岐阜県の「揖斐川庭石センター」は三代続く庭石専門店で、和風庭園に欠かせない庭石の販売や庭作りなどを総合的に行っています。
和風庭園離れの影響で一時期は廃業も考えましたが、ECを活用して個人販売に舵を切ることで、ビジネスモデルの再構築に成功。
今回は三代目の宮川公一さんに、事業復活までの歩みや現在のEC運営のコツなどについて伺いました。
業界低迷の中、ネットからのわずかな手応えが転機に

まず、EC開設前の事業状況について教えてください。
元々は、祖父から父の代にかけて和風庭園用の庭石を扱っていました。
1960~70年代にかけて石、灯籠などを庭師さんや造園会社に販売していたんです。
ですがその後、世代が変わり、従来の和風庭園へ関心がない方が増え、入れ替わるかのようにイングリッシュガーデンブームが到来。
洋風のガーデンデザインの人気が出て、弊社が扱うような日本の和風庭園用の庭石が売れなくなりました。
最終的には取引先からの注文が全くなくなり、売上も最盛期の1億5,000万円から1,000万円台まで落ち込みましたね。
保険や定期預金を解約し重機やクレーンを売却、山積みになった在庫の石もタダ同然で処分するような状況で、父と「もう辞めるなら今しかない」と廃業についての話もしていました。
廃業を検討する中で、どうしてECの事業を始めようと思われたのでしょうか?
実は商品を紹介するため、2000年頃に私が自作したホームページがあったのですが、事業が厳しい中でも年1、2回は個人のお客さまから、そこへ問い合わせが来ていたのです。
そのため「ネットでもうちょっと頑張ってみよう」と決意したのが、EC事業のきっかけです。
これまでの取引先からの注文は当てにできないので、ネットを通じて個人の方へもっと積極的に情報発信していこうと思いました。
ネット販売を本格化するためカラーミーショップでECサイトを開設
カラーミーショップでECサイトを開設したきっかけを教えてください。
その後、2008年頃には庭石・砂利などの販売サイトを自分で立ち上げて、全国からの注文がくるようになっていたんです。
ただ、自作したサイトだったのでデザインなどに限界を感じ、制作会社さんに勧められたカラーミーショップで2016年に今のECサイトを開設しました。

本格的なECサイトを立ち上げたのは、どのような目的や課題があったためでしょうか。
個人の方向けの販売をもっと拡大したかったというのが理由です。
それまでは銀行振込のみでしたが、クレジットカード決済やコンビニ決済など、決済方法を増やせば個人の方が購入しやすくなり、売上が伸びるだろうと考えたのです。
長年の努力がコロナ禍で開花、売上15倍の成長を実現
ECサイト開設後の売上推移はいかがでしたか?
当初は造園工事や外構工事なども手掛けており、約3,000万円程度まで売上を向上させました。
そこからしばらく横ばいでしたが、工事業をメインにしながら副業的にECでの石の販売を行い徐々に4,000、5,000万円と売上が増えていきました。
サイトでの販売を始めた頃から、「石」を認知してもらうためブログやSNSなどを活用して個人の方への情報発信を続けていたので、段々とその成果が売上に表れていったのかもしれません。
そうして地道に自社の認知を広めていった結果、コロナ禍で売上が爆発的に伸びました。
巣ごもり需要で庭いじりをする方が増え、これまでの努力が一気に実を結び、売上が低迷期の15倍になったのは今振り返ると驚きですね。
この頃になるとECでの販売が忙しかったため、以前は売上のメインだった造園・外構工事は、取引先の造園・外構会社へ依頼するようになりました。

自社の認知拡大を継続された結果ですね!さらに卸売にも変化があったと伺いました。
はい、これは予想外でした。
Web検索やInstagram、YouTubeなどで弊社の石の画像を見た個人のお客さまが、地元の施工会社に「揖斐川庭石センターの石を使いたい」と指名で問い合わせるようになったんです。
そうして、その地域の卸問屋を経由して弊社に注文が来るという流れができました。
これまで地元だけだった卸売りの取引相手がECのおかげで全国に広がり、現在では売上の8割が卸売りになっています。
個人向けのECに力を入れた結果、卸売も回復したという形です。
毎日のデータ分析とSNS活用で継続的に認知度を向上
自社の認知度アップを積極的に取り組まれていますが、日々のSEO対策はどのように行っていますか?
毎日Google Analyticsなどの解析ツールで確認しています。
SEO対策で一番効果的なのはブログ記事ですね。
最近は「石」だけでなく「庭」関連で検索ボリュームのあるキーワードを意識しています。
SNSやLINEを活用した情報発信についても教えてください。
Instagramと一番相性が良いので「庭石屋」を知ってもらうために、石の紹介や作業風景を定期的に投稿しています。
最初は広告も活用しながら地道にフォロワー数を増やし、今は2.1万人ほどです。
LINEは気軽な相談窓口として役立っています。
弊社のホームページでLINEでの問い合わせを紹介していることもあり利用者が多く、購入者からの再連絡もあるため、リピーター対策としても重宝しています。

アプリは「とりあえず試してみる」で、ROAS600%を達成
カラーミーショップでは、さまざまなアプリをご活用いただいていますよね。
売上を上げたいので、アプリは基本的にはまず試してみて、合わなければすぐにやめるという方針です。
カラーミーショップから新しいアプリが出ると「お、来たな」と、楽しみにしています(笑)。結果として効果があったもののみ利用を続けています。
特に効果を実感されているアプリはどちらですか?
貢献度が高いのは、「かんたん商品広告」と「U-KOMI」ですね。
「かんたん商品広告」は半信半疑でしたが、ROAS(広告費用対効果)が500%~600%に達しています。
平均でも400%~500%くらいなので、驚くべき数字です。
口コミアプリの「U-KOMI」は、最初は評価が怖かったのですが、導入してみると皆さん良い評価をくださり、4点台になったので「これは良い」と実感しています。
さらに、電話自動受付アプリ「IVRy」も非常に良いですね。
電話での問い合わせをLINEなどに誘導できるので、電話に出る必要がありません。
着信だけでも毎日10~15件ほどあるので、業務を省力化できています。
ECを起点とした事業領域の拡大を目指す
カラーミーショップを使い続けている理由を教えてください。
他に移行する理由が見当たらなかったというのと、カラーミーショップは毎年新しいアプリを開発してくれます。
それらを試して実際に成果が出ていますし、今SEO的にも上位表示されているので、このままカラーミーショップを使い続けようと思っています。

ありがとうございます。では、今後の事業展望についてお聞かせください。
今後は商品の裾野を広げ認知度を高めて、もっと多くの場所で使ってもらいたいですね。
実際に「インテリアに使用したい」「オフィスやホテルの受付などに石を取り入れたい」というお問い合わせもあります。
また、EC経由でさまざまな問い合わせが来るので、例えば庭の解体といったサービスなど、新たな方向性にも事業を広げることも考えています。
私たちのような伝統的な業界でも、ECを通してお客さまの声を聞き提供できるサービスを増やしていけば、必ず道は開けると実感しています。
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