老舗「酔仙酒造」ネットショップ・震災を乗り越えて~銘酒”雪っこ”への想い~

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震災で失ったものと失わなかったもの
70年の歴史を誇る「酔仙酒造」ご紹介

–私たちは震災により、7名の大切な従業員を失いました。また、建物や設備など形ある物も全て失いました。しかし失わなかったものもあります。それは、歴史です。取り戻しつつある日常と、それらを残したい、繋ぎたいと思う意志が今の私たちを支えています–
歴史、震災、未来への想い-酔仙酒造HPより

 

本日は、2011年3月11日の震災後、わずか半年で新しいお酒の醸造を始め、被災者の方々に希望を与えている「酔仙酒造」さんのご紹介です。

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岩手県陸前高田市にある「酔仙酒造」は2007、08年、全国新酒鑑評会で金賞を受賞した「酔仙」を主力の銘柄とし、日本酒だけで年間約100万リットルを出荷している老舗酒造会社です。2011年3月11日の震災で、大きな被害を受けた陸前高田市。海に近い酔仙酒造も木造4階建ての倉庫を含む全ての建物が150本のタンクもろとも水面下に沈み、壊滅しました。

しかし多くの困難の中、たくさんの努力と、さまざまな支援によって、「酔仙酒造」さんは、わずか半年で新しいお酒の醸造を始められました。

そして、昨年から復活した「酔仙酒造」さんの冬の定番商品「雪っこ」が今年も発売されました。

冬期限定の白いお酒「雪っこ」
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今年の雪っこへの思いは、金野社長と製造部の金野泰明氏のインタビューからとても伝わります。

— 今期のお酒造りが始まりましたね。今期にかける想い、ビジョンについてお聞かせください。

金野靖彦社長:去年、この蔵で全てがスタートしたわけですが、きっと酵母も麹も住み着いてくれた、今年もまた来年も、家賃も敷金も礼金もいらないから、いい酵母といい麹に住み込んでいただきたいなと思っています。

— 雪っこの仕込みがつい先日始まりましたが、今年の雪っこはどのような出来になりそうですか。

金野泰明氏:去年一年造って蔵の癖がわかってきたので、ある程度安心して作れるし、落ち着いた気持ちで造れれば、それだけいい雪っこができると思います。お米については、去年と同じようなちょっと溶けにくい、硬い米になる可能性はありますが、すっきりした軽快な酒質になると思っています。

— 今年の雪っこを、どんな人に飲んでいただきたいと思いますか。

金野泰明氏:やっぱりまず、地元の人、気仙の人。それから、千厩時代の雪っこと、去年の雪っこを飲んだ人。新しい二年目の雪っこと比べるつもりで飲んでもらいたいですね。

金野社長:あとは新しい人。飲んだことのない人に、飲んでいただきたいです。

 

雪っこのおいしい飲み方

雪っこ誕生物語
1965年、当時流行の兆しを見せ始めた活性酒。しかし当時の活性酒は、アルコール発酵に必要な米粒も十分に含まれている為、加熱殺菌せずに瓶詰めすると、二次発酵によって炭酸ガスが大量に発生し、栓が飛んだり、噴き出して手が汚れたりと、扱いづらいところがありました。それらの問題を解決しようと挑み、幾多の壁を乗り越え、出来上がったのが「雪っこ」です。
酵母や酵素は生きている生のお酒ですが、醗酵は休止している状態です。これにより、噴出してお客様の手を汚す事はなくなりました。こうして苦労して出来上がった商品ですが、ネーミングがなかなか決りません。ある日、ネーミングをどうしようかと、会議を開いているときです。
なかなかいいアイディアが出てこず皆頭を悩ませていた、その時。外を見てみると、雪がチラホラ、ちらつき始めたのです。「あっ、雪っこ降ってきた!」と誰かが発したこの言葉。この地方では、固有名詞の後に「○○っこ」とつける方言があります。「それが、いいね」という話になり、ネーミングは「雪っこ」に決定しました。こうして生まれた雪っこは、昭和45年の発売以来、長年愛され続けています。

 

ミルク割り、ソーダ割り、甘酒・・・・どれもとっても美味しそうです。ぜひ、酔仙酒造さんの雪っこをお楽しみください!

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