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よくわかんないけど、なんかいい。
眺めているだけで不思議と元気になれるものって、ありますよね。言葉ではうまく説明できないけれど、なんかいい。そういうものが、誰にとってもあるものです。
今回は、そんな「よくわかんないけど、なんかいい。」を世に送り出し続けているイラストレーター・ヘロシナキャメラさんにお話を伺いました。
(後編では実際にイラストも描いていただく予定ですので、そちらもどうぞお楽しみに!)
2016年4月の某日、阿佐ヶ谷駅。
ぽかぽか陽気のこの日。ヘロシナキャメラさんにお会いすべく、よむよむカラメル編集部は阿佐ヶ谷駅へとやって参りました。
取材場所であるヘロシナキャメラさんのご自宅兼アトリエに到着するまでの間、作品をいくつかご紹介いたします。
まずはじめはこちら。この絶妙なアングルがたまらないですね。お父さんにちょっぴしでもいいから触れていたい、そんな無意識なお子達のあったかい気持ちが、じんわり伝わってきます。
まず、え、どこに立ってるの?って感じですよね。危ないよ?って。でもなんだか、平和。遠くの都会から少し離れた静けさなんかも感じられて、これまた心があったかくなります。
直立。柴犬が直立。黒目がちな目とペロンとしてる口と鮮やかな黄色に、心が鷲掴みにされます。
ちなみにこの「ちんころ」は、iPhoneケースにもなっているので、気になるかたはこちらからどうぞ。
ヘロシナキャメラ邸に到着。
阿佐ヶ谷駅から10分ほど歩いたところで、目的地らしき場所に到着。
???:「お〜い!待ってたよ〜!」
あ!
ヘロシナキャメラさん!今そちらへ上がりますね。
ヘロシナキャメラさん:「いらっしゃいませ〜。」
こんにちは、よむよむカラメル編集部です。お出迎えありがとうございます!
本日はよろしくお願いいたします。
昭和が溢れだし吹きこぼれる最高の空間、ヘロシナキャメラ邸。
では早速お宅にお邪魔して、ヘロシナキャメラさんの色々を根ほり葉ほり聴いていきましょう。
お邪魔します。
わぁああ、かわいいものがいっぱい…ため息。
本当に素敵なお部屋ですね。こういうのは一体どこで発見するんですか?
古道具屋さんです。ほんとに楽しいんですよね行くのが。古いものが好きなんです。
後は、いただきものや好きな作家さんの作品などですね。
古いものが好きというのは、どうしてなんでしょう。
う〜ん。なんかやっぱり、「幸(さち)」を感じるっていうのはあります。昔の思い出に浸ってるのが好きなんですよ。この感じが。
「ヘロシナキャメラ」、名前の由来。
ヘロシナキャメラさんて、SNSのアカウントが「@heroshina」ですよね。私もですけど、「ヘロシナ/キャメラ」だと思ってた、という人が多くて。
あぁ〜、それでもいいんですけどね。
いいんですね。(笑)
そもそも、「ヘロシナキャメラ」の由来は何なんですか?
うんと、中1のとき初めての英語の授業で、自分の名前をちゃんと書けなくて。
名前を、ローマ字で書けなかったんですよね。で、ヘロシ ナキャメラって書いてて。「ka」が「ca」とかになっちゃったんです。
ものすごくキュートなエピソードですね(笑)
※ヘロシナキャメラさんの本名は「なかむら ひろし」と言います。
ヘロシナキャメラの幼少期
そんなキュートなヘロシさんですが、幼少期はどんなお子さんだったんですか?生い立ちを教えてください。
えっと、昭和58年7月11日に新潟県に生まれて、4人兄弟の末っ子です。お婆ちゃんとお姉ちゃんと同じ誕生日です。
すごい(笑)
お婆さんもお姉さんも7月11日生まれ、ということですよね。
そうですそうです、そうなんですよ。
えーっと、あと特徴的なことはあんまり無いなぁ。子供の頃から絵がすごく好きで、とかそういうのが無いんですよね。
漫画も読まないしゲームもやらないし、勉強もやらない。何もやってなかったです。
あれ?では小さい頃は一体…
遠くを見てた。景色を。(笑)
未だに目が2.0です、両目。バカっぽいんですよ。目が良いって、なんかバカっぽいですよね。(笑)
家の周りはどのような環境だったんですか?
