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  • 2016年4月14日 宝島社が本気でウェブに挑む「クラリネ」。雑誌の公式ネットショップがあるべき姿とは?

宝島社が本気でウェブに挑む「クラリネ」。雑誌の公式ネットショップがあるべき姿とは?

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インタビュー 「クラリネ」 笠原章男さん 松山香織さん

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シンプルで心地よい暮らしやファッションを好む女性たちに、圧倒的な支持を得ている宝島社の雑誌「リンネル」。その公式ウェブショップが「クラリネ」です。

単なるウェブショップではない、リッチなコンテンツが魅力的です。雑誌の公式ウェブショップとはどうあるべきなのか。商品を紹介するだけではなく、「売る」ということはどういうことなのか。ヒントは、お客様との「距離感」にありました。

商品を提案するだけでなく、本気で売りたくなった。

早速ですが、お店とお二人の紹介をお願いいたします。

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ウェブサイト担当の松山さん と事業責任者の笠原さん

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「クラリネ」は、宝島社が発行している「リンネル」という雑誌の公式ネットショップです。リンネルの「ライフスタイルショップ」というコンセプトなので、暮らし+リンネルで「クラリネ」という名前で運営しています。

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スクリーンショット 2016-04-07 15.16.47松山
私はクラリネのサイト全体の制作進行をしています。

リンネル編集部と一緒に、商品の伝え方を考えるところから、実際にネットショップの管理画面で数値を確認して、受注管理をしたり、サイト改善をしています。
ネットショップ運営のほぼすべてを自社内で行われているんですね。 スクリーンショット 2016-04-07 15.16.47松山
はい。配送だけは、委託の倉庫から発送することができるので、そこにお願いしていますが、配送指示まではこちらで行います。

笠原さんはどういった立場でいらっしゃるんですか。 スクリーンショット 2016-04-07 15.15.49笠原
私は、ウェブを扱う部署を統括しているのですが、クラリネに関しては、事業責任者です。サイトの制作自体は、雑誌に合った感性が最も大切になってくるので、そこは編集部や松山さんにお任せしていて。

会社の中で、このビジネスをどんなふうに位置づけるべきかということを考えたり、まぁ、いろいろ社内の調整担当といったところです。カタカナでいうとプロデューサーですね。

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「クラリネ」は、どういった経緯でたちあげられたんですか?スクリーンショット 2016-04-07 15.15.49笠原

月刊誌であるリンネルの編集部は、月に1回の校了が終わると、もう次の号のことを考えないといけない。でももっと、ものづくりの素晴らしさや、作る中での気づきを発信したいという思いが強かったようです。

そして、その商品がどのように売れて、お客様の生活をどのように変えたのかということがわからない。たとえヒット商品になっても、その結果を次の商品に活かすこともできないという葛藤がありました。

つまり、「もっと発信したい」「自分たちの手で売りたい」という欲求ですね。

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そこで、リンネルのコンセプトで作られた、いろいろな記事を発信するプラットフォーム型のネットショップを作ったらいいのではないかという話になりました。

クラリネが、たくさんの記事があつまったいわゆる「メディアEC」のような形をとっているのはそういう背景なんですね。スクリーンショット 2016-04-07 15.15.49笠原
そうですね。編集部の一番の要望は、「リンネルの世界観をもっと伝える場所がほしい」ということだったので、自ずとそういう形になりました。

実は、宝島社の雑誌を横断したネットショップはすでに運営していたのですが、雑誌社の強みを活かした、もっと濃厚なものをやってみたいと思っていたので、これはひとつのチャンスだなと考えました。

今はまだ「モラトリアム」の中にいます

カラーミーショップを選んでいただいたのはなぜでしょう。スクリーンショット 2016-04-07 15.15.49笠原
弊社内の他のウェブサイトもお願いしている会社さんが、コンテンツをワードプレスで作ることを決めたうえで、そのコンテンツをネットショップのドメイン下におくことができて、かつ安くて、コンサルティングもついてくるというサービスは、カラーミーショップのプラチナプランだと勧めてくれました。

