嘘をつかないパンと商売が、うちのモットー。画面越しでも、おいしさを真っすぐ届けたい。

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40歳目前、パン作りと共に新しい人生をスタート

ー 三井製パン舗さんは、どんなお店ですか?

うちは、東京下町・神田明神で営む小さなパン屋です。オーガニックの玄麦を店内で自家製粉し、有機天然酵母をつかって想いを込めたパンを作っています。

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ー お店を始めてどれくらいになりますか。

2011年の7月にオープンしたので、3年前になります。ネットショップは2012年にはじめました。

ー どんな経緯でパン屋を始めたのですか?

実は、最初からパンの仕事をしていた訳ではないんです。20代〜30代は、輸入車の販売会社でサービス販売や非鉄金属の商社で働いていました。途中、働きながら大学に通ったり、建築デザインなどの現場仕事も学んだりもしてました。
ただ、40歳を前にして「残りの人生は思うとおりに生きたい!」と強く思うようになったんです。暴飲暴食・不摂生なサラリーマンは、もう嫌だ!と(笑)。とうとう家族を説得して、一念発起しました。以前から興味のあったパン作りを学ぶため、マクロビオティックを厳格に取りれたパン屋「アコルト」で3年ほど修行し、今に至ります。

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ー すごい!お店と一緒に、新しい人生を踏み出したんですね。

はい、そうなんです!これまでいろいろ経験してきたからこそ「嘘をつかない商売」を、三井製パンの経営モットーに掲げて、試行錯誤しているところです。

ー 1日のお仕事の流れは、どんなかんじですか。

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パン屋の朝は早いです。午前3時に起きて、生地の確認をしたら、ネットショップのメールチェックなどをします。そこからはずっと調理場でパンを焼きます。お昼を過ぎると、もう翌日分の仕込みの準備になりますね。19時が閉店なのですが、そのあとに再度ネットショップの受注確認をします。寝るのは22時〜23時になってしまいます…。

ー 朝早いのに、夜も遅いんですね…!

そうなんです。パン職人は、朝早くから夜遅くまで、1日中パンのことを考えます。こうやって窯からパンを出し入れするのは、けっこう体力も使います。それでも、サラリーマンのときには感じられなかったやりがいと楽しさがあるので、毎日が楽しいです。 _C1A1405_atari

嘘のないおいしさを伝える ビジュアルとコンテンツ

ー ネットショップは、最初からやるつもりだったのですか?

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はい。実店舗と併用することを、最初から計画していました。というのも、うちのお店は、メイン通りから少し入った小道にあるので、たくさんのお客さんに来てもらうのは難しいんです。三井製パンは、車での配達もやっているのですが、ネットショップもそれと同じように、少しでもたくさんの人にパンを届けるための手段として、活用させてもらってます。

ー なるほど。ネットショップはどのようにして作りましたか。

いろいろ要望を伝えたうえで、デザインはWeb制作会社におねがいしてホームページと一緒に作ってもらいました。作ってもらった後は、うちの社員でデザイン1人・運営1人の合計2人体制でまわしています。

ー デザインでこだったところはありますか。

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写真を使っておいしさをできるだけアピールしたくて、パンの写真を大々的に使ってもらいました。それから、懐かしさや下町ならではの「江戸っぽさ」を大切にしたかったので、要所要所に和風のイラストやモチーフをちりばめています。

ー 三井製パンさんのトップページは、においまで伝わってきそうです。

ありがとうございます。画面越しではありますが、少しでも、丹誠込めて作ったパンの「おいしさ」を伝えられるようにコンテンツ表現を工夫しているんです。 TOPページ以外にも、たとえば「パンの食べ方」というコーナーでは、パンの種類に合った食べ方をイラストで紹介したり「パンづくりのこころ」という動画では、製粉作業の様子などネットショップで伝わりづらい「パン作りの過程」をお伝えしています。

SNSを活用したお客さんとのコミュニケーション

ー 他にも工夫されていることなど、ありますか?

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SNSを使って毎日情報発信しています。一番頻度を高く活用しているのはTwitterです。ほとんど毎日更新しています。実店舗ではランチをやっているので、サンドウィッチ、フォカッチャ等メニューの情報発信をしてます。毎週金曜日だけ出す本格インドカレーランチの情報も人気です。

ー カレー!パン屋さんなのに、変わってますね。

実は、わたしの奥さんがヨガ教室をやっていて、インド料理に詳しいんです。彼女に週1回だけカレーを作ってもらい、お客さんに提供しています。これがなかなか大好評で、ランチ情報をTwitterで見て、気になって実店舗に来てくださる方もいるんです。

ー Twitter以外のSNSも使っているんですか?

そうですね。その他にはFacebook,Tumblrブログを活用しています。Twitterが商品情報をお届けするのに対して、Facebookなどではイベント情報やスタッフの日常をお届けするようにしています。Tumblrは、商品写真を掲載したりニュースをたまに流す程度です。

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ー お客さんとのコミュニケーションをたくさん工夫されていますね。キャンペーンなどはされているのですか。

いえ、特集やキャンペーンなどはしていません。ただ、クリスマスやバレンタイン、お中元、お歳暮などシーズンイベントに応じた商品は展開しているので、今後もネットショップでも上手く展開していきたいですね。

パンもお店も、誠意を持って育てていきたい

ー ネットショップをされていてうれしいことはなんですか。

東京だけでなく全国各地からご注文がくるのがうれしいです。SNSなどで発信している情報が、ちゃんと届いているんだなあと実感できます。

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ー カラーミーショップについてはどうですか?

かゆいところに手が届くので、とても助かっています。メール機能などでお客さんに対して、細かいフォローができますね。機能がたくさんあるので、運用する側がきちんと使いこなさないと宝の持ち腐れになってしまいそうです(笑)。

ー 今後ネットショップをどんなふうに育てていきたいですか?

ネットショップのファンになってもらえるのもうれしいのですが、やっぱりいずれは来店してもらいたいという気持ちもあります。そのために、画面越しでもわたしたちがやっているパン作りを身近に感じてもらえるよう、さまざまな切り口で「本当のこと」をお伝えすることに力を入れています。 _C1A1380_atari

ー 目標や展望を教えてください。

新しいけど、懐かしい。心までほっとするパンと昔のパン屋さんのような毎日通ってもらえる親しみやすいお店を目指しています。ネットショップも同じです。嘘をついたり大きく見せようとするのではなく、日々の様子が正しくきちんと伝わるよう、誠意をもってお店を育てて行きたいです。

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