代表自らアメリカで買い付けてきたヴィンテージファッションの専門店「mushroom(マッシュルーム)」。毎日22時に追加される新商品は公開とともに即完売、古着ファンに一目置かれるショップです。今回は、新潟県弥彦村で実店舗とECサイトを運営している、T.D,Inc代表の土田鏡さんにお話を伺いました。
年1回のリニューアルで「飽きないサイト作り」を実現
まずは「mushroom(マッシュルーム)」について教えてください。
アメリカから直接買い付けてきたヴィンテージ品を、ECサイトと実店舗で販売しています。
古着好きの方からするとマッシュルームといえばECのイメージが強いかもしれませんが、私たちは実店舗から始まったお店です。新潟市中心部での営業を経て、2020年12月に自然豊かな弥彦村に移転しました。ゆったりとした空間が好評で、県内外や海外からもお客さんが訪れ、お買い物を楽しまれています。
ECサイトを立ち上げたのはいつですか?
2002年に店舗を構えてから3年ほど経ったころです。当時はまだユーズド品をECで買う文化が根づいていない時代。古着は実店舗で実物を見て買うのが一般的だったので、EC展開している古着屋は非常に稀でしたが、お客さまを増やすためにとチャレンジしました。
カラーミーショップの導入はそれから約10年後、2014年ごろです。カラーミーショップの使いやすいショッピングカートのおかげで、お客さまにより安心してご購入いただけるサイトを構築できたと思っています。
ありがとうございます。ECサイト制作はどのようにされていますか?
外部に委託しています。お客さまに飽きずにお買い物を楽しんでいただくためには、定期的に見せ方を変える必要があると思っているので、1年に1回くらいのペースでリニューアルしています。
普段の更新作業は自社で対応していて、現在は1~3名で運営業務にあたっています。
担当者の1日の動きとしては、10~18時までの間に商品の選定、撮影、採寸、商品説明文の作成など一連の作業を行い、Instagramのストーリーズで告知して、22時にECサイトに新商品を掲載する流れとなっていますね。
毎日22時に更新するのはなぜですか?
かつては11~18時の間に告知なしでランダムに新商品を公開していましたが、どうしても忙しくて更新できない日があったんです。イレギュラー対応として、Instagramで告知したうえで21~22時ころに更新してみたところ思いのほか反応がよかったので、それ以来、事前告知と22時更新を続けるようになりました。
公開即完売と「SOLD OUT」表示で購買意欲をかきたてる
ECサイトの運営で特にこだわっている点を教えてください。
お客さまには毎日飽きずにお買い物を楽しんでもらいたいので、商品にバリエーションをもたせることを意識しています。定時更新もこだわりの一つで、古着好きの方は「毎晩22時=マッシュルームタイム」になっていると思います。
もう一つ、できるだけ即完売しそうな商品を仕入れてアップすることも意識していますね。
即完売を狙うのはなぜですか?
やはり「売れているお店から購入したい」というのが顧客心理ですよね。売れ残りが多いとだんだん売れなくなっていきますから、常に売れている状態をキープするため、ときには損してでも完売を目指すことがあります。
お客さまの心を掴むための戦略なんですね。
SOLD OUTの表示がある意味広告の代わりとなって集客に役立つので、極端な例ですが、100万円で仕入れたヴィンテージ品をあえて50万円で販売することもあります。こういう施策はゲリラ的に実施するので、いいものを手に入れたい人は毎日のチェックが欠かせなくなりますし、SOLD OUTの表示を見て「次は買いたい」と購買意欲がかきたてられるのかなと思います。
買い付けでこだわっているポイントは?
当店で取り扱う商品は、仕入れ値に比例して高価なものが多いですが、マージンを大きく乗せているわけではありません。古着好きの方々はそれを十分理解されていて、通常時でも「このアイテムがこの価格で手に入るの!?」と破格の安さに満足してご購入くださっています。なので、いつでも顧客のご期待に添えるよう、価値あるアイテムを適正価格で並べるのがモットーです。
今後のマッシュルームの展望について教えてください。
今後は、同業者に向けた古着の卸販売を強化していきたいと考えています。実店舗の近くに事務所兼倉庫を新設したので、そちらのスペースを活用して大々的に卸販売を展開する予定です。
また近い将来、アメリカに進出することも検討しています。アメリカには当店のような古着屋がないので、現地の方や旅行客向けに、ヴィンテージ品に触れる機会を提供できたらと思っています。世界中の古着好きとつながって、いずれはECサイトや新潟の実店舗にも目を向けていただくきっかけになれば嬉しいですね。
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