実際に、ウェブショップの更新を担当している者は、とても使いやすいし、カートに入れた後の解析までできるので、これは便利だと言っていましたよ。

それは嬉しいお言葉です!でも、御社のような大きな会社さんが、すべて自社開発で行うということは考えられなかったんですか。スクリーンショット 2016-04-07 15.15.49笠原
新規事業ですし、余計なものにコストは使わず、スモールスタートしたかったんです。

というのも…うーん…クラリネはまだ、モラトリアムの中におりますので…。

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モラトリアム???スクリーンショット 2016-04-07 15.15.49笠原
僕たちの属しているウェブ関連の部署は、一つは、ビジネスとして、売上を上げるということが大切です。クラリネに限らず、社内のインターネット関連の運営や、ウェブショップで売上を上げることはそのひとつですね。

ただ、もうひとつは、新しいビジネスの芽を会社に提供するという役割があると考えていて。クラリネはその部分で、「新しいプラットフォーム」になるのではないかという期待感の中から許されている部分はあります。

今は大きな利益を生み出さなくても許されている、モラトリアムの時期ということですね。スクリーンショット 2016-04-07 15.15.49笠原
そうですね。まだ新しい事業への「チャレンジの時期」ですから、最初から大きなお金はかけたくなかったんです。

ウェブならいろんなものを繋げられる

そういった期待の中で運営されている「クラリネ」としては、雑誌とは違う使命を持たないといけないのかなと思うのですが。雑誌とウェブの違いはどういったところでしょうか。スクリーンショット 2016-04-07 15.16.47松山
ウェブは、ページ数の制限がないのが一番大きいですね。量も表現もウェブなら好きなだけ作ることができるというところが違います。

あとは、ウェブは雑誌よりもいろんなものを繋げられると思います。

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雑誌だと、ほしいなと思っても、すぐ遠くのお店まで買いには行けない。でも、ウェブならすぐ手に入るという意味で繋がるということもありますね。

もう一つは、商品の説明だけでなく、その商品が、どんな背景があってできあがって、さらにお客様の生活の中をどんなふうに変えるのかというところまで寄り添うことで、編集部とお客様との距離が近づいて繋がると思うんです。

リンネルの読者に、もっと近い距離で提案ができるとういことですね。スクリーンショット 2016-04-07 15.16.47松山
そうですね。更に言うと、リンネルは良い意味で他にない独自の世界をもっているというか、好きな人はすごく好きだけど、あまり興味が無い人もいると思うんです。

でも、紹介されている商品はどれも、本当に良い物が多くて。

ですから、リンネルの読者と距離を近づけるだけでなく、その良い物たちが、リンネルの読者層を超えて、もっと広がってほしいという気持ちもあります。

ほぼ日ストアはすごい…

スクリーンショット 2016-04-07 15.15.49笠原
雑誌はお金を出して買ってもらうものですが、ウェブは商品を買うまでの過程は課金はしているわけではないので、そういう意味で、どなたでも来ていただけるという強みはあるんですね。

ただ、何か目的をもってきてくれる人がいないかぎりは、ウェブはただの空間でしかないわけで。

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そういう意味では、「リンネル」ではなく、「クラリネ」自体をブランドとして高めて、売上をあげていかないとと、私の立場的には考えています。

そんなことはあってはいけないと思いますが、将来的に、雑誌がすべてなくなってしまったとしても、ウェブに生き残っていけば会社の資産は保たれますしね。

近年、ウェブ上には、たくさんのメディアが乱立しています。リンネルを参考にしているサイトも多いのかなと感じるのですが、うちのほうがここは強いぞ!などと思うことはありますか。スクリーンショット 2016-04-07 15.15.49笠原
強い弱いということを言っても仕方がないですね。

確かに似ているテイストのサイトは多いのかもしれないのですが、もしそれが万が一、リンネルが真似られているとしても、素敵なことじゃないかなとは思います。私たちが、真似ることもあるかもしれませんし。

