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書遊さんのある奈良県は、筆や墨などが伝統工芸品として有名だそうですね。
はい。実は私どもも江戸時代から続いた製墨業を前身としています。
現在は書道用品を中心に、日本画に用いる画材や、書道作品を掛軸などに仕立てる表装の用品など、書道文化にまつわるアイテムを幅広く扱っております。
ネットショップを立ち上げたのはいつ頃のことでしたか。
ネットショップの開店は2005年です。
主に実店舗で販売をしながら片手間での運営だったのですが、2016年にカラーミーショップに引っ越す形でリニューアルオープンいたしました。
当時のネットショップ(拡大画像はこちら)
リニューアルを決めたのはなぜでしょう?
やはり時代の流れが一番の理由でした。
今やあらゆる業界でネット販売が主流になりつつありますから、私たちも時勢に合わせていかねばなりません。
リニューアルにあたってはWeb専門部署を新設し、担当スタッフを増員しました。
EC運営は未経験の者ばかりでしたが、撮影や企画などそれぞれの得意分野を生かしてリニューアル作業に取りかかりました。
サイトリニューアルにまず欠かせないのは やはりコンセプトの定義です。書遊さんでは どんなコンセプトを打ち出しましたか?
私たちの場合、リニューアルコンセプトは “書を楽しむこと” です。
書道をしている人はもちろん、今まで書道にあまり縁のなかった方にも「挑戦してみよう!」と思っていただけるような、見て楽しいネットショップ作りを目標としました。
具体的には、どういった点を刷新していきましたか?
以前のネットショップは、商品がただ並んでいるだけという簡素な作りでした。おそらくお客さま側からしても、新たな発見の機会は少なかったのではないでしょうか。
そこで、リニューアルにあたっては、サイトコンテンツに動きをつける取り組みを行いました。
動き、ですか。
たとえば、訪問者の興味をそそる読み物コンテンツの掲載。サイトを訪れるたびに新たな発見ができるよう工夫しました。また商品レビューを募ることで、お客さまの側からサイトに参加していただける仕組みも作りました。
ただモノを販売するだけでなく、お客さまに「この道具を通じてどんな体験ができるか?」という楽しいイメージを膨らませていただくことを重視しています。
なるほど…!「書道」といえば緊張感のあるお稽古事というイメージだったので、書遊Onlineの優雅で親しみやすい雰囲気には私たちも驚きました。
リニューアルオープンまでを思い返してみて、特に苦労したのはどんな点でしたか?
そうですね…一番は商品写真をすべて撮りなおしたことでしょうか。
以前は最低限の視覚情報だけを載せていたのですが、新たに写真撮影室を設けて魅力的な商品イメージづくりに力を入れました。
書遊さんは商品数がかなり多いようですが、やはり撮影にも時間を要したのでは…?
リニューアルに向けて商品数を約2500点ほどそろえましたので、画像加工なども含めれば相当の時間を割いたように思います。
2500点…! 書道用品ならではの苦労や工夫などありましたら教えてください。
筆や紙などは大多数の方が「手に取って選びたい」と考える商品です。
情報を濃密に伝えられるのがWebの利点ですが、書き味などの感覚を知ることは困難なのでいかにわかりやすく伝えるか?という点では非常に苦労しましたね。
特にわかりにくい商品…たとえば書道紙の場合は、初心者が判別しにくい特徴を図でわかりやすく分類したり、商品詳細ページでは動画の掲載にも挑戦しました。
おおっ、これならどんな方でも選びやすいですね!
ショップサイトのコラムは普段どういった運用で更新していますか?
現在は、企画・執筆が得意なスタッフと、撮影が得意なスタッフの2名体制です。
制作にあたり、普段心がけている点などありましたら教えてください。
コラムの執筆には やはり書道の専門知識が不可欠ですので、社内でも知識豊富な者にいろいろと細かく取材しながら記事を仕上げています。
一方、撮影担当は今までの書道のイメージを一新できる撮影方法を日夜研究しています。
お客さまはどういうことが知りたいのか? どんな記事があったら楽しんでいただけるのか? と試行錯誤し、反響をいただけたときは非常に嬉しいですね!
リニューアル前と比べて、売れ行きに変化はありましたか?
おかげさまで売上は順調に伸びてきています。
お客さまのニーズや動向を意識しない従来の商品展開を改め、現在は実店舗での調査やキーワード検索数の分析結果を取り入れ「お買い物のしやすさ」を追求しています。
また、以前は銀行振込か代引での決済のみでしたが、お客さまからの強いご要望にお応えしクレジットカード決済を導入しました。導入前と比較して少額注文も入るようになり、より気軽にご注文いただけるようになったと実感しています。
実店舗とネットショップ、相互送客の効果は感じますか?
そうですね、リニューアル後は自然と相互送客の流れが生まれているようです。
これまで店頭でお買い上げいただいていたお客さまも、半紙や画仙紙など重くて持ち運びづらい商品をネットショップで購入してくださるようになりました。一方ネット通販が苦手な方は、ネットショップを見ながら店頭に電話注文をしてくださることも多いです。
ネットショップの品揃えをさらに豊富にし、お客さまが何を求めているのか細かく分析できるようになれば、いずれは実店舗の売場にも反映できるようになると考えています。
井上さんが考える、他店に負けないポイントはどんなところでしょうか。
いろいろありますが…最も負けたくないのはどれだけ丁寧になれるか、の一点ですね。
これは技術や手法の話ではないので ある意味 誰にでも務まることかもしれません。それでも、かゆい部分に手が届くようなサービスは常にお客さま第一であり続けないと実現できない。販売業を続ける限りは、これが永遠のテーマではないでしょうか。
ネットショップでも丁寧な接客を極めていきたいですか。
はい。当たり前のことを当たり前にできている、それが一番の目標です。
商品提案からお客さま対応、商品梱包から発送、サービス展開…「こんなものがあればいいな」というご要望には確実にお応えできる私たちでありたいですね。
それから…2017年夏には「うちわコンテスト」を開催しましたが、こういったお客さま参加型のコンテンツは 今後もどんどん実施できればと思います。
書道の世界にはリアルの教室や展覧会などがありますが、Webだからこそ取り組めるものも必ずあるはず。それを私たちなりに深く掘り下げていきたいです。
ネットショップを通じて、書道業界全体をさらに盛り上げていけるといいですね!
はい! Web上でなら国境の壁なども簡単に超えられますからね。
たとえば、全世界の方が参加できる書道コンテンツなんていうのも楽しそうですし…業界全体の視野拡張や、書道の新たな魅力の発見に寄与できれば嬉しいです。
今日は貴重なお話をありがとうございました!
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