全国から注文が入る築地の鮭専門店!元ライターの女性店長が発信するコンテンツとは?

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ショップオーナーインタビュー「昭和食品」佐藤友美子さん

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東京・築地にある天然鮭専門店「昭和食品」さん。全国からこだわりの鮭を求めてお客さんが訪れる人気のお店です。その店長・佐藤友美子さん(通称:しゃけこさん)は、元・ライターから鮭専門店の店長になった、少し変わった経歴の持ち主。今回は、全国にお客さんを持つ理由とネットショップで発信している情報やお店のこだわりについてお伺いしました。

忙しい作業の合間でネットショップもこまめにチェック

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おはようございます!今日はよろしくおねがいします。

おはようございます!おねがいしますー。

しゃけこさんは、毎日どんなふうに働かれているんですか。

3時半に起きて6時に寝てます。市場は一晩中眠らないんですけど、わたしたちが買う場所は3時くらいから開いているんですね。

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お店は6時くらいからなので、その前に鮭を仕入れてます。開店後はちょうど今みたいにひととおり鮭を切って並べてるんですよ。そうしてるうちにお客さんたちがやってくるかんじ。

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仕入れたり捌いたり大忙しですね。ネットショップはご自宅でチェックされているんですか?

あ、ここでもやってます!

本当ですか?

半々くらいかなー。今もカバンに入っていて。

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こうやって鮭切ってる合間でパソコン開いてメールの返事書いたり。携帯でWifi飛ばしてるんだけど、電波混み合ってるみたいですぐ切れちゃうの。電話線引こうかなって思ってるところ。

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鮭切りつつ、ネットショップもチェックしてるんですね。すごい。

本当、いつもこんなかんじよー。で、ほらFacebookページもここでピッて更新してるのよ。

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インターネットに関しては、もともと知識があったんですか?

割と触ってきてるほうではあるんですよ、築地場外市場の公式ウェブサイトの管理とかずっとやってきていたんで。でも素人は素人なんで「ここ分からない!」ってときは詳しい人に聞いたりしてね。

 

世界を飛び回るライターから築地の「鮭のプロ」へと転職!

築地で働かれて今は何年目ですか?

27年くらいかな!2年前に店長を継いで、今はココ(実店舗)とネットショップを切り盛りしてます。

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しゃけこさんは、もともとライターだったとお伺いしました。

そうそう。若い頃ちょうどバブルだったのね。それで海外へ行くようなライター業をしてたの。東南アジアとかヨーロッパとか中南米とか…。

世界中を飛び回っていたんですね。そのあとなぜ築地の鮭専門店へ?

ライターをやってるとき「人の暮らしの原点的なものを見たいな」と思っていろんな国を飛び回っていたんだけど、あるとき友だちの買い物に付き合って築地に来てみたら「ここにあるじゃないか!」って気づいちゃったのよね。(笑) それで、そのときたまたま寄った昭和食品に「働きたいんですけど」ってお願いしてみたの。それが始まり。

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日本中から注文が入るその理由は…?

店頭ですが、たくさん鮭が並んでいますね。

鮭も伝統的な食材だから、種類もさまざまなのよ。さっき切っていたのは、北海道から来たやつね。

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あそこにぶら下がっているあれは「南部鼻曲り」でしょう。それから岩手、秋田、新潟、もっと北のほうを泳いでいるのだとロシア、カナダのほうから来ているものもあって。

いろんなところからやってきているんですね。

そう。同じ塩鮭のようだけど、地方によって加工の仕方が違うんですよ。たとえば「どぶ漬け」って言って、鮭からでる水分と塩の中で漬物みたいにして6カ月くらい寝かせるのかな。すごく味が濃くなるの。あとは「超辛口」なんてものもある。そういう類の鮭の味を知ってる人は「また食べたい!」と思って、その鮭を探しているんだけど、普通のスーパーとかじゃ出回っていないのよね。

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たしかに。こんな鮭みたことないです!

だからネットショップをやるようになって、なかなか手に入らない鮭を探していた人たちと出会えるようになってよかったなぁと思ってるの。

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もともとネットショップはされてたんですか?

1年前から試しに初めてみたのね。でも初めてでよくわかんなくてさ、わたしも。それで去年の冬から、やっと本格的に使わせていただいて。そしたらいろんな注文があったのよね、全国から。

全国から注文が入るんですね!

インターネットのいいところだよねぇ。 もともとこのお店って、お客さんは全国に散らばってるんですよ。築地ってほら、いろんなところから探しに来てる人が集まるでしょう。それが何十年も続いているような場所だから、人と人とのつながりがどんどん広がっていきやすくて。それがネットでも同じようなことが起きていて。

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もともとお店にやってきてくれたお客さんたちから注文が入ったり、そこからさらに広がったりしてるんですね。

そうそう。そういう「つながり」は、インターネットと築地って似ているなあと思うの。

ご近所さんを巻き込んだ、鮭と築地の魅力を伝えるコンテンツづくり

食材付きの情報誌として話題の「築地食べる通信」で特集されたのを拝見しました。

ありがとうございます。すごくよいかんじに写真と内容をまとめてくださって。ほらこれが掲載された紙面。

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ーーー 本当だ。しゃけこさんのお写真がバーンと出ています。

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ネットショップでも「築地で鮭コラボ」というコンテンツを掲載されていますね!

そうそう、近くの海苔屋さんとか佃煮屋さんとコラボして鮭のレシピを紹介してるの。毎月やっていこうと思っていて、次はすぐそこの豆屋さんとコラボするつもり。

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どんなお料理を予定されているんですか?

節分のお豆あるじゃない。あれを鮭の頭と一緒に煮るんです。

鮭の頭を煮るんですか?

なんの調味料もいらないんですよ。頭から出る旨味で。煮るとぐずぐずになって出汁がでるでしょう。あとは、鬼おろしでざくざく大根とにんじんをおろして、それを入れるの。

初めて聞きました!

北関東の郷土料理
なのよ。節分の時期になると北関東出身の人たちがずいぶん来るんで、頭はなくなっちゃうの。逆に夏はいくらでもあるから、夏食べればいいのにと思っちゃうくらいね。(笑)

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お料理のことを聞いて、鮭の料理方法などもっと知りたくなりました。

焼いて食べてるのもいいんだけど、いろんな鮭を食べいくうちにクセの強い伝統的な鮭が、いろんな料理に合うぞって気がついちゃったのよね。

どういうお料理をされるんですか?

ほら、わたしどこの国の料理でもできるのよ。フランス料理でもスペインでも中華料理でも南米でも。けっこういけるなぁ〜。

さすが世界を飛び回っていただけある…!

うん。だからそういうのもネットショップで公開できたらなあと思っていて。築地コラボの企画が落ち着いたら「塩鮭で作る世界の鮭料理」もやっていきたいと思ってます。

 

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最後に、これからどんなふうにしていきたいか展望をお聞かせください。

スーパーとかは不安定な天然物を扱うのは難しいのよね。だから逆に、うちみたいに小っちゃいところが、そういうものを探している本当に好きな人たちと繋がっていくことは、いいんじゃないかなと思っています。

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あとは築地って、お店の人に質問するとだいたいみんな教えてくれるんですね。自分たちが売ってるモノを、自分たちが日頃から買ってごはんとして食べてるから、自信を持って答えられるんだと思う。そういう小さいお店だからこその良さをネットショップできちんと伝えていけるようにしていきたいですね。

これからの昭和食品さんのネットショップの展開も楽しみにしています。