田舎です田舎。
でも、小学校のとき「村」だったんですけど、中学になった時に「町」になり、高校で「市」になり。成り上がってったんですねどんどん。今は「区」なんですけど。
成長速度が。(笑) 大学も新潟ですか?
はい。「長岡造形大学」という、実家から車で1時間半ぐらいのところに通ってました。工業デザインとか工芸デザインとかテキスタイルとか何でもやるところで。ものづくり大学みたいな感じです。
大学では何のデザインを専攻してたんですか?
そうですね、高校のとき漠然と「CDジャケットとかつくってみたいなぁ」と思っていて。それで、「あ、じゃあグラフィックデザイナーっていうのになればいいんだぁ。」みたいな感じで大学に行ったんですけど、なんかあんまり合わなくて。パソコンでのデザインがあんまり得意じゃなかったんですよね。
で、そんな時にイラストの授業がありまして。そこからイラストレーターを目指そうという感じになりました。
なるほど、きっかけは授業だったんですね。
大学卒業後、上京。コンペにひたすら作品を出していた日々から現在。
東京に来たのはやはり、イラストレーターになりたくて、という感じですか?
そうですね。それもやっぱり漠然としてて明確な理由は無いんですけど、「イラストレーターになるって言ったら東京だろう」みたいな感じで。
はじめは、工場の派遣で働きながらですね。
イラストのお仕事などは、どうやってもらっていたんですか?
あ、最初の頃は全然なくて。もうほんとに、コンペとか出しまくってました。なんて言うか、どうやってそういう世界にねじり込んで行くのかわかんなくて。(笑) 営業活動は特にはやってなかったです。
なるほど。コンペに出しまくって今がある、という感じなんですね。
あ、いや別に今仕事そんなに有るわけじゃないんですけどね。(笑)
え、最近たくさんコラボしてらっしゃるじゃないですか!伊勢丹でヘロシさんの大きなイラスト、拝見しましたよ。
なんて言うんですかね。個展とかを続けていって、よくしてもらって。周りの人に声をかけてもらったりしてる感じです。ひとつやるとこう、波ができるみたいな。続けて、次じゃあこれ一緒にどう?とか、巡回展をこっちでしない?とか。
なんて言うんですかね。自分でというよりは本当に周りに恵まれてて。そういう縁があって、今やっと少しずつ色々やらせてもらえるようになった、という感じです。
6年間務めた会社を辞め、イラストレーター1本で生きていく。
最近仕事を辞められてましたよね。それはやはり、イラストレータ一1本でやってくぞ、ということなんでしょうか。
そうですね、うん。ちょっと年末バタバタして、絵の仕事と会社の仕事が色々重なってしまって。どうしても両立できなかったんです。
それで、6年間勤めたんですけど思い切って退職しました。
仕事を辞められて、生活はすごく変わりましたか?
すごく変わりましたね。どうしたらいいんだろうって感じです、見切り発車だったので。だからずっと、焦りはあります。
ただ、自分の中では、絵はどうしてもやらなきゃいけないものなので。今まで仕事してた分、今は絵と全力で向き合っています。
なんだかじ〜んと来ます…。
ヘロシさんそろそろ、事前にお願いしてたやつ、やっていただいてもいいですか?
あっはい!そうですね、じゃあそろそろ。
〜次回予告〜
前編はここまで。後編では、ヘロシナキャメラさんに実際にイラストを描いていただきます!だんだんと緊張もほぐれてきて、ヘロシワールドも全開。
また他にも、最近画材を変えた話や、謎の「隙間を埋めたがり症候群」についても詳しく語っていただきます。
一体どんなイラストが出来上がるんでしょうか…それでは皆さま、後編もお楽しみに!
ヘロシナキャメラ / Heroshi Nakyamera
1983年生まれ新潟県出身、東京都在住。2006年長岡造形大学 産業デザイン学科卒。使用画材、アクリル絵具、色鉛筆など。
公式サイト:heroshinakyamera.net
Twitter:@heroshina
Instagram:heroshina
LINEスタンプ:デリケートな野蛮人
グッズ販売:https://suzuri.jp/heroshina