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ショップオーナー&制作会社から見たコロナ禍での変化とは?「商いのDX化」オンラインセミナーレポート

「カラーミーショップ」を運営するGMOペパボ株式会社は、鹿児島銀行との共同オンラインセミナー『商いのDXを推進するために必要なこと~魅力的なネットショップ作成と、運営のリアル〜』を2021年1月27日(水)に開催しました。
今回は、約60分間にわたるオンラインセミナーの模様をまとめてレポートします!

登壇者紹介

縄田さん
縄田 倫靖(なわた のりやす)
ホームページ制作会社NAWAGATE(ナワゲイト)株式会社代表。鹿児島県出身、1970年生まれ。大学卒業後、電子業界紙記者などを経て貿易会社駐在員として中国に駐在。帰国後の2008年にNAWAGATEを設立。Web販路開拓・開発が得意分野。現在はミラサポ、鹿児島商工会議所、鹿児島商工会連合会など、中小企業支援機関のWeb・ECの専門家も担当。
寺師さん
寺師 大策(てらし だいさく)
スーパーや百貨店、飲食店向けの食品卸などを行う株式会社寺師の取締役専務。鹿児島県出身、1987年生まれ。鹿児島県立鶴丸高等学校、一橋大学経済学部卒業後、株式会社シンプレクス・テクノロジー(現:シンプレクス株式会社)に入社。2010年に株式会社寺師に入社、2016年より現職。
和田
和田 真人(わだ まさと):モデレーター
ネットショップ作成サービス「カラーミーショップ」のマーケティングを担当。2020年からはサブマネージャーとしてアライアンスに注力。現在は、日本の商いをより円滑にするため、全国のネットショップオーナーさまにサービスの魅力を伝えるべく奔走。

2020年の消費行動の変化

モデレーター 和田:
2020年以降、人々の暮らしはコロナ禍によって大きく変化しました。
特に緊急事態宣言が発令された2020年4月前半以降、ほぼすべての業種・業態で消費が大幅に減少しました。これは百貨店や飲食店の営業自粛・縮小などが主な理由として挙げられます。

その一方、巣ごもり需要などの影響を受けたEC業界は大幅な伸びを見せました。
ネットショップの利用者が急増し、グラフ上でも、2020年2~5月前半にかけて約20%もの増加が認められます。カラーミーショップでも、2020年4月度の流通額は前年同月比の約1.7倍、新規申込数は2倍を記録しました。

制作会社から見た変化

縄田さん、制作会社の立場から感じた変化はありましたか。

縄田さん:
そうですね、コロナ禍以降はさまざまな面で変化が大きかったなと思います。まず環境面については以下の3つが増えました。

(1)国・自治体の支援策が急増

2020年は「非対面販売」の促進に伴う支援策が多く展開されました。
たとえば持続化補助金、IT導入補助金、ものづくり補助金をはじめとして、鹿児島市など各自治体でもホームページ・ネットショップ制作の支援策がたくさん出てきています。

(2)講習会・専門家派遣

「はじめてのネットショップ」や「ネットショップ売上アップ」といったテーマでの講演会依頼や県内中小企業さまからのご相談が増えました。コロナの影響で従来の販路や市場が縮小してしまった影響だと推察しています。

(3)制作依頼は例年の4倍に急増

上記を受けて新規にネットショップを開店したいとの制作依頼も急増しました。現在でも全社を挙げてホームページ・ネットショップ制作を行っています。

コロナ禍前後で、依頼者さまの傾向に変化は見られましたか。

縄田さん:
先ほど、新規案件が非常に増えたという話をしましたが、やはり依頼者さまの変化も感じますね。

卸販売からの脱却

これまで頑なに卸販売しかしてこなかった事業者さまが一般消費者向けの販売を始められることが多いです。たとえば飲食店向けの卸に特化していた事業者さまがネットショップを始めたケースが挙げられます。

店舗(地域商圏)から全国商圏へ

あるお菓子屋さんの実店舗は、もともと地元の方や観光客に多く利用されていたのですが、コロナの影響で来客数が90%減。ローカルな商圏だけに頼るのはリスクが大きいということで、ネットを介して全国向けに販売を始めた事例があります。

事業の転換

これは特に飲食業・製造業で多く見られました。
もともとネットショップで販売するような商品を持っていなかった事業者さまが、実店舗で提供されている料理を通販向けに展開したり、新たに一般消費者向け商品を開発してネット販売に新規参入するケースが増えています。