ただ、もし真似られることがあるなら、リンネルの公式ネットショップのクラリネが、そこに負ける訳にはいかないよね、ということは当然ありますね。

実際に意識されているウェブメディアやネットショップはありますか。スクリーンショット 2016-04-07 15.15.49笠原
比べてもしかたがないとは思いますが、やっぱり「ほぼ日ストア」さんはすごいねという話にはなります。

とにかく、毎日更新を、とても長い期間、続けられている。お金であれ労力であれ、絶対明らかな負担になってくるはずなのに、続けられて結果を残されている。

ほぼ日ストアさんのようになりたいという気持ちはもちろんあります。

雑誌の強みはキャスティングと世界観

雑誌社としての強みはなんだとお考えですか。スクリーンショット 2016-04-07 15.15.49笠原
雑誌自体としては、ファッションやライフスタイルの提案だけでなく、医薬品や化粧品などのスポンサーがついてくれますから、そういう意味で多方面からの総合力はあると思います。

そこは、自社運営のネットショップで売上をあげる「クラリネ」では出来ない部分です。

雑誌社の強みとしては、キャスティング力ですね。たとえば、人気の料理研究家の方に、「週1更新でコンテンツをつくりましょう」というお話をすることも出来ますし、モデルさんとコラボした商品を作ることも出来ます。

雑誌の世界観の延長としてネットショップを作れるというのは、一つの強みですよね。

「クラリネ」へはリンネルの紙面からも誘導しているんですか。スクリーンショット 2016-04-07 15.16.47松山
毎月必ず誘導はしています。別注品*の制作過程や、スマホページヘの誘導ですとか。

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スマホから見られる方が多いんですか。スクリーンショット 2016-04-07 15.16.47松山
一番多い読者層が30代後半から40代前半なので、お子さんが小さかったり、お仕事が忙しかったり、みなさんパソコンでゆっくり何かを見る時間は少ないと思うです。

ですから、通勤時間でスマホで読んだりといったような事が多いようです。

信頼のためのコストは惜しまない

クラリネさんの写真は自社で撮られているんですか。スクリーンショット 2016-04-07 15.16.47松山
そうですね。私たちが撮っています。
スクリーンショット 2016-04-07 15.15.49笠原
正直、私の立場から言うと、もっと早く安く撮れないのかって思う時期はあったんですけどね。でも、ここまで運営してきて、それは無理だなと思いました。

例えば、お皿を売ろうと思った時に、お皿の写真だけ外注すればいいわけではなく、商品によって、いろんなシチュエーションを考えながら社内で撮影するのが一番クオリティがあがるんです。

そして、写真のクオリティが上がらないと、お客様の信用は勝ち取れないと思うんです。

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特集用の写真撮影の様子。試行錯誤を繰り返します。

商品に自信はあるのですが、その良さをお客様に信頼していただくためには、クオリティの高い写真がどうしても必要でした。

コストはとても掛かるんですが…まずはお客様に信頼してもらって、ファンになってもらわないといけないので、努力しています。

本気で売るために、やらなきゃいけないこと

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一つのお皿が、お客様の手に届いたときに、実際自分の生活にどう取り入れられるかっていうイメージを持ってもらうことが大切ですよね。

たとえば、いつもは一人で食事をしていた人が、「このお皿を使って、誰かと一緒に食事をしたいな」って思ってもらうですとか、誰かの生活を変えられるところまで提案していこうと。

雑誌よりも、もっと「一対一」でお客様と、会話ができるくらいの距離感と内容で商品を紹介しなくてはと考えていて。

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こうして撮影された写真は・・・

後日こちらのお弁当特集で公開されました。

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自分の生活の中でこう使おうと思ってもらうために、いろんなカットの写真を撮って、もっと価値をプラスしないと伝わらないんじゃないかなと思うんです。それがウェブならではの、できることかなと思っています。

