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和食器をめぐる旅レポート 小鹿田焼の里へ行ってきました。(大分)

秋と言えばうつわ。全国各地で焼き物のお祭りが開催されます。
10月末はいよいよ、益子焼の陶器市です。

さて今回は、うつわと生活雑貨の「Threetone(スリートーン)」さんによる
10月10日(土)11日(日)に開催の 小鹿田焼(おんたやき)民陶祭のレポートをお届けします。

小鹿田焼って?

大分県日田市の山あいにある小鹿田地区で作られている「陶器」です。
その特長は、飛び鉋、刷毛目、櫛描きなど道具を使って刻まれた幾何学的紋様

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昭和初期、イギリスの陶芸家 バーナード・リーチが陶芸研究のため滞在していたことから
小鹿田焼は日本のみならず海外にも広く知られるようになりました。

82935247出典:「図録 バーナード・リーチ展」古本スカラベ

小鹿田焼の里、民陶祭2015へ行ってきました。

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福岡博多からレンタカーで大分県日田市へ。
窓の外が、少しずつのどかな風景になっていきます。

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到着。空気はシンと冷たく、時間は静止しているかのような山里。
太陽が照ると緑、花、土など里がパッと色づき、雲に隠れたらそっと静まる。
聞こえるのは、のんびりと陶土をつく唐臼(からうす)の音のみ。

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こちらが「唐臼」。

清流の力を利用して、竿と杵と臼で陶土を砕く機械です。
川の流れにまかせて一定に定まることのないこの音は、
日本の音風景100選のひとつに選ばれています。

裏側にまわって近づいてみると、その迫力をより感じることができます。

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年に一度のお祭りということで、窯元が並ぶ通りはとても賑やか。

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10軒ほど並ぶ窯から窯へと、ゆっくり渡り歩きます。

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坂本義孝窯、坂本正美窯、黒木隆窯、黒木史人窯、
黒木富雄窯、柳瀬晴夫窯、柳瀬朝夫窯、坂本工窯、坂本一雄窯、小袋定雄窯。

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「黒木」「柳瀬」「坂本」
この3家は、約300年前にこの里を開窯したとされる家系。
ひとつだけ異なる姓の「小袋」も、元は黒木家からの分家なのだそうです。

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ひとつひとつ窯元の作家性が濃く、同じ姓の窯でも異なる印象の器を作っていることに驚きました。
手に持ったときの重さや、厚み、模様、受ける印象がまったく違います。

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こちらは里の中央部にある大きな登り窯。
5つの窯元で使用している共同窯です。

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庭先には手作業で生地を精製する作業場と、天日干しの途中の陶土が並んでいました。
細かく精製された見た目にもその滑らかが伝わります。
ピンク色に咲くコスモスが、とても華やかに映りました。

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300年余り前の築窯当時の技法を、一子相伝で継承してきた「小鹿田焼」。
10窯で共同のブランドを掲げたり、器の裏に作家の名前を刻むことや
個人の個展をひらくこともなく、それぞれの窯で、
しずかに小鹿田焼の器を作りつづけてきたと聞きます。

この小さな里で手を取り合い磨かれてきた造形の深さに、あらためて感服しました。

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小鹿田へのアクセスはこちら

【電車】JR日田駅から車で30分
【自動車】日田インターから車で25分


詳しい情報は、日田市の観光情報をご覧ください。

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