コロナによって新しい販路の確保や商圏拡大が必要不可欠になったのですね。クライアントさまからはどういった声が寄せられましたか。

縄田さん:
弊社の場合は、ネットショップの売上が前年度比1.2倍~2倍以上に伸びたお客さまが多いです。多くのショップでは、東京や大阪といった都市圏だけでなく地元鹿児島からの注文も増えているそうです。鹿児島を離れて暮らす家族や知人への仕送り消費が増加したのではないかと推測しています。
クライアントさまからは「実店舗の売上減少分をネットショップでカバーできて本当に助かった」「コロナという逆境をチャンスに変えられた」といった声を多くお寄せいただきましたね。

コロナ禍という逆境をうまくチャンスに転換した事業者さまも多くいらっしゃるようですね。

事業者から見た変化

それでは、次に寺師さんにお伺いします。スーパーや飲食店などへの卸販売と、ネットショップでの小売、それぞれどういった変化がありましたか。

寺師さん:
うちの卸事業では、緊急事態宣言以降、飲食店さん向けの販売が特に落ち込みました。
スーパーについてはそれほど影響はありませんでしたが、それでも2020年2月から6月にかけてはトータルで50%以上のマイナスとなっています。

一方、ネットショップに関しては巣ごもり需要が拡大したことでかなり反響がありました。

主力商品のもつ鍋は通常あまり春には売れないのですが、特に4~5月は前年同月比の10倍以上の売上を記録しました。緊急事態宣言の解除後も、前年と比べて数倍で推移しています。

寺師さんのお話からも、ネットショップは販路の一つのチャネルとして確保しておくのが重要だとわかりますね。

商いのDX化とは

モデレーター 和田:
最近「DX」という単語を耳にする機会が増えてきているのではないでしょうか?
ここからは、皆さんの事業とも今後ますます密接になっていく「商いのDX化」についてお話ししていきます。

まず、DXとは「デジタル・トランスフォーメーション」の略称です。IT(情報技術)の浸透によって、私たちの生活をあらゆる面でより良いものへと変革させることを意味します。

「ITで」と言うと少し難しく感じる方も多いかもしれませんが、たとえばこんなことも事業のDX化の一つです。

莫大な投資や変革が必要なデジタル化だけでなく、ネットショップ作成サービスを事業に取り入れて活用することも「DX化」なのです。今回は、実際にネットショップを運営されている寺師さんに実際の運営方法をお伺いしたいと思います。

寺師さんのネットショップ運営

寺師さんがネットショップを始められたのはいつ頃でしょうか。

寺師さん:
弊社がネットショップを始めたのは、私が地元鹿児島に戻ってきた2010~11年ごろです。
それまでも、インターネットプロバイダで提供されている簡単な機能を使って、母と当時のスタッフがホームページやネットショップを作ってはいましたが、売上はほとんどゼロでした。

私が帰ってきたタイミングで、まずは無料で作れるテンプレートサイトのようなものを作っていましたが、今思えば全然パッとしないデザインで。その後偶然にECサイトのデザイナーさんと出会い、その方のおすすめでカラーミーショップを導入しました。
現在のような形のネットショップになったのは、2012年ごろだと思います。

現在はどのようにネットショップ運営をされているのですか?

寺師さん:
今はここに映っている家族4名と社員1名、計5名で運営しています。
普段の受注は、カラーミーショップから送られてくる通知メールとスマホアプリで確認しています。受注内容を印刷したら出荷日を紙に記載し、ヤマトさんの送り状と一緒に保管。ここは主に母が担当しており、私や妹も確認します。

左からお母さま、お父さま、寺師さん、妹さん

商品の準備に必要な材料・化粧箱は私が数量を計算し、商品発注が必要なときはメーカーに発注し、準備をしています。
在庫管理については、ネットショップ限定商品はカラーミーの在庫管理システムで管理し、卸と共通の商品はホワイトボードに手書きで管理しています。ここはアナログなので今日のテーマのとおり、DX化の余地がある部分だと思います。

商品発送は妹と私の2人で行います。もつ鍋などの発送はかなり腰にきますので、終わったあとはサウナに行って焼酎でも飲みたくなりますね(笑)。

ありがとうございます。梱包や発送作業は体力勝負ですからね…! ネットショップを導入したことで、事業に変化はありましたか?