編集部に任せれば絶対売れるものが作れる

先程からお話に出てきている「別注」というのは何ですか?スクリーンショット 2016-04-07 15.15.49笠原
「別注」というのは、ビジネスやファッション業界ではよく使われているんですが、例えば、クラリネのために、既成のワンピースの色を変えたり、生地を変えて100着ですとか、そこだけのオリジナルでつくってもらう限定版のことですね。

そこに、クラリネで人気のモデルさんや、クリエイターの方のご意見を入れたり、もう型紙から新しく作っちゃおうということもあります。そういうものは、コラボ商品と言ってもいいかとは思うのですが。
スクリーンショット 2016-04-07 15.16.47松山さん
月に2つの別注を出していて、もう売り切れてしまったものも多いんですが、半年で10〜12種類出しています。

一瞬で売れたのは、この菊池亜希子ちゃんと一緒につくった「またたびワンピ」というワンピースです。

うわ、かわいい。ん?け・・・っこう高いですね。

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そうなんですよ。菊池亜希子さんには、リンネルで旅に関するエッセイ連載していただいているので、その流れで、「しわしわになってもいい素材で、旅でも、どこにでも持っていけるワンピースがあったらいいよね」ということでこだわって作った商品です。

そこそこのお値段はするんですが、本当にすぐに売り切れてしまって。菊池亜希子さんは、リンネルではやっぱりとても人気がありますね。

なるほど。つまり、リンネルの読者さんが好きなモノだったり、好きな方たちとコラボしてより欲しくなるようなものにしたものにしたのが、別注ということですね。スクリーンショット 2016-04-07 15.16.47松山
編集部は、リンネルの読者が好きなモノを徹底的に研究していますから、お任せすれば絶対に売れるものがつくれるんです。

最初から世界観ができあがっている雑誌のウェブショップが持つ強みですね

ウェブなら商品を通して伝えられることがある

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最近は、せっかく、ウェブで色々な形で発信できるクラリネでの別注なんで、商品を売りながら、みんなに知ってもらいたいことを伝えられるようなものにしようという話も出てきていて。

たとえば、この平澤まりこ×Pekka×リンネル ショルダートートという商品なんですが。

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最初は、平澤まりこさんというイラストレーターさんとバッグを一緒に作りましょうということになったんです。

そこで、打ち合わせをしていくうちに、平澤さんが、保護犬を飼われていて、保護犬についてもっとみんなに知ってもらいたいという気持ちを持たれている方だったので、そのメッセージをバッグ製作の過程を伝える中で、出していこうよという話になったんです。

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それで、「MANY DOGS THANK FOR YOUR HUG」と書かれているんですね。商品をみただけでは、ただのかわいいバッグだ!と思いましたが、記事を読むと、すごく思いが伝わりますね。

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雑誌に比べ、量や表現に制限の少ないウェブなら、伝えたい事があって、それをデザインにしていくという過程を細かく説明できるんです。

そして、商品そのものについて詳しく書いてあるページは別にあったりして、一つの商品で、いろんな表現ができるのは、ウェブの強みですよね。

そして、こういう素敵な方と一緒に商品を作れるのは、やっぱりクラリネさんの強みですね。 スクリーンショット 2016-04-07 15.15.49笠原
でも実は、平澤さんは、リンネルでは星占いなどのイラストを担当してくださっている方なので、保護犬のお話や、熱い思いをお持ちの方ということは、製作を進めるまで私たちも全く把握していなかったんですよ。

その素敵な偶然がコンテンツにできたわけですね。雑誌社ならではの人脈でこれからも面白いストーリーがたくさん生まれそうですね。スクリーンショット 2016-04-07 15.16.47松山
モデルさん、イラストレーターさん、作家さんと、リンネルにご協力頂いている方は多いので、これからもそういった方たちと一緒に魅力的な商品を「クラリネ」で発信していけたらいいなと思っています。
スクリーンショット 2016-04-07 15.15.49笠原
それをウェブならではの、様々な形で紹介していきたいですね。

これからの展開がとても楽しみです。今日はありがとうございました!

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