広告なしで月400万の売り上げ!価格競争に負けないこだわりで勝負する「博多もつ鍋 大山」

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博多もつ鍋 大山 取締役 石田雄久さん インタビュー

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芸能人・著名人も多数来店! 厳選素材を使ったもつ鍋を熊本から全国へ配送する「博多もつ鍋 大山」さん。カラーミーショップ大賞2016では、華やかなメディア力と地道なファン獲得が評価され、特別賞「PR賞」を見事獲得されました。今回は取締役の石田雄久さんに、幅広い顧客層の心をつかむための戦術、そしてネットショップの開店・集客の背景について詳しく伺いました。

 

女性をターゲットにした「もつ鍋」で予約の絶えないお店に

後ろにかかっている「ふぅ・・・」にはどんな意味があるんですか?

向こうの部屋には「ほっ・・・」があるんだけど。ゆっくりして欲しいっていう気持ちの表れですね。「ああ今日も一日頑張った」とお客さまに安らいでもらえたらと。

昨日の夜こっそりこちらで食事させていただきました。出張の疲れも吹き飛びました。

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(笑)おいしかったでしょ?

はい、とても!でははじめにお店ができた経緯を教えてください。

もともとうちの代表が福岡にいたんですが、熊本にはおいしいもつ鍋のお店がなかったことに着目して「じゃあ熊本においしいもつ鍋のお店を作ろうか?」と始めたんです。

とはいえ九州には競合店舗もたくさんあるかと思います。差別化のポイントはありますか?

まず、ハーブだけで育てられている牛のもつを使うので、臭みがほとんどありません。これは確実に他と違います。ふつう内臓や小腸は何十メートルもあるものなんですが、その中でうちが使ってるもつは牛1頭から8キロしか取れない部位なんです。

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とっても希少な部位なんですね。商品力が差別化ポイントであると。

はい。そこには徹底しています。熊本にはもつ鍋の文化がなくて、よく耳にしたのは「もつ鍋って苦手」とおっしゃる方。それがうちに来てファンになってくれたりもつ鍋を好きになってくれる人がいるので、うれしいですね。

お客さんはどういう方が多いんですか?

これはひとつの戦略なのですが、7:3くらいで女性が多いです。まず女性に愛されるお店になる。女性が来たいお店は男性が後からついてくるから。(笑)

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女性の心をつかむ臭みのないもつ。その他、食材でこだわりはありますか?

スープの塩はフランスのゲランドの塩というお菓子にも使うような高級な塩をベースに作っています。あとはキャベツは阿蘇から仕入れたもの、ニラは有名な賞の表彰受けたりしてる限定したニラ農家のさんのものを使っています。

野菜までこだわりたっぷりなんですね。お店を運営する上で大切にされていることはありますか?

従業員視点をまず大切にしてます。歴代のアルバイトの子たちが次々と後輩を紹介してくれるから募集をしなくていいようなかんじに今なっていて、自慢は10年間で辞めたバイトがひとりもいないことなんです。

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それはすごいですね。

結局、お客さまを接客するのはアルバイトだったり従業員なので、お客さまをとにかくたくさん集めようというよりも従業員の雰囲気づくりを特に大切にしています。

クレームなしの接客・サービス! 価格競争で戦わない理由

たとえばネット販売をせず実店舗だけでやっていくこともできるかと思いますが、なぜ通販を始めたのでしょう。

お店の予約がなかなか取れないから、持ち帰りたいっていう声がでてきたんです。それでデリバリーを始めたのがきっかけでした。せっかくだったら、ネットで全国に発送してもいいんじゃないの?ということで、ネットショップも始めましたね。

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モール出店でなく独自店舗でネット販売を始めたのは?

うーん。モールって値段の安さが勝負になってくるでしょう。たぶん、調べてもらうとわかるけどうちのもつ鍋は価格でいったらネット上で一番高いんです。だから始めからそこに出すのは違うなと思ったんです。

価格で勝負することを最初から考えていなかったのですね。

うん「安かろう悪かろうにはしない」。ここの部分でついてきてくれるお客さんだけでいいと思っているから。だからクレームはほとんどないんです。去年なんかはパーフェクト、一件もクレームなし。ある程度のクオリティを保てばお客さんがついて来てくれるから、そこに問題はほとんど起きないと思うんです。

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なるほど。独自店舗構築にあたりカラーミーショップを選ばれた理由はありますか?