寺師さん:
電話やFAXでの注文と比べて受発注のヒューマンエラーは少なくなりましたね。うちのような少人数でも運営しやすいのはありがたいです。
ネットショップ導入以前は基本的に卸販売のみだったので、今は直接お客さまとの接点を持てるようになったのはすごくよかったと思います。特に県外の人にご購入いただけきやすくなったのも嬉しい変化でした。

受発注のミスが減らせるというのはとても重要なメリットですよね。寺師さんはSNSも活用してネットショップのPRを積極的に行っていますが、反響はいかがですか?

寺師さん:
時間はかかりますが、確実に売上にはつながっていると思います!
SNSって、私たちのような中小企業が使える無料のツールの中ではかなり有効なマーケティングツールだと思うんですよね。仮に広告を出すとしても、ものすごくターゲットを絞れば月1,000円以下とかでもできなくはないし。

ネットショップにおけるSNSの目的は、自社商品やブランドの認知を広げ、売上につなげることだと思いますが、SNSを通じてまずは友人・知人経由で広め、そこから私たちのことをまったく知らない人に広め、その中の何人かが買ってくださり、その中でもまた何人かがSNSで広めてくださる。そんなふうに徐々にファンの輪が大きくなっていると感じます。

SNS投稿や運用のコツや、何か気をつけている点はありますか?

寺師さん:
自分が投稿したいタイミングで投稿していますが、投稿の間隔が空きすぎないよう定期的に投稿しています。最後のツイートが1年前とかだと信用されにくくなってしまうので。SNSでは、うちの商品を投稿してくださった方にお礼のコメントを送ったりしています。

SNSはそれぞれに特性があって、売上に直結しやすいのはFacebook、フォロワー数が少なくても多くの人に知ってもらえるチャンスがあるのはTwitter、お客さんが紹介してくれやすいのはInstagramかなと思います。

ネットショップは開店しておしまいではなく、SNSなどでの丁寧なコミュニケーションもかなり重要になってきますよね。

制作会社が語る「魅力あるネットショップ」

SNSでうまく広まっても、ネットショップに魅力がなければ効果が薄れてしまいますよね。縄田さん、制作会社の立場から「魅力あるネットショップ」にはどういった特徴があると思いますか?

縄田さん:
制作者の視点からお伝えすると、以下の4つのポイントがあるかと思います。

(1)店舗ブランド

これは一言で表すなら競合店との差別化ですね。
デザインやコンセプトといった独自のカラーがあるか? ストーリーや強み、独自の売りがあるか?などがポイントになってきます。
ネットショップは全国商圏での戦い。当然、競合ショップも増えるので差別化が必須となります。また、非対面という特性上、店舗ブランドをいかに視覚から魅力的に伝えるかが重要だと考えます。

(2)商品の魅力

結局のところ、通販でもっとも重要なのは商品力に尽きると思います。
近所のスーパーで買える商品はわざわざお取り寄せしないですよね。お客さまにとって最上の体験が得られる商品であるだけでなく、予算にかなう値決めがされているかも大きなポイントになります。

(3)利便性

今の時代、ネットショップの7〜8割はパソコンではなくスマートフォンで閲覧されているので、当然スマホで見やすく表示され、買い物しやすくなっていることが重要です。
それ以外にも、利便性の高いオンライン決済が使えることや、送料負担の大きさなどもお客さまにとっての利便性を大きく左右します。

(4)インセンティブ

たとえばお買い物の際、クーポンがあると購入動機の後押しになりますし、次回使えるクーポンが配布されればリピート購入の動機になります。また、ポイント制度を導入することによって「ポイントを貯めるために買い物する」「ポイントが貯まるお店で買い物をする」という動機が生まれます。
従来のネットショップの魅力に加えて、何かプラスαのインセンティブをつけることも一つの戦略といえます。

以上、4つのポイントをご紹介しましたが、これらを兼ね備えているネットショップが魅力的なネットショップといえるのではないでしょうか?

