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東京・浅草にお店をもつ「チェドックザッカストア」さん。チェコの雑貨や絵本を中心に東欧のアイテムを取り扱うショップは、今年でなんと開店から11年目。ネットショップも10年使っている老舗のショップさんです。そんなチェドックさんですが、実店舗は、かなり変わった場所にあります。理由を聞いてみると「お店に訪れる人のほとんどがネットショップやWEBサイト経由」とのこと!驚きの戦略やショップ立ち上げの経緯など、店長の谷岡さんに、詳しくお伺いしました。
開店はいつですか?
2004年、神戸でオープンしました。2009年に東京・馬喰町にもお店を開いて、2010年からは東京に完全移転。2013年には浅草へ引っ越して、今に至ります。
チェコ雑貨のお店を始めたきっかけはなんでしょう。
最初チェコだけに特化した店をやるつもりはなくて。もちろん興味はあったんですけど。
では「チェコ」ではなく「雑貨店」に興味があったかんじですか。
どちらかというとそうです。もともとセレクト雑貨が好きだったので「こういうのだったら自分でもできそうかな」と思って軽い気持ちで始めました。
谷岡さんは、それまで何されてたんですか?
僕、それまでは関係ない仕事で普通にサラリーマンしてたんですよ。もうすぐ30歳だなと思ってなんかやるんならいい時期かなと思って決めた、年齢的な理由もあります。
それまで買い付けとかはされたり?
全然ないです。仕事で海外へ行くってこともなかったです。
最初に海外へ買い付けに行った国は?
2004年の1月に物件を神戸で借りて、すぐに買い付けに行きました。1カ月くらい。回ったのはフランスとオランダとドイツとチェコ。他の3つと違ってチェコはどこを見ても見たことないものばっかりなんですよ!本当におもしろい。
それですっかりチェコに魅了されてしまった訳ですね!
雑貨のほかに絵本も展開されていますが。
商売的に言うと、絵本が最初に「当たったモノ」です。
絵本は、どんな人が買われていきますか。
絵本はチェコ好きじゃない方にも売れていきますね。絵本自体のコレクターが結構いるんで、僕がまったく知らないようなモノが売れたりします。
絵本はどんな基準で選んでいるのですか?
チェコ語はそんな読めないんですけど「これを絵の代わりに棚に飾ったらかわいいかな?」とかそういう基準で選んでますね。
じゃあチェコの文化を知ってもらいたい!みたいな想いが大きいというわけでは?
そういうのではないですね。この棚の並べ方も作家じゃなくて、イラストレーターで分けてます。
買い手としても、絵で選びやすくなってますね!
そうそう。それから、無茶苦茶な値段のつけ方はしないようにしてます。「今これ売れるから高くして儲けよう」みたいなことはしません。
どうやって買い集めているんですか?
チェコの古本屋さんを回って買い集めています。最初は大きいところで買っていましたが、今はその店舗で仲良くなった人たちが首都プラハから離れた地元で古書店を開いてるので、そういったところを回って買い集めています。年2〜3回買い付けに行きます。
実店舗からスタートして、ネットショップを始めた理由を教えてください。
カラーミーショップっていつ頃からやってましたっけ?
えーっと、2005年です。
ああ、じゃあもうドンピシャだ。そのときから使ってます。
おおお!! ありがとうございます!
神戸でお店をやっていた頃、関東から買いに来てくれるお客さんが多くて。ネットショップやるなら本を売るのが良さそうだと思って、カラーミーショップを選んだんですよ。
ずっと使ってくださってありがたいです。
当時はCGIとかいろいろあったと思いますけど、カラーミーショップが破格ですごいもの出してきたから、僕これしかないと思って。
とても嬉しいです。実際、本は売れましたか?
めちゃめちゃ売れましたね。結局、神戸でやってたお店を東京に移ってやるようになったのも、ネットショップの注文の8〜9割が関東圏からだったのが理由なんですよ。
おお。
そうなってくると、もう実際に店をこっち(東京)に移した方が商売的にうまくいくかなと思って。
それにしても今の建物、すごく変わった場所にありますよね。
そうそう。実はうちのお店ってちょっと特殊で通りすがりの人を相手にしていないんですよね。
といいますと?
最近はイベントで作家さんの展示もしてるので、通りすがりの人もコミットするようになってきたんですけど。
ふむふむ。
もともとは、ネットショップを見てる人が実際に商品を見てから買いたいとか、WEBで情報をみつけてわざわざ来てくれる人がほとんどなので、正直場所はどこでもよかったんです。
ーーー 最近でこそネットありきで実店舗を作る人も多いと思いますが、早い段階で踏み切ってるのがスゴイです。
ネットショップの役割はどんなふうにとらえていますか?
