ジジの活動は変化させながら、88歳までずーっと続けていくつもりです。

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ー 野口さんの名刺には「コラージュ作家」とありますね。

あ。そうなんです。コラージュ作家をしながら、ジジを切り盛りしています。このショップカードにある絵のもとになった作品は、わたしが作ったものです。ある書籍で、「アーティストが旅行先から持ち帰ってきたもの」みたいなテーマだったかな。山にでかけたときに持ち帰ってきた木の実やお豆なんかを、お道具箱に詰めたコラージュBOXを作ったんです。

ー コラージュ!写真の切り貼りを想像していましたが、もっと自由なんですね。

そうなんです!もともとコラージュはフランス語で「糊付け」という意味があり、いろいろな要素を組み合わせて1つのイメージにしていくという事なのですが、モノ同士を組み合わせるのもそうですが、モノと人と場所と時間と…いろんなものを組み合わせて空間を作るのもコラージュみたいですよね。ggの実店舗や作品のセレクトも、コラージュに近いかも。

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ー たしかに、ジジのイメージもコラージュっぽいというか…。そういえば作品は、どんなふうにセレクトされているんですか。

「かわいいな」「かっこいいな」「おもしろいな」みたいに直感の印象を大切に選ぶ場合と、作家さんの背景や人柄に惚れて選ぶ場合があります。あとから「ggらしいね」と言われる事が多いです。人から言われて、そうかと気づきますね。でも、ggっぽさってなんだろう?と考えてみると… ふだん組み合わせをしないものをミックスした時に感じる面白さなのかなと思います。

ー このお人形なんか、まさに「ggっぽい」!

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ありがとうございます(笑)。人形は、「ema.」さんという作家さんのもので、いろんな布を使っているのもそうですし、顔や手部分はシルクスクリーンで刷られていて1つ1つ違う1点ものなんですよ。このアクセサリーも「umloo」さんという作家さんのものでハンドメイドの1点ものです。デットストック等のチャームやパーツを組み合わせて写真などを1つ1つ樹脂を流し込んでハンドメイドしていたり、組み合わせが面白い作家さんなんです。

ー そういう背景を知ると、より欲しくなっちゃいます。

そうですよね。これからは、作家さんの物作りに対する想いや背景をインタビューして、読み物を作りたくて。ネットショップでも、もっとお客さんが作家さんの想いを感じとれるようにしたいんです。

ー 他に何か力をいれたいことはありますか。

売買だけじゃない、お客さんと一緒に楽しむ場所や機会をつくりたいなと思っています。あ、大層なことではなくて….しりとりみたいなカンタンなゲームをするとかでいいんです(笑)。以前に、写真をつかってしりとりをするワークショップや、ペンキを塗ってオリジナルのcafeボードをつくるDIYのワークショップなどをしたりしていました。最近では、清澄白河にできた友人のカフェ「ヒキダシカフェ」でggプロデュースの料理教室「料理のヒキダシ」というシリーズもスタートしたんです。この教室は、レシピを習う他に、料理のデコレーションの仕方や手土産(差し入れ)のラッピングのコツなども盛り込んでいく予定です。

ー そんなユニークなワークショップもされているんですね。

はい!つい最近では、台湾でもワークショップやイベントもしてきました。ggは、今回で5回目になる「gg Lock Art Festival」というアートイベントをいろいろな場所で開催しています。

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過去には横浜、長野、スウェーデン、沖縄と色々な場所でアーティストを紹介する展示やライブパフォーマンス、現地の方達との交流イベント等をしてきました。イベント会場でいろんな人が関わって、どんどん繋がって、広がって….場所や国にかかわらずいつもは組合わさらない人や要素が絡み合うのがggらしさなのかもしれませんね。

ー お店にとどまらないところが、自由でggらしいです。

とどまらないといえば、実はいまジジとは別に「BaBa(ババ)」という活動もやっていて。ネーミングは完全にシャレからスタートしたんですけど。「ジジがあるなら、ババっていうお年寄りが孫と一緒に来れるお店ができたらいいね。」と、昔から小山と二人で話していたんです。

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ババでは、長野県長野市中条の山奥に相方・小山のおばあちゃん家があって、中条の人たちと若い人たちをつなぐ活動を徐々にしています。

ー ババでは具体的にはどんな活動をされているんですか?

イベントとかもするのですが、村のお祭りを手伝ってほしいと頼まれてうどんを捏ねたり、おやきを200個作ったり軽トラの荷台に出張ggshopをOPENしてみたり…おもしろいでしょう、こういうこともやっているんです(笑)。11月にもお祭りのお手伝いに行くんですけど、大きなしめ縄を地元のお爺ちゃんたちが締め直すお祭りなんです。もうすぐ100歳になるお爺ちゃんたちがよいしょ、よいしょって。わたしたちは何をするかと言うと、しめ縄のピンピン立っているヒゲを切る係なんです(笑)。

ー そんなお手伝いも!

でもこういう事って、みんな知らないじゃないですか。たぶん、わたしたちの近所の神社にも伝統行事ってあるはずなんですけど、知らないんですよね。どんどん廃れていってる。小さくてもいいから、せっかく出逢ったご縁なのでちょっとでも長く続くように手伝いたいんです。こういう活動が「ババ」なんです。

ー ジジとはまた違った活動ですね。

そうですね。ババは山でお爺ちゃんお婆ちゃんと一緒につくる活動で、ジジはアーティストと一緒につくる活動。ものづくりという意味では、どちらも同じことですよね。ババはお年寄りの方を通して、昔ながらの暮らしや自然の大切さを自分たちも含め、皆に広げていきたくて。一方で、ジジは、ものづくりの楽しさや、アーティストの紹介を、88歳までずーっとやっていきたいんです。

ー 88歳!

そう、「gg(※小文字のgが数字の8に見える)」だから「88」!女性は結婚や出産もあって、人生の大きな変化が何回かありますよね。でもそういうときでも、ジジの活動を相方の小山と一緒に続けていきたくて。しかも、そういう変化があるからこそ、活動や周りにあたえる影響に変化が生まれておもしろいと思うんです。

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ー 最後に…野口さんにとってネットショップとは?

うーん、ネットショップというか…、ジジは人生と一緒に変化しながら小さな幸せを届けるプロジェクト。なので、ネットショップはみなさんとつながる場所ですね。