こんにちは、よむよむカラーミー編集部です。
今回は、2022年6月15日(水)に開催した「Instagramを活用したネットショップ集客術」オンラインセミナーのレポートをお届けします。
登壇者紹介
その後、2019年9月より株式会社コマースジャパンの取締役に就任。年間流通総額100億円を超えるEC支援事業を担う。戦略立案や商品企画を中心とした支援で、「初の楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー受賞」、「出店1年で月商1億円突破」など、数多くの店舗の売上げアップを実現。一部上場企業やグローバルメーカーのモール展開も手がける。
2021年7月より独立。 東京と鹿児島を中心にEC事業者の事業支援を行う。
ネットショップで売上1億円以上!「インスタ×集客」対策
インスタ×集客の基礎と原理
矢部さん:
弊社が運用するInstagramはフォロワー総数が約60万人で、グルメ業界では日本一となっています。自社アカウントのほかにも、弊社サービスの導入店舗約350アカウントの運用も担当しています。ネットショップで商品を販売し、1億円以上を売り上げた実績もあります。
今日は、そんな弊社から「インスタ×集客」の基礎と原理をお伝えできればと思います。原理を知らずして売れることは難しいですが、逆に原理さえ押さえておけばインスタ集客の50%くらいはクリアできるでしょう。
ネット通販の出店方法は、「モール型」と「個人店型」の2パターンです。
モールはすでにお客さまがついていて集客力が高い反面、ライバルが多く、手数料がかかってしまうのが難点です。それに対し、カラーミーショップのようなカートサービスを契約して個人店を作る場合、手軽に始められますが自分でしっかり集客をしなくてはなりません。そのための手段こそがSNSなんです。
さて、現在SNSの中でもネット通販と特に相性がよいと言われているのがInstagramなのですが、インスタ→ネットショップへの誘導方法も実は2パターンに分かれます。「メディア型発信」と「店舗集客型発信」です。メディア型発信とは、インスタ上でフォロワーを獲得して購入につなげる方法です。一方の店舗集客型発信は、インスタを通じて実店舗のお客さまを獲得し、ネットでの購入につなげるというものです。
Instagramからどうやってショップ集客・売上を促していくかというと、実はGoogleのSEO対策と似ていて、検索時の上位表示が非常に重要です。上のほうに表示されれば当然見られる機会も増えますので、そこから実店舗への来店・通販での購入につながっていきます。つまり皆さんがインスタで狙うべきなのは、検索での上位表示です。
上位表示を狙うために必要なポイント
(1) 画像
矢部さん:
まず1つ目のポイントとして、インスタで大事なのは「画像」です。
弊社では常に「この商品はどんな撮り方をすれば数字が伸びやすいのか?」「どうすればつい注目してしまう投稿になるのか?」と画像分析を行っています。たとえば最近流行りのレトロなプリンも、どんなビジュアルだと伸びやすいのか、アップで撮るべきか引きで撮るべきか、商品を2つ並べるべきか3つ並べるべきか……と細かな構図を分析しています。たくさん投稿するうちに、同じような商材でも反響の大きい撮り方や商品がわかってくるんです。伸びやすい投稿の特徴を探しながら、自社で受け持っているアカウント運用にもそのノウハウを生かしています。
一例として、店舗集客型アカウントのパン屋さんをご紹介しましょう。
画像左側は、お店の方が投稿していた初期の写真です。パッと見はキレイですが実はインスタで伸びやすい写真ではありません。一方、右の写真は弊社が運用を代行した際に初めて投稿したものです。「パン=複数個並べて上から撮影すると伸びやすい」という事前の分析をもとに撮影しました。これ以降も、商品の特徴+伸びる傾向をふまえてさまざまな構図で撮影しています。皆さんも、まずは同じような商材で人気の投稿を参考にしてみるのが一番だと思います。
(2) ハッシュタグ
矢部さん:
もう1つのポイントとして大切なのは、やはり「ハッシュタグ」です。
4個がいいとか10個がいいとかさまざまな説がありますが、多くのアカウントを運用してきた弊社としては、30個フルで付けるのが最善という結論に至っています。
