前編に引き続き、後編でもヘロシナキャメラさんのことをどんどこ探っていきます。そして、今回はいよいよイラストを描いていただきます!
目次
前編のあらすじ
ヘロシナキャメラさんにお話を伺うべく、ご自宅にお邪魔したよむよむカラメル編集部。懐かしい雰囲気ただよう空間で、幼少期の思い出やこれまでのお仕事について詳しく伺いました。「絵はどうしてもやらなきゃいけないものだから」と語るヘロシナキャメラさんの熱い思いに迫ります!
前編はこちらから!
ヘロシナキャメラさんに、似顔絵を描いてもらうぞ!
今回、ヘロシさんにわたしの似顔絵を描いていただこうと思っていて。大阪でやってらした企画が羨ましすぎて…!
はいっ。大阪の展示のときに初めてやって、まだ2回しかやってないんですけどね。
描いていただきつつ、お話も伺っていきますね。
はいっ、じゃあ描き始めます。
柴犬「ちんころ」の、誕生秘話。
わたし「ちんころ」が大好きなのですが、ずっと気になっていたことがあって。ちんころは…なんで立ってるんですか?二足歩行?
ん〜〜、写真を見て描いたんですけど、その柴犬が立ってて。全然こんな感じじゃなかったんですけどね。(笑)
なるほど。(笑) SUZURIでiPhoneケース作ってくださった時、すっごい嬉しかったです。速攻で買いました。
ありがとうございます。「ちんころ」はぜひ作りたいと思ってたんです。でも、みんなレイアウトをバカにするんですよ、芸が無さ過ぎるって。(笑)
※SUZURI:画像をアップロードするだけでオリジナルグッズがつくれる、弊社GMOペパボのサービス。
柴犬のことは、元々お好きだったんですよね。
はい。好きだったんですけど、柴犬ってほんと描くのが難しくて苦手だったんですよ。好きなんだけど、なんか描けなくて。でも、どうしても自分の作品にしたくて。得意になりたい、とずっと思っていて。
去年かもめブックスで個展をやらせてもらった時に、初めて柴犬だけの作品として描きました。ただもうこれ、自分の中でフィニッちゃって。
「フィニッちゃって」(笑) 「柴犬」が完結してしまったということですか?
そうですね。なんか、これ以上のもの描けないなと思って。「柴犬をもう描かない」というより、「柴犬はちんころしか描かない」というか。
ここで似顔絵の進捗を。
仕上がるまでの工程を撮影させてもらおうと思ってたんですけど、なんかもう、結構進んでますね。
下書きはほんと、いつもは1分で描いちゃうんですけど。
ものすごく速いですね(笑)
いつも力技なので下書きはあんまり関係ないんです。(笑) 色でこう、塗りつぶして作り上げてる感じです。
でも、ちょっと今回は話しながらやってて…。何かしながら描けないんです本当は。こう、ひとつのことしか出来なくて。(笑)
すみません!描きながら喋りながら団子食べながら…3つも同時にやらせてしまって…。
いえいえ、でもちょっと…描き直してもいいですか?
どうぞどうぞ!そんなこともあるんですね…!
ないですね、初めてです。全然似てなかったから、ちょっとびっくりしちゃった。(笑)
モデル役に見られながら描く、というのもやりにくくないですか?大丈夫ですか?
すっごいやりにくいです。(笑) 今までの似顔絵の時はずっと隠して描いてて。でも今日は、こういうせっかくの場なんで。
隠していただいて大丈夫ですよ!ヘロシさんの後ろから写真とってもらうので、いつも通りで大丈夫です。
ほんとですか!
あ〜〜〜やりやすい…これだこれだ。
これこれぇ〜!
「隙間を埋めたがり症候群」とは。
最近、水彩絵の具を使って描き始めたと聴いたんですが、何か理由があるんですか?
そうですね。描き方をちょっと変えようかなと思っていて、いろいろ試行錯誤してるところなんです。水彩で似顔絵を描くのも、今回が初めてです。
今まではずっと「アクリルガッシュ」っていう絵の具でやってたんですけど、なんか自分の中で「今はこれじゃない」っていう違和感があって。で、ちょっと今いろいろ試している感じです。
「これじゃない」というのは、具体的に何かあるんですか?
優しくない、というか。なんか、目指してる感じとは違うような〜っていうのがあって。水彩画だと、優しく、というか、柔らかくなるんです。
でも今はまだ水彩を使い始めたばかりで、仕上がりはほとんどアクリルと変わらないんですけど。(笑) まだあんまり特性を生かしきれてないなって。これからもっと工夫して勉強して、という感じですね。
仕上がりがほとんど変わらないっていうのは、どうしてなんでしょう。
うーん。癖じゃないですけど、なんか…。
そう、「隙間を埋めたがり症候群」なんです。余白の作り方が苦手で。どうしても塗りつぶしてしまうんですよね。
モチーフを置いてしまう、とかではなくて、色的なことなんですか?
