
大好きなうつわ、壊れても捨てないで! 「クロフ舎」さんに金継ぎのお仕事について聞きました。
大事に使っていた食器が割れたりカケたり、ヒビがはいってしまったこと、ありませんか? でも、すぐに捨てないで!
壊れてしまった器も、金継ぎ師さんにお願いすれば、お直しすることができるんです。今日は「金継ぎ クロフ舎」さんに金継ぎのお仕事についてお話を伺いました。
目次
お話を伺ったのは「金継ぎ クロフ舎」の黒沢利絵さん。
雑誌の編集・ライターをしながら、漆芸家・柴田克哉氏に師事し、金継ぎ・漆器の修理を学んだ黒沢さん。2015年にクロフ舎をスタートし、現在は塗りもののお直しの修行中。クロフ舎では、器のお直し・金継ぎ師さんの紹介をしています。
金継ぎってどんなもの?
壊れてしまった陶磁器を修復漆を使って修復する技法のこと。割れを接着したり、カケやヒビのある部分を埋めて、金や銀、スズ、漆などで仕上げていきます。こちらは金継ぎに使われる道具たち。
上段左から、筆やヘラなど、漆と道具箱、菜種油、サンドベーパー、手袋。下段左から、銀粉、金粉、定盤(作業板)、砥石。
今回の取材のためにクロフ舎さんに持ってきていただいたのは、出張用ということでほんの一部。ですが、どれも時間をかけて探し揃えた道具たちとのこと。ひとつひとつていねいに集められた道具は、どれも手入れがいきとどいているのが伝わります。

左:筆は使ったらすぐ菜種油で洗う。右:金粉を開いたところ。毛棒でポンポンと蒔いて使います。
人に尋ねたり、思いもよらない場所で偶然見つけたり、ときには「あれ見つけたよ」と知人から連絡をもらって出合ったものもあるんだとか。道具集めは「まるでゲームのRPGのようでたのしい」のだそうです。

左:固定するのに使うマスキングテープ。右:クロフ舎さんが自分で絵を描いた道具箱。
静かにていねいに、そして時間をかけて行われる作業
おもしろいなぁと思ったのが、この「鯛牙(たいき)」という道具。仕上げの際に金を磨く道具ですが、棒の先についているのは本物の鯛の牙で、硬さがちょうど良いそうです。しかもこの鯛牙、何ヶ月も魚屋さんなどでちょうどいいサイズの鯛の牙を探し、知り合いの板前さんにお願いして協力してもらい、ようやく手に入ったものを、クロフ舎さんの師匠が道具に仕立ててくれた、オリジナルだそう。
今回は、金継ぎ クロフ舎さんの道具を紹介しました。これから、仕上げの種類・金継ぎの工程・仕上がった器などを順にお伝えしていく予定です。ぜひたのしみにしていてくださいね。
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