金属加工の街として知られる新潟県燕市で、キッチン用品・生活雑貨の卸販売を手がける会社が立ち上げたオリジナルブランド「家事問屋」。有名セレクトショップなどでの取扱実績も多く、ユーザー視点に寄り添った数々のアイテムが支持されています。今回は、同ブランドのECサイト開設経緯、コンテンツ作りのこだわりなどについて詳しく伺います。
機能とサポートに魅力を感じてカラーミーショップを選択
ECサイトを立ち上げたのはいつですか?
2022年2月です。ECサイト構築サービスを何社か比較検討した結果、サポート体制が充実しているカラーミーショップを選びました。カート画面の操作しやすさや、独自機能「どこでもカラーミー(※)」を使って、既存のブランドサイトにカート機能をつけられる点も魅力的でしたね。
決め手となったサポート面について、詳しく教えていただけますか?
最も魅力的だったのはメールでのお問い合わせ対応です。
私たちより先にカラーミーショップを利用されている取引先の方から、「電話でもメールでも相談でき、しかもレスポンスが早い」と聞いて、私たちに合っていそうだと思いました。
迅速なレスポンスはカラーミーショップの強みの一つです。
ECサイト開設は弊社としても初の試みだったので、事前に細かく確認したいことがたくさんありました。実際にメールで問い合わせてみると、すぐに「この方法で解決できるかもしれません」と参考事例を送ってくださいますよね。正式な回答をいただく前にそれで解決できることもあるので、非常に助かっています。
ECサイトを開設した理由についても教えてください。
大きく二つあって、一つは自社販路を確保しておきたかったという理由です。
ブランド立ち上げから7年が経った頃、取扱店は数百店舗にまで拡大していましたが、その一方、すべてのアイテムを置いていただくことが難しくなっていました。お客さまへ商品をお届けしきれない状況も発生していたので、あくまで取扱店さんでの販売が主軸となりますが、全ラインナップを購入できる場所として自社ECサイトの必要性を感じ、開設に至りました。
もう一つの理由は?
ECサイトをアフターフォローの場としても活用するためです。
私たちは燕三条の職人さんたちが丹精込めて作った商品を、ぜひ長く使い続けていただきたいと考えています。そのためECサイトでは、シリコンスパチュラのシリコン部分や、バットの樹脂製のフタなどの交換用パーツを販売し、部品だけのご購入なら送料無料でお届けしています。
また、修理可能な商品は一旦私たちのもとへお送りいただき、職人さんが丁寧に修理してからお戻しするといった取り組みも行っています。手になじんだ愛用品を手放す必要がないので、お客さまからは大好評のサービスです。
独自のコンテンツで着実にファンを獲得
サイトやコンテンツ制作は自社で行っていますか?
ECサイトの制作は、ブランドサイトの制作にも携わっていただいた地元新潟のWeb制作会社さんにお願いしました。
コンテンツ制作はECサイト開設と同時に始めましたが、社内では私含め3名のスタッフのほか、外部のライターさんさんにも協力していただいています。
コンテンツの発信内容についても教えてください。
現在はECサイトの読みものページとInstagram、YouTubeを連携させながら情報発信しています。
読みものページでは、商品開発ストーリーや工場(こうば)の職人さんのこだわり、取扱店さんやユーザーさん目線でのお話、商品を活用した料理レシピなどを、温かみのある写真と文章でお届けしています。
職人さんへのインタビューは実際に工場へ赴いて行っているのですが、貴重なお話を伺える機会となっています。
Instagramでは生配信もされていますね。
動画にスタッフが登場するのはハードルが高く、ずっとためらっていたのですが、配信慣れしている取扱店さんにご協力いただいて、最近初めてインスタライブに挑戦したんです。回を重ねるごとに反応がよくなっているので今後も続けたいですし、お客さまからリアルな声をいただけるのも嬉しいポイントです。
多角的なコンテンツ戦略の効果はいかがですか?
私たち家事問屋は一見ありきたりな商品を扱っているので、商品の魅力を丁寧に発信してくださる取扱店さんの存在を大切にしています。私たちはECがその役割を果たせるように、独自のコンテンツづくりを重視してきました。
バズりやすい流行りのキーワードには頼らないようにしていますが、読み手に寄り添った内容で着実にファンを増やせているので、私たちにとっては正しい戦略なのだと思います。
コンテンツの充実を図り、満足度を高めたい
EC運営やコンテンツ制作の今後の目標を教えてください。
ECサイト開設から2年、おかげさまでアクセス数は約2倍に伸びました。今後も商品紹介や読みものコンテンツなどの充実を図り、毎日訪問したくなるサイトを実現したいと考えています。
また、Instagramについては当初、フォロワー数をKPIに設定して取り組んできましたが、一定の目標はクリアできたので、今後は一つひとつのコンテンツの満足度をさらに高めていきたいですね。
最後に、ECサイト運営を検討しているものづくりの現場の方々へメッセージをお願いします。
私たちは燕三条のメーカーとして、ECサイトを通じてものづくりの魅力を伝え、自社ブランドを成長させてきました。職人さんが当たり前に行っていることも、外から見ると驚きと発見に満ちていることはたくさんあります。それを多くの人に伝えることが、私たちの使命だと考えています。
ECは販売チャネルの一つですが、商品を売るだけでなく、ものづくりへの情熱をアピールする場としても有効活用できます。単に「作ったものを自慢する場所」でもいいと思います。
実際に商品を使ったお客さまから感想をいただいて、それを次のものづくりに活かすこともできますし、EC運営から得られる気付きもたくさんあるので、機会があればチャレンジしてみてはいかがでしょうか。