そうですね〜。例えばこの黒いところ、意図的に色を抜いたりすることができないんですよ。
ぴっちり、きれ〜に塗っちゃう。それが、嫌なところでもあり、自分の癖かなというのがあって。それを今ちょっと、リハビリ中ですね。
別に隙間があればいいってわけじゃないんですけど。いろいろ柔軟に出来たらな、という感じですね。
なるほど〜。その、隙間がないびっしりとした感じがヘロシさんの持ち味なのかなと思ってたら、意外と本人的には違ったのですね。
そういう風に言ってくれる人もいて、ちょっと揺らいでるんですけど。(笑)
結構、世論に動かされるというか。自分が描きたいものを、というよりも、人に喜んでもらいたいんですよね。笑ってもらいたいから。
いよいよ似顔絵が完成か…!?
筆が速い。アクリルのときと筆の使い方は違うんですか?
ん〜なんだろ…あ〜〜〜顔全然似てないな(笑)
(笑) 本当に、筆の動きが迷いゼロな感じですね。
迷ってばかりです。
いやいや、全く迷いないじゃないですか!
いや、だって半分もう、投げやり…。
ぇえええええ!(笑)
違うんです、違うんですよ。俺、こっからなんですよ。
ここからなんですね!
はい。あ、でも水彩だもんなぁ…塗りつぶせないんだよなぁ、水彩。いつも力技なので下書きとか関係ないんですよ(笑)色でこう塗りつぶして作り上げてるんですけど、でも、水彩だと、
…ごまかせないなぁ(小声)。
今度こそ完成か…!?
あ。すごい、筆を持ち替えた。ここからがヘロシワールドですね。
やっべぇ…(小声)。
ヘロシさんの絵はいつも元気いっぱいなんですけど、生きていればストレスも貯まりますよね。そういうのは、絵に全然表れないタイプなんですか?
あーー。表れないかも知れないですね。どうなんだろう、自覚は無いんですけど。
絵を描いてる時は、無心で描く感じですか?
無心…テレビ観ながらなので、すっごい脱線したりはしますけど。
テレビ観ながら描いてるんですね…!何か決まったものを観てるんですか?
いや、全然。「ニュースゼロ」とか。
「ニュースゼロ」。(笑)
どうフィニッていいのかわかんないなぁ…。
いよいよ、いよいよですよ!
フィニルときは、いつも決め手があるんですか?
展示で似顔絵やってたときは、30分ずつって決まってたんです。予約制だから次の人が待ってて、超あせるんですよ。ぴったりに終わらないと、次の人がどんどん待っちゃうので。
なるほど。1日に何人くらい描いたんですか?
えっとー、でも1日30分で、10人くらいかな?
わ、10人も描いたんですね!あ、フィニりました?まだですか?
フィニりました。
やったー!では記念撮影しましょう。
ヘロシナキャメラの、今後。
ヘロシさん今日は本当にありがとうございました!すごく楽しかったです!
いやいや…すみませんほんと、実のない話を…。
いやいやいやいや。
「なんで取材依頼を受けたんだあいつ」みたいなの、思ってないですか?「あいつマジで受けやがったぞ」みたいな。
思ってないですよ!! こちらから声かけといてそんな。(笑)
ほんと、それだけが心配で。
ヘロシさん、今後なにかイベントなどの予定はありますか?
あ、ちょっと先なんですけど、7月に個展をやります。
おぉお、どこでやるのですか?
えーと、四谷三丁目の番狂せっていうアートスナックです。スナックなんですけど、絵も展示してるっていう。そこでやるのは2回目なんです。4年ぶりかな?
なるほど。では今それに向けて絵をたくさん描いてる、という感じなのですね。
そうですね。
ちょくちょく在廊もしてるので来てくれませんか、ぜひ。
もちろん伺います!
展示の詳細は、順次ヘロシさんのTwitterなどで明らかになるはず!
ヘロシさんのTwitterはこちら!
名残惜しいですが、お別れの時間です。
あぁ、そろそろ時間が…。ヘロシさん最後に、今後の「展望」をお聞かせ下さい。
実は…ファッション業界に、首を突っ込みたいんですよ。
えーー!本当ですか!夢のヘロシブランド。
なんか、ダサいトレーナーとか作りたいです。そういうのを、普通に着れるファッションにしていきたい、というか。
絶妙なラインを狙っていく、ということなんですね。
おしゃれにしないでダサさを保ちつつ、ストリートでも、フォーマルでも着れるように。
あぁ楽しみです。すごく予想外…でも絶対に流行りそうですね。
アパレル、頑張ります!
ヘロシさん、今日は本当にありがとうございました!!
〜あとがき〜
サービス精神とおもてなし精神が盛りだくさんのヘロシさん、その人柄と元気いっぱいの絵を知ったら、思わずファンになってしまいますよね。
今回ヘロシさんの未知なる部分をたくさん知ることが出来て、かねてから大ファンだったわたしも、つい仕事を忘れてはしゃいでしまいました。今後のヘロシさんの活躍からも、目が離せません。
それでは皆さま、また会う日まで!
ヘロシナキャメラ / Heroshi Nakyamera
1983年生まれ新潟県出身、東京都在住。2006年長岡造形大学 産業デザイン学科卒。使用画材、アクリル絵具、色鉛筆など。
公式サイト:heroshinakyamera.net
Twitter:@heroshina
Instagram:heroshina
LINEスタンプ:デリケートな野蛮人
グッズ販売:https://suzuri.jp/heroshina