先ほどのパン屋さん、かつては「#ベーカリー」「#パン」といったハッシュタグを多用していましたが、これはショップ側の目線でしかなく、調べるお客さま側の目線にはなっていないんです。試しに「#ベーカリー」のタグを調べてみると投稿は65万件。上位表示させるにはちょっとライバルが多すぎますよね。
そして皆さん付けてしまいがちなのが「#〇〇(店名)」といったお店やブランドの名前です。インスタをはじめとしたSNSは拡散のためのツールなので、すでに店名を知っている方に表示してもあまり意味がないんです。店名を知っていて、もっと詳しく調べたい方はアカウント自体を検索しますからね。30個しか付けられないハッシュタグのいくつかを店名に費やしてしまうのは非常にもったいないなと思います。
では、どういったハッシュタグにすればいいのかというと、私たちは「#場所ジャンル」という形で付けています。
皆さんも旅行先で飲食店を探すときは「#三重カフェ」「#伊勢カフェ」「#三重グルメ」のようなキーワードで検索されると思います。通販のみのショップの場合は別ですが、実店舗がある場合はこのように商圏範囲を区切ってハッシュタグをつけるのがおすすめです。
まとめ
画像: すでに伸びている上位投稿を参考にする
ハッシュタグ: 付ける側ではなく探す側の目線で考える
インスタ集客では「ハッシュタグ経由」でのリーチ数を重視しよう
ケース1:パン屋さん
矢部さん:
いま紹介した「画像」と「ハッシュタグ」を攻略すると、どんなふうに数字が変化するかお見せします。先ほどのパン屋さんのアカウント、初期投稿のリーチ数は1,545でした。当時500人程度しかフォロワーがいなかったので、1,500人に見られていれば十分な数値かと思われそうですが、ポイントは下のほうにあるプロフィール、ハッシュタグ、ホームという部分です。
プロフィールからこの投稿を見ている人は1,226人。これは、すでにこのアカウントにたどり着いている方の数字です。次にハッシュタグが531人。数値としては少ないですが、検索から新たにたどり着いた方々なのでもしかしたら新規来店につながる可能性があります。
弊社による運用の開始後、画像とハッシュタグを精査した上で投稿していくと、リーチ数が14,948にまで変化しました。先ほどとは異なり、ハッシュタグ経由で投稿を見ている方が増えたことがわかりますね。
ケース2:飲食店
矢部さん:
これは首都圏にある飲食店さんのデータです。看板商品である春雨ヌードルの投稿は数値が伸びづらかったので、代わりとして、過去に伸びた実績のあるローストポーク丼の投稿を強化しました。右側の写真はお店の方が、左側の2枚は私どもが撮影したものです。リーチ数・インプレッション数の差からおわかりいただけるように、Instagramは世の中の流行り物をただ投稿すれば伸びるのではなく、撮り方が非常に重要です。一つ一つの投稿にこだわっていくと、フォロワー数も右肩上がりになっていきます。
投稿のリーチ数が上がったからといって、実店舗やネットショップの売上が上がるのか?という点も皆さん気になりますよね。あくまで一例ですが、こちらのお店の売上は、弊社がインスタ運用を開始した翌々週から大きく伸びていきました。他のメニューの単価が平均1,000円程度なのに対し、ローストポーク丼は1,600円なので、客単価もかなり伸ばすことができました。週の売上としては約10倍ですね。
質疑応答コーナー
Q. 投稿する写真を自分で撮影する際は、何を見て参考にすればいい?
矢部さん:
もちろん自社商品と同じような商材がいいですが、丸いもの、四角いものといったように形状の似た商材も参考になります。その際は、Instagram上でトップ表示されているいいね数の多い写真を見るとよいでしょう。
ちなみに、皆さん「フォロワー数の多さ」に騙されがちなのですが、フォロワー数は案外簡単に増やせてしまうものなので、「フォロー数が少なく、フォロワー数が多い」アカウントを参考にしたほうがいいと思います。
岡本さん:
同じ2,000いいねが付いていても、フォロワー数が5,000人の場合と10万人の場合とでは割合がかなり違うと思いますが、単純にいいね数だけを見ればいいのでしょうか?
矢部さん:
参考にしたいアカウントを探す際はフォロワー数に対するいいねの割合も重視すべきですね。そのアカウントの中で写真ごとに比較をするなら、単純にいいね数を見るのがよいかなと思います。
岡本さん:
フォロワーに対するいいねの割合はどれくらいがいい、といった基準値はありますか?