お金をかけずにできるところでしょうか。テンプレートのあるカラーミーショップでやりましょうと、パソコン教室の先生に言われたのがきっかけです。一番初めに売れたのは、いまだに忘れられません。なんと北海道のお客さまで9,800円も買ってくださったんです。

いきなり売れたんですね!

本当にびっくりしました「うわ、売れたわ!」と!(笑) そのお客さまは、いまだにナンバーワンリピーターだから手紙のやりとりなんかもしてます。ある程度売り上げがついた時にテンプレートからデザインをカスタマイズしてもらって今にいたりますね。

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最近の全体の売れ行きはどうですか?

カラーミーショップさんだから嘘を言ってもしょうがないけど、かなり売れてますね(笑) 今の時期はこれからすごく大変で現場が「もうストップ!」っていうくらい売れる。去年は1カ月で400万円くらいかな。

400万円!そこまで拡大されるまでにしてきたことってあるんですか? 例えば広告を打ったとか。

広告はしてないですね。お金をかければ集客ってできると思うんですけど、実店舗にしてみてもそうだしほとんど集客にお金をかけていません。

ではどういうふうに集客を?

とにかく口コミですね。「本物」に徹底的にこだわる。結局はお客さまがまわりの人に広めてくれたおかげなんです。ずっと広告をうたなきゃいけないってことは地域に愛されてないってことだから、一見さんをとっていかなきゃいけないですし首がしまります。だから地域に密着したサービスに努めると決めて、1年目から予約の取れない店になって有名になって、そこを発端に広がってくれたといいますか。

地域に愛される店を目指した結果、お客様も増えていったんですね。配送作業はどこでされてるんですか?

ここです。店が終わってからするんですけど、もうすごいですよ。年末は発泡スチロールで出入り口が通れなくなります。(笑)

でも実店舗のお仕事もありますよね? 外注したり倉庫を借りることは検討しないのですか?

うーん、他に依頼すると、商品を入れ忘れただとかクレームの原因になる可能性がありますからやっぱり全部自分が確認したいです。他にふってドキドキするくらいなら、自分でした方がいいかなと。

全国から注文は入りますか? それとも熊本が多いんでしょうか?

熊本は何%もないですよ。熊本の人は店に食べに来るので、ほとんどが県外からの注文です。東京が半分以上じゃないかな?
今からの時期は北海道からもいっぱいきますね。沖縄も。何回どころかもう何十回、何百回。月に何回か買って、お歳暮やお中元として人に贈られたりする方もいますし、初めて食べて気に入って、ずっとリピートしていただいて、今度熊本に行く機会があるので寄りますと言ってくださった方もいます。

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それはうれしいですね…! 最後にネットショップと実店舗の今後の目標はありますか?

変わりなくお客さまに必要とされる存在でありたい、それくらいでいいんじゃないかなという気がします。売り上げを右肩上がりにするには来年はどうしたらいいか?っていうのは、あんまり考えてません、そこらへんが他社と違うところかな。それより大事にしているのは、お客さまにずっと愛されること。

お客さまをたくさん集めたいというのはないんですね。

「たくさんお客さんが来る店」ではなく「たくさんの人に必要とされる店」。なくてはならない店を目指したいです。他店舗展開しようと思ったらいくらでもできるんだけど、雑になるくらいだったらコンパクトないい店でありたい。チェーン展開するとだんだんそういうところが比例してダメになっていくよね。

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もっとミニマムなところでいうと、来てくれた人・購入してくれた人に満足してもらって、お客さまからの苦情とかクレームが一切でない店。で、気持ちよくもつ鍋を楽しんでもらうことを極めたいですね。

大きく広げるというよりは、今やられていることを絶やさず続けていきたい。極めたい。

そう。お客さまの声に応え続けるっていうかね。一番初めは味噌としょうゆで始めた。で、もう少し手軽に、自分でキャベツを買ってくるからスープともつだけでいいっていうお客さまが出てきた。だったらそういうパッケージを作ろうと。今度は、届いたらすぐ食べなきゃいけないっていうよりは半年間は保存したい、じゃあ冷凍の商品を作ろうと。そんなニーズに応えられるようなお店であり続けたいです。

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ニーズにきちんと応えていけるお店。それが結果としてクレームなしで期待を裏切らないことに繋がるんですね。今日はありがとうございました!