アパレルEC成功の秘訣は”更新ルール”と”手厚い接客”、そして”モールとの併用”にあり!

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「Par Avion」風見 朱美さんインタビュー

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全国各地の店舗で多くの女性から支持されているアパレルブランド「Par Avion」。「集客はどうする?」「商品に触れられない&接客ができないネットショップのメリットって?」など、当初は不安ばかりだったと言います。今では、カラーミーショップの本店と、ZOZOTOWNへの出店で、安定した売上があがるようになりました。ネットショップのデメリットを逆手にとり、実店舗とネットショップの双方において、集客アップに貢献してきた敏腕・ネットショップ担当の風見さんにお話を伺いました。

古着屋から始まったレディースブランド「Par Avion」

「Par Avion」のブランドについて、教えていただけますか?
パラビオン風見さん
お店は首都圏と関西を中心に展開している19店舗の実店舗に加え、ネットショップがあります。「Par Avion」はフランス語で“エアメール”という意味で、ヨーロッパのレトロな香りを届けるエアメールのような存在であり続けたいという思いからつけた名前です。

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1982年の創業当時は古着屋でした。アメリカから取り寄せる衣類のほか、フランス・パリの蚤の市で仕入れたアンティーク小物も販売していました。今は古着をそのまま売るということはしていないのですが、全体的にヨーロッパテイストを意識した商品デザインになっているのが特徴です。

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レトロなデザインがとてもかわいい

1982年創業とは、かなり歴史があるのですね。
パラビオン風見さん
はい。1982年に店をオープンして、1983年に会社を設立しましたので、今年で33年になります。
当時は古着ブームだったのですか?
パラビオン風見さん
そうですね、中でもうちが先駆けだったとは聞いています。当初、仕入れを担当していたデザイナーが、ヨーロッパなどから仕入れてきたスカーフやハンカチを組み合わせてリメイクを始めたところから、オリジナルブランドの展開が始まりました。実は、私が今日着ている服も、1枚のスカーフとカットソーを組み合わせて作ったリメイクデザインなんですよ。

par17 よくお似合いで、素敵です^^。
パラビオン風見さん
ありがとうございます。こういったリメイクデザインや刺繍の入ったレトロな雰囲気のデザインが「Par Avion」らしさになっていると思います。手作り感とかハンドメイドっぽい感じを大事にしていますね。
実店舗は都内だと新宿のルミネエストやミロード、吉祥寺にもあると思いますが、ターゲットはどういった方ですか?
パラビオン風見さん
大枠ではレディースヤングカジュアルに入るので、20代前半がコアターゲットですが、実際はもっと幅広い年齢層のお客様がいらっしゃいます。着まわしを重視したアイテムだと30~40代の方にも喜んでいただいています。雑誌で言うと『mer』のような青文字系のガーリーなところがお好きな方ですね。

初のネットショップ担当に勇気を持って手を上げました

会社全体では何名いらっしゃるのですか?
パラビオン風見さん
70人くらいです。

風見さんがネットショップ担当になったのは、どういった経緯でしたか?
パラビオン風見さん
私はもともと在庫管理や店舗の修理受付を担当していたのですが、ネットショップの売上が少しずつ伸び始めた頃に、そろそろ誰か専任の担当者をつけようというかという話が出てきたので、勇気を出して手を挙げました。前任者はメインの他の仕事がある中でネットショップをやっていたので、たまに出荷を手伝うことはありましたが、本当に初心者だったんですけど。

par19 ネットショップの運営に興味があったのですか?
パラビオン風見さん
正直あまりなかったです。どちらかといえば不安なことのほうが多くて、「不良品を出荷しちゃったらどうしよう」とか、「ネットの写真と違うと言われて怒られないかな」とか…とにかくクレームが心配でしたね。ネットは商品を手に取れないじゃないですか。でも、実際にやってみたら、楽しかったんですけど(笑)

更新する曜日を決めたらお客様がついてきてくれたんです

4年前にネットショップを始めたときの反響はいかがでしたか?
パラビオン風見さん
それが、思ったより少なかったんです。最初は全然売れませんでした。店舗の片手間でやっていたので更新がまばらでしたし、スタッフ間の引き継ぎがうまくいかなかったこともあって、体制もガタガタでしたので、当然といえば当然なんですけど…。

そこからどうやって盛り上げたのですか?
パラビオン風見さん
更新頻度を毎週の金曜日か土曜日と決めるようにしたら、だんだん売上がついてくるようになりました。まとめて買いたいお客様も多いので、ちょこちょこアップするよりも、決まった更新日にまとめてアップしたほうが、お客様にとってもわかりやすかったんだと思います。更新した日にはメルマガを配信するようにもしました。
店舗ではなくネットショプを利用されるのは、どのような方ですか?
パラビオン風見さん
ネットショップのお客様と電話でお話していると、うしろでお子様の声が聞こえたりするので、“店舗に行ったことがあるけれど、なかなか気軽にひとりで外出できない”といった方が多いのかなと思いますね。
そういったケースは確かにありそうですね。
パラビオン風見さん
先にネットショップをチェックしてから店舗へお越しいただく方もいらっしゃるんですよ。若い方は特に、その傾向があるようです。
ネットショップと店舗が、互いに足りない部分を補い合いながら、相乗効果を発揮しているのですね。