矢部さん:
商材や業界の規模・拡散状況によっても異なるので一概には言えないのですが、弊社のアカウントで一番伸びた投稿は、当時20万フォロワーに対して26,000いいねがつきました。フォロワーが数万人以上の大きいアカウントなら、10%程度のいいねがつけば好調だと思います。
カラーミーショップ スタッフ:
たとえば実店舗が落ち着いた雰囲気のお店だったとして、インスタ集客用の写真は必ずしも店舗の雰囲気と合わせなくてもいいのでしょうか。
矢部さん:
もちろん実店舗のムードと合わせたい方はそうするのも手ですが、必ずしも集客がしやすくなるわけではありません。
たとえば、大手ファストファッション店の新聞折込チラシには目を引く文字がたくさん書いてありますが、お店やホームページの雰囲気はスタイリッシュですよね。でも実際の集客は「チラシを見て気になった」という方が多いはずです。Instagramの立ち位置をホームページのようにしたいのか、集客用のチラシをイメージして作りたいかによってテイストを変えるべきだと考えています。ブランディングを重視して作り込むのも間違いではありませんが、そうした運用で集客を期待しすぎるのは間違いかなと思います。
岡本さん:
とってもわかりやすいです。あそこのチラシは確かに“ゴリゴリ”ですもんね。
Q. インスタでの集客向けに、新たに映えそうな商品を開発するのもアリ?
矢部さん:
もちろんです。たとえばこちらの焼肉屋さん、街の人々にとっては「昔からある安くておいしいお店」といった立ち位置なのですが、新たに商品開発をしたことで、インスタから見た人にとっては“映え”のお店になっているんですよね。SNSと実店舗、それぞれ違った見せ方でお客さまをキャッチしていく手法もありますよ。
カラーミーショップ スタッフ:
同じ商品の写真をひんぱんに投稿してもいいのですか?
矢部さん:
2~3商材をローテーションするような形でもOKです。なぜなら、ハッシュタグ経由で来る方は新しくお店を見つけてくださった方なので、写真のネタがかぶっていてもわからないからです。
カラーミーショップ スタッフ:
なるほど。インスタにはよく「9枚で見せる」といった投稿テクニックもあるかと思いますが、実のところ集客とは目的の異なるテクニックなんでしょうね。集客ツールとして使うなら、この焼肉屋さんのように映える写真をたくさん出したほうがいいし、お店の雰囲気を伝えるツールとして使うならおしゃれに9枚で見せるとか。ブランディングと集客は完全に切り分けて考えたほうが、インスタ運用はうまくいきそうですね。
矢部さん:
おっしゃる通りです! ブランディングと集客はまったく別のテクニックだと考えてくださいね。
Q. 撮影機材はどんなものを使えばいい?
矢部さん:
弊社ではカメラを使用していますが、なければiPhoneで撮っても画質は十分だと思います。どちらの場合も、明るさや色味をしっかりと編集して、インスタ向きの写真にするのが大事です。
カラーミーショップ スタッフ:
カラーミーショップのオーナーさまからは、きれいに撮りすぎて「実物と違う」などのクレームにつながるのが怖い……といった声をいただくことがあります。ネットショップの商品ページでは実物以上に彩度を上げられないと思いますが、インスタではあまり気にしない人が多いのでしょうか。
矢部さん:
そうですね、少しオーバーな写真を投稿する人が多いかなと思います。
Q. インスタアカウントは複数持ったほうがいい?
矢部さん:
口コミを書いてくださるお客さまがどのアカウントにタグ付けをするべきか迷ってしまうので、よっぽど大きな会社さんでなければ、基本的には1つのほうがよいと思います。実店舗が複数ある場合は、店舗ごとのアカウントを作り、もし余裕があればブランディング用のアカウントも用意されるのもよいのではないでしょうか。
Q. 狙い目となるハッシュタグは?
矢部さん:
たとえば、「#東京グルメ」でハッシュタグ検索をすると該当の投稿は302万件。一方、渋谷区神泉だけに絞った「#神泉グルメ」は3.1万件です。都内の飲食店さんが300万投稿を勝ち抜くのは非常に難しいので、まずは比較的小さな単位の「#地名グルメ」は絶対につけたほうがいいと思います。狙い目となる投稿件数は多ければいい・少なければいいというものではなく、できるだけ広く網羅する必要があります。ボリュームの大きいところから小さいところまで、まんべんなく獲っていくことが大事ですね。
岡本さん:
なるほど。最低何件以上でなければ効果がないといった基準はありますか。
矢部さん:
1,000件以上は欲しいところです。
Q. 投稿頻度は多いほうがいい?
矢部さん:
飲食店さんの場合は毎日投稿してしまうと煙たがられてしまうので、弊社では15~20投稿程度に抑えています。ECがメインで、インスタ上でファンを集めていきたいのでしたら月30回は必須かと思います。
Q. テキストにはどこまで力を入れるべき?
矢部さん:
飲食店の場合、商品のよさはビジュアルで伝えたいので、文字が入りすぎると逆に宣伝感が強くなりすぎてしまいます。ECサイトに誘導したいメディア型の場合は、自分にとって役に立つアカウントでないとフォローする理由にはならないので、文章で丁寧な説明などが入っていたほうがいいですね。
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