国内有数の金属加工の街・新潟県燕市で、高品質のステンレス製爪ヤスリを製造する吉田ヤスリ製作所。オリジナルブランド「YOSHIDA YASURI」の製品には、江戸時代から受け継がれてきた高度な目立ての技術が集約されています。
今回は同社の8代目でECサイト運営を担当する吉田 尚史さんに、オンライン販売を始めた経緯や、ECモールと自社ECサイトの併用について詳しく伺いました。
制作会社の提案をきっかけにカラーミーショップで開設
オンライン販売を始めたきっかけについて教えてください。
オリジナルブランド製品の販路について検討した際に、あまりコストをかけずに始められるオンライン販売が最適だと思ったことがきっかけです。
オリジナル製品のニーズを探りたかったので、最初は自社ECサイトではなくECモールで販売を始めました。
自社ECサイトを立ち上げたのはいつですか?
大手ECモールに出店してから1年くらい経った頃ですね。モールである程度注文が入ったことで手応えが感じられたので、2021年にホームページと自社ECサイトを立ち上げました。
もともと無料サイトで自作したホームページは持っていましたが、お客さまが検索した際にページの完成度が低いと信頼を得られないので、外注して新たに制作することにしました。
カラーミーショップを選んだ理由は?
サイト制作を依頼した合同会社アレコレさんに提案されたのがカラーミーショップだったんです。
アレコレさんは地元新潟を中心とした企業のリブランディングやブラッシュアップが得意な上、「hickory03travelers(ヒッコリースリートラベラーズ)」という自社ECサイトを運営されていて、カラーミーショップの運用ノウハウをお持ちだったので、私たちも提案に乗ることにしました。
当時はコロナ禍真っ只中で、展示会の開催も軒並み見送られるなど非常に苦しい時期でもありましたが、幸いにも補助金を受けられたので自社ECサイトの開設準備に注力できました。
自社ECサイトはコアなファン獲得に効果的
自社ECサイトを立ち上げてみて、ECモールとの違いや効果は感じますか?
売上自体はまだまだECモールのほうが多いですが、自社ECサイトはリピート率が高い印象です。
ステンレス製爪ヤスリは一度買ったら半永久的に使える製品なので、当店のリピーターは、自分で気に入ったものを家族や友人へのプレゼント用に購入されているようです。モールと比較しても、自社ECサイトはコアなファン獲得に少なからず役立っていると感じます。
モールとの併用で注文も多いと思いますが、発送業務は自社で対応していますか?
注文確認から伝票のラベリング、商品梱包まですべて自分たちで対応しています。商品には必ずメッセージカードを同封し、お礼の気持ちとアフターフォローについてお伝えしています。
多いときは1日約80~90本ほど注文が入るので、最低でも1時間は出荷作業に費やしますが、生産者の顔が見えるような工夫ができるのが自社発送の利点だと思います。
ECサイト運営で課題に感じていることはありますか?
自社ECを今後さらに成功させるには強いブランド力が必要なので、SNSを活用するなどして長期的にブランディングに注力しなければと考えています。また、PCを使って運営作業をできるのが現状私1人しかいないことも課題で、病気になったときや大量注文が入った場合にどう対応しようかと思案しているところです。
最後に、今後の目標について教えてください。
今後は、オリジナル製品のラインナップをさらに充実させていきたいですね。
また販路については、ズバリ自社ECサイトの売上比率を上げることが目標です。自社ECサイトは手数料などが発生しないためモールよりも利益率が高くメリットが大きいので、こちらもぜひ実現させたいと思っています。