1923年（大正12年）創業、岩手県釜石市の酒蔵「浜千鳥」。三陸沿岸の港町という立地を活かし、「自然とひとつになった酒造り」をコンセプトに、陸中海岸の海の幸・北上山地の山の幸に合う地酒を醸しています。
地元消費9割の中、ひっそり始めたECサイト
ECサイトを始められた経緯を教えてください。
私たちは地酒メーカーですので、主な販売先は卸会社と酒販店さんです。もともとは「私たちの商品を対面で熱心に販売してくださる酒販店さんとお付き合いさせていただく」というスタンスでしたので、地元での消費が9割を占めていました。取扱業者さんが県外になかったため、県外の方からお問い合わせの電話をいただいた際は、電話で注文をとって直接発送していたんです。
なるほど、対面販売できない地域への対応が必要だったんですね。
そうです。当社としてもそんなに大々的にではなく、あくまでも対面販売できない部分での補完のつもりでECサイトを開設したのが始まりです。
その際にカラーミーショップを選んだ理由は何でしょうか？
当時のホームページをリニューアルするにあたり、制作会社さんと相談しました。ECサイト運営はもちろんPC操作の知識もあまりなかったので、そんな素人同然の私たちでも扱いやすく、利用料金もそれほどかからないシステムとしておすすめしていただいたのがきっかけです。
実際に使ってみていかがでしたか？
非常に簡単でわかりやすくて、便利だなと思います。ECサイトを介せばお客さまが注文情報をすべて入力してくれますから、こちらからお伺いする手間も省けますし、非常におすすめできるツールですね。
ショップの制作やデザインはどのように進められましたか？
現在のECサイトは数年前に地元の制作会社「アールヨンジュウゴデザイン」さんにリニューアルしていただきました。代表の佐藤さんは当社のお酒を非常に愛してくださっていて、浜千鳥のイメージをしっかり持たれている方なんです。当社のキャッチコピー「自然とひとつになった酒造り」から広がる、三陸の風光明媚な自然のイメージをそのままデザインに落とし込んでくれました。
ECサイトの導入効果と頒布会のデジタル化
地元消費が中心とのことでしたが、ECサイトの導入後はどのように変化しましたか。
コロナ禍下では地元の宴会などが減り売上にも影響しましたが、一方でECサイトは家飲み需要で前年比138%に伸びました。あのときはECサイトがあって本当に助かりましたね。
頒布会サービスも提供されていますね。
頒布会サービスは以前から提供していましたが、クレジットカード決済ができない仕組みだったので、請求書を書いて郵便振替用紙を同封するような形をとっていました。
そこで制作会社さんと相談し、一番使いやすそうな「カラーミーリピート」にシステムを移行しました。SNSなどで積極的にアピールした効果もあり、現在では約40％のお客さまがクレジットカード決済を利用されていて、非常に好評です。
今後の展開について教えてください。
オンラインでの蔵見学や、料理との合わせ方を学べる機会など、「お酒プラスα」の付加価値をつけた商品を広げていければと考えています。
お酒自体の品質も変わらず大切に守っていきながら、私たちの手が届かない場所にいるお客さまがネットを見てECサイトで購入していただく流れをますます作っていけたらと思います。
ありがとうございます。最後に、まだECサイトに参入されていない酒蔵の皆さんへのアドバイスをお願いします。
卸会社や酒販店さんとの関係を長く大切にしてきたぶん、ECサイトを始めることを後ろめたく感じる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、商品を愛してくださっている遠方のお客さまに届ける新しい手段としては非常に有効です。
ECサイトがあればお客さまが注文から決済まですべてご自分で手続きしてくれるので、受注する側の手間も大きく省けます。実店舗を構えるのと比べても非常に手軽なツールなので、ぜひおすすめしたいです。
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