの立ち上げには、専門家の支援も受けられたそうですね。
はい。当社は長年OEMを主軸にしてきたメーカーなので、小売の経験がありませんでした。
そこで、中川政七商店さんにコンサルを依頼し、展示会での商品の見せ方や販売ノウハウを学びながら、少しずつ小売事業を軌道に乗せていきました。
そんな中、カラーミーショップはどういった経緯で使い始めたのでしょうか。
当初導入していた簡易的なECサイトに不便さを感じていたところ、カラーミーショップを紹介していただきました。
サイト制作の深い知識がなくても、自分たちで一通り構築できて便利ですし、画像を直感的に組み込める機能も気に入っています。
サイフクさんのECサイトは、クオリティの高い商品画像やデザインが魅力的ですよね。
ありがとうございます。
写真撮影は外部のカメラマンさんに依頼していますが、サイト制作は自社で手がけています。
写真撮影は開設当時からトライアンドエラーを重ねながら特に力を入れているポイントです。
一着だけ撮ってカラーバリエーションの部分は加工で表現するブランドも多いですが、当店では一着ごとに撮影しています。
また、物撮りの際は商品の下からサーキュレーターで風を入れたり、上から吊るしてテグスで引っ張ったりと工夫しながら撮っています。
ふわりとして軽やかな独特の質感が伝わってきます。商品ページにも、お客さまが知りたい情報が細かく記載されていますね。
私自身がネットで買い物をするとき、「こういう情報があったらいいのに」と思うことが多いんです。
たとえばニットの重さや厚み、洗濯方法など、購入前に知りたいことってたくさんありますよね。それらを気付き次第少しずつページに追加しています。
工場見学会にいらっしゃった方から直接いただくご相談なども参考にしながら、お客さまの不安を解消できるページづくりを心がけています。
メーカーならではの強みを活かしたEC施策でブランドのファンを作る
ECサイトは何名体制で運営していますか。
メルマガ作成や画像加工、企画の専任2名と、事務・出荷などの兼任5名を合わせて計8名で運営しています。
アパレル業界では、直近のシーズンと1年先の商品企画を並行して進めるため、撮影した画像の選定・加工から商品ページ作成まで、非常に労力がかかりますね。
SNSや動画、noteなどさまざまな施策を行っている中、特に重視しているツールはありますか。
既存会員向けのメルマガには特に注力しています。
週2回の配信を基本として、ブランドのファンであるリピーターの方を大切にしたいので、最新情報やお得な情報はメルマガでいち早くお知らせしています。
特に福袋の反響は非常に大きく、事前告知すると発売と同時に一気に売れていきます。
他社との差別化をするための取り組みはありますか。
商品に添えるお手紙と一緒に、小さくカットした編み地を同梱する取り組みを続けています。このニットの先に職人がいて、ニット工場があることをお客さまに感じてもらえたらいいなと思って。
手間はかかりますが、セレクトショップではできないメーカーならではの取り組みで、うまく差別化を図れていると思います。
自社ブランド展開で得られた、OEM事業・人材採用への波及効果
OEM事業と自社ブランドの違いで苦労した点があれば教えてください。
OEMは出荷単位が非常に大きいですが、ECは個人のお客さまが相手なので発送作業が多く、個別のお問い合わせ対応にも時間がかかります。
また、商品価格や仕様など、すべて自分たちで決定しなければならないので、判断基準を確立するのに苦労しましたね。
商品づくりへの向き合い方も異なりますか。
OEMはクライアントがOKを出せばそこで終わりですが、自社商品には際限がなく、完成度へのこだわりが一段上がる感覚があります。
社内からも「もっと細部まで詰めよう」という意見がたくさん出てくるので、納得ゆくまで理想形を追求しています。近年は自宅で洗えるものや、季節問わず通年で使える商品開発にも力を入れています。
自社ブランドでの経験が、OEM事業に与えた影響はありますか。
展示会に出るようになってからは、商品の見せ方により気を配るようになりました。
アパレルメーカーのデザイナーさんにプレゼンするときにも、自社ブランドで積み重ねた経験が活かされています。
また、自社ブランドを作ったことで親近感を持たれやすくなり、人材採用にもいい波及効果が表れていますね。
最後に、今後の展望や目標について教えてください。
これからはECサイトを通じて、サイフクの商品をさらに多くの方に知っていただき、売上を拡大させていくことが目標です。
そのためにも社内のチームを強化し、しっかりとした販売体制を整えていければと思っています。専門メーカーならではのニットの魅力を、もっと発信できるように頑張ります!
今日は素敵なお話をありがとうございました!
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