商品を実際に手にとって見れないからこそ、ストーリーやコンセプトを伝え、購入の後押しをすることが重要なポイントになるのですね。

質疑応答

Q1. 寺師さんのネットショップを見ています。カラーミーショップだけで、こんなにわかりやすいショップサイトができるのでしょうか。

寺師さん:
ありがとうございます。うちのサイトの場合、ネットショップ部分がカラーミーショップで、その他の部分をWordPressで構成しています。WordPress自体は無料で使えるのでうまくミックスできるかなと。カラーミーショップでも最近はデザインテンプレートがけっこう豊富なので、いい感じに作れるみたいです。一番いいのは縄田さんのようなプロの方にお願いすることだと思います。

Q2. 飲食店で提供している鍋料理の生肉をネットで提供する場合、精肉販売の許可が必要と聞きましたが、間違いないでしょうか。

寺師さん:
そうですね、ご質問のとおりで食肉販売業の許可が必要になります。
自社で加工しているか、加工したものを仕入れているかによっても異なるので、まずは最寄りの保健所に確認を取られたほうがいいと思いますが、いずれにしても食肉販売業の許可は必須です。

弊社でいうと、もつ鍋に入っているスープなどは食肉ではなく惣菜にあたるので、別途その販売免許を取得しています。

Q3. ネットショップで契約する決済代行会社は選択できますか。

モデレーター 和田:
選択可能です。GMOイプシロンが提供する「カラーミーペイメント」をはじめ、ヤマトフィナンシャル、PayPal、ZEUSなどからお選びいただけます。

Q4. カラーミーショップでの集客はどのようにすればいいですか。

縄田さん:
今はGoogleやYahoo!など検索エンジンからの流入が多いかと思います。カラーミーショップにもSEO対策の機能はついているので、ネットショップを開店したらまずSEO対策を行っていただくことが大事ですね。

もちろんSNSやブログ、YouTubeでのPRも非常に重要になってきます。実店舗をお持ちであれば、ダイレクトにお客さまにネットショップの存在をアピールするのもいいですね。メールの署名に入れたり友達に紹介したり、ネットショップのURLをあちこちに掲示しておくのがおすすめです。ネットショップ単体で集客をするのもよいですが、入口をたくさん作っておくことで、お客さまとの接点が増えていきます。

あとは広告ですね。鹿児島の一次産業や製造業の方は、ネットショップに費用をかけて広告を打つという意識がまだ薄いように感じますが、なかなか集客がうまくいかない場合は、Web広告をかけることで改善することもありますので検討してみてください。

モデレーター 和田:
「よむよむカラーミー」やカラーミーショップのYouTubeチャンネルでも、集客ノウハウをお届けしていますのでぜひチェックしてみてください!

Q5. WordPress連携にはどのような利点がありますか。何ができるようになるのでしょうか。

縄田さん:
カラーミーショップ自体には商品登録やフリーページ機能がありますが、ブログのような形で情報を発信する機能がないんですよね。そこにWordPressを連携させることで情報発信力が高まり、SEO対策にも効果的です。

 ● カラーミーショップで作ったネットショップにWordPressを連携する方法
 ● WordPressで作ったサイトにカラーミーショップの購入ボタンを設置する

カラーミーショップとWordPressの連携には、主にこの2つの方法がありますが、前者は開発コストを抑えつつ、情報発信力を強化したネットショップを運営できます。後者の場合はサイトデザインをフルカスタマイズできるので、デザイン面で独自性の高いネットショップを展開したい方におすすめです。

Q6. 寺師さんに質問です。前年比10倍以上の売上を記録した月は売上アップのために何か手を打ったのでしょうか? それとも自然に上がったのでしょうか? 打った手があれば教えてください。

寺師さん:
自然に上がりもしましたが、販促施策にも力を入れていました。
弊社の場合、巣ごもり需要の影響で検索エンジンからの流入数が自然に増えまして、その数字の動きを見て「巣ごもりセット」という商品をすぐに作りました。もともと飲食店さん向けに販売予定だったしゃぶしゃぶ用のお肉やミンチが全然出なくなっちゃったので、これを個人向けに展開したんですよね。自社の在庫を売りたい狙いと、お客さまが「巣ごもり」と検索したときに引っかかればいいなと。けっこう高単価な商品でしたがかなりの数が売れました。

あとは日々SNSで発信したり、商品ページも改良したり、商品ごとのSEO対策をコツコツ続けたりして、その積み重ねが功を奏したんじゃないかなと思います。

まだまだたくさんのご質問をお寄せいただきましたが、時間の都合上セミナーはここで終了となりました。遅い時間の開催にもかかわらず、ご参加いただきありがとうございました!

カラーミーショップを運営するGMOペパボ株式会社では、今後も、鹿児島県内の事業者さまのDX化促進に向け、さまざまなサポートを行っていきます!