売り方・見せ方にこだわる音楽レーベル。残響レコード河野社長

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ショップインタビュー第4弾 残響レコード

ショップインタビュー第4弾
残響レコード

ショップインタビュー第4弾 残響レコード

「9mm Parabellum Bullet」や「cinema staff」を輩出した日本の音楽シーンを代表するインディーズレーベル、残響レコード。代表の河野章宏さんに、音楽のこと、そして自社運営されているネットショップ「残響record ONLINE SHOP」のことを伺ってきました!

バンドマンが経営するレコード会社

残響レコードは僕が立ち上げたレコード会社で、いい音楽なのになかなか表舞台に出られないアーティストを輩出するレーベルとして運営しています。

現在36組のアーティストが所属していますが、「残響ショップ」という僕たちが自社で運営している店舗に直接デモCDを持ってくる新人アーティストを発掘したり、たくさん送られてくるデモCDを聴いて実際にライブハウスに行って発掘することも多いです。

基本的には騒がれているアーティストには興味が無くて、普通に活動してたら人気が出そうにないアーティストとか、音楽的にちょっとマニアックなアーティストを採用してます。

凄く売れそうとか、すでに人気があるアーティストっていうのは、他のレコード会社で売り出せば大きくなる可能性がありますけど、「これは僕らが一生懸命売り出さないと大きくなることはないだろう」と思うようなアーティストを採用するようにしています。

2004年に残響レコードを立ち上げて以来、te’のギタリストと経営者という2つの顔を持っている河野さん。

渋谷で自社運営している「残響SHOP」の店舗内。多くの音楽ファンが訪れる。

残響レコードが全国から発掘してきたアーティストの楽曲が試聴・購入できる。

実は僕自身が所属アーティストの「te’(テ)」というバンドのメンバーなんです。僕がバンドマンであることで、バンドマンがどうすれば安心して活動ができるか、喜んでくれるか、周りの考えを押しつけられず成長できるかっていうことを考えてあげられるんですよね。バンドマンとして、レコード会社にこういうことはやってほしくない、言われたくないって思うことは、全部排除して経営しています。そういう目線を持った会社だっていうのが、うちの武器なんじゃないかと思ってます。

自分たちが望む売り方をするために自社運営

音楽業界ではCDが売れなくなったって言われてもう随分たちますけど、僕らのところではCD売上がガンガン伸びてるんですよ。だからたぶん音楽の伝え方とか売り方が、世の中の流れ的に間違っているか時代にあっていないってことなんじゃないかと思ってるんです。

たとえばうちに所属してる「People In The Box」はメジャーレーベルでCDを出しているバンドなのに、あえて残響レコード直販でのみ入手できる実験的な手法で販売してるCDがあるんですよ。ライブ会場と残響の店舗とネットショップでしか売ってないCDです。実際このCDはメジャーで出したものと同じくらいのセールスがあります。

ほかにも僕たちの店舗で売り上げがめちゃくちゃ伸びた販売手法があって、「ブラインド販売」って呼んでるんですけど、試聴コーナーにジャケットもない、ラベルもないCDを置いておいて、アーティストもタイトルもわからない状態で聴いてもらうんですよ。音だけ聴いて買うか買わないか判断してもらうんです。

実店舗の運営と並行してネットショップの作業もおこなっている。レジ奥には商品が詰まれている。

残響レコード所属の「People In The Box」。独特な世界観が魅力の実力派バンド。

ブラインド販売用の試聴コーナー。斬新な手法で大きく売り上げを伸ばした。

音楽なんて、聴きたいなって思った時にダウンロードすればすぐに手に入ってしまうじゃないですか。でも、人は本来、心を動かされないと物は買わない。だからアーティストの活動や新しい販売手法を通して人の心を動かすアイデアを考えながらやっています。

こういう売り方は大手のCDショップではやらせてもらえないんですよね。だから僕たちが望む売り方ができるように自社店舗も持ってますし、ネットショップも外部委託せずに自社で運営してるんです。

“あー、ここで買いたいな”と思ってもらえるショップに

ネットショップを自社運営することにした理由は最初は単純にコスト削減でした。でも僕たちにはこうしたいっていうネットショップの形があって、お客さん目線で買いやすかったり、「あー、ここで買いたいな」って思ってもらえるようなデザインにしたかったんですよね。

僕の友人にカラーミーショップに詳しいデザイナーがいるので、彼に「カラーミー使ってるんだったらもっとこういうふうにやるといいよ」ってアドバイスをもらって、商品がすごくたくさん並んでいて購買意欲が高まるデザインにしました。
カラーミーショップはデザイン面を自由にいじれるから、いい感じです。デザインを制限されるものが多いじゃないですか、普通のネットショップサービスって。

近々ダウンロード販売を始めたいなあと思っていて、そうなるとコンテンツが増えるだろうってことでスタンダードプランからギガプランにプラン変更しました。今は会社サイトと店舗サイト、ネットショップサイトがそれぞれ違うサイトとして独立してるんですけど、それを全部1つにまとめて、カラーミーショップを使ってウェブでの展開を強くしようと思ってます。

ウェブで音楽好きが楽しめる場を作りたい

ウェブではやりたいことがまだまだあって、今作ってる途中なんですが「クラウド型フェス」っていうテーマで、音楽を聴く人たちがウェブ上でも集まって楽しめるような場所を作りたいんです。今のネットには音楽好きの10代・20代の若い人が集まれるサイトってあんまり存在してないから。

あとは、うちと同じようなものを扱ってるネットショップと一緒に人集めができたら面白そうだなと思います。僕の知り合いのカクバリズムっていうインディーズレーベルがあるんですけど、そこのショップ見てる人はうちのショップにも興味を持ってくれるでしょうし。店単位で考えるんじゃなくて、横のつながりを強くして音楽好きを集めて一つのムーブメントにできれば、単純に楽しいじゃないですか。そんな風に展開していければいいですね。

カラーミーショップは何点?オーナー通信簿

── 最後に、ユーザー歴6年の残響レコード河野さんに、カラーミーショップを採点していただきました。

90点です。デザインの自由度が高いところ、決済方法が色々選べるところがいいところ。あとは、決済サービス経由でお客様の入金が完了したら『入金完了メール』をシステム側で自動送信してもらえるようになるとうれしいなと。細かいところですけど、土日や深夜でもお客様にすぐメールが届けられれば安心してもらえますから。

店舗情報

  • 店  名ZANKYO SHOP TOKYO
  • 郵便番号〒150-0041
  • 住  所東京都渋谷区神南1-14-1コーポナポリ1F
  • 電  話03-6427-0604
  • 営業時間12:00~20:00
  • 定 休 日毎週月曜日

ネットショップ

※なお本記事公開時点では「ギガプラン」「スタンダードプラン」という名称になっておりますが、2017年時点でこちらのプラン名は「レギュラープラン」「スモールプラン」となっております。ご注意くださいませ。新プランの料金表はこちら