もちろんネットショップで売れればいいんですけど、なんていうかな。ヴィンテージや作家モノとか扱っていると1個売れると、それで終わりじゃないですか。
はい。
でも次に買い付けに行った時に同じようなものが手に入ったとしても、微妙に色が違ったり、カタチが違ったりとかで、もう一回写真取り直してあげなおす手間がかかるんです。
ただ逆の発想で、1点モノが多くて何度も商品情報を更新するということは、売り切れたとしてもこの店でどういうものを扱っているかっていうのが、ネットショップにどんどん溜まっていくので、過去のSOLDOUTを見て「ああこの店こういうテイストのものがあるんだな」っていうのを、見込みのお客さんに伝えられるんです。
なるほど!!
ネットショップがギャラリーみたいになるというか。実際、売り切れの商品を見て、お店に足を運んでもらえたってケースが結構多くて。
そういうケースもあるんですね。
今でも多いですよ。あとはネットショップにアップしてもネットショップで買わず、直接お店に来て「こないだアップされてたあれってありますか?」ってことが結構多いです。
チェコの絵本・雑貨の競合店ってあるんですか?
うーん、ないですね。たぶんね、買い付けがむずかしんですよ。チェコって。
といいますと?
例えば絵本に関していうと、イギリスとかフランスとか児童書専門の古書店があったりするんですけど、チェコってそういうのが無いんですよ。
なぜでしょう…?
チェコって古い絵本を集めて商売する考えがないみたいで、だからいろんなところ回らないといいものがみつからない。日本人の趣味に合うような60〜80年代のモノとか、まだみんな使ってるんですよね。
チェコの方は、古いものを大切にされるんですね。
最近になってようやく蚤の市とか増えてきたんですけど、意外とまだ使っていて。だから友だちのおばあちゃんちに行って、食器棚に置いてあるやつ「これ売ってくれ!」って頼んだりもあります。
それくらい努力して探し回らないと買い集められないと。
そうです、うちみたいにかわいい雑貨が街のお店にまとまってあると思ったら間違いなんです、チェコって。(笑)
TwitterとInstagramそれぞれチェドックさんでは2つずつアカウントを持ってますね。
そうそう。俺が更新しているやつとスタッフにおまかせしているやつね。
SNSでの成功談・失敗談なんかありますか?
あ〜。俺のほうのアカウントで買い付けの中継とかやるとね、めっっっちゃ売り上げ下がるんですよ。
えっ、なんでですか。
今買い付けに行ってるからいいものがくるんだろうな〜と思ってくれてるんですよね。
なるほど!
でもそんなワケないんですよ。僕、5年前くらいに買ったモノとかでもダンボール入れたまま放置してたりするんで!(笑)
出しましょうよ!!!!!!
そうなんですよ。ま。でもそんなこと言っても誰も信じてくれないんで、最近はもうあんまり派手に今日はどこどこの街にいますとか言わないようにしてますね。
ファンの方は熱心にSNS見てくれてるんですね。
そうすね。もうちょいがんばろうとは思ってます。あんまり使ってないんで。
チェコに関係ないことも積極的に出すようにしていますね。
うん。どういうことやってる人かわかるほうがいいかなーと思ってて、意図的にパーソナリティを出すようにしてたら、境目がわからなくなったというのもあるんですけど。
チェコと関係ないことをツイートしたことでファンが離れていったことはないんですか?
あるあるあるあるある。(笑)
ファンの数とかは気にされてるんですか?
うーん。Instagramにも言えるんですけど、あんまり気にしないっすね。フォロワー数とかあんまり気にしてないです。もちろん、ファンでいてくれる人は大切にしたいですけど。増やすためになんかがんばったりはしてないですね。
今年の目標は?
今2階が倉庫で4階は使ってないんですけど、2階を改装して家具の展示販売にして1〜3階をゆったり見れるようにしたいなと思ってます。
実店舗に訪れる方がますます増えそうですね。
あと、7月に本が出るんですよ。2008年に出してる本(写真下)と同じ出版社さんから、今度は家具とか雑貨とかカルチャー、デザインとか全般の話をいろいろまとめて出そうかと。実は今、原稿の締め切りがやばくて。
いつなんですか?
いや、もうね過ぎてるんですよ!ヤバくて。笑 3分の1くらいしか書いてなくて。
えええええええ!!!
ガハハハ。もともと声かけてもらってて、2冊目だしたいねって。でもなかなか実現しなくって。いや、僕がサボってただけなんですけど。重い腰を上げて、ついに。
楽しみにしているのでがんばって書いてください!
はい、がんばります!(笑)
登録時間はたった3分