お客さんと近い距離で繋がり続ける「庖丁工房タダフサ」のFacebook・Instagram活用法

このエントリーをはてなブックマークに追加

庖丁工房タダフサ 大澤 真輝さん・上木 由香さん インタビュー

新潟県三条市にある「庖丁工房タダフサ」さん。「カラーミーショップ大賞2017」では、メディア掲載実績や定期的な情報発信・イベント運営による地域活性化の取り組みなどが評価され「地域賞」を獲得しました。今回は、そんなタダフサさんのSNS活用法を中心に詳しく伺います。

1000種類の庖丁から7種類まで絞る「わかりやすさ」を追求したブランド

家庭用庖丁ブランド「庖丁工房タダフサ」はどのようにして生まれたんでしょう。

大澤さん: タダフサは1948年に創業してから1,000種類以上の庖丁を卸売していたんですが、その多くが漁業用でした。2011年に震災の影響で北海道・東北のお客さんからの注文が途絶えてしまい、それを機にビジネスを見直し始めました。

実際に売上分析をしてみると10万円以上売れている庖丁は全体の2割にあたる100種類くらいで、それで思い切って70種類に絞り、それらをカタログ掲載する受注生産スタイルに変更しました。

6年前に新しい家庭用庖丁ブランドとして「庖丁工房タダフサ」を起ち上げたのですが、おかげさまで好評をいただいてます。

どんなところがヒットの要因だったんでしょう?

このブランドは“基本の3本、次の1本”をコンセプトに7本の庖丁で構成しているんですけれども、その7本についてはわかりやすく「これさえあれば大丈夫」というものを選んでいます。 とにかくたくさんあって複雑な本格庖丁をシンプルに選びやすくすることで、もともとの質の高さが際立ちたくさんの方に受け入れていただけたのかなと思います。

テレビで紹介されて3年待ち「パン切り庖丁」人気の秘密

雑誌・テレビをはじめ多くのメディアで紹介されていますが、何か特別なプロモーション活動などなさっていますか。

上木さん: ほとんどはメディアさんからお声かけいただいたことで実現したものになります。プレスリリースなども6年前に「庖丁工房タダフサ」を発表して以来、とくに出していません。

タダフサの庖丁をフードスタイリストさんたちが私物として愛用してくれているケースが多いようで、そういったきっかけで掲載してくれることがありますね。

庖丁のなかでも特に「パン切り庖丁」が人気とお伺いしましたが…

テレビ番組で、マツコ・デラックスさんが紹介してくださってそれで一気に3年待ちぐらいの注文をいただいたんです。

他のメーカーさんの「パン切り庖丁」とどこが大きく違うんでしょう。

大澤さん: 一般的なパン切り庖丁は素材はオールステンレス製でノコギリ型の形状をしていますが、タダフサのパン切りは鋼で刃をつくっているので三徳庖丁などと同じ鋭い切れ味なんです。

先端についているギザギザできっかけを作ったら、あとはスッと下ろすだけでなめらかにパンをカットできます。

なるほど。見た目だけでなく素材も大きく異なるから性能が違うんですね。

上木さん: こういった特徴は言葉では伝わりづらいので、Instagramなどの動画を使って伝える努力をしています。

お客さんと近い距離を保ち続けるツールとしてのSNS

ネットショップはどういったきっかけでスタートされたんですか?

上木さん: 全国からお客さんが工場に訪れるようになって、2年前に工場に併設するかたちでファクトリーショップをオープンさせたんですね。そういったショップに来てくださった方やメディアでタダフサを知ってくれた方が全国どこにいても買えるようにするため、ネットショップを起ち上げました。

ネットショップの運営はどなたが担当されているんですか。

大澤さん: 僕たち2人がメインでやってます。

SNSも?

そうですね。SNSはFacebookInstagramで役割分担しています。僕がFacebookを担当していて上木さんがInstagramの担当。

発信する情報の内容は同じですか。

大澤さん: Facebookのほうは会社や商品、イベントの情報のほかにも燕三条の町に関する情報とかパンの話題とか幅広く情報発信しています。

上木さん: Instagramはとにかく女性のお客さんに刺さるものを意識しています。自分たちよりもお客さんのほうがInstagramを上手に活用されているのでRepostもしています。

FacebookとInstagram、共通して行っていることはありますか?

上木さん: 検索して似たようなものに関心を持っていそうな人をフォローすることはやっていますね。

大澤さん: それからお店に来てくださる方へ積極的に「SNSに載せてもいいですか?」と聞いています。

Facebookで【ご来店アルバム】と称して「こんな方が来られました!」って紹介させていただくと、お客さんにとってはちょっとした思い出になりますし、ファンづくりのポイントになるのではないかなと考えています。

お客さんも喜んでくださるし、ブランドを印象付けられますね。

SNSはタダフサを知ってもらうための側面もありますが、興味を持ってくださった方とのつながりを深めたり繋がり続ける役割もあると考えています、例えばうちのサービスの一つで「研ぎ直し」をやっているんですけど、「庖丁が切れなくなったな」と思ったとき、SNSで繋がっていて僕らの存在が近ければ注文なり相談なりしてくれるはずなので。そのためにも常に距離の近さを保っておきたいなと思ってます。

気軽な相談相手になれる距離感を作るのにSNSを役立てているんですね。

1つの側面にとらわれない、会社・サービス全体のブランドイメージ形成

これからネットを活用してやっていきたいことはありますか。

大澤さん: 「庖丁工房タダフサ」が人気になった一方で、会社全体でいえばもっとマニアックな庖丁も作っていること・歴史があること・高い技術力を持っていることを伝えきれていないもどかしさがあるので、そこを解決していきたいです。

上木さん: 今は「パン切り庖丁」を中心にしたおしゃれなブランドのイメージに少し偏っている気がするので、もうちょっと鍛冶屋らしさみたいなものを出せたら違うかなと思います。

具体的にやっていきたい施策はありますか。

たとえば庖丁自体だけでなく、「研ぎ直し」のサービスにも目を向けていただくために、もっと動画コンテンツを充実させたり、研ぐことに関するアイテムを増やしたり、ワークショップを開いたり。ひとつのシリーズ・庖丁自体のブランディングだけでなく、会社全体やサービスのブランディングに挑戦していきたいですね。

現状のプロモーションや成果に満足することなく、自分たちの持っている強みや特色をWebサイトに反映させていく姿勢、とても勉強になります。今日は貴重なお話をありがとうございました!