今回はオーナーの伏見 匡矩さんに、カラーミーショップを使ってレンタルサービスを始めたきっかけや新規事業を成功へ導くためのショップづくりについて伺いました。
目次
ベビー用品のレンタルビジネスなら半年で勝てる!
まずは、自己紹介をお願いします。
株式会社ココロイロの伏見 匡矩と申します。
ベビー用品のレンタルを行う『Babyrenta(ベビレンタ)』というお店を運営しています。
Babyrentaを始めたのはいつごろですか?
2012年ごろですね。
カラーミーショップを使ってレンタルビジネスをするというのは珍しいですね。
どのような経緯で始められたんでしょうか?
ちょうど子どもが生まれたときにベビー用品を顧客としてレンタルしていて、このビジネスはすごいなと感じたんです。当時、私の妻は子育てをしながら保育士として働いていました。僕も月に20日ぐらい会社に泊まるような生活をしていて、しんどいなと思っていたんです。
当時はどのようなお仕事をされていたんですか?
大手企業でマーケティングや広告などを作っていました。
ECとは違う分野だったんですね。
そうですね。家で働けて妻も子どもも参加できて、3〜4時間働けば稼げる手堅いビジネスモデルってなんだろう?と考えたときに、ECだなと思ったのが始まりです。
そのあと、ベビー用品のレンタルサイトをいろいろ見てみたんですが、SEOをバリバリやってますとか、コンテンツを戦略的にやってますっていうところがなかったんです。
福祉や子育ての分野は仕事への熱い思いでやっていらっしゃる方が多くて、ビジネス側から入る方は多くないのかもしれません。そういったなかで自身のマーケティングの経験を活かせば、半年ぐらい頑張ったら勝てる! という確信をもちました。
最初から販売ではなく、レンタルに活路を見出されていたんですね。
レンタルというのは、利益構造が物を販売するECとは違います。最初に資産へ投資をして、減価償却をしながら、資産がお金を稼ぐ。だから、うまくやって減価償却さえ終われば、ほぼ粗利なんです。
普通のECに小さい会社が参入して価格競争に持ち込まれた場合、粗利率が低すぎて絶対にうまくいかないと思うんです。どんどんお金を使って規模を大きくできるものだけが勝てる世界なので。
でも、レンタルの場合は、一回仕入れたらその資産を回していく資産回転率が勝負になるので、どんどん回していけば事業のリスクも低いのではないかと考えました。
レンタルビジネス最大の難関は仕組みづくり
事業を始めるにあたって、まずはどういったことをされたんですか?
もともと保育士で子どもを産んだばかりだった妻に「ママの気持ち」について、いろいろとアドバイスをしてもらいました。あとは、足を使って仕入れ先を探しました。
どんなことが大変でしたか?
一番大変だったのは、レンタルのロジスティクスをつくることで、自分たちでやるには限界がありました。
ビジネスとして生活ができるレベルにするための条件を考え、だいたい50〜70社から見積もりを取って、とにかく安いところを探しました。
ベビーカーを保管して発送もして、メンテナンスもしないといけないんですよね。
そうですね。クリーニングや検品もしなくてはいけません。ちょっとしたほこりがついているだけでも、クレームになる場合があるんです。
お子さまが使うものだと、利用者の目は厳しくなりますよね。
商品は壊れて返ってきたりもしますしね。提携業者さんを探すことも含めて、仕組みづくりが一番大変でした。
世の中を変えたい、レンタルで幸せを生むことが最大のミッション
多くの困難をクリアして、今の成功があるんですね。レンタルというビジネスのおもしろさを感じました。
僕は単に「レンタル」という市場に可能性を感じただけではないんです。このビジネスをしているもう一つの理由として「循環型社会を作りたい」という思いがあります。
以前はメーカーのマーケティング部門に勤めていたんですが、次々に新商品を考えないといけないんですね。新商品が出たら古い商品は廃棄するわけです。そういうふうにどんどん新しいものを出せば、経済は活性化するかもしれないけど、ものは単純に捨てられていきます。
食べ物もそうです。日本人の食糧のうち約3割は廃棄されています。これだけ食事が足りない人がいるなかで、そういう経済の在り方って今後は絶対に続かないと思うんです。
レンタルをもっと推進していけば、世の中が少し変わるんじゃないかと。そういった思いから、「レンタル・循環」というキーワードでビジネスをしたいと考えています。
買取もされているのは、循環の一環ですか?
そうですね。オープン当初から買い取りもしています。仕入れというのは非常に難しくて、全部新品で揃えたら大変なことになるということと、循環させたいという思いもありつつですね。
社会貢献になってビジネスモデルとしても成り立つ。素晴らしいですね。
まだまだレンタルするべき分野はたくさんあると思います。これだけ高齢化社会になっていくのであれば、介護ロボットなんて早くレンタルしないと。
今はルンバやレイコップといった生活家電もレンタルしているんです。そういったレンタルで、安価に日々の負担を手助けでき、たくさんの方の幸せをつくれたらいいなと思います。
今後の展開で考えていることはありますか?
早く海外展開しないといけないと思っています。例えば、ベトナムでは日本の商品が高く売れるので、日本の中古価格より高かったりするんです。送料はかかりますけど、一回レンタルして少し汚れたものでもベトナムで使ってもらえるんだったら、輸出ができますよね。
彼らと一緒にレンタルのシステムを作れば、もっとたくさん循環できると思います。
ネットショップは自由になれるツール。勉強することを楽しんで
最後に、これからネットショップを始める方に、アドバイスがあればお願いします。
ネットショップってすごい仕組みですが、”思い”だけで始めるとかなり大変だと思います。ネットショップで勝つのは本当に難しいと思うんです。
そして、なんでも人任せにしているとコストがすごくかかります。自分でどんどん変えていくことを楽しんで、自分で勉強しながらやるっていうことが大事だと思います。
あとは、SEOが大事です。Facebookの友達が10万人ぐらいいる方はどうにかなるかもしれないのですが、そうじゃなければ自分で集客をするのはほぼ不可能なので。
SEOは何から始めるといいですか?
ブログなどのコンテンツを書くことが非常に重要ですね。
SEOはものすごくシンプルで、検索ロボットのロジックに合わせて記事数やコンテンツ数、キーワードなどを満たせばいいんです。それをやりきれるかどうかです。SEOを頑張らないと勝てないということを知っていなければ、できないですよね。
SEOの代行会社に頼めばいいわけではないんですね。
自分で勉強することが大切だと思います。
最後に、伏見さんにとってネットショップとは何でしょうか?
自由になれるツールです。
仕事って会社に通わないといけないとかあると思うんですが、ネットショップなら一瞬で自分のお店が作れます。ただ、やるなら勝たないと意味がありません。努力して勝てる方法を見つけてネットショップを始めれば、みんなが自由になれると思います。
今日はとても素晴らしいお話をありがとうございました!