結局、落ち着いたのはカラーミーショップだった

ECは当初からカラーミーショップをお使いいただいているようですが、カラーミーショップを選んだ理由を教えていただけますか?
パラビオン風見さん
ネットショップを始めたときのことはちょっとわからないのですが、私が担当になって3年目くらいにリニューアルを考えたときがあったんです。実はそのときに他のツールもいろいろ比較してみたのですが、どれも料金が高いのと、売上から何パーセントという形で手数料を取られるというのが引っかかりまして…。あと、他のツールは管理画面もわかりにくくて、難しそうな印象を受けました。そういったわけで、「やっぱりカラーミーショップしかないね」ということで、落ち着いたんです(笑)

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ありがとうございます!リニューアルの際には、風見さんがネットショップのデザインも担当されたのですか?
パラビオン風見さん
いえ、デザインは私の希望を外部のWebデザイナーの方に伝えて作ってもらいました。
こだわったポイントはどこでしたか?

パラビオン風見さん
“シンプルでわかりやすいこと”を最優先にしていたので、新たにショップスタッフによるコーディネートの紹介コーナーを作ってもらいました。

日々ネットショップを運営される中で苦労されていることはありますか?
パラビオン風見さん
最初は商品の撮影がうまくいかなくて、撮った写真の色加工が大変でした。写真は私が安価な一眼レフで撮影しているのですが、自然光を使った“置き撮り”が基本です。フォトショップは学生時代に少し触ったことがあったので、今かなり活きていますね。写真は1商品あたり最大12枚までのせられるように、デザインを組んでもらっています。

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“置き撮り”って意外と大変じゃありませんか?
パラビオン風見さん
そうなんです。シワの寄せ具合を調整したりするので、すごく時間がかかります。売上が想定より伸びなかったときに、「なんでもいいからやるしかない」と思って、商品の見せ方を変えるために始めたのがきっかけだったのですが、やはりその方が伝わりやすかったようで、今は“置き撮り”を基本にするようになりました。

ZOZOTOWNとカラーミーショップを並行運用

ZOZOTOWNにも出店されていますが、いかがですか。

パラビオン風見さん
「WEAR」というコーディネートアプリと、カラーミーショップのネットショップで同じ商品をご覧いただけるようにしているのですが、「WEAR」を更新した1〜2日後にZOZOTOWNで商品が売り切れになり、ZOZOTOWNが売り切れになると弊社のネットショップで売れたりして、両方を活用することで、かなり売上につながっています。

ZOZOTOWN以外にも、モールへ出店されているところはありますか?
パラビオン風見さん
ないです。営業のお話は結構いただくのですが、多くやっても手が回らないので。複数のECサイトに出店してしまうと、出荷作業もサイトごとに行わないといけなくなるので、カラーミーショップとZOZOTOWNに集中してやろうと思っています。

リピーター獲得の秘訣は“接客”にあり

ECのリピート率は業界全体で4割くらいが平均だと言われているのですが、「Par Avion」の場合はいかがですか?
パラビオン風見さん
平均値よりも多いと思います。店舗もネットショップもリピーターさんがほとんどなので。
何かリピーター獲得に向けた取り組みをされているのですか?
パラビオン風見さん
ネットショップに限った特別なことはしていないのですが、うちの場合、店舗スタッフの接客がウリになっているとは思います。びっくりするくらい、みんなお客様とすごく仲がいいんですよ。人懐っこくてお客様との会話が好きなスタッフが自然と集まってきているように感じています。もともと「Par Avion」の商品が好きで入ってきている人も多いですね。
風見さんは、実際に店頭で接客されたことはあるのですか?
パラビオン風見さん
セールのときに、何回かあります。慣れていないので、緊張しました。まずはがんばって試着していただくところまで持って行き、お客様が試着されている間に、「もし試着した商品がダメだったら、次はなにを提案しようか」と考えて…。“試着の間って、こんなに忙しいんだ!”と驚きました。

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ネットショップの接客という意味で、ネットショップのお客様から感想をもらったことはありますか?
パラビオン風見さん
はい。「とても早く対応してくださって、ありがとうございます」とかですね。担当が私1人なので、早さには自信があります(笑)他にも、ランダムで複数の商品の入った“アソート商品”というものがあるのですが、同じものを2点買っていただいた方には、中身が同じ柄にならないよう選んで入れると喜ばれますね。リピーターさんに助けられていますので、顔を合わせて会話ができない分、“早くきちんと出荷する”とか、“丁寧に梱包する”とか、そういったところを大切にしています。
ネットだからこそ店舗以上に気をつけたいところですよね。
パラビオン風見さん
そうですね。中には、「この商品を買おうと思っているんだけど、何を合わせたらいいですか?」とメールで相談してくださるケースもあるんですよ。チャットのようにやりとりをしながら提案すると、「すごく参考になる」と喜んでくださったのが印章的でした。

風見さんの今後の展望について教えて下さい。
パラビオン風見さん
これからは、まずメルマガの配信頻度をもう少し増やしたいですね。今は月に1〜2回程度しか送れていないので。あと、何らかの形で、もっと読み物のコンテンツを作っていきたいです。ネットショップを“買う場所”から“楽しむ場所”に変えていきたいと思っています。

今日は素晴らしいお話をありがとうございました!これからもご活